電子契約では、契約書の最後に「本契約の成立を証するため〜」といった文言を記載するケースがあります。
この部分は「後文(こうぶん)」と呼ばれ、契約の成立方法や、電子署名・電磁的記録の扱いなどを整理する役割があります。ただし、紙契約の文言をそのまま流用すると、電子契約と合わない表現になることもあります。
この記事では、電子契約で使いやすい最後の文言(後文)テンプレ15選を、契約種類や利用シーン別に紹介します。
業務委託契約・NDA・雇用契約・売買契約など、実務で使いやすい契約書末尾の例文をまとめています。あわせて、電子契約ならではの注意点や、「電磁的記録」「電子署名」をどう書くべきかも分かりやすく解説します。
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電子契約の最後の文言(後文)テンプレ15選 | 契約書末尾の例文集
電子契約の後文は、契約書の種類によって使われる表現が少しずつ変わります。
特に、「電磁的記録」「電子署名」「双方保管」などをどう記載するかで、契約書全体の印象も変わります。紙契約の後文をそのまま流用するケースもありますが、電子契約向けに調整されている文言も少なくありません。
ここでは、業務委託契約書・NDA・雇用契約書・売買契約書などで使いやすい、契約書末尾の後文テンプレを紹介します。
電子契約でよく使われる基本後文テンプレ
本契約の成立を証するため、本書の電磁的記録を作成し、甲乙双方が内容を確認のうえ電子署名を行い、各自その電磁的記録を保管する。
ポイント解説
電子契約では、「電磁的記録の作成」「電子署名」「双方保管」をまとめて記載する後文がよく使われます。
この文言は、電子契約で広く利用されている基本的な後文パターンです。特に、業務委託契約書・基本契約書・秘密保持契約書など、幅広い契約書で使いやすい形になっています。
紙契約では「本書2通を作成し、各自記名押印のうえ各1通を保有する」と記載することがありますが、電子契約では紙の原本を前提にしないため、「電磁的記録」「電子署名」といった表現へ置き換えるケースがあります。
後文に絶対的な決まりがあるわけではありませんが、契約方式と内容が矛盾しないよう整理することが重要です。
電磁的記録を明記する後文テンプレ
本契約の成立を証するため、本契約書を電磁的記録として作成し、甲乙双方が電子署名を施したうえで、各自これを保管する。
ポイント解説
電子契約では、「電磁的記録」を明記することで、紙ではなく電子データで契約を締結していることを整理しやすくなります。
特に、紙契約から電子契約へ移行した直後は、従来の「書面」「原本」といった表現が残っているケースも少なくありません。そのため、電子契約では「電磁的記録」と記載する形へ調整されることがあります。
業務委託契約書・秘密保持契約書・基本契約書など、幅広い契約で使いやすい後文です。
電子署名を明記する後文テンプレ
甲乙は、本契約内容を確認のうえ、本電磁的記録に対し電子署名を行い、本契約を締結する。
ポイント解説
電子署名を利用する契約では、後文内でも「電子署名」を明記するケースがあります。
特に、契約成立方法を分かりやすく整理したい場合や、電子契約サービスを利用する前提を明確にしたい場合に使われやすい表現です。
後文は長くなりすぎると読みにくくなるため、シンプルにまとめたい場合は、「電子署名」と「契約締結」だけを整理する形もよく利用されます。
双方保管型の後文テンプレ
本契約の成立を証するため、本電磁的記録を作成し、甲乙双方が電子署名を行ったうえ、各自その電磁的記録を保管する。
ポイント解説
電子契約では、「双方が保管する」ことを後文に記載するパターンも多く見られます。
紙契約では、契約書を2通作成して双方が1通ずつ保有する形が一般的ですが、電子契約でも「各自保管」の考え方を残しているケースがあります。
特に、取引先から「契約データはどう管理するのか」と確認されやすい業界では、保管について後文へ記載されることがあります。
クラウド契約サービス向けの後文テンプレ
本契約は、電子契約サービス上で電磁的記録として作成し、甲乙双方が電子署名を行う方法により締結する。
ポイント解説
クラウド型の電子契約サービスを利用する場合は、契約締結方法を整理した後文が使われることがあります。
