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部品製作に関する同意書

部品製作に関する同意書は、時計修理に必要な純正部品や代替部品を入手できない場合に、修理店が部品を新規製作・加工して使用することについて、お客様の同意を得るための書面です。製作部品の仕様や性能、費用、納期、保証、責任範囲などを明確にできます。

契約書名
部品製作に関する同意書
バージョン / ファイル
1.00/ Word
作成日 / 更新日
特徴
純正部品等を入手できない時計について、部品の新規製作・加工を行う際の条件やリスク、保証、責任範囲を明確にできる。
利用シーン
製造終了した純正部品の代わりに修理店が部品を製作する/ヴィンテージ時計やアンティーク時計の修理で既存部品を加工して使用する
メリット
製作部品が純正品と異なる可能性や費用・性能・納期などを事前に説明し、部品製作後の認識違いやトラブルを防ぎやすくなる。
ダウンロード数
3件
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「部品製作に関する同意書」の本ひな形の利用にあたっては、必ず「契約書ひな形ダウンロード利用規約」をご確認ください。無料ダウンロードされた時点で、規約に同意いただいたものとさせていただきます。

目次

部品製作に関する同意書とは?

部品製作に関する同意書とは、時計修理に必要な純正部品や代替部品を入手できない場合などに、時計修理店が修理用の部品を新規に製作したり、既存部品を加工したりすることについて、あらかじめお客様の理解と同意を得るための書面です。時計は長期間使用される製品であり、製造から数十年が経過したヴィンテージ時計やアンティーク時計では、メーカーによる部品の製造・供給が終了していることがあります。また、海外製品や並行輸入品などでは、国内で適合する部品を確保することが難しいケースもあります。このような場合、時計修理店では、既存部品の寸法や形状などを確認しながら、歯車、軸、巻真、ネジ、ピン、パイプ、スペーサーなどを製作し、修理に使用することがあります。
しかし、修理店が独自に製作した部品はメーカー純正部品ではありません。そのため、

  • 純正部品と材質や形状が異なる可能性がある
  • 新品時と同じ性能や精度を再現できない可能性がある
  • 部品を製作しても時計を完全に修理できない場合がある
  • 通常の部品交換より費用や期間がかかる場合がある
  • メーカーによる修理や保証を受けられなくなる可能性がある

といった点について、修理前にお客様へ説明しておくことが重要です。部品製作に関する同意書を作成しておけば、どのような条件で部品を製作するのか、製作部品にはどのような限界があるのか、費用や納期をどのように扱うのかなどを明確にできます。

部品製作に関する同意書が必要となるケース

時計修理において、すべての修理がメーカー純正部品の交換だけで完了するとは限りません。特に古い時計や希少な時計では、部品製作が修理方法の選択肢となる場合があります。

純正部品が製造終了している場合

時計メーカーでは、すべてのモデルについて永久に補修部品を供給しているわけではありません。製造終了から長期間が経過した時計では、メーカーによる純正部品の製造や在庫保有が終了し、正規ルートから部品を入手できない場合があります。時計そのものは修理可能な状態でも、必要な部品が存在しないため修理できないというケースです。このような場合、既存部品を参考に修理店が部品を製作することで、修理できる可能性があります。

ヴィンテージ時計やアンティーク時計を修理する場合

ヴィンテージ時計やアンティーク時計では、部品の供給終了だけでなく、メーカー自体が存在しなくなっていることもあります。また、同じモデルでも製造時期によって内部部品の仕様が異なる場合があり、一般的な交換部品をそのまま使用できるとは限りません。
そのため、

  • 既存部品を採寸して新しい部品を製作する
  • 既存部品を加工して再利用する
  • 適合する部品を追加加工して使用する

などの対応が必要になる場合があります。

海外製品や並行輸入時計を修理する場合

海外メーカーの時計や並行輸入された時計では、国内の修理店がメーカー純正部品を直接入手できないケースがあります。海外から部品を取り寄せることができたとしても、供給状況や輸送事情によって入手まで長期間を要する場合もあります。こうした事情から、お客様と相談したうえで部品製作による修理を選択することがあります。

適合する代替部品が存在しない場合

純正部品がなくても、市販されている代替部品によって修理できる場合があります。しかし、寸法、形状、材質などが対象時計に適合しなければ、そのまま取り付けることはできません。適切な代替部品を確保できない場合には、対象時計に合わせた部品を製作する必要があります。

