契約書を管理・トラブル対応する 公開日:2026年8月12日 更新日:2026年8月12日

契約書に署名・押印した後で間違いに気づいた場合の対応

契約書に署名・押印した後で間違いに気づいた場合の対応

契約書へ署名・押印した後に、会社名の誤字、契約日の日付違い、金額や契約期間の記載ミスなどに気づくことがあります。

この場合、署名・押印した契約書を自分だけで書き換えるのではなく、相手方がまだ署名していないのか、双方が署名・押印済みなのか、すでに契約書を交換しているのかを確認したうえで対応方法を決めることが重要です。

また、単純な誤字と、金額・契約期間・業務内容など契約条件そのものに関係する間違いでは、適した対応方法が異なります。

署名・押印後に間違いを見つけた場合の基本的な流れ

  1. 間違っている箇所を確認する
  2. 現在どこまで締結手続きが進んでいるか確認する
  3. 元の契約書は勝手に書き換えず保管する
  4. 契約相手へ間違いを伝える
  5. 訂正・再作成・変更契約書などの方法を決める
  6. 双方で正しい内容を確認して手続きを行う
  7. 訂正前後の関係が分かる状態で保管する
今日から使える電子契約サービス
mysign(マイサイン)ロゴアイコン mysign(マイサイン)電子契約サービス

法的に安心・送信コスト0円・契約相手はログイン不要

今すぐ無料で始める
マイサインとは

マイサイン(mysign)はフリープランでも機能が充実!

目次

署名・押印した後でも間違いに気づいたらそのまま進めない

契約書へ署名・押印した後に間違いを見つけた場合は、「もう印鑑を押したから直せない」と考えて、そのまま相手方へ送付することは避けましょう。

一方で、署名・押印後に誤字が見つかったからといって、それだけですべての契約が当然に無効になるわけでもありません。

民法第522条では、法令に特別の定めがある場合を除き、契約は申込みと承諾によって成立し、書面の作成その他の方式を必要としないことを原則としています。

そのため、重要なのは印鑑を押したという事実だけではなく、当事者が実際にどのような内容について合意していたのかを確認することです。

まず「誰がどこまで手続きしたか」を確認しましょう。
自分だけが署名・押印した段階なのか、双方が署名・押印済みなのか、すでに双方へ契約書が渡っているのかによって、訂正の進め方が変わります。

まず確認するのは「間違いの内容」と「締結の進み具合」

間違いを見つけたら、すぐに契約書へ手を加えるのではなく、次の2点を整理します。

1.どのような間違いか

まず、間違っている部分が契約内容にどの程度影響するのか確認します。

間違いの例 確認するポイント
単純な誤字・脱字 契約内容の意味が変わっていないか
会社名・氏名 契約当事者を正しく特定できるか
契約日 締結日・効力発生日など、どの日付を誤ったのか
契約金額 双方が実際に合意した金額と一致しているか
契約期間 開始日・終了日・更新条件に影響しないか
業務内容 実際に合意した業務範囲と異なっていないか

2.相手方がどこまで手続きしているか

次に、契約締結の進み具合を確認します。

  • 自社だけが署名・押印し、まだ相手方へ渡していない
  • 自社は署名・押印済みだが、相手方はまだ署名・押印していない
  • 双方が署名・押印済みだが、契約書の交換は完了していない
  • 双方が署名・押印し、それぞれ契約書を保管している
  • 電子契約ですでに署名・同意が行われている

この段階を確認してから、正しい契約書を作り直すのか、訂正内容を双方で確認するのか、別途覚書などを作成するのかを判断します。

自分だけが署名・押印した後に間違いを見つけた場合

自社だけが署名・押印し、まだ相手方が署名・押印していない段階で間違いに気づいたのであれば、正しい内容の契約書を作り直してから相手方へ渡す方法が分かりやすいでしょう。

例えば、印刷した契約書へ押印した直後に金額の誤りへ気づき、まだ相手方へ送っていない場合は、誤った契約書をそのまま使用せず、元データを修正して再度印刷し、内容を確認してから締結手続きをやり直します。

この段階での基本的な流れ

  1. 誤りのある契約書の使用を止める
  2. 契約書データの間違いを修正する
  3. 修正版をもう一度確認する
  4. 正しい契約書へ改めて署名・押印する
  5. 誤った契約書が混在しないよう処理する
  6. 正しい契約書だけを相手方へ送付する

誤った契約書を社内で残す必要がある場合は、「無効」「使用しない」など社内で判別できるようにし、誤って相手方へ送付しないよう管理します。

相手方へ送った後、相手方がまだ署名・押印していない場合

相手方へ契約書を送付した後に間違いへ気づいた場合は、できるだけ早く相手方へ連絡します。

まだ相手方が署名・押印していなければ、誤った契約書への手続きを止めてもらい、正しい契約書を改めて送る方法が分かりやすいでしょう。

相手方へ伝える内容

  • 送付済みの契約書に間違いがあったこと
  • 間違っている箇所
  • 正しい内容
  • 旧契約書には署名・押印しないでほしいこと
  • 修正版を改めて送付すること
  • 旧契約書の返却・破棄方法