特に、相手先が電子契約に慣れていない場合は、「電子契約サービス上で締結する」ことを後文へ入れることで、契約形式を分かりやすくできるケースがあります。
ただし、利用サービス名を後文へ直接記載するかどうかは、契約運用に合わせて判断されることが一般的です。
PDF契約を想定した後文テンプレ
本契約書はPDF形式の電磁的記録として作成し、甲乙双方が電子署名を行うことにより締結する。
ポイント解説
PDFファイルを利用して電子契約を締結する場合は、ファイル形式を含めて整理するケースがあります。
特に、紙契約をPDF化して運用している企業では、「PDF形式の電磁的記録」という形で記載されることがあります。
一方で、契約書本文にファイル形式まで記載しない運用もあるため、自社の契約管理方法に合わせて調整することが重要です。
シンプルにまとめたい場合の後文テンプレ
本契約は、甲乙双方が電子署名を行うことにより成立する。
ポイント解説
後文を長く書きすぎず、契約成立方法だけを簡潔に整理するパターンもあります。
特に、短い契約書や確認書などでは、必要最低限の後文にまとめるケースも少なくありません。
ただし、契約管理ルールや社内法務方針によっては、電磁的記録や保管方法まで記載する運用もあります。
基本契約書で使いやすい後文テンプレ
本基本契約の成立を証するため、本電磁的記録を作成し、甲乙双方が電子署名を行い、各自これを保管する。
ポイント解説
継続取引で利用される基本契約書では、汎用的で整理された後文が使われることが多くあります。
基本契約書は長期間利用されるケースも多いため、特定サービスに依存しすぎない表現を採用する企業も少なくありません。
また、個別契約を別途締結する運用では、基本契約書側の後文をできるだけシンプルに整理するケースもあります。
業務委託契約書向けの後文テンプレ
本契約の成立を証するため、本電磁的記録を作成し、甲乙双方が電子署名を行ったうえで、各自これを保管する。
ポイント解説
業務委託契約書では、汎用性の高いシンプルな後文がよく使われます。
特に、継続的な取引やフリーランス契約では、毎回異なる文言を使うよりも、統一した後文を利用するケースが多く見られます。
迷った場合は、「電磁的記録」「電子署名」「双方保管」を整理した基本形が使いやすいです。
NDA・秘密保持契約向けの後文テンプレ
本契約の成立を証するため、本電磁的記録を作成し、甲乙双方が電子署名を行い、各自これを厳重に保管する。
ポイント解説
NDAや秘密保持契約では、「厳重に保管する」といった管理意識を含めるケースがあります。
特に、機密情報・顧客情報・営業情報などを扱う契約では、契約締結後の管理体制を意識した表現が使われることがあります。
ただし、後文に詳細なセキュリティルールまで記載するのではなく、本文側で秘密保持義務を整理するケースが一般的です。
雇用契約書向けの後文テンプレ
本雇用契約の成立を証するため、本電磁的記録を作成し、会社および従業員が電子署名を行い、各自これを保管する。
ポイント解説
雇用契約書では、「会社」「従業員」と主体を分かりやすく記載するケースがあります。
特に、電子契約に慣れていない従業員が相手になる場合は、「甲乙」よりも立場を明確にした表現の方が理解しやすいことがあります。
また、入社手続き全体を電子化する企業では、雇用契約書・誓約書・同意書などをまとめて電子契約化するケースも増えています。
売買契約書向けの後文テンプレ
本売買契約の成立を証するため、本電磁的記録を作成し、売主および買主が電子署名を行い、各自これを保管する。
ポイント解説
売買契約書では、「売主」「買主」を明記する後文もよく使われます。
特に、商品売買・機器販売・システム販売などでは、契約主体を明確に整理するため、甲乙表記ではなく当事者名称を記載するケースがあります。
継続取引ではなく単発契約の場合でも、電子契約用の後文を入れることで契約形式を整理しやすくなります。
継続取引向けの後文テンプレ
本契約の成立を証するため、本電磁的記録を作成し、甲乙双方が電子署名を行い、継続的取引に関する契約内容として各自これを保管する。
ポイント解説
継続取引を前提とした契約では、長期利用を意識した後文が使われることがあります。
特に、基本契約書や継続発注型の契約では、後から契約内容を確認する機会も多くなるため、保管前提の表現を入れるケースがあります。