既存部品の加工が必要となる場合

新しい部品を一から製作するだけでなく、既存部品に切削、研磨、穴あけ、成形などの加工を行って修理する場合もあります。一度加工した部品は、加工前の状態へ完全に戻せないことがあります。特に希少価値の高い時計では、オリジナル部品を維持すること自体が重要になる場合があるため、加工前にお客様の意向を確認することが大切です。

部品製作に関する同意書に盛り込むべき主な項目

時計修理店向けの部品製作に関する同意書では、単に「部品製作に同意します」と記載するだけではなく、部品製作に伴う条件や注意事項を具体的に整理しておくことが重要です。主な項目として、次の内容が挙げられます。

  • 対象となる時計の情報
  • 部品製作や加工を行う理由
  • 製作する部品の内容
  • 純正部品との相違
  • 製作方法や仕様
  • 既存部品を加工する場合の取扱い
  • 製作部品の適合性
  • 修理後の性能や精度
  • 防水性能
  • 部品製作・加工費用
  • 修理納期
  • 外部事業者への加工委託
  • 部品製作後に修理不能となった場合の取扱い
  • 取り外した部品の取扱い
  • 製作部品や製作用データ等に関する権利
  • 修理後に第三者が作業した場合の取扱い
  • 保証内容
  • 時計修理店の責任範囲
  • 修理受付書や利用規約など他の書面との関係

これらをあらかじめ明文化することで、部品製作を伴う特殊な修理について、お客様と時計修理店の認識を合わせやすくなります。

条項ごとの解説と実務ポイント

1. 対象時計に関する条項

まず重要なのが、どの時計について部品製作への同意を得たのかを特定することです。メーカー・ブランド名、モデル名、型番・リファレンス番号、製造番号・シリアル番号などを記載できるようにしておくと、別の時計との混同を防止できます。複数の時計を同時に預かる店舗では、修理受付番号なども併記しておくと管理しやすくなります。

2. 部品製作を行う理由に関する条項

なぜ通常の部品交換ではなく、部品製作が必要なのかを明確にしておくことも大切です。
例えば、

  • メーカーによる純正部品の製造が終了している
  • 正規代理店等から部品を入手できない
  • 製造から長期間経過している
  • 海外製品等で部品調達が困難である
  • 適合する代替部品が存在しない

などの理由が考えられます。具体的な理由を記録しておけば、お客様に対して部品製作を提案した経緯も確認しやすくなります。

3. 製作部品に関する条項

部品製作といっても、その対象は時計によって異なります。歯車、軸、巻真、ネジ、ピン、パイプ、スペーサーなど、対象となる部品をできる限り特定しておくとよいでしょう。また、製作部品はメーカー純正部品ではなく、対象時計の修理・機能回復を目的として個別に製作される部品であることも説明しておくことが重要です。

4. 純正部品との相違に関する条項

部品製作に関する同意書の中でも特に重要な項目です。古い時計の場合、製造当時の設計図、材質情報、製造方法などを修理店が取得できないことがあります。
そのため、既存部品などを参考に部品を製作しても、

  • 材質
  • 形状
  • 寸法
  • 色調
  • 表面処理
  • 仕上げ
  • 耐久性
  • 精度

などが純正部品と完全には一致しない可能性があります。この点を説明しないまま修理すると、お客様が「純正部品と同じものが作られる」と認識してしまう可能性があります。したがって、製作部品は純正部品の完全な複製を保証するものではないことを明確にしておくことが重要です。

5. 既存部品の加工に関する条項

部品製作と同時に注意したいのが、既存部品の加工です。修理内容によっては、既存部品に対して切削、研磨、成形などを行う必要があります。一度加工すると元の状態へ完全に戻せない場合があるため、事前説明が重要になります。特にヴィンテージ時計では、時計としての機能だけでなく、オリジナル部品が残っていること自体を重視する所有者もいます。そのため、希少な時計については、既存部品を加工してよいかを個別に確認しておくことが望まれます。

6. 適合性に関する条項

製作した部品が単体として完成しても、それだけで修理が完了するとは限りません。時計内部では複数の部品が連動して動作しているため、周辺部品にも摩耗や変形がある場合、製作した部品との調整が必要になります。また、部品製作後に新たな故障が見つかることもあります。「部品を作れば必ず直る」という保証ではないことを明確にしておくことが重要です。

7. 性能・精度に関する条項

製作部品を使用して時計が動作するようになったとしても、新品時の性能が完全に回復するとは限りません。特に機械式のヴィンテージ時計では、ムーブメント全体の摩耗や劣化が進行していることがあります。そのため、部品製作後について、新品時やメーカー出荷時と同等の精度、耐久性その他の性能を保証するものではない旨を明確にしておくことが重要です。

