従業員等開示条項の条項・条文の役割
従業員等開示条項は、契約当事者が秘密情報を自社の役員や従業員などに業務上必要な範囲で共有できるようにするための条文です。秘密保持条項だけでは社内共有の可否が不明確になる場合があるため、本条項によって適法な社内共有の範囲を明確にします。
また、開示先となる従業員等にも同等の秘密保持義務を課すことで、情報漏えいリスクを抑制する役割があります。
従業員等開示条項の書き方のポイント
- 開示対象者の範囲を明確にする
役員・従業員までに限定するのか、派遣社員や業務委託先まで含めるのかを契約内容に応じて明確にします。 - 開示目的を契約目的に限定する
「本契約の目的の範囲内で必要な場合に限る」と定めることで、不要な社内共有を防止できます。 - 同等の秘密保持義務を課す旨を規定する
開示先となる従業員等にも契約当事者と同等の義務を課すことで、秘密情報の管理水準を維持できます。 - 従業員等の行為責任を明確にする
従業員等による漏えいについて当事者自身が責任を負う旨を定めると、実務上の管理責任が明確になります。 - 委託先への開示条項との整理を行う
別途「再委託先開示条項」や「関係会社開示条項」がある場合は、対象範囲が重複しないよう整理することが重要です。
従業員等開示条項の注意点
- 開示対象が広すぎないようにする
「関係者」など抽象的な表現のみだと想定外の第三者への共有が可能となり、情報管理リスクが高まります。 - 秘密保持義務の内容を連動させる
従業員等に課す義務の内容が契約本文と整合していない場合、実効性が弱くなるおそれがあります。 - 委託先開示との区別を明確にする
業務委託先への開示は別条項として扱うことが一般的であり、本条項だけで包含すると管理責任が不明確になる可能性があります。 - 退職者への対応を検討する
従業員が退職した後の秘密情報の取扱いについても、必要に応じて別途規程や条項で補完することが望まれます。