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データ処理契約書(DPA)

データ処理契約書(DPA)は、業務委託やSaaS提供などにおいて、委託元から委託先へ個人データや業務データの処理を委託する際の取扱いを定める契約書です。処理範囲、安全管理措置、再委託、漏えい時の対応、監査、データ返還・削除などを明確にし、個人情報保護法等への対応と情報管理体制の強化に役立ちます。

契約書名
データ処理契約書(DPA)
バージョン / ファイル
1.00 / Word
作成日 / 更新日
特徴
個人データの適正な処理方法と情報セキュリティ管理体制を包括的に定められる。
利用シーン
SaaS事業者へ顧客情報の管理・運用を委託する場合/システム開発会社やBPO事業者へ個人データの処理業務を委託する場合
メリット
データ処理に関する責任範囲や安全管理措置を明確化し、情報漏えいや法令違反のリスクを低減できる。
ダウンロード数
2件
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データ処理契約書(DPA)とは?

データ処理契約書(DPA:Data Processing Agreement)とは、個人データや業務データを第三者へ処理委託する際に、その取扱方法や責任範囲を定める契約書です。近年では、SaaS、クラウドサービス、システム開発、BPO、コールセンター、マーケティング支援など、多くの企業が外部事業者へデータ処理を委託しています。そのため、委託先における情報管理体制を明確にし、情報漏えいや法令違反を防止することが重要になっています。データ処理契約書を締結する主な目的は次のとおりです。

  • 個人データの取扱方法を明確にすること
  • 委託元と委託先の責任範囲を定めること
  • 情報漏えいなどのセキュリティリスクを低減すること
  • 個人情報保護法やGDPRなどの法令遵守を支援すること
  • データ処理に関する監査や管理体制を整備すること

DPAは単なる秘密保持契約とは異なり、「どのようにデータを取り扱うか」を詳細に定める点が特徴です。

データ処理契約書(DPA)が必要となるケース

データ処理契約書は、個人データや機密データを外部へ預ける業務で広く利用されています。

SaaS・クラウドサービスを利用する場合

顧客情報や従業員情報をクラウドサービス上で管理する場合、サービス提供会社がデータ処理を行います。

例えば、

  • 顧客管理システム(CRM)
  • 営業支援システム(SFA)
  • 勤怠管理システム
  • 会計システム
  • オンラインストレージ

などが該当します。

システム開発会社へ委託する場合

システム保守や改修のために開発会社が本番データへアクセスする場合は、データの取扱条件を契約で明確にする必要があります。

BPO・アウトソーシングを利用する場合

コールセンター、給与計算、人事業務、事務代行などでは、多数の個人データを委託先が処理します。

マーケティング会社へ委託する場合

メール配信や広告配信、顧客分析などでは、顧客データを利用するケースが多くあります。

海外クラウドサービスを利用する場合

国外サーバーや海外企業がデータを処理する場合には、国外移転に関する管理体制も重要になります。

データ処理契約書に盛り込むべき主な条項

一般的なDPAでは、次の条項を定めます。

  • 契約の目的
  • データ処理の範囲
  • 処理目的の限定
  • 個人データの種類
  • 安全管理措置
  • 秘密保持義務
  • 再委託に関する条件
  • 国外移転の条件
  • 監査権
  • 事故発生時の報告義務
  • 本人請求への対応
  • 契約終了後の返還・削除
  • 損害賠償
  • 契約解除
  • 準拠法・合意管轄

これらを契約で明確にしておくことで、実務上のトラブルを未然に防ぎやすくなります。

条項ごとの解説と実務ポイント

1. 処理目的を限定する条項

委託先は、契約で定めた目的以外にデータを利用してはいけません。

例えば、

  • 顧客分析のために預かった情報を営業活動へ利用する
  • 他社案件へ転用する
  • AI学習データとして利用する

などは禁止事項として明記することが望まれます。処理目的を限定することは、個人情報保護法だけでなく、企業間の信頼維持にもつながります。

2. 安全管理措置条項

DPAの中心となる条項です。

具体例として、

  • アクセス権限管理
  • 多要素認証
  • 暗号化
  • 通信の保護
  • ログ取得
  • バックアップ管理
  • ウイルス対策
  • 従業員教育

