紹介予定派遣契約書とは?
紹介予定派遣契約書とは、人材派遣会社と派遣先企業との間で締結する契約書であり、派遣期間終了後に派遣社員を直接雇用することを前提として利用される契約です。通常の労働者派遣契約とは異なり、紹介予定派遣では「採用を前提とした派遣」であるため、採用判断、紹介手数料、派遣期間終了後の雇用条件などを明確に定める必要があります。特に、職業安定法や労働者派遣法との関係上、通常派遣では制限される事前面接等が認められる点が大きな特徴です。
紹介予定派遣契約書が必要となるケース
紹介予定派遣契約書は、以下のような場面で利用されます。
- 派遣社員を将来的に正社員として採用したい場合
- 採用前に実際の勤務状況や適性を確認したい場合
- 採用ミスマッチを防止したい場合
- 派遣期間終了後に直接雇用へ切り替える予定がある場合
- 人材派遣会社を通じて採用活動を行う場合
- 紹介予定派遣特有の紹介手数料条件を整理したい場合
紹介予定派遣契約書で定める主な条項
1.紹介予定派遣である旨
通常派遣との区別を明確にするため、「紹介予定派遣契約」であることを契約書に明記します。
- 派遣終了後の直接雇用を予定していること
- 派遣先による採用判断を行うこと
- 派遣労働者本人の同意を前提とすること
これらを明記することで、契約内容の誤解や法的トラブルを防止できます。
2.派遣期間
紹介予定派遣では、派遣期間を適切に定める必要があります。一般的には以下のような期間設定が行われます。
- 1か月
- 3か月
- 6か月
派遣期間終了後に採用可否を判断するため、契約書には採用判断時期も記載しておくことが重要です。
3.直接雇用時の条件
紹介予定派遣契約書では、派遣終了後に直接雇用する場合の条件を整理します。
- 雇用形態(正社員・契約社員等)
- 給与条件
- 勤務時間
- 試用期間
- 福利厚生
採用条件を事前に明確化することで、派遣社員とのトラブル防止につながります。
4.紹介手数料
派遣先企業が派遣社員を採用した場合の紹介手数料について定めます。
- 手数料率
- 算定基準
- 支払期限
- 返金条件
特に早期退職時の返金条件は、実務上重要なポイントとなります。
5.個人情報保護・秘密保持
派遣社員の履歴書、職務経歴書、評価情報などを取り扱うため、個人情報保護条項や秘密保持条項を整備します。
- 応募者情報の管理方法
- 第三者提供の禁止
- 採用活動目的以外での利用禁止
- 退職後の秘密保持
個人情報保護法への対応としても重要です。
紹介予定派遣契約書を作成するメリット
採用ミスマッチを防止できる
実際に一定期間働いたうえで採用判断ができるため、書類選考や面接だけでは分からない適性を確認できます。
採用条件を事前整理できる
給与、雇用形態、紹介手数料などを契約書で整理できるため、採用後のトラブル防止につながります。
法令対応を明確化できる
紹介予定派遣は通常派遣とは異なる法規制があるため、契約書で法令遵守体制を明確化できます。
紹介予定派遣契約書の注意点
通常派遣との違いを理解する
紹介予定派遣では事前面接等が認められる一方、通常派遣には制限があります。契約形態を誤ると法令違反となる可能性があります。
採用拒否時の運用を整理する
派遣終了後に採用しない場合の通知方法や理由説明について、事前に整理しておくことが重要です。
紹介手数料条件を明確にする
採用時期や退職時期によって紹介手数料の取扱いが変わるケースがあるため、返金規定も含めて明確化しておく必要があります。
まとめ
紹介予定派遣契約書は、派遣終了後の直接雇用を前提として利用される重要な契約書です。通常派遣とは異なる法規制が適用されるため、紹介予定派遣である旨、採用条件、紹介手数料、個人情報保護、秘密保持などを適切に整理しておく必要があります。人材派遣会社・派遣先企業双方が安心して採用活動を進めるためにも、実務に即した契約書を整備しておくことが重要です。