SNS投稿画像制作契約書とは?
SNS投稿画像制作契約書とは、企業(依頼主)がデザイナーや制作会社(受託者)に対して、Instagram・X(旧Twitter)・TikTok・FacebookなどのSNSに投稿する画像制作を依頼する際に取り交わす契約書です。SNS用画像の制作は、広告・ブランディング・キャンペーンなど、幅広い目的で発注されますが、「著作権の帰属」や「二次利用の可否」「修正範囲」を口頭のやり取りで済ませてしまうケースが少なくありません。
しかし、依頼主が投稿後に画像を再利用したり、改変して別の媒体に使ったりする際、制作者との認識が異なると法的リスクが生じるおそれがあります。そのため、SNS投稿画像制作契約書では、業務範囲・報酬・納品物の権利関係・守秘義務などを明確にしておくことが非常に重要です。
SNS投稿画像制作契約書が必要となるケース
SNS関連の制作業務は、フリーランスデザイナーや制作会社への発注が多く、契約書を交わさずに進行してしまうケースも見られます。しかし、以下のような場合には必ず契約書を締結しておくべきです。
- ブランド公式アカウントでキャンペーン用画像を制作する場合
- PR投稿・広告用クリエイティブを外注する場合
- 複数回の継続的な画像制作を委託する場合
- 投稿画像にモデル写真や第三者素材を含む場合
- 広告代理店やSNS運用代行業者を経由して制作する場合
SNS画像制作は一見シンプルに見えても、著作権・肖像権・商標権などの法的要素が絡むため、事後トラブルの予防策として契約書を交わしておくことが実務上不可欠です。
SNS投稿画像制作契約書に盛り込むべき主な条項
SNS投稿画像制作契約書において特に重要な条項は、以下のとおりです。
- 契約の目的(何のための画像制作か)
- 業務内容・仕様・納品形式
- 報酬と支払条件
- 著作権の帰属および人格権の不行使
- 修正対応・納品スケジュール
- 再委託の可否
- 守秘義務
- 利用・改変の範囲
- 契約期間・解除条件
- 損害賠償・裁判管轄
これらを網羅しておくことで、契約書としての法的安定性が確保されます。
条項ごとの解説と注意点
契約目的・業務内容の明示
SNS投稿画像制作では、発注内容の曖昧さが後々のトラブルにつながります。たとえば「デザイン3点」とだけ記載すると、サイズやプラットフォーム、修正回数などの認識にズレが生じます。
契約書には、制作する画像の点数・サイズ(例:1080×1080pxなど)・納品形式(JPEG/PNGなど)・用途(Instagram投稿用、広告用など)を具体的に明記することが重要です。さらに、甲(依頼主)の指示に従い、ブランディング方針や広告規制(景品表示法など)を遵守して制作する旨を条文化しておくと安心です。
報酬と支払い条件
SNS制作は少額案件も多く、報酬の支払い遅延や支払いトラブルが発生することがあります。契約書では、報酬金額・支払期限・支払方法(銀行振込など)・振込手数料の負担者を明記しましょう。
また、修正対応が何回まで無料か、大幅な仕様変更時に追加料金が発生するかも明確にしておくことで、不要な交渉を防げます。
著作権の帰属とライセンス
SNS投稿画像の最大の争点は著作権です。原則として、クリエイター(乙)が制作した時点で著作権は乙に帰属します。
しかし、企業が継続的に画像を利用・加工・広告出稿に転用する場合、乙から甲への著作権移転を明確に規定する必要があります。契約書では、納品と同時に著作権が甲に移転すること、乙が著作者人格権を行使しないことを定めておくと安全です。
また、使用するフォント・写真素材・テンプレートなどは、商用利用可能なライセンスを有するものに限定する旨も明記すべきです。
修正対応と納品方法
SNS運用では、クライアントの要望変更やトーン調整が頻発します。契約書で修正対応範囲を「軽微な修正は1〜2回まで無償」などと明記しておくと、双方の負担を抑えられます。
また、納品形式(データファイル、クラウド納品、メール添付など)と検収期限を設定しておくと、受領トラブルを防げます。
守秘義務・再委託禁止
SNS投稿画像には、未公開のキャンペーン情報や社内ブランドガイドラインが含まれることがあります。乙には、これらを第三者に漏らさない義務(守秘義務)を課し、契約終了後も存続させます。
また、乙が別のデザイナーに再委託する場合は、必ず甲の事前承諾を得る旨を規定し、無断再委託を禁止しておく必要があります。
利用・改変の範囲
納品後の画像をどの範囲まで利用できるかを明示しておくことも重要です。
企業がSNS投稿用に制作した画像を印刷物や広告に再利用するケースも多いため、「甲はあらゆる媒体で改変・利用できる」と定めておけば、二次利用に関する追加契約が不要になります。
契約期間・解除・損害賠償
SNS投稿画像制作は短期契約が多いものの、信頼関係の崩壊や納期遅延が発生する場合もあります。そのため、「重大な契約違反が是正されない場合は即時解除できる」との条項を設けておくとトラブル時の対応が明確です。
さらに、著作権侵害や肖像権侵害によって第三者からクレームが生じた場合の損害賠償責任を定めておくことも必要です。
裁判管轄・協議条項
最終的な紛争解決手段として、裁判管轄をどこに置くかも明記します。通常は、依頼主(甲)の所在地を管轄する地方裁判所を「第一審の専属的合意管轄裁判所」とする条文を置きます。
ただし、地方の個人事業主と取引する場合などは、協議解決を優先する文言を加えると柔軟です。
契約書を作成・利用する際の注意点
- SNSプラットフォーム(Instagram・Xなど)のガイドラインや商用利用規定を確認する。
- 納品物に使用する写真・フォント・テンプレートのライセンス証明を保存する。
- 契約書と同時に、依頼内容を整理した「制作依頼書」または「仕様書」を添付する。
- 修正対応範囲・追加報酬条件を明確にする。
- 個人情報やブランド戦略などを含むデータは、守秘義務の対象として明記する。
- 取引金額が小さい案件でも、簡易契約書または電子契約サービス(例:mysign)で正式に締結する。
SNS画像制作は短納期・低単価ゆえに軽視されがちですが、実際には企業ブランディングや広告法規との接点が多い業務です。mysignの電子契約機能を活用すれば、制作依頼から契約締結・保管までを一元管理でき、双方の権利保護を簡潔に実現できます。