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ソフトウェア保守契約書

ソフトウェア保守契約書は、納品済みシステムの障害対応・不具合修正・技術支援などの保守サービスを提供する際の条件を定めた契約です。運用トラブルの防止、責任範囲の明確化、追加開発との切り分けを目的とし、システム運用を安定させます。

契約書名
ソフトウェア保守契約書
バージョン / ファイル
1.00 / Word
作成日 / 更新日
特徴
納品後の不具合対応や保守範囲を明確化し、追加開発との線引きを示す。
利用シーン
自社開発システムの保守運用を外部企業に委託するとき/納品したシステムの保守契約を締結するITベンダー側のケース
メリット
責任範囲が明確になり、運用トラブルや追加費用をめぐる争いを防げる。
ダウンロード数
19件

無料ダウンロードについて
「ソフトウェア保守契約書」の本ひな形の利用にあたっては、必ず 契約書ひな形ダウンロード利用規約 をご確認ください。無料ダウンロードされた時点で、規約に同意いただいたものとさせていただきます。

ソフトウェア保守契約書とは?

ソフトウェア保守契約書とは、システムやアプリケーションの納品後に提供される「保守サービス」の範囲や費用、対応時間、責任範囲を明確に定めるための契約書です。企業のITシステムは納品後も運用を続ける限り、不具合、環境変更、操作に関する相談などが必ず発生します。そのため、保守契約を結ばずに運用していると、トラブル対応の範囲や料金が曖昧になり、開発会社・利用企業の双方に混乱を招くことになります。
ソフトウェア保守契約書は、こうした運用段階のリスクを減らし、両者の責任と作業範囲を明確にすることで、システムを安定して利用できるようにする重要な文書です。

ソフトウェア保守契約が必要となるケース

ソフトウェアの運用は「作って終わり」ではありません。企業の業務環境は継続的に変化し、それにより思わぬ障害が発生することがあります。以下のようなケースでは、保守契約が特に重要となります。

  • 納品したシステムに不具合やエラーが発生した場合
  • OSやミドルウェア、クラウド環境がアップデートされた場合
  • 操作方法に関する問い合わせが継続的に発生する場合
  • システムを長期利用するために安定稼働が必要な場合
  • 不具合対応の費用や範囲を明確にしておきたい場合
  • 追加機能を依頼したいが、保守範囲との切り分けが必要な場合

特に、昨今はクラウドサービスや外部APIとの連携が一般化しているため、外部環境の変更により突然不具合が起こるケースが増えています。こうした「予期せぬ変化」から自社システムを守る上でも、保守契約は不可欠といえます。

ソフトウェア保守契約書に盛り込むべき主な条項

ソフトウェア保守契約書では、最低限、以下の条項を網羅する必要があります。これらを整備しておくことで、開発会社側(ベンダー)とシステム利用企業側(ユーザー企業)の双方が予測可能な範囲で運用を行うことができ、トラブルを未然に防ぐことができます。

  • 目的・定義
  • 保守サービスの範囲
  • 障害対応の優先度と対応方針
  • 保守料金と支払条件
  • 保守対応時間
  • 変更管理(環境変更時の扱い)
  • 再委託
  • 知的財産権
  • 秘密保持
  • 免責事項
  • 契約期間と更新
  • 契約解除条件
  • 損害賠償
  • 協議条項・準拠法・裁判管轄

以下、それぞれの条項について詳しく解説します。

条項ごとの詳細解説

1. 保守サービスの範囲(最重要)

保守サービスは、契約の核となる要素です。ここが曖昧だと、 「これは保守に含まれるのか?」 「有償か無償か?」 といった争いが必ず生じます。一般的に保守サービスに含まれるのは、次のような作業です。

  • システム障害の原因調査
  • 軽微な不具合修正
  • 操作方法・設定方法の問い合わせ対応
  • OSやブラウザの軽微なアップデートへの対応
  • 稼働状況の確認

一方、以下は「追加開発」と扱われるべき範囲です。

  • 新機能の追加
  • 画面・帳票の追加
  • 既存機能の仕様変更
  • 外部との新規API連携
  • 大規模リニューアルや構造変更

両者を明確に切り分け、保守の範囲に含める・含めないを明文化することが極めて重要です。

2. 障害対応の優先度(重大・中度・軽微)

