内定承諾書とは?
内定承諾書とは、企業が提示した「内定通知」に対して、求職者が正式に承諾する意思を示すための文書です。法的には「労働契約の成立を前提とする意思表示書」とされ、採用の最終段階に位置づけられます。
多くの企業では、採用選考の最終面接を経て内定通知を出し、その後に「内定承諾書」を提出することで、内定が確定します。この文書を提出することにより、求職者は「入社の意思」を明示的に示すことになり、企業側も入社に向けた準備(入社日・研修・人員配置など)を正式に開始します。
特に新卒採用においては、複数社から内定を得る学生が多く、どの企業に入社するかを最終決定する重要なタイミングになります。一方、中途採用では、退職・引継ぎ・入社準備などが密接に関係するため、承諾書によって双方のスケジュールを明確化する役割も果たします。
内定承諾書が必要となるケース
内定承諾書が必要となる代表的なケースは以下の通りです。
- 新卒採用で、内定者が正式に入社を約束する際
- 中途採用で、前職退職後の入社日を確定する際
- 企業が採用内定通知書を発行し、法的な確認文書として署名を求める際
- 内定辞退や条件変更を防止する目的で、企業が明確な意思確認を行いたい場合
特に大手企業や上場企業では、コンプライアンスや採用手続きの一環として、書面での承諾を求めることが一般的です。最近では、電子契約サービス(mysignなど)を用いてWeb上で完結させるケースも増加しています。オンライン署名を導入することで、郵送・紙印鑑のやり取りが不要になり、手続きの迅速化と記録の正確性を両立できます。
内定承諾書に盛り込むべき主な項目
内定承諾書には、最低限、以下の情報を記載することが求められます。
- 内定通知書の受領および承諾の旨
- 採用職種・勤務地・雇用形態・入社予定日
- 誠実勤務・社内規程遵守の誓約
- 履歴書内容の真実性に関する誓約
- 守秘義務および不正行為防止の約束
- 入社前辞退時の対応ルール
- 署名・日付・住所・連絡先
これらの項目は、単なる形式的なものではなく、「入社意思と企業責任を相互に確認する」ための法的根拠を持ちます。特に、履歴書の虚偽記載やSNSでの不適切行為などが発覚した場合、内定取り消しや懲戒対象となる可能性があるため、承諾書の内容理解は非常に重要です。
条項ごとの解説と注意点
1. 採用内定の承諾文
最初の段落では、「内定通知を正式に承諾する意思」を明示します。この部分は法的に「労働契約の成立に向けた意思表示」とみなされるため、軽率な署名は避けるべきです。
また、内定承諾後に辞退する場合、企業によっては信義則上の責任を問われるケースもあります。
2. 就業規則・会社規程の遵守
承諾書の中で、「社内規程に従う」旨を明記することで、入社後のトラブル防止に役立ちます。就業規則は、勤務態度・労働時間・懲戒などに関するルールであり、承諾書に明記しておくことで入社時点からルール意識を明確化できます。
3. 虚偽記載防止の誓約
履歴書・職務経歴書に虚偽があった場合、入社後に懲戒解雇の理由となることがあります。そのため、「記載内容に虚偽がない」旨を明記しておくことは、企業と本人双方にとってのリスク回避策です。
4. 守秘義務・情報漏えい防止
内定段階で企業情報や顧客データに触れる場合もあるため、守秘義務条項を設けておくことが重要です。特にIT・医療・金融業界では、社内システムや顧客情報の取扱いに関する誓約を含めることで、情報セキュリティ上の信頼性が高まります。
5. SNS・社会的信用に関する項目
最近では、SNS上での不適切投稿による「内定取り消し」事例も増えています。そのため、承諾書内に「企業の信用を損なう行為を行わない」という項目を入れておくと、企業イメージ保護に役立ちます。
6. 内定辞退に関するルール
承諾後に辞退する場合、速やかに文書で通知することを明記するのが一般的です。社会的なマナーの観点からも、早期の連絡と誠実な対応が求められます。mysignのような電子署名サービスでは、承諾・辞退の意思を明確な記録として残せるため、後日のトラブル防止にも有効です。
承諾書を作成・利用する際の注意点
- 提出前に、内定通知書の内容(職種・給与・勤務地など)が正確かを確認する。
- 承諾書の提出は「労働契約成立前」であり、法的拘束力の範囲を理解しておく。
- 紙提出の場合は、署名・押印のほか、日付・住所・連絡先を必ず記入する。
- 電子契約の場合は、署名記録や承諾日時が自動保存される形式を選ぶ。
- 内定辞退・条件変更などの可能性がある場合は、安易に署名しない。
- 雛形を使用する場合でも、自社の就業規則や雇用契約条件に合わせて修正する。
- 新卒採用では学校推薦や大学キャリアセンターへの報告ルールも確認する。