契約書を管理・トラブル対応する 公開日:2026年8月12日 更新日:2026年8月12日

契約書はいつまで保管する?保管期間を確認する方法

契約書はいつまで保管する?保管期間を確認する方法

契約書を整理するときに、「締結してから何年間保管すればよいのか」「契約が終了したら捨ててもよいのか」と迷うことがあります。

契約書の保管期間は、すべての契約について一律に「○年間」と決まっているわけではありません。法人か個人事業者か、税務上どの書類に該当するか、契約が現在も有効か、別の法令による保存義務がないかなどを確認する必要があります。

特に事業で作成・受領した契約書については、税務上の帳簿書類として一定期間の保存が求められる場合があります。

契約書の保管期間を確認する基本的な流れ

  1. 法人・個人事業者のどちらに該当するか確認する
  2. 税務上の保存対象となる契約書か確認する
  3. 保存期間と起算日を確認する
  4. 電子取引の場合は電子データの保存方法も確認する
  5. 契約が終了しているか確認する
  6. 税務以外に保管が必要な理由がないか確認する
  7. 必要な期間が終了してから廃棄を判断する
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契約書の保管期間は一律ではない

契約書の保管期間を考えるときは、「契約締結日から何年間」という考え方だけで判断しないことが重要です。

事業で使用する契約書については、法人税や所得税に関する帳簿書類の保存義務が関係することがあります。また、契約の種類によって別の法令や業界固有のルールが適用される場合もあります。

さらに、法令上の最低限の保存期間を過ぎていても、契約が継続している場合や、保証・支払・損害賠償などの権利義務を確認する必要がある場合には、実務上引き続き契約書を保管しておく必要があります。

「税務上の保存期間が終わった=すぐ廃棄できる」とは限りません。
税務上の保存義務だけでなく、契約の有効期間、未履行の義務、保証期間、紛争の有無、他の法令による保存義務なども確認してから廃棄を判断します。

法人の契約書は原則7年間保存する

国税庁では、法人が取引等に関して作成または受領した書類について、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から原則として7年間保存する必要があると案内しています。

保存対象となる書類の例には、注文書、契約書、領収書などが含まれています。

確認項目 法人の場合
対象となる書類 取引等に関して作成・受領した契約書など
原則的な保存期間 7年間
起算 その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から
一定の場合 10年間となる事業年度がある

一定の事業年度では10年間になる

法人の場合、青色申告書を提出した事業年度で青色繰越欠損金が生じた場合や、青色申告書を提出していない事業年度で災害損失金額が生じた場合には、保存期間が10年間となります。

そのため、法人の契約書を管理するときに「すべて7年で廃棄する」というルールにすると、保存期間が不足する可能性があります。

対象となる事業年度を経理担当者などと確認し、必要に応じて保存期限を長く設定しておきましょう。

個人事業者の契約書は原則5年間が目安となる

個人事業者については、法人とは保存期間の考え方が異なります。

国税庁が示している青色申告者の帳簿書類の保存期間では、取引に関して作成または受領した契約書、請求書、見積書、納品書、送り状などの「その他の書類」は5年間とされています。

書類 青色申告者の保存期間
帳簿 原則7年間
決算関係書類 7年間
現金預金取引等関係書類 原則7年間
契約書・請求書・見積書・納品書など 5年間

白色申告者についても、取引に関する書類は原則として5年間の保存が必要とされています。

ただし、消費税の課税事業者が仕入税額控除のために保存する請求書等や、適格請求書発行事業者が保存する適格請求書の写しなど、別の保存期間が適用される書類もあります。

契約書と請求書などを一括して管理している場合は、書類ごとの保存期間を確認したうえで管理ルールを決めるとよいでしょう。

「契約締結から5年・7年」と数えるわけではない

契約書の保存期間を確認するときに注意したいのが、保存期間を数え始める日です。

法人の場合は、単純に契約締結日から7年を数えるのではなく、原則としてその契約書が関係する事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間となります。

