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転質契約書 無料ひな形・テンプレート

転質契約書

転質契約書は、既に設定されている質権を、さらに第三者の債権担保として転用する際に用いる契約書です。金融取引や企業間融資において、質権を二重に活用する場合に、権利関係と優先順位を明確にするために締結されます。

契約書名
転質契約書
バージョン / ファイル
1.00 / Word
作成日 / 更新日
特徴
既存の質権を前提に、転質による担保関係と権利行使範囲を明確に定めている。
利用シーン
企業間融資において質権を再担保として提供する場合/金融機関が二次担保として質権を取得する場合
メリット
担保の二重利用に伴う法的リスクを整理し、債権回収の確実性を高められる。
ダウンロード数
5件

無料ダウンロードについて
「転質契約書」の本ひな形の利用にあたっては、必ず 契約書ひな形ダウンロード利用規約 をご確認ください。無料ダウンロードされた時点で、規約に同意いただいたものとさせていただきます。

転質契約書とは?

転質契約書とは、すでに設定されている質権を、さらに第三者の債権担保として利用する際に締結される契約書です。通常、質権は一つの債権を担保するために設定されますが、金融取引や企業間融資の実務では、同一の質権を別の債権の担保として再利用したい場面が生じます。このときに用いられるのが転質契約です。転質は、民法上認められた担保活用手法である一方、原質権・転質権・被担保債権が複雑に絡み合うため、契約書を作成せずに進めると、優先順位や権利行使の可否を巡って重大なトラブルに発展するおそれがあります。そのため、実務では必ず転質契約書を作成し、権利関係を明文化することが重要です。

転質契約書が必要となるケース

転質契約書が必要となる代表的なケースには、次のようなものがあります。

  • 企業が金融機関から融資を受ける際、すでに保有している質権を追加担保として提供する場合
  • グループ会社間の資金調達で、既存の質権を別会社の債務担保に用いる場合
  • 投資ファンドやノンバンクが、二次担保として質権を取得する場合

これらの場面では、原質権者、転質権者、原債務者、被担保債権者といった複数の利害関係者が存在します。転質契約書を作成せずに口頭や覚書レベルで対応すると、担保価値の帰属や弁済順位について認識の齟齬が生じやすく、回収不能リスクを高める結果となります。

転質契約書における必須条項

転質契約書を作成する際には、以下の条項を必ず盛り込む必要があります。

  • 転質の目的
  • 原質権の内容および範囲
  • 転質の設定条項
  • 被担保債権の特定
  • 転質の効力範囲
  • 通知・承諾に関する条項
  • 質物の管理義務
  • 弁済充当および実行方法
  • 原質権変更・消滅の制限
  • 保証・損害賠償条項
  • 準拠法・管轄条項

これらの条項を欠いた契約書は、形式上存在しても、実際の担保実行局面で十分な効力を発揮できないおそれがあります。

条項ごとの解説と実務ポイント

1. 転質の目的条項

目的条項では、なぜ転質を行うのか、どの債権を担保するためのものかを明確に記載します。
ここが曖昧だと、転質が無効と主張されるリスクがあるため、被担保債権との関係性を明示することが重要です。

2. 原質権の内容

原質権については、設定日、質物、原債務者、被担保債権の内容を具体的に記載します。別紙を用いて整理することで、契約書本体を簡潔に保ちつつ、証拠力を高めることができます。

3. 転質設定条項

この条項は、乙が自己の有する質権を甲に転質する意思を明確に示す中核条項です。転質の対象が原質権の全体か一部かについても、明確に区別して記載する必要があります。

4. 転質の効力範囲

転質の効力は、原質権の効力範囲内に限定されます。そのため、原質権が消滅した場合には転質も消滅する旨を明記しておくことで、後日の紛争を防止できます。

5. 通知・承諾条項

転質は、原質権設定者や原債務者に対する通知や承諾が必要となる場合があります。実務では、この手続きを怠ったために、転質の対抗力が否定されるケースもあるため、契約上の義務として明文化しておくことが重要です。

6. 質物の管理義務

質物の管理は、担保価値を維持するための重要な要素です。善良なる管理者の注意義務を明記することで、質物価値の毀損に対する責任追及が容易になります。

7. 弁済充当・実行条項

転質が実行された場合の弁済充当順序を定める条項です。実行費用、被担保債権への充当順を明確にすることで、回収時の混乱を防げます。

8. 原質権の変更・消滅制限

乙が原質権を勝手に変更・放棄してしまうと、転質の意味が失われます。そのため、甲の事前承諾なしに原質権を変更・消滅させてはならない旨を定めます。

9. 保証・損害賠償条項

原質権が有効に成立していることや、第三者の権利を侵害していないことについて保証条項を設けます。虚偽があった場合の損害賠償責任を明確にすることで、担保の信頼性を高めます。

転質契約書作成時の注意点

転質契約書を作成する際には、以下の点に注意が必要です。

  • 原質権の内容を正確に把握すること
  • 通知・承諾の要否を事前に確認すること
  • 担保価値の範囲を過大評価しないこと
  • 実行時の優先順位を想定して条文を設計すること
  • 既存契約との整合性を確認すること

特に、他の担保契約や融資契約との関係を整理せずに転質契約を締結すると、契約間の矛盾が生じ、法的リスクが高まります。

転質契約書を作成するメリット

転質契約書を適切に作成することで、次のようなメリットがあります。

  • 担保関係が明確になり、債権回収の確実性が向上する
  • 金融機関や投資家からの信用を得やすくなる
  • 将来の紛争リスクを事前に低減できる

単に形式的な書類としてではなく、資金調達を支える法的インフラとして位置付けることが重要です。

まとめ

転質契約書は、既存の質権を有効活用するための重要な契約書です。担保の二重利用という高度な法的構造を伴うため、条文設計を誤ると、実行段階で権利行使ができない事態にもなりかねません。mysignの転質契約書ひな形を活用すれば、実務に即した形で権利関係を整理しつつ、電子契約によるスムーズな締結が可能となります。安全かつ柔軟な資金調達を実現するためにも、転質契約書を正しく理解し、適切に整備することが不可欠です。

本ページに掲載するWebサイト制作契約書のひな形および解説は、一般的な参考情報として提供するものであり、特定の取引・案件への法的助言を目的とするものではありません。実際の契約締結に際しては、専門家(弁護士等)への確認を強く推奨いたします。

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