SNSキャンペーン参加者情報取扱覚書とは?
SNSキャンペーン参加者情報取扱覚書とは、SNS上で実施するプレゼント企画・フォロー&リツイートキャンペーン・UGC投稿募集などの際に取得する「応募者・当選者情報」の取扱いを定める文書です。
キャンペーンは複数企業が協働して行うケースも多く、取得したデータをどのように管理・共有するかを明文化しておかないと、情報漏えいや利用目的の逸脱といったリスクが生じます。
この覚書は、主に以下の目的で締結されます。
- SNSキャンペーンにおいて取得される参加者情報の範囲を明確化する
- 個人情報の利用目的を限定し、共同利用の条件を定める
- 委託先や協力会社への再提供・再委託の制限を設ける
- データ管理・削除のルール、事故時の報告体制を明記する
特に、企業間での「共同キャンペーン」や「広告代理店との運営委託契約」においては、本覚書を結んでおくことで、個人情報保護法違反やトラブルを未然に防止できます。
SNSキャンペーンでこの覚書が必要となるケース
SNSキャンペーンにおける個人情報の取り扱いは、単なる応募フォームの運用に留まらず、複数の業務プロセスで関係者が関与します。以下のような場面では、覚書の締結が特に重要です。
- 共同開催キャンペーン:複数のブランド・企業が共同でSNSキャンペーンを行い、応募データを共有する場合
- 代理店委託型キャンペーン:広告代理店・制作会社などがキャンペーンを運営代行し、応募者情報を一時的に管理する場合
- 景品発送・当選通知業務の外部委託:賞品の発送や問い合わせ対応を委託する場合
- UGCキャンペーン:ユーザーの投稿データを収集し、マーケティング分析や再利用を行う場合
これらのケースでは、参加者情報の「取得目的・保存期間・削除方法」などを事前に定めておくことが、トラブル回避と法令遵守の観点から欠かせません。
SNSキャンペーン参加者情報取扱覚書に盛り込むべき主な条項
SNSキャンペーンで個人情報を扱う際、最低限盛り込むべき主要条項は次のとおりです。
- 目的条項:覚書締結の趣旨と、参加者情報の取扱目的を明確化
- 定義条項:参加者情報・個人情報・取扱いの範囲を定義
- 利用目的の限定:利用範囲を明確にして目的外利用を防止
- 管理体制・安全管理措置:情報漏えい・滅失・改ざん防止策を規定
- 第三者提供の制限:委託・再委託を含めた提供制限を明記
- 保存期間と削除:保存期間経過後の返還・廃棄の義務を定める
- 事故発生時の報告義務:漏えい等が発生した際の通報・再発防止対応を規定
- 損害賠償条項:違反時の責任・補償範囲を定める
- 準拠法・管轄:法的根拠と裁判所の合意管轄を定める
これらの条項を明文化しておくことで、企業間の責任範囲が明確になり、運営委託・共同実施などの協力関係が円滑になります。
条項ごとの解説と注意点
目的条項
SNSキャンペーンでの個人情報取扱いは、収集目的を限定しておくことが基本です。目的条項では、「キャンペーンの応募受付・当選通知・賞品発送・問い合わせ対応」など、具体的な利用目的を明記し、他目的での利用を禁止する文言を入れると効果的です。
定義条項
「参加者情報」には、応募フォームで得る住所・氏名・メールアドレスのほか、SNSアカウント名や投稿データも含まれる場合があります。これらを明確に定義しておくことで、どの情報が保護対象になるかを明確化できます。
利用目的・第三者提供
キャンペーン情報を委託先が扱う場合、必ず「委託先に対する監督義務」や「再委託の制限」を設けておくことが重要です。委託先がさらに別の業者へ再委託する場合には、事前の書面承諾を条件にするなどの条文を設けると実務的です。
管理体制
SNSキャンペーンでは、Webフォームやクラウドツールを通じて応募データを収集することが一般的です。そのため、「安全管理措置」として、アクセス権限管理・通信の暗号化・外部ストレージ利用制限など、システム的な対策も明記しておくと信頼性が高まります。
保存期間・削除方法
個人情報の保存期間は「目的達成後速やかに削除または返還」と定めるのが基本です。実務では、キャンペーン終了後1〜3か月程度でデータ削除を行い、削除完了報告を相手方に提出する形式が一般的です。
秘密保持義務・事故報告
キャンペーン運営中に個人情報の漏えいが発生した場合、速やかな報告と是正措置が求められます。覚書には「事故発生時の報告義務」「原因究明と再発防止措置の実施」などを具体的に定めておく必要があります。
契約書を作成・利用する際の注意点
- 共同利用の範囲を明確に:共同開催企業間でデータを共有する場合、それぞれが個人情報取扱事業者としての責任を負うことを認識し、利用目的を統一しておく。
- 同意取得の方法を明確に:応募フォームやDMで個人情報を取得する際には、「利用目的」「提供先」「保管期間」を明示した上で、同意チェックを設ける。
- 再委託リスクの管理:下請け・外部業者が関わる場合は、委託契約書または別途覚書で同等の管理義務を課す。
- 削除報告の証跡を残す:削除や返還を行った場合、報告書・スクリーンショット等を保存して証跡化しておくと監査対応が容易になる。
- 事故発生時の体制整備:漏えいが発生した際の連絡経路・責任者・外部通知手順を明確にし、緊急時対応マニュアルを用意する。
SNSキャンペーンは消費者との接点が多いため、データ取扱いに関する信頼性が企業ブランドにも直結します。覚書を取り交わすことで、業務委託や共同運営の関係が整理され、双方の責任範囲が明確になります。