個人事業者の書類についても、作成または受領した日から単純に5年を数えるわけではありません。

そのため、契約書へ記載された契約締結日だけを基準に自動廃棄日を設定すると、法令上必要な保存期間より早く廃棄してしまう可能性があります。

保管期限を管理するときの項目

  • 契約締結日
  • 契約書を作成・受領した日
  • 対象となる事業年度・年分
  • 税務上の保存期間
  • 契約終了日
  • 保証・支払などが終了する日
  • 社内で設定した廃棄予定日

「契約終了日」と「法令上の保存期限」を別々に記録しておくと、誤って早く廃棄することを防ぎやすくなります。

契約終了後もすぐには廃棄しない

契約期間が終了した契約書でも、その日に廃棄できるとは限りません。

例えば、契約終了後にも代金の支払、保証、秘密保持、損害賠償などに関する条項が残っている場合があります。

また、税務上必要な保存期間がまだ終わっていない場合は、契約自体が終了していても保存を続ける必要があります。

契約終了後も保管を続けるか確認したいケース

  • 税務上の保存期間が終了していない
  • 未払いの代金・報酬がある
  • 保証期間が続いている
  • 秘密保持義務など契約終了後も続く義務がある
  • 損害賠償などについて確認する可能性がある
  • 契約内容について相手方と争いがある
  • 関連する取引や契約が継続している
  • 別の法令や社内規程で保存期間が定められている

契約終了日だけを基準に一括削除するのではなく、それぞれの契約について必要な保存期間が終わっているか確認しましょう。

電子契約の契約書も保存期間を確認する

契約書が紙ではなく、電子契約やメールなどを通じて電子データとして授受された場合も、税務上保存が必要な取引情報に該当することがあります。

所得税法・法人税法上の保存義務者が、契約書などに通常記載される取引情報を電子データで授受した場合は、電子帳簿保存法に基づいてその電子取引データを保存する必要があります。

この場合に重要なのは、紙へ印刷して保管することとは別に、受け取った電子データ自体を保存する必要があるという点です。

紙か電子かによって「必要な期間を保存する」という考え方がなくなるわけではありません。
電子契約の場合は、保存期間だけでなく、電子帳簿保存法で求められる電子データの保存方法についても確認してください。

契約書ごとの保管期限を確認する方法

実際に契約書を整理するときは、次の順番で確認すると判断しやすくなります。

1.法人か個人事業者か確認する

まず、契約書を保存する事業者が法人なのか個人事業者なのかを確認します。

法人と個人事業者では、税務上の契約書の保存期間が異なります。

2.契約書が関係する年度・年分を確認する

次に、その契約書をいつ作成・受領し、どの事業年度または年分の取引に関係するものなのかを確認します。

保存期間の起算を判断するためにも必要な情報です。

3.税務上必要な保存期間を確認する

法人であれば原則7年間、個人事業者の契約書などは原則5年間という基準を確認したうえで、例外に該当しないかを確認します。

事業形態や取引の内容によって判断に迷う場合は、税理士や所轄の税務署などへ確認してください。

4.契約が終了しているか確認する

税務上の保存期限だけでなく、契約自体が終了しているかも確認します。

長期契約の場合は、税務上の期間だけを見て契約期間中の契約書を廃棄しないよう注意が必要です。

5.契約終了後に残る権利・義務を確認する

契約期間が終了していても、保証、秘密保持、代金の支払などが残っていないかを確認します。

必要であれば、税務上の最低限の保存期間よりも長い期間を社内の保存期間として設定します。

6.別の法令や社内ルールを確認する

業種や契約の種類によっては、税法以外の法令による保存義務が関係する場合があります。

また、自社の文書管理規程で法令上の期間より長い保存期間を定めている場合は、そのルールも確認します。

契約書の保存期間を管理する一覧を作る

契約件数が増えてきた場合は、契約書ごとに保存期限を確認するのではなく、契約管理表などへ必要な情報をまとめておくと管理しやすくなります。

管理項目 記録する内容
契約相手 会社名・氏名
契約書名 業務委託契約書、売買契約書など
契約締結日 契約を締結した日
契約終了日 契約期間が終了する日
保存期間 適用される法令等から確認した期間
保存期限 実際に保存しておく期限
廃棄予定 廃棄可能か再確認する予定日