障害は発生頻度も影響範囲もさまざまです。そこで、以下のように優先度を定めておく必要があります。

  • 重大障害:システム停止など業務が完全に止まる
  • 中度障害:基幹機能が部分的に利用困難
  • 軽微障害:致命的ではないが修正が必要

こうした区分を設けることで、ユーザーは「いつ対応されるのか」、ベンダーは「どの順で対応すべきか」が明確になります。

3. 保守料金と支払方法

保守料金は、月額固定・年額固定・チケット制など複数のモデルがあります。

  • 月額固定型:毎月一定額で保守サービスを提供
  • 年額契約型:年間契約で割安に提供するケースが多い
  • チケット制型:問い合わせ件数や作業時間をチケットで管理

どの方式であれ、料金に何が含まれるかを明記しておかなければ、追加費用をめぐるトラブルが生じやすくなります。

4. 保守対応時間

保守対応時間は、特に重要です。

  • 平日のみ対応なのか
  • 土日祝や夜間は有償か
  • SLA(サービスレベル)を設定するのか

例えば、24時間365日対応を期待しているユーザーと、平日9〜18時のみ対応可能なベンダーとでは、当然認識に乖離が生まれます。対応時間は必ず明示しましょう。

5. 変更管理(環境変更の扱い)

多くの障害は、以下のような「環境変更」をきっかけに起こります。

  • WindowsやmacOSなどOSのメジャーアップデート
  • クラウドサービスの仕様変更
  • ブラウザのセキュリティアップデート
  • サーバ環境の変更

これらはベンダーがコントロールできる範囲外のため、保守対象外とするか、有償対応とすることが一般的です。

6. 知的財産権の帰属

ソフトウェアの著作権は、原則として開発したベンダーに帰属します。ただし、契約で「著作権譲渡型」にする場合もあるため、次の点が重要です。

  • ソースコードの権利が誰にあるか
  • 修正プログラムは誰に帰属するか
  • ユーザーが再利用できる範囲はどこまでか

特に、保守契約では「修正プログラムの帰属」が曖昧になりがちなので、明記する必要があります。

7. 秘密保持

保守中にはログ、データ、個人情報など非常に機微な情報に触れるため、秘密保持条項は必須です。他契約と同様、契約終了後も継続して義務を負わせます。

8. 免責事項

ベンダー側が過剰な責任を負わないために必要な条項です。

  • ユーザー環境の変更による不具合
  • 天災・事故・外部サービス障害
  • ユーザーの操作ミスやデータ消失
  • 間接損害・逸失利益の免責

これらは開発会社がコントロールできない領域であり、免責として整理することが実務リスクを減らす鍵になります。

9. 契約期間と更新、解除条件

保守契約は「自動更新」が一般的です。そのため次を明確にします。

  • 契約期間(通常1年)
  • 更新しない場合の通知期限
  • 解除できる条件(重大な契約違反、支払遅延など)

トラブル時の冷静な対処を可能にするためにも、解除条件は一定の明確性が必要です。

10. 損害賠償

損害賠償では、以下のようなポイントが重要です。

  • 通常損害のみ賠償対象とする
  • 上限額を設定するかどうか
  • 弁護士費用は含むか

特にシステムトラブルでは「損害額が巨額化しやすい」ため、無制限に責任を負う契約は避けるべきです。

ソフトウェア保守契約書を作成する際の注意点

ソフトウェア保守契約書を作成する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 保守範囲と追加開発の線引きを必ず明文化する
  • 対応時間・料金・SLAなど実務的条件を明確にする
  • OSや外部サービス変更による障害の扱いを定義する
  • 問い合わせ回数の制限を設定する場合は明記する
  • 利用企業側にも協力義務(ログ提出等)を課す
  • 秘密保持や知財に関する条項はNDAと整合させる
  • 無制限の賠償責任を負わないように注意する

特に、保守は実務負担が大きく、ベンダー側の作業が一定期間に集中しやすいため「問い合わせの上限」「チケット制」などを採用するケースが増えています。

まとめ

ソフトウェア保守契約書は、納品後のシステム運用を安定させるための極めて重要な契約書です。不具合対応・環境変更・問い合わせ対応など、運用段階のトラブルは避けられないため、事前に保守サービスの範囲と条件、責任の所在を明確にしておくことで、開発会社・利用企業双方のリスクを大きく減らすことができます。
とくに、現代のシステムはクラウド環境や外部サービスの影響を大きく受けるため、保守契約がない状態での運用は大きなリスクを伴います。保守契約を適切に整備し、システムの長期安定稼働を実現していくことが、企業の継続的な業務運用に直結します。

本ページに掲載するWebサイト制作契約書のひな形および解説は、一般的な参考情報として提供するものであり、特定の取引・案件への法的助言を目的とするものではありません。実際の契約締結に際しては、専門家(弁護士等)への確認を強く推奨いたします。

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