8. 防水性能に関する条項

古い時計では、防水性能に関係するケース、リューズ、パッキンなども劣化している可能性があります。
内部部品を製作して修理できたとしても、それによって防水性能まで新品時の状態に戻るわけではありません。
防水検査を実施する場合はその結果を伝え、検査を行わない場合や十分な防水性能を確保できない場合は、その旨をお客様へ説明しておくことが重要です。

9. 費用に関する条項

部品製作では、採寸、設計、試作、切削、研磨、調整など複数の工程が必要になることがあります。そのため、一般的な既製部品の交換と比較して費用が高くなることがあります。また、実際に分解・加工を進めてから追加作業の必要性が判明するケースも考えられます。当初の見積額だけでなく、追加費用が発生する場合の承認方法についても定めておくと、料金トラブルを防ぎやすくなります。

10. 納期に関する条項

部品製作には時間がかかる場合があります。特に試作や再加工が必要な場合、当初の完成予定日を超えることがあります。外部の専門加工業者に依頼する場合には、その業者の作業状況によって納期が変動する可能性もあります。そのため、完成予定日が確定日ではなく目安である場合は、そのことを事前に明示しておくことが重要です。

11. 外部事業者への委託に関する条項

時計修理店がすべての部品を店内で製作するとは限りません。特殊な切削加工、表面処理などについて、専門事業者へ委託するケースも考えられます。外部委託を行う可能性がある場合には、部品製作工程の全部又は一部を第三者へ委託できる旨をあらかじめ定めておくと、実際の業務フローとの整合性を確保しやすくなります。

12. 部品製作後に修理不能となった場合の条項

非常に重要なのが、部品を製作したにもかかわらず時計を修理できなかった場合の取扱いです。時計を分解したり製作部品を組み込んだりした段階で、別の重大な損傷が判明する可能性があります。
この場合、

  • 既に製作した部品の費用をどうするのか
  • 分解料や診断料を請求するのか
  • 加工費をどう扱うのか
  • 時計をどのような状態で返却するのか

といった点が問題となります。見積書、修理受付書などと併せて、修理不能時の費用負担を明確にしておくことが重要です。

13. 取り外した部品に関する条項

部品製作を伴う修理では、交換・加工の対象となった元の部品をどう扱うかも確認しておきましょう。お客様がオリジナル部品の返却を希望するケースもあります。特にヴィンテージ時計では、使用できなくなった部品であっても保存を希望することがあります。そのため、返却希望がある場合には作業開始前に申し出てもらう運用にしておくと管理しやすくなります。

14. 製作部品や製作用データ等に関する権利の条項

対象時計に実際に組み込まれた製作部品と、修理店が製作過程で作成した図面や加工データ、治具、ノウハウ等は区別して整理しておくことが重要です。例えば、修理完了後に時計へ組み込まれた部品は時計の構成部品としてお客様へ引き渡す一方、修理店が独自に作成した加工データや製作工程等については、別途合意がない限り修理店又は正当な権利者に帰属するという整理が考えられます。また、時計メーカー等が有する商標権、意匠権、著作権その他の権利についても、同意書によって修理店やお客様へ移転するものではないことを確認しておくことが重要です。

15. 保証に関する条項

製作部品について保証を設ける場合には、

  • 保証期間
  • 保証対象となる故障
  • 保証対象外となる事由
  • 再修理の条件

などを明確にしておきましょう。例えば、製作部品自体の不具合と、経年劣化した別の部品による故障を区別する必要があります。落下、衝撃、水入り、磁気帯び、不適切な使用、第三者による分解などについても、保証規定との整合性を確認しておくことが大切です。

部品製作に関する同意書を作成する際の注意点

修理店側だけに有利な免責内容にしない

同意書を作成する目的は、修理店のあらゆる責任を免除することではありません。特に一般消費者から時計修理を受け付ける場合には、消費者契約法その他の法令との関係にも注意する必要があります。そのため、「いかなる場合も一切責任を負わない」といった包括的な免責ではなく、時計の経年劣化など修理店側で管理できないリスクと、修理店自身の責任を区別して規定することが重要です。

純正部品ではないことを明確に説明する

製作部品について最も認識違いが起こりやすいのが、純正部品との関係です。修理店が高い技術力によって精密な部品を製作した場合であっても、それがメーカーによって製造・供給された部品でなければ、メーカー純正部品とは区別する必要があります。「純正同等」「完全再現」など誤解につながり得る説明を安易に行わず、実際の製作内容に応じて適切に説明することが大切です。

