アカウントアクセス情報管理誓約書とは?
アカウントアクセス情報管理誓約書とは、企業の従業員や委託スタッフなどに対し、社内システム・クラウド・メール・VPNなどへのアクセス情報(ID・パスワード等)の取扱いルールを遵守させるための誓約文書です。多くの企業では、個人情報や機密情報を扱う業務が増加しており、情報漏えいの多くが「人的ミス」や「不正アクセス」によって発生しています。そのため、ITセキュリティポリシーの一環として、アカウント管理に関する個人の責任を明確にする誓約書の取得が欠かせません。
本誓約書は、社内情報システム部門や人事部が社員入社時、あるいは業務委託契約開始時に取り交わすケースが多く、内部統制やコンプライアンス強化の一助となります。
アカウントアクセス情報管理誓約書が必要となるケース
- 社員・派遣社員・アルバイトなどが新規入社し、社内システムにアクセスする際
- 外部の業務委託先(フリーランス、システム開発会社など)に、VPNやクラウドツールの権限を付与する際
- クラウドサービス(Google Workspace、Microsoft 365、Salesforceなど)のアカウントを発行する際
- 社内情報や顧客データを扱うスタッフが、リモートワークや自宅作業を行う際
特に、外部委託先や短期契約者がアクセス権限を持つ場合は、情報漏えい時のリスクが高いため、誓約書を交わしておくことで法的にも明確な根拠を持つことができます。
アカウントアクセス情報管理誓約書に盛り込むべき主な条項
- アカウント情報の定義
- 管理責任(第三者への貸与・共有禁止)
- パスワード管理(定期変更・強度要件)
- 利用目的の限定(業務目的のみ)
- 退職・契約終了時の返還・削除義務
- 秘密保持義務(在職中・退職後)
- 機器やネットワーク環境の管理
- 違反時の措置・損害賠償
- 有効期間・合意管轄
これらを体系的に記載することで、社内の情報セキュリティルールを補完し、従業員や外部委託者が「守るべき範囲」を明確にできます。
条項ごとの解説と注意点
アカウント情報の定義
誓約書の冒頭では、「アカウント情報」に該当する範囲を明確に定義することが重要です。単なるログインIDやパスワードだけでなく、メールアドレス、VPN・サーバーアクセス権限、認証トークン、クラウド管理者アカウントなども含めることで、後の誤解を防げます。定義が曖昧だと、違反時に「これは対象外だった」と主張される恐れがあります。
管理責任・第三者利用の禁止
次に、誓約者が自分のアカウントを第三者に貸与・共有してはならない旨を明記します。特にクラウドサービスでは「共用アカウント」や「チームログイン」が習慣化しているケースが多く、情報漏えいリスクが高まります。誰が・いつ・どの端末からアクセスしたかを追跡するためにも、個人単位での発行・責任明確化が欠かせません。
パスワードの取扱い
パスワード関連の条項は、具体的かつ実務的に定めることが望まれます。「定期的な変更」「容易に推測できる文字列の禁止」「他サービスとの使い回しの禁止」などを明文化することで、教育効果も得られます。また、クラウド利用が進む現在では、MFA(二要素認証)の活用やパスワードマネージャー導入も併記すると実務的です。
利用目的の限定
アカウント情報は業務目的のみに利用すべきであり、私的利用や他社業務への転用は厳禁です。SNS運用や副業のために同一アカウントを流用すると、情報流出や不正アクセスの原因となることがあります。業務以外の利用が発覚した場合の懲戒・契約解除についても明確に定めておきましょう。
退職・契約終了時の措置
アクセス権限の解除・返還を怠ると、退職者がシステムへ不正アクセスするリスクが生じます。そのため、退職・契約終了時に「アカウントの返還」「社内端末の返却」「クラウド権限の削除」を明文化しておく必要があります。会社側にも「終了後速やかにアクセス権限を無効化できる」との条項を設けると万全です。
秘密保持義務
アカウントを通じて得た情報には、取引先情報、顧客データ、社内方針などが含まれます。これらは退職・契約終了後も守秘義務が続くことを明示しておくことで、退職者による漏えいを防ぎます。本条項は、秘密保持契約(NDA)と内容が重なる部分が多いため、社内規程全体との整合性も重要です。
機器およびネットワーク環境の管理
持ち出しPCやスマートフォンの盗難・紛失による情報漏えいは後を絶ちません。誓約書では「公共Wi-Fiでの接続禁止」「外出先でのログイン時は承認を要する」など、具体的なルールを定めると効果的です。また、リモートワークの増加に伴い、自宅環境のセキュリティ対策(ルーターの設定・パスワード保護など)も盛り込むと実践的です。
違反時の措置・損害賠償
誓約違反が発覚した場合の懲戒や損害賠償責任について明記しておくことで、抑止効果が高まります。「損害(弁護士費用を含む)を賠償する責任を負う」と定めておくと、企業側の法的保護にもつながります。また、懲戒処分の判断は就業規則や委託契約書との整合を確認することが必要です。
有効期間・合意管轄
誓約の有効期間は、在職・契約期間中に加えて、退職・契約終了後も一定期間(例:2年)効力を持たせるのが一般的です。裁判管轄条項を設けることで、万一の紛争時に法的手続きがスムーズになります。
契約書を作成・利用する際の注意点
- 自社のセキュリティポリシー・就業規則・業務委託契約書との整合性を確認する。
- クラウドやSaaSのアクセスログ管理体制を併せて整備する。
- 委託先に対しては再委託先への開示禁止を追加条項として盛り込む。
- 従業員教育(セキュリティ研修)とセットで誓約書を運用する。
- 実際の違反が発生した場合の懲戒・報告手順を別途明文化しておく。
まとめ
アカウントアクセス情報管理誓約書は、企業における情報セキュリティ体制を支える「人的統制」の根幹となる書類です。IDやパスワードの管理ルールを明文化することで、情報漏えいや内部不正を防ぎ、組織の信頼性を高めることができます。特に、リモートワークや外部委託が増える現代では、誓約書の有無がセキュリティ水準を左右すると言っても過言ではありません。
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