SNSキャンペーン応募規約書とは?
SNSキャンペーン応募規約書とは、企業などがX(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどのSNS上で行う懸賞やプレゼント企画において、応募者との間で発生しうるトラブルを防止するために設けるルール文書です。
通常、キャンペーンの投稿文やLP(ランディングページ)に「応募規約はこちら」などのリンクを設置し、その中で応募条件、抽選方法、景品発送、禁止事項、免責などを明示します。
SNSを使ったプレゼントキャンペーンは、フォロー&リポストやハッシュタグ投稿を条件に応募できる手軽さから、多くの企業が集客・認知拡大のために導入しています。しかし一方で、以下のような法的・運営上のリスクも存在します。
- 応募者のデータ管理が不適切で個人情報保護法に抵触する
- 景品の金額や提供条件が景品表示法(懸賞規制)に違反する
- 当選基準が不明瞭で「やらせ」や「不公平抽選」と疑われる
- SNSプラットフォームの規約に反する投稿・リポスト方法を採用してしまう
これらのトラブルを未然に防ぐためには、キャンペーン開始前に「応募規約」を整備し、参加者に周知しておくことが不可欠です。
SNSキャンペーン応募規約書が必要となるケース
SNSキャンペーン応募規約書は、以下のようなケースで特に必要となります。
- 自社アカウントをフォロー&リポストする形式の懸賞企画
- 商品購入やアンケート回答を条件とする応募型キャンペーン
- UGC(ユーザー投稿)を募集して二次利用するキャンペーン
- SNS上で抽選結果や当選者発表を行う企画
- 複数プラットフォーム(例:XとInstagram同時開催)で実施するキャンペーン
これらの施策では、「応募の有効性」「当選者の選定基準」「景品発送条件」などが曖昧だと、ユーザーから不信感を招くおそれがあります。特にプレゼント発送や当選者発表を行う場合、法令遵守と透明性の確保が企業信頼の維持に直結します。
SNSキャンペーン応募規約書に盛り込むべき主な条項
SNSキャンペーン応募規約書においては、次のような項目を必ず盛り込む必要があります。
- 応募資格(居住地・年齢・アカウント条件)
- 応募方法(フォロー・リポスト・ハッシュタグ投稿など)
- 当選・景品発送の手順と連絡方法
- 禁止事項(不正応募・なりすまし・自動投稿など)
- 免責事項(通信障害・システム不具合等)
- 個人情報の取扱い方針
- 投稿内容の著作権・二次利用に関する取決め
- 準拠法・裁判管轄
以下では、条項ごとのポイントをさらに詳しく解説します。
条項ごとの解説と注意点
1. 応募資格条項
応募資格は、キャンペーンの目的に応じて具体的に定めます。 「日本国内在住者」「公開アカウント」「主催者をフォローしていること」など、条件を明確に記載しましょう。 特に未成年者が応募できる場合には、必ず「保護者の同意を得たうえで応募すること」と明示する必要があります。 また、関係者や社員が応募できない旨も規定することで、公平性を確保します。
2. 応募方法条項
フォローやリポストなど、SNSの操作方法を具体的に書き、非公開アカウントや応募後にフォローを外す行為が無効となることを明記します。 同一人物による複数アカウント応募、自動化ツールによる大量投稿などの「不正応募」も禁止対象として列挙します。
3. 当選および景品発送条項
抽選方法や当選通知の手段(DM送信など)を定め、返信期限を設けることが重要です。 住所や入力ミスによる配送トラブルについては、主催者が責任を負わない旨を免責として記載します。 また、「当選の権利の譲渡・換金禁止」を必ず盛り込みましょう。
4. 禁止事項条項
キャンペーンの健全な運営を維持するため、禁止行為を具体的に示すことがポイントです。 たとえば、法令違反、公序良俗に反する投稿、第三者の権利侵害(著作権・肖像権など)、SNS規約違反などです。 炎上防止の観点からも、「主催者が不適切と判断する行為」という包括的な文言を入れておくと有効です。
5. 免責条項
SNSは外部サービスであり、通信障害や仕様変更が頻繁に発生します。 主催者の管理外のトラブルについては責任を負わない旨を明記し、また予告なくキャンペーンを変更・中止できることを記載しておきましょう。 特に景品発送遅延や抽選方法変更などは、事前に「やむを得ない事情により変更する場合がある」としておくと安心です。
6. 個人情報の取扱い条項
当選者の住所や連絡先を取得する場合は、利用目的を明確にし、第三者提供の有無を記載します。 「景品発送および本人確認のために利用する」「法令に基づく場合を除き第三者に提供しない」など、具体的な利用範囲を明示します。 また、主催者のプライバシーポリシーへのリンクを付けておくのが望ましいです。
7. 知的財産権・投稿内容の利用条項
UGC(ユーザー投稿型キャンペーン)の場合、投稿された画像や文章を広告に再利用できるよう、著作権譲渡や利用許諾について明記します。 「応募者は著作権を無償譲渡し、著作者人格権を行使しない」とする文言を入れておくと法的リスクを回避できます。
8. 準拠法・裁判管轄条項
万一の紛争発生に備え、日本法を準拠法とし、主催者所在地の地方裁判所を専属的合意管轄と定めます。 これにより、海外ユーザーや不特定多数を対象とするキャンペーンでも、法的対応の範囲を明確化できます。
契約書を作成・利用する際の注意点
SNSキャンペーン応募規約を策定する際は、以下の点に留意する必要があります。
- 景品表示法(懸賞規制):
SNSキャンペーンは「懸賞」に該当するため、景品類の上限金額(総付・懸賞の区分)が法律で定められています。一般懸賞では取引価額の20倍または10万円までが上限です。 - 個人情報保護法対応:
当選者の氏名・住所などを取得する場合は、目的外利用を避け、プライバシーポリシーとの整合をとること。 - SNS規約の遵守:
各プラットフォーム(X、Instagram、TikTokなど)には「懸賞・プロモーション利用に関するガイドライン」があり、リツイートやタグ付けの方法に制限があります。 - 炎上リスク対策:
抽選や当選発表の透明性を確保し、応募者からの問い合わせに誠実に対応する体制を整えること。
特に「DMが届かない」「当選通知が来ない」といった苦情が増える傾向にあります。 - 法務チェックの実施:
規約文は自社での作成も可能ですが、懸賞の金額設定やデータ利用範囲など法的判断が伴う箇所については、弁護士や法務担当者の確認を推奨します。
まとめ
SNSキャンペーン応募規約書は、フォロー&リポスト企画や懸賞施策を安全かつ透明に運営するための「信頼の証」です。
応募者にとっても、応募条件や当選基準が明確であることで安心して参加できます。また、企業にとっては炎上リスクの軽減、法令遵守、ブランド信頼性の向上という大きな効果が得られます。
mysignでは、こうしたキャンペーン規約を電子契約形式で管理することも可能です。自社のSNS施策を安全に運営するために、ひな形を参考に自社向けにカスタマイズし、専門家の確認を経て運用することをおすすめします。