店舗営業委託契約書とは?
店舗営業委託契約書とは、店舗オーナー(委託者)が店舗の運営を第三者(受託者)に任せる際に、その業務範囲・報酬条件・設備の管理・売上精算ルールなどを明確に定める契約書です。
飲食店・美容室・小売店など、店舗運営には人材管理・売上管理・接客・設備管理など多くの業務が含まれます。オーナー自身が運営できない場合、外部の運営代行会社や個人事業者に委託することがありますが、契約内容が曖昧だと以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
● 売上金の不正利用
● 無断休業・無断欠勤
● 勝手な値引き・価格変更
● 仕入れや在庫管理の不備
● 従業員トラブル
● 店舗設備の故障や破損
● ブランド価値の低下
● 契約解除時の揉め事
こうしたリスクを防ぐために、業務範囲と権限を明確化した“営業委託契約書”が必要になります。
店舗営業委託契約書が必要となるケース
店舗営業委託契約書は、次のような場面で利用されます。
- 飲食店の運営を外部の代行会社に任せる場合
- 美容室・サロンを個人事業者に運営委託する場合
- オーナーが多店舗展開しており、各店を運営者に任せたい場合
- 地方にある店舗を管理できないため現地業者に委託する場合
- フランチャイズに近い形で店舗運営を委任したい場合
- 事業承継までの暫定運営として委託する場合
委託者と受託者が別人格である以上、「どこまで委託し、どこは委託しないか」を明確にするのが契約書の役割です。
店舗営業委託契約書に盛り込むべき主な条項
1. 目的条項
店舗運営を受託者に委託する目的を明記し、契約全体の枠組みを示します。
2. 業務委託の範囲
最も重要な条項で、受託者が行う業務を具体的に列挙します。
代表例:
・販売・接客・店舗管理
・在庫管理・棚卸
・店舗スタッフの採用・教育
・クレーム対応
・売上金管理
・清掃・簡易メンテナンス
また「業務範囲を超える行為(勝手な内装工事・値引きなど)は禁止」と明記することでトラブルを防げます。
3. 委託者(オーナー)の役割
受託者に任せられない部分(店舗設備の保守、仕入れの最終決定、価格設定など)を明記します。
業種によっては、
・販促計画の決定権
・メニュー開発の決定権
など、オーナー側が保持すべき権限を定めます。
4. 独立性(雇用関係の否定)
受託者は“独立した事業者”であり、 オーナーの従業員でも代理人でもないことを明記します。 これにより、労働法的な誤解や“偽装請負”リスクを回避できます。
5. 営業委託料・収益分配
委託料の計算方法(売上◯%、固定額、インセンティブなど)を明確にします。 さらに、 ・売上金の集計方法 ・精算日 ・明細提示義務 を定めることで不正を防止できます。
6. 店舗設備の管理
店舗設備・什器の所有権はオーナーにあり、受託者は善管注意義務を負う旨を記載します。
例:
・設備を故意に破損した場合は賠償
・通常損耗はオーナー負担
など。
7. 従業員の雇用管理
受託者がスタッフを雇用する場合、 雇用・給与・社会保険などの責任は受託者にあることを明記します。
本部と従業員の間で「誰が雇用主か」が曖昧になると深刻な労務トラブルにつながるため、必須の条項です。
8. 売上管理と検査権限
売上金の管理ルールを定め、委託者が帳簿・レジデータ・POSデータを確認できる権限を有することを明記します。 これにより、売上金の不正利用を防止します。
9. 禁止事項
ブランド毀損や業務妨害につながる行為を禁止します。
代表例:
・無断休業
・仕入れ先の無断変更
・勝手な値下げ・割引
・店舗設備の無断改造
・競合店との利益相反行為
・情報漏洩
禁止事項が多いほど、契約書の保護が強固になります。
10. 秘密保持
販促情報・顧客データ・店舗情報などの漏洩を禁止します。 契約終了後も存続します。
11. 契約期間・更新
通常1年契約で自動更新にするケースが多いです。
12. 契約解除
重大な契約違反時に即時解除できる条件を明記します。
代表例:
・売上金の不正処理
・重大なクレーム
・無断休業
・労務違反
・反社会的勢力との関係
13. 契約終了後の処理
鍵・備品・資料の返還、未精算金の処理などを記載します。
店舗営業委託契約書を作成する際の注意点
- 業務範囲を詳細に書く
あいまいにすると「言った言わない」のトラブルになります。 - 雇用契約との混同防止が重要
受託者が実質「従業員」扱いにならないよう、独立性を明記します。 - 値引き・キャンペーンの裁量を制限する
店舗ブランドの統一性を守るため、重要なポイントです。 - レジデータの閲覧権限は必須
売上不正を防止する実務的な条項です。 - 反社条項や損害賠償の範囲を明確化
店舗運営のためのリスク管理に有効です。
電子契約で締結するメリット
店舗営業委託契約は、複数店舗運営や遠方店舗にも関連するため、紙契約だと管理が煩雑になりがちです。mysignを利用することで、次のような効果があります。
- 印紙税不要でコスト削減
- 遠隔の受託者とも即時に契約締結できる
- 売上データ・契約書を安全に一元管理できる
- 署名漏れや書類紛失を防止
- 更新・終了時期の管理が容易
店舗ビジネスでは人の入れ替わりが多いことから、電子契約で契約書管理をシステム化するメリットは非常に大きいといえます。
まとめ
店舗営業委託契約書は、店舗運営を外部に依頼する際の業務範囲・報酬・禁止事項・従業員管理・設備管理などを明確化する重要な契約書です。
特に店舗運営は人材・売上・設備が絡むため、契約書の曖昧さが直接トラブルにつながります。mysignを活用すれば、契約締結から管理・更新までを安全かつ効率的に行うことができ、オーナーの負担軽減にもつながります。