SEOサービス契約書とは?
SEOサービス契約書とは、企業や個人事業主がSEO対策を外部に委託する際に、業務範囲・成果物・責任範囲・費用・免責事項などを明確化するための契約書です。SEO対策は、検索エンジンのアルゴリズム変更、競合環境、外部要因の影響を強く受けるため、「成果が保証されない業務」である点が大きな特徴となります。
そのため、
- どこまでがSEO事業者の業務か
- 何が成果物として納品されるか
- どこまで責任を負うのか
- 順位や売上が上がらなかった場合の対応
といった内容を、契約書であらかじめ明確にしておくことが不可欠です。
SEOは「期待値のズレ」が原因でトラブルが起きやすく、特に以下のような誤解が発生しやすい分野です。
- 「順位を上げてくれるはず」
- 「外部リンクをつければすぐ改善するはず」
- 「毎月改善レポートを送ってくれると思っていた」
- 「記事の制作費も月額に含まれていると思った」
こうした認識の違いを防ぎ、双方の責任を明確にすることが、SEOサービス契約書の最大の目的です。
SEOサービス契約書が必要となるケース
SEO業務は幅広く、外注の形態も多様です。そのため、以下のようなケースでは契約書を結ぶことが強く推奨されます。
- SEO会社へサイト全体の改善を委託する場合 →内部対策・外部対策・技術改善など、業務範囲を明確にする必要があります。
- コンテンツSEOを外注する場合 →記事制作・編集・構成・リサーチの範囲を定義し、著作権の扱いを明確化します。
- 月額のSEOコンサルティングを依頼する場合 →成果物(レポートの頻度・内容)を明確にしないとトラブルになります。
- SEOの一部業務だけを外注する場合(例:キーワード調査のみ) →納品物をどう扱うか、再利用の範囲を決めておくと安全です。
- 事業会社が自社のWeb担当者向けに外部アドバイザーを契約する場合 →情報共有範囲・秘密保持・契約期間が特に重要になります。
SEOサービス契約書に盛り込むべき主な条項
SEO特有のリスクを踏まえると、以下の条項が特に重要です。
- 目的(業務の目的を明確にする)
- サービス内容(内部対策・外部対策などの範囲を明確に)
- 成果物の定義(レポート、キーワード案、改善案など)
- 役務提供の方法(順位保証しない旨の記載)
- 委託料・支払条件
- 再委託の可否
- 秘密保持
- 知的財産権(成果物の著作権の扱い)
- 免責事項(SEO特有の変動への対応)
- 損害賠償(責任上限の設定)
- 契約期間・更新条件
- 解除条項(重大違反時の措置)
- 反社会的勢力排除
- 不可抗力
- 準拠法・管轄裁判所
条項ごとの解説と実務ポイント
1. 目的条項
目的条項は、本契約が何のために結ばれるのかを明確にする役割を担います。
例:「甲のウェブサイトの検索エンジン最適化の実施および改善を目的とする」
目的を曖昧にすると、後から業務範囲が拡大したり、「ここまでやってくれると思っていた」というトラブルに発展しやすいため、明確に書く必要があります。
2. 本サービスの内容(業務範囲)
SEO業務は非常に幅広いため、できる限り具体化すると効果的です。
- 内部施策(タグ最適化、構造整理、内部リンク等)
- 外部要因分析
- キーワード調査
- コンテンツ企画・方針策定
- レポート提出(頻度の明記)
「どこまでが月額内なのか」を定義することで、追加費用のトラブル防止につながります。
3. 成果物の扱い
SEOにおける成果物とは、レポート・改善案・キーワードリストなどの資料が中心で、一般的には「著作権はSEO会社に帰属」とされます。
- ノウハウの保護
- 再利用可能性の確保
- 成果物の独自性保持
ただし、依頼側(甲)が著作権譲渡を希望する場合は、追加費用が発生することが一般的です。
4. 提供方法(順位保証をしない旨)
SEO契約書でもっとも重要といえる部分です。
- 検索順位の保証は行わない
- アクセス数の増加保証もしない
- 売上・CPA改善も保証対象外
- アルゴリズム変更の影響は免責
これを明記することで、結果に対する過剰な期待を防ぎ、トラブル回避につながります。
5. 委託料・支払条件
SEOサービスは月額費用が一般的です。
- 月額●円
- 毎月末締め翌月末払い
- 遅延損害金の設定
明確化することで、支払い遅延や認識相違を防ぎます。
6. 再委託の可否
SEO会社は外部ライターや技術者と連携することがよくあります。
- 再委託を認めるかどうか
- 再委託先にも同等の秘密保持義務を課す
- 最終責任は委託側(乙)が負う
実務では、再委託は必要不可欠であるため、認める条文を置くことが多いです。
7. 秘密保持
SEO業務では、売上情報・アクセス解析・キーワード戦略など機密性の高い情報を扱います。
- 秘密情報の範囲を定義
- 第三者への開示禁止
- 契約終了後も継続する義務(●年)
守秘義務が徹底されていることは、双方にとって安全です。
8. 知的財産権
成果物の著作権を誰に帰属させるかは重要です。
- ID/資料/戦略の著作権は通常「乙」に帰属
- 甲は自社目的で利用するライセンスを得る
- 第三者への再配布は禁止
事前に明確にしておくことがトラブル防止になります。
9. 免責事項(SEO特有)
SEOの本質を踏まえると、以下は必ず免責に含めるべき内容です。
- アルゴリズム変更による順位変動
- 競合サイトの影響
- 外部リンクスパムによる評価変動
- システム障害・サーバートラブル
- 施策を実行しなかった場合の影響
自然要因の変動について責任を負わない旨の記載は必須です。
10. 損害賠償
責任上限を設けておくことは実務上非常に重要です。
- 損害賠償額は「過去3ヶ月分の委託料」を上限とする
- 間接損害・逸失利益は免責
- 通常損害のみ賠償対象
これにより過大なリスクを避け、適正な業務遂行が可能となります。
SEOサービス契約書を作成・締結する際の注意点
- 成果保証は絶対に記載しない(違法になる可能性もある)
- 業務範囲を”箇条書きで”明確にする
- 著作権の扱いは事前に調整する
- 解約条件は必ず書く(30日前通知など)
- 競合クライアントの扱いも事前に説明する
- レポート頻度を明確化する
- 情報共有範囲を明確にしてトラブルを防ぐ
まとめ
SEOサービス契約書は、SEO外注に伴う認識のズレを防ぎ、双方の責任・業務範囲・成果物を明確にするための重要な契約書です。SEOは成果が読みにくい特性上、契約書を適切に整備することで、トラブル防止・業務の透明化・長期的な成果の向上に直結します。
適切な契約書を整備することは、企業とSEO会社の双方にとって大きなメリットがあります。外注を行う場合は、必ず事前に契約内容を確認し、自社に合った形でカスタマイズすることが重要です。