また、更新契約や個別契約を繰り返す運用では、後文の統一ルールを決めている企業も少なくありません。
紙契約に近い表現を使った後文テンプレ
本契約の成立を証するため、本電磁的記録を作成し、甲乙双方が電子署名を行い、各自これを保有する。
ポイント解説
紙契約の表現を残しながら、電子契約向けに調整するケースもあります。
特に、従来の契約書フォーマットを大きく変更したくない場合は、「保管」ではなく「保有」を使うなど、紙契約に近い言い回しを残すケースがあります。
ただし、「書面」「原本」「押印」といった紙前提の表現が残っていないかは確認しておくことが重要です。
堅めの法務寄り後文テンプレ
本契約の成立を証するため、本電磁的記録を作成し、甲乙双方が合意のうえ電子署名を施し、各自当該電磁的記録を保存するものとする。
ポイント解説
法務確認を前提とした契約書では、やや堅めの後文表現が使われることがあります。
特に、企業法務・士業・大企業間契約などでは、「当該電磁的記録」「保存するものとする」といった法律文書寄りの表現が採用されるケースがあります。
一方で、後文を必要以上に難解にすると読みづらくなるため、契約相手や運用実態に合わせて調整することも重要です。
電子契約の最後の文言(後文)を書くときの注意ポイント
電子契約の後文には、絶対に決まった書き方があるわけではありません。ただし、電子契約の方式や契約内容と矛盾しないよう整理することが重要です。
以下では電子契約の最後の文言(後文)を書く時の注意ポイントについて解説します。
電子署名法第2条では「電子署名」と「電磁的記録」が定義されている
電子契約では、電子署名法第2条において「電子署名」や「電磁的記録」の考え方が定義されています。
そのため、契約書末尾の後文でも、「電磁的記録」「電子署名」といった表現が使われるケースがあります。
第二条 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。
出典:電子署名及び認証業務に関する法律 第2条(e-GOV法令検索)
「電磁的記録」や電子署名の表現を整理する
電子契約では、「電磁的記録」「電子署名」といった表現を整理して記載するケースが多くあります。
紙契約では「書面」「押印」といった表現が使われることがありますが、電子契約では契約成立方法が異なるため、後文も電子契約向けに調整されることがあります。
特に、クラウド型の電子契約サービスを利用する場合は、契約方式と文言が矛盾していないか確認しておくことが重要です。
紙契約の文言をそのまま流用しない
紙契約用の後文をそのままコピーすると、電子契約と合わない表現が残ることがあります。
例えば、「本書2通を作成し」「記名押印のうえ」「原本を保有する」といった文言は、紙契約を前提にしているケースがあります。
電子契約へ移行する際は、「電磁的記録」「電子署名」などへ置き換える必要があるか確認しておくと安心です。
契約内容と矛盾しない後文にする
後文だけ電子契約向けに変更しても、契約本文が紙契約前提のまま残っているケースがあります。
例えば、本文中に「押印済み書面を郵送する」といった記載があると、契約方式と整合性が取れなくなることがあります。
特に、既存契約書を電子契約化する場合は、後文だけでなく本文全体も確認しておくことが重要です。
契約方式や利用サービスに合わせて調整する
電子契約の運用方法によって、適した後文は変わります。
例えば、立会人型電子署名・当事者型電子署名・PDF送付型など、契約方式によって利用される表現が異なるケースがあります。
また、契約サービスによっては締結ログや保管機能を備えていることもあるため、自社の運用方法に合わせて後文を整理することが大切です。
電子契約の最後の文言(後文)に良くある質問
-
電子契約の後文は必ず入れる必要がありますか?
- 電子契約の後文は、法律上必ず入れなければならない定型文ではありません。ただし、契約書の最後に「どのような形式で契約が成立したのか」「誰が合意したのか」「電磁的記録をどう扱うのか」を整理しておくことで、後から契約書を確認するときに分かりやすくなります。特に紙契約から電子契約へ移行する場合は、従来の押印・原本保管の文言を電子契約向けに調整しておくと安心です。
-
紙契約で使っていた後文をそのまま使っても大丈夫ですか?