保存期限になった時点で自動的に削除するのではなく、「廃棄して問題がないかを確認する日」として管理する方法もあります。

契約書を廃棄する前のチェックリスト

  • 税務上必要な保存期間が終了している
  • 契約自体が終了している
  • 未払いの代金・報酬が残っていない
  • 保証期間が終了している
  • 契約終了後も続く義務を確認した
  • 相手方との紛争・請求が発生していない
  • 関連する契約で参照する必要がない
  • 他の法令による保存義務がないことを確認した
  • 社内規程で定めた保存期間を満たしている
  • 電子データやバックアップの扱いも確認した

よくある質問

法人の契約書はすべて7年で捨ててよいですか?

一律に7年で廃棄するのは適切ではありません。

法人税上は契約書などの取引書類について原則7年間の保存が求められますが、一定の事業年度では10年間となります。

また、契約が継続している場合や、契約上の権利義務を確認する必要がある場合、別の法令による保存期間がある場合には、さらに長く保管することがあります。

個人事業主も契約書を7年間保存する必要がありますか?

契約書について一律7年間というわけではありません。

青色申告者の場合、国税庁が示す「その他の書類」に該当する契約書などは5年間とされています。帳簿や決算関係書類などには7年間の保存が必要なものがあります。

書類の種類によって期間が異なるため、契約書以外の書類とまとめて管理している場合は注意してください。

契約が終わったら契約書を捨ててもよいですか?

契約終了だけを理由にすぐ廃棄することは避けましょう。

税務上の保存期間が残っている場合や、保証、支払、秘密保持などの権利義務が残っている場合には、引き続き保管する必要があります。

電子契約なら保存期間を気にしなくてもよいですか?

電子契約でも保存期間の確認は必要です。

さらに、電子取引によって授受した契約書などについては、電子帳簿保存法に基づく電子データの保存方法も確認する必要があります。

保存期間が分からない契約書はどうすればよいですか?

法人・個人事業者の別、契約書を作成・受領した年、契約の種類、現在の契約状況などを整理し、関係する法令を確認します。

税務上の取扱いについて判断が難しい場合は税理士や税務署、契約の法的な保管必要性について判断が難しい場合は弁護士などの専門家へ確認してください。

契約書の保管期間をまとめると

契約書をいつまで保管するかは、「契約締結から何年経ったか」だけで判断するのではなく、税務上の保存義務と契約上の必要性を分けて確認することが重要です。

  1. 法人・個人事業者の別を確認する
  2. 税務上必要な保存期間を確認する
  3. 保存期間の起算日を確認する
  4. 契約期間が終了しているか確認する
  5. 終了後も残る権利・義務を確認する
  6. 他の法令・社内規程を確認する
  7. すべて問題がないことを確認してから廃棄する

特に契約数が増えてきた場合は、契約書ごとに保存期限や廃棄確認日を管理しておくと、必要な契約書の誤廃棄を防ぎやすくなります。

電子契約書も契約情報と一緒に管理する

電子契約書を管理する場合は、契約書ファイルだけではなく、契約相手、契約締結日、契約期間などの情報と合わせて整理しておくと、後から契約内容を確認しやすくなります。

マイサイン(mysign)では、PDFの契約書をアップロードし、契約相手へオンラインで署名を依頼できます。契約相手はマイサインへの会員登録やログインをする必要がなく、受け取った案内からスマートフォンやパソコンで契約内容を確認し、署名・同意できます。

契約締結後は、法令上必要な保存期間だけでなく、自社で契約内容を確認する必要がある期間も考慮し、契約書を適切に管理しましょう。

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