特に郵送の場合は、旧契約書と修正版が相手方の手元に同時に存在する可能性があります。

どちらが正しい最終版なのか明確に伝え、古い契約書がそのまま締結されないようにしましょう。

双方が署名・押印した後に間違いを見つけた場合

双方がすでに署名・押印している場合は、一方だけで契約書を書き換えることは避けます。

まず相手方へ間違いを伝え、実際に双方が合意していた内容を確認します。

そのうえで、間違いの程度に応じて次のような方法を検討します。

方法 向いているケース
双方で元の契約書を訂正する 訂正箇所が少なく、双方が同じ訂正内容を確認できる場合
訂正確認書・覚書を作成する 元の契約書を残したまま訂正内容を明確にしたい場合
正しい契約書を再作成・再締結する 重要事項の誤りや訂正箇所が多い場合
変更契約書を作成する 誤記の訂正ではなく、締結後に契約条件そのものを変更する場合

どの方法を選ぶ場合でも、元の契約書と訂正後の内容の関係が後から分かるようにしておくことが重要です。

紙の契約書を直接訂正する場合の注意点

訂正箇所が少ない紙の契約書では、双方で訂正内容を確認し、元の契約書へ訂正を加える方法が採られることもあります。

一般的な実務では、誤った記載を完全に消してしまうのではなく、元の記載が確認できる状態で訂正し、正しい内容を記載する方法が用いられます。

ただし、一般的な契約書について「必ずこの方法で訂正しなければならない」「必ず訂正印を押さなければならない」という統一的な方式が民法上定められているわけではありません。

契約書自体に訂正方法の定めがある場合や、社内規程で訂正方法が決められている場合は、そのルールも確認してください。

双方が契約書を1通ずつ保管している場合は、片方だけを訂正しないようにします。
甲が保管する契約書と乙が保管する契約書で内容が異なる状態になると、後からどの記載が正しいのか分かりにくくなります。

金額・契約期間・業務内容を間違えた場合は慎重に確認する

契約金額、契約期間、支払条件、業務範囲などの間違いは、単純な誤字とは分けて考える必要があります。

例えば、双方は100万円で合意していたのに契約書へ10万円と記載していた場合は、締結時に実際にどの金額について合意していたのかを確認します。

一方が「100万円のつもりだった」と考え、もう一方が「契約書どおり10万円で合意した」と考えている場合には、単なる誤記として訂正できるとは限りません。

民法第95条では、意思表示が重要な錯誤に基づく場合について、一定の要件のもとで取り消すことができる旨が定められています。

ただし、すべての記載ミスが民法上の錯誤に該当するわけではありません。当事者間で実際の合意内容について認識が一致しない場合や、契約の有効性に関わる場合は、契約書だけを書き換えず、弁護士などの専門家への確認も検討してください。

契約書を作り直して再締結する場合

重要な箇所に間違いがある場合や、訂正箇所が多い場合は、正しい内容の契約書を作り直して、改めて双方で締結する方法があります。

再締結するときは、元の契約書と新しい契約書の関係を明確にしておくことが重要です。

確認しておきたい項目

  • どの契約書を作り直すのか
  • 旧契約書をどのように扱うのか
  • 新しい契約書の効力をいつから適用するのか
  • 旧契約書と新契約書で変更した箇所
  • 別紙・仕様書も正しい内容になっているか
  • 双方が同じ最終版を確認しているか

単に新しい契約書をもう1通作るだけでは、旧契約書との関係が不明確になる場合があります。

必要に応じて、新しい契約書や別途作成する書面で、旧契約書を訂正・置き換える目的で締結することを明確にします。

覚書・訂正確認書で対応する場合

元の契約書をそのまま残し、訂正内容だけを別の書面で確認する方法もあります。

例えば、訂正確認書や覚書には次のような内容を記載します。

  • 対象となる契約書の名称
  • 元の契約書の締結日
  • 訂正する条項・箇所
  • 誤って記載されている内容
  • 正しい内容
  • 訂正内容をいつから適用するか
  • その他の契約内容に変更がないこと

訂正文書だけを見ても、どの契約書のどの部分について確認したものなのか分かるようにしておきます。

覚書や再作成した契約書では印紙税も確認する

紙で新しい契約書や覚書などを作成する場合は、印紙税の対象になるかも確認します。

文書の名称が「覚書」「確認書」であっても、原契約の重要な事項を変更する内容であれば、印紙税法上の契約書に該当する場合があります。

国税庁では、原契約で定めた重要な事項を変更する文書について、その内容に応じて課税文書に該当する場合があることを案内しています。

また、正しい内容の契約書を新たに紙で作成して再締結する場合も、その契約書が課税文書に該当するかを改めて確認してください。

電子契約で署名した後に間違いへ気づいた場合

電子契約で署名・同意した後に間違いを見つけた場合は、締結済みのPDFなどを直接編集して修正することは避けます。

電子署名法第2条では、電子署名について、その情報が署名を行った者の作成に係ることを示すとともに、情報が改変されていないか確認できる措置であることが定められています。