高級時計・ヴィンテージ時計では資産価値への影響にも注意する

高級時計やヴィンテージ時計では、修理によって時計が正常に動作するようになることだけが所有者の目的とは限りません。オリジナル部品の保存状態が、コレクション上の評価や査定に影響する場合があります。非純正の製作部品への交換や既存部品への加工を行う場合には、修理後にメーカーサービス、査定、売却等へ影響する可能性があることも踏まえ、事前説明を行うことが望まれます。

見積書や修理受付書と内容を統一する

部品製作に関する同意書だけを独立して運用すると、他の書面と条件が食い違う可能性があります。
例えば、

  • 修理見積書では追加費用について記載がない
  • 同意書では追加費用が発生するとされている
  • 修理保証規定と同意書で保証期間が異なる
  • 修理受付書と同意書で取り外し部品の返却条件が異なる

といった状態は避ける必要があります。修理申込書、受付書、見積書、利用規約、保証規定など、店舗で使用している書面全体を確認して整合性を確保しましょう。

口頭説明だけで終わらせない

部品製作のような特殊修理では、作業前に丁寧な説明を行う店舗も多いでしょう。しかし、修理期間が長くなると、お客様と修理店の双方が説明内容を正確に記憶しているとは限りません。
特に、

  • なぜ部品製作が必要なのか
  • どの部品を製作するのか
  • 純正部品との違いは何か
  • 費用はいくらか
  • 修理できなかった場合の費用はどうなるか
  • 保証はどこまで適用されるのか

など、後からトラブルにつながりやすい事項は書面として残しておくことが重要です。

部品製作に関する同意書と修理見積書の違い

部品製作に関する同意書と修理見積書は、それぞれ役割が異なります。修理見積書は、主として修理内容や料金をお客様へ提示するための書面です。一方、部品製作に関する同意書は、純正部品ではない製作部品を使用することや、その製作に伴う性能上・実務上のリスクについて説明し、同意を得ることを主な目的とします。
したがって、部品製作が必要な修理では、見積書だけで完結させるのではなく、必要に応じて部品製作に関する同意書を併用することで、

  • 修理料金
  • 具体的な修理内容
  • 部品製作の必要性
  • 製作部品の性質
  • 修理できなかった場合の取扱い
  • 保証や責任範囲

をより明確に整理できます。

部品製作に関する同意書を運用する際のポイント

実際の店舗運営では、同意書を作成するだけでなく、どのタイミングで取得するかも重要です。原則として、部品製作を開始する前に内容を説明し、お客様の同意を取得する運用が適しています。当初は通常修理を予定していたものの、分解後に部品製作が必要だと判明した場合には、その時点でお客様へ連絡し、追加費用や納期変更などと併せて承認を取得する方法が考えられます。また、オンラインや宅配で全国から修理品を受け付ける時計修理店では、対面で署名を取得できないことがあります。その場合には、電子契約等を利用して同意内容と同意日時を記録できる仕組みを整えることも選択肢となります。部品製作は通常の部品交換と比較してお客様への説明事項が多いため、説明と同意の記録を一体的に管理することが重要です。

まとめ

部品製作に関する同意書は、純正部品や適合する代替部品を入手できない時計について、修理店が部品を新規製作・加工して修理する際の条件を明確にするための書面です。特にヴィンテージ時計、アンティーク時計、海外製品、並行輸入時計などでは、部品製作が修理を継続するための選択肢となることがあります。一方、製作部品はメーカー純正部品ではないため、材質、形状、性能、耐久性等が純正部品と完全に一致するとは限りません。また、部品を製作した後に別の不具合が判明し、最終的に修理を完了できない可能性もあります。
そのため、部品製作に関する同意書では、

  • 部品製作が必要となった理由
  • 製作・加工する部品
  • 純正部品との相違
  • 性能・精度・防水性能
  • 費用と納期
  • 修理不能となった場合の取扱い
  • 取り外した部品の取扱い
  • 保証及び責任範囲

などを具体的に定めておくことが重要です。時計修理店とお客様の双方が部品製作の内容とリスクを理解したうえで修理を進められるよう、修理受付書、見積書、保証規定、修理サービス利用規約などとも内容を整合させて運用しましょう。

本ページに掲載する部品製作に関する同意書のひな形および解説は、一般的な参考情報として提供するものであり、特定の取引・案件への法的助言を目的とするものではありません。実際の契約締結に際しては、専門家(弁護士等)への確認を強く推奨いたします。

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