脱毛施術同意書とは?
脱毛施術同意書とは、脱毛サロンやクリニックが利用者に対して施術内容や想定されるリスク、注意事項などを事前に説明し、利用者がそれを理解・承諾したことを確認するための書面です。 美容脱毛・医療脱毛を問わず、近年では施術に伴う肌トラブルやクレーム、責任範囲を巡る紛争を防止する目的で、同意書の取得がほぼ必須となっています。脱毛施術は医療行為ではない場合でも、肌に直接作用する行為であり、赤みや腫れ、火傷、色素沈着などのリスクを完全にゼロにすることはできません。そのため、事前に正確な情報提供と同意の取得を行うことが、事業者側・利用者側双方の安心につながります。
脱毛施術同意書が必要となる理由
脱毛施術同意書が重要視される理由は、大きく分けて三つあります。
第一に、施術リスクの共有です。脱毛は安全性が高いとされる一方で、体質や肌状態によっては予期せぬ反応が起こる可能性があります。同意書を通じて、リスクを事前に説明し理解してもらうことで、施術後の認識違いを防ぐことができます。
第二に、トラブル・クレームの予防です。施術後に赤みや痛みが出た場合でも、事前に説明と同意があれば、感情的なクレームや法的紛争に発展するリスクを大幅に軽減できます。
第三に、事業者のリスク管理です。消費者契約法や民法の観点からも、説明義務を果たしていたかどうかは重要な判断材料となります。同意書は、説明を行った証拠として機能します。
脱毛施術同意書を取得すべき主な場面
脱毛施術同意書は、次のような場面で特に有効です。
- 初回カウンセリング時
- 初回施術前
- 未成年者が施術を受ける場合
- 肌トラブルの既往歴がある利用者への施術
- 機器や施術方法を変更する場合
特に初回施術前に取得しておくことで、その後の継続施術においても共通認識を維持しやすくなります。
脱毛施術同意書に盛り込むべき必須項目
脱毛施術同意書には、最低限以下の内容を盛り込むことが望ましいとされています。
施術内容の説明
どのような方法で脱毛を行うのか、使用する機器の特徴、施術回数の目安、効果には個人差があることなどを明記します。 効果を過度に保証する表現は避け、現実的な説明にとどめることが重要です。
想定されるリスク・副作用
赤み、腫れ、痛み、かゆみ、毛嚢炎、色素沈着など、一般的に想定される症状を列挙します。 発生頻度が低くても、想定されるものは記載しておくことで説明不足を防げます。
健康状態の申告義務
既往症、服薬状況、アレルギー、妊娠の可能性、皮膚疾患の有無など、利用者が事前に申告すべき事項を明確にします。 虚偽申告があった場合の責任範囲もあわせて記載しておくと実務上有効です。
施術前後の注意事項
日焼けの禁止、保湿ケア、施術部位への刺激回避など、施術前後の注意点を示します。 利用者の自己管理が重要であることを明示することで、トラブル時の責任分界点を明確にできます。
免責事項
通常想定されるリスクや体質に起因する結果について、事業者が責任を負わない範囲を定めます。 ただし、故意や重過失まで免責する表現は避ける必要があります。
同意の確認
利用者が説明を受け、理解し、自らの意思で施術を受けることを明確に確認する条項です。 署名または電子的同意により、同意の成立時点を明確にします。
脱毛施術同意書作成時の注意点
脱毛施術同意書を作成・運用する際には、いくつかの注意点があります。
過度な免責表現を避ける
すべての責任を一方的に免除するような表現は、消費者契約法上無効と判断される可能性があります。 合理的な範囲に限定した免責にとどめることが重要です。
専門用語を使いすぎない
難解な専門用語ばかりでは、利用者が内容を十分に理解できません。 できる限り平易な表現を用い、口頭説明と併用することが望まれます。
実態に即した内容にする
実際の施術内容や運用と乖離した同意書は、トラブル時に有効性を失います。 使用する機器や施術フローに合わせて調整することが不可欠です。
電子同意書の活用と実務上のポイント
近年では、紙の同意書に代えて電子同意書を導入するサロンも増えています。 電子契約サービスを利用すれば、同意取得の効率化、保管管理の簡素化、紛失リスクの低減といったメリットがあります。電子同意書を導入する際は、誰が、いつ、どの内容に同意したのかが客観的に確認できる仕組みを整えることが重要です。
脱毛施術同意書と利用規約・契約書との違い
脱毛施術同意書は、施術に伴うリスク説明と同意確認に特化した書面です。 一方、利用規約や施術契約書は、料金、解約条件、禁止事項など、より包括的な契約条件を定めるものです。実務上は、利用規約+施術同意書を併用することで、法的リスクをより低減できます。
まとめ
脱毛施術同意書は、単なる形式的な書類ではなく、施術者と利用者の信頼関係を支える重要なツールです。 施術内容やリスクを正しく伝え、同意を得ることで、トラブルを未然に防ぎ、安心してサービスを提供することができます。脱毛サロンやクリニックを運営する事業者は、自社の施術内容や運用に合った同意書を整備し、必要に応じて専門家の確認を受けながら、適切に活用することが求められます。