などを規定します。安全管理措置が不十分だと、情報漏えい事故が発生した際の責任問題にも発展します。

3. 再委託条項

クラウドサービスでは再委託が行われるケースが少なくありません。

例えば、

  • データセンター運営会社
  • 保守会社
  • 監視サービス会社
  • ヘルプデスク会社

などです。

そのため、

  • 事前承諾を必要とするか
  • 包括承諾とするか
  • 再委託先にも同等の義務を負わせるか

を定めておくことが重要です。

4. 国外移転条項

海外クラウドを利用する企業は増えています。

国外移転を認める場合には、

  • 移転先国
  • 移転先事業者
  • 保護措置
  • 法令への適合状況

を確認しておくことが望まれます。

5. 監査条項

委託元が情報管理状況を確認できるよう、監査権を定めます。

監査方法としては、

  • 書面提出
  • オンライン監査
  • 第三者認証の提出
  • 現地監査

などがあります。実務ではISO/IEC 27001、SOC報告書などを活用する企業も増えています。

6. 漏えい時の対応条項

万一事故が発生した場合には、

  • 速やかな報告
  • 原因調査
  • 影響範囲の特定
  • 被害拡大防止
  • 再発防止策

を契約で義務付けます。初動対応が遅れるほど被害が拡大するため、通知期限を定めるケースも多くあります。

7. データ返還・削除条項

契約終了後もデータが残存すると情報漏えいリスクが高まります。

そのため、

  • 返還するか
  • 完全削除するか
  • 削除証明を提出するか

を定めておくことが重要です。

秘密保持契約(NDA)との違い

項目 データ処理契約書(DPA) 秘密保持契約(NDA)
目的 データ処理方法を定める 秘密情報の漏えい防止
対象 個人データ・業務データ 秘密情報全般
安全管理措置 定める 通常は詳細に定めない
再委託 詳細に規定する 規定しない場合も多い
監査 規定することが多い 通常はない
データ削除 規定する 規定しないことも多い

NDAは「秘密を守る契約」、DPAは「データを適切に処理する契約」という違いがあります。

業務委託契約との違い

項目 データ処理契約書(DPA) 業務委託契約書
目的 データ処理のルールを定める 業務内容を定める
対象 データ管理 業務全般
安全管理 詳細に規定する 簡易的な場合が多い
監査 規定する 規定しない場合もある
情報漏えい対応 詳細に定める 概要のみの場合が多い

業務委託契約だけではデータ管理に関する規定が不足することがあるため、DPAを別途締結するケースが増えています。

データ処理契約書を作成する際の注意点

  • 処理対象となるデータを具体的に記載する。
  • 処理目的を明確に限定する。
  • 再委託の可否を明文化する。
  • 国外移転がある場合は適切な管理体制を確認する。
  • 漏えい時の通知方法と対応期限を定める。
  • 契約終了後の返還・削除方法を明確にする。
  • 個人情報保護法や業界ガイドラインとの整合性を確認する。
  • クラウドサービス利用時はサービス利用規約との内容も確認する。

まとめ

データ処理契約書(DPA)は、個人データや業務データを外部へ委託する際に不可欠な契約書です。近年はSaaSやクラウドサービスの普及に伴い、企業規模を問わず締結を求められるケースが増えています。契約書には、処理目的、安全管理措置、再委託、監査、事故対応、契約終了後のデータ返還・削除などを明確に定めることが重要です。適切なDPAを整備することで、情報漏えいリスクの低減、法令遵守の強化、委託先との責任分担の明確化につながり、企業の情報管理体制と信頼性を高めることができます。

本ページに掲載するデータ処理契約書(DPA)のひな形および解説は、一般的な参考情報として提供するものであり、特定の取引・案件への法的助言を目的とするものではありません。実際の契約締結に際しては、専門家(弁護士等)への確認を強く推奨いたします。

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株式会社pekoが運営する電子契約サービス「mysign(マイサイン)」の運営チームメンバー。法令遵守と信頼性の高い契約運用をテーマに、電子署名や契約実務に関する情報を発信しています。

 
 
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