電子署名が付与された後にPDF自体を書き換えると、電子署名の検証結果に影響する場合があります。

電子契約サービスを利用している場合は、そのサービスの取消し・再送信・再締結などの機能や手順を確認し、必要に応じて正しい契約書を改めて締結します。

電子契約での基本的な対応

  1. 締結済みデータを直接編集しない
  2. 間違っている箇所を確認する
  3. 相手方へ連絡する
  4. 利用サービスで取消し等が可能か確認する
  5. 正しい契約書の再締結または訂正文書の締結を行う
  6. 元の契約と訂正後の契約の関係が分かるよう管理する

署名・押印後に間違いを見つけた場合のチェックリスト

  • 間違っている箇所を特定した
  • 単純な誤字か重要な契約条件の間違いか確認した
  • 相手方がまだ署名・押印していないか確認した
  • 双方が署名・押印済みか確認した
  • 元の契約書を一方的に書き換えていない
  • 契約相手へ間違いを伝えた
  • 実際に双方が合意していた内容を確認した
  • 訂正・再締結・覚書のどれで対応するか決めた
  • 双方が保管する契約書の内容を揃えた
  • 新たな紙の文書を作成する場合は印紙税を確認した
  • 訂正前後の契約関係が分かる状態で保管した

よくある質問

印鑑を押した直後に間違いを見つけました。修正液で直してもよいですか?

契約書の元の記載が分からなくなる方法で修正すると、後からどこを変更したのか確認しにくくなります。

まだ相手方へ渡していないのであれば、正しい契約書を印刷し直して改めて署名・押印する方法が分かりやすいでしょう。

訂正印を押せばどんな間違いでも直せますか?

訂正印を使用したからといって、当事者間で合意していない契約内容を一方的に変更できるわけではありません。

特に金額、契約期間、業務内容などについては、まず正しい内容を双方で確認することが重要です。

契約書の日付を間違えた場合も再締結が必要ですか?

必ず契約書全体を再締結しなければならないとは限りません。

ただし、契約締結日、契約開始日、効力発生日などは意味が異なる場合があります。どの日付を間違えたのかと、実際に双方が合意した日付を確認したうえで訂正方法を決めます。

相手がまだ押印していなければ契約書を差し替えてよいですか?

相手方がまだ手続きをしていない場合は、誤った契約書への署名・押印を止めてもらい、正しい最終版を改めて送付する方法が分かりやすいでしょう。

すでに送った契約書については、使用しないことを相手方へ明確に伝えてください。

双方が押印した契約書を片方だけ訂正してもよいですか?

一方が保管する契約書だけを訂正すると、双方が保有する契約書の内容が異なってしまいます。

相手方と訂正内容を確認し、双方の契約書を同じ内容にするか、訂正確認書・覚書などによって訂正内容を共有できる状態にすることが重要です。

電子署名済みのPDFを修正してもう一度送ればよいですか?

締結済みの電子契約データを直接編集することは避けましょう。

利用している電子契約サービスの手順を確認し、必要に応じて取消し・再締結や、別途訂正文書を締結する方法で対応します。

署名・押印後の間違いへの対応をまとめると

契約書へ署名・押印した後に間違いを見つけた場合は、署名・押印済みという事実だけで判断せず、現在の締結状況と間違いの重要性を確認してから対応することが大切です。

  1. 間違っている箇所を確認する
  2. 相手方の署名・押印状況を確認する
  3. 元の契約書を勝手に書き換えない
  4. 契約相手へ間違いを伝える
  5. 双方が実際に合意した内容を確認する
  6. 必要に応じて訂正・再締結・覚書で対応する
  7. 訂正前後の関係が分かるよう保管する

まだ相手方が署名していない段階であれば、正しい契約書へ差し替えることで対応しやすい場合があります。一方、双方がすでに締結している場合は、一方的な訂正を避け、双方が確認できる形で正しい内容を残しましょう。

契約書を修正した場合は正しい最終版で締結する

契約書の間違いを修正した後は、古いファイルや誤った契約書と取り違えないよう、正しい最終版を確認してから締結手続きを行うことが重要です。

マイサイン(mysign)では、PDFの契約書をアップロードし、契約相手へオンラインで署名を依頼できます。契約相手はマイサインへの会員登録やログインをする必要がなく、受け取った案内からスマートフォンやパソコンで契約内容を確認し、署名・同意できます。

契約書を訂正して再度締結する場合も、署名を依頼する前に修正版が正しい最終版であることを確認し、旧版と混在しないよう管理しましょう。

今日から使える電子契約サービス
mysign(マイサイン)ロゴアイコン mysign(マイサイン)電子契約サービス

法的に安心・送信コスト0円・契約相手はログイン不要

今すぐ無料で始める
マイサインとは

マイサイン(mysign)はフリープランでも機能が充実!

mysign運営チームロゴ

マイサインの電子申請システム 運営チーム

株式会社peko(mysign運営)|mysign(マイサイン) 運営チーム

株式会社pekoが運営する電子契約サービス「mysign(マイサイン)」の運営チームメンバー。法令遵守と信頼性の高い契約運用をテーマに、電子署名や契約実務に関する情報を発信しています。