- 紙契約の後文をそのまま使うと、電子契約の実態と合わない表現が残ることがあります。例えば「本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ各1通を保有する」といった文言は、紙の契約書と押印を前提にした表現です。電子契約では、「電磁的記録を作成し」「電子署名を行い」「各自その電磁的記録を保管する」といった表現へ調整するケースがあります。
-
電子契約の後文には「電磁的記録」と書いた方がいいですか?
- 電子契約では、契約書が紙ではなく電子データとして作成・保存されるため、「電磁的記録」という表現を使うケースがあります。必ずこの言葉を入れなければならないわけではありませんが、電子契約の形式を明確にしたい場合には使いやすい表現です。特に、契約書の末尾で「本書の電磁的記録を作成し」と書くと、紙契約ではなく電子契約として締結していることを整理しやすくなります。
-
電子署名をしていれば後文は不要ですか?
- 電子署名をしていれば、契約の成立方法や署名ログは電子契約サービス側で確認できる場合があります。ただし、契約書本文として後文を入れておくことで、契約当事者・電子署名・保管方法の関係を文面上でも整理できます。特に取引先が電子契約に慣れていない場合や、社内で契約書を管理する場合は、後文がある方が契約形式を確認しやすくなります。
-
電子契約の後文で「原本」という言葉を使ってもいいですか?
- 「原本」という言葉は紙契約を前提に使われることが多いため、電子契約では注意が必要です。電子契約の場合、紙の原本を双方が1通ずつ保有するのではなく、電磁的記録として契約データを保存する形になります。そのため、後文では「原本」よりも「電磁的記録」「本契約書データ」「当該電磁的記録」などの表現を使う方が、電子契約の実態に合いやすいです。
-
電子契約の後文は契約書の種類ごとに変えた方がいいですか?
- 基本形は共通でも問題ありませんが、契約書の種類に合わせて少し調整した方が自然な場合があります。例えば、業務委託契約書なら甲乙表記で問題ないことが多い一方、雇用契約書では「会社および従業員」、売買契約書では「売主および買主」と書いた方が分かりやすいケースがあります。後文は長くする必要はありませんが、契約当事者と契約内容に合う表現へ整えることが大切です。
-
電子契約サービスを使う場合も後文は必要ですか?
- 電子契約サービスを使う場合でも、後文を入れることがあります。サービス側で電子署名・タイムスタンプ・締結ログ・保管機能などが用意されている場合でも、契約書本文に契約形式を整理しておくことで、契約書だけを見たときにも電子契約で締結されたことが分かりやすくなります。ただし、サービスごとに署名方式や保管方法が異なるため、後文は自社の利用方法に合わせて調整してください。
-
個人事業主やフリーランスでも電子契約の後文は入れた方がいいですか?
- 個人事業主やフリーランスでも、電子契約を使うなら後文を入れておくと契約形式を整理しやすくなります。特に、業務委託契約書・制作委託契約書・秘密保持契約書などでは、契約後に内容を確認する機会もあります。難しい法律文にする必要はありませんが、「電磁的記録を作成し、双方が電子署名を行い、各自保管する」といった基本形を入れておくと実務上使いやすいです。
まとめ|電子契約の最後の文言(後文)は契約方式に合わせて整理することが重要
電子契約では、契約書の最後に「後文」と呼ばれる締結文言を記載するケースがあります。
特に、電子契約では「電磁的記録」「電子署名」「双方保管」といった表現を使うことが多く、紙契約の後文をそのまま流用すると、契約方式と合わない内容になることがあります。
後文に絶対的な決まりがあるわけではありませんが、契約内容や契約方式と矛盾しないよう整理することが重要です。
また、業務委託契約書・NDA・雇用契約書・売買契約書など、契約種類によって使いやすい表現も少しずつ変わります。
電子契約を導入したばかりの場合は、まずはシンプルな基本後文から始め、自社の契約運用に合わせて調整していくと整理しやすくなります。
なお、電子契約サービスによっては、契約締結ログや電子署名履歴の保存機能を備えているケースもあります。後文だけでなく、契約全体の運用ルールも合わせて確認しておくと安心です。
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