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相談事例掲載同意書(FP)

相談事例掲載同意書(FP)は、ファイナンシャルプランナーが顧客の相談内容や改善事例をWebサイト、SNS、セミナー資料などへ掲載する際に使用する同意書です。匿名化、掲載媒体、編集・加工、個人情報の取扱い、同意撤回などの条件を明確にできます。

契約書名
相談事例掲載同意書(FP)
バージョン / ファイル
1.00/ Word
作成日 / 更新日
特徴
FP相談事例の公開に必要な匿名化、掲載媒体、編集・加工、個人情報、同意撤回などの条件をまとめて定められる。
利用シーン
FP事務所が家計相談や資産形成相談の事例をWebサイトで紹介する/相談者の匿名事例をSNSやセミナー資料に掲載する
メリット
相談者のプライバシーに配慮しながら、相談事例の掲載条件と利用範囲を事前に明確化できる。
ダウンロード数
4件
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相談事例掲載同意書(FP)とは?

相談事例掲載同意書(FP)とは、ファイナンシャルプランナーやFP事務所が、顧客から受けた相談内容や提案内容、相談後の変化などを、Webサイト、SNS、セミナー資料、パンフレットなどで相談事例として紹介する際に、あらかじめ相談者から同意を得るための書面です。FP相談では、単なる感想だけではなく、家計や資産状況など、相談者のプライバシーに深く関係する情報を取り扱うことがあります。例えば、相談事例には次のような情報が含まれる可能性があります。

  • 年代や職業、家族構成
  • 収入や毎月の支出
  • 預貯金や投資資産などの保有状況
  • 住宅ローンその他の負債
  • 加入している保険の状況
  • 教育資金や老後資金に関する悩み
  • 資産形成や相続に関する相談内容
  • FPから行った提案やアドバイス
  • 相談後の変化や相談者の感想

氏名を掲載しなければ問題ないとは限りません。年齢、職業、家族構成、居住地域、相談内容などを組み合わせることで、相談者を知る人から本人が推測される可能性もあります。そのため、FPが相談事例を広告や情報発信に活用する場合には、どの情報を、どの媒体で、どのような方法によって掲載するのかを整理し、相談者の同意を得ておくことが重要です。相談事例掲載同意書を作成しておけば、相談者のプライバシーに配慮しながら、FP事業者側も相談事例を適切に活用しやすくなります。

相談事例掲載同意書(FP)が必要となるケース

FP事業者が相談事例を外部へ公表する場合には、相談者との認識の違いを防ぐためにも、掲載条件を事前に確認しておくことが大切です。

WebサイトにFP相談事例を掲載する場合

FP事務所のWebサイトでは、「30代夫婦の住宅購入相談」「40代会社員の老後資金相談」など、具体的な相談事例を掲載することがあります。実際の相談事例を紹介することで、これから相談を検討する人にサービス内容を具体的に伝えられる一方、相談者の家計状況や家族事情などが公開される可能性があります。そのため、掲載対象となる情報や匿名化の方法を明確にしておく必要があります。

SNSで相談事例を紹介する場合

Instagram、X、Facebookその他のSNSで、相談内容を分かりやすく加工して紹介するケースもあります。SNSは情報が拡散されやすく、第三者による保存や転載が行われる可能性もあります。一度公開された情報を完全に回収することが難しい場合があるため、相談者には掲載媒体や公開後の取扱いについて事前に説明しておくことが重要です。

セミナーや講演資料で使用する場合

FPがマネーセミナーや企業研修などを開催する際、過去の相談事例を具体例として紹介する場合があります。氏名を伏せていても、勤務先、家族構成、年齢、資産状況などから本人が推測される可能性があります。そのため、必要に応じて金額を概数にするなど、匿名化・抽象化した上で利用することが考えられます。

パンフレットや広告物へ掲載する場合

相談事例をパンフレット、チラシ、広告などに掲載する場合も、掲載範囲を確認しておく必要があります。特に印刷物は、Webサイトと異なり、掲載後に内容を変更したり回収したりすることが容易ではありません。同意撤回後の取扱いについても、あらかじめ定めておくことが重要です。

相談者の感想と相談内容をセットで紹介する場合

顧客の声として感想だけを掲載するのではなく、「どのような悩みがあり、FPがどのような提案を行い、その後どうなったのか」という形で掲載する場合には、より多くの個人情報が含まれる可能性があります。相談者がどの範囲まで公開されると認識しているのかを明確にするためにも、書面による同意を得ておくことが有効です。

相談事例掲載同意書(FP)に盛り込むべき主な項目

相談事例掲載同意書には、単に「掲載に同意します」と記載するだけではなく、具体的な掲載条件を定めておくことが重要です。主な項目として、次のようなものが挙げられます。

  • 相談事例を掲載する目的
  • 掲載対象となる情報
  • 氏名などの個人を直接特定する情報の取扱い
  • 匿名化・抽象化の方法
  • WebサイトやSNSなどの掲載媒体
  • 相談内容の編集・加工
  • 掲載前の内容確認
  • 個人情報の取扱い
  • 家族など第三者に関する情報の取扱い
  • 掲載期間
  • 同意撤回の方法
  • 掲載停止・削除の取扱い
  • 掲載に対する報酬や謝礼
  • 相談事例による成果保証を行わないこと

これらを具体的に定めることで、相談者とFP事業者の双方が掲載条件を確認した上で相談事例を公開できるようになります。

条項ごとの解説と実務ポイント

1. 目的条項

まず明確にしたいのが、相談事例を何のために掲載するのかという点です。FP事業者の場合、サービス紹介、情報提供、相談実績の紹介、広告・広報、セミナーなどが主な目的として考えられます。利用目的を明確にすることで、相談者にとっても、自分の相談内容がどのように利用されるのか理解しやすくなります。

2. 掲載対象となる情報

相談事例には、相談テーマだけではなく、相談者の属性や経済状況などが含まれることがあります。
例えば、

  • 30代・会社員
  • 夫婦と子ども2人の4人家族
  • 世帯収入
  • 毎月の生活費
  • 預貯金額
  • 住宅ローン残高
  • 加入保険

などです。どのような情報を掲載対象とする可能性があるのかを同意書に示しておくことで、「相談内容だけだと思っていたのに資産額まで掲載された」といった認識の違いを防ぎやすくなります。

3. 匿名化に関する条項

相談事例では、相談者の氏名をそのまま掲載する必要がないケースが多くあります。その場合には、氏名を「Aさん」とする、年齢を「37歳」から「30代」にする、居住地を市区町村ではなく都道府県や地域単位にするなどの匿名化が考えられます。また、具体的な資産額を概数に変更するなど、相談事例としての意味を失わない範囲で情報を加工する方法もあります。ただし、匿名化したからといって本人が特定される可能性が完全になくなるとは限りません。複数の情報を組み合わせた場合の特定可能性にも注意が必要です。

4. 掲載媒体に関する条項

掲載媒体についても具体的に定めておきましょう。Webサイトだけへの掲載に同意した相談者が、後になって自分の事例がSNS広告にも掲載されていることを知れば、トラブルになる可能性があります。
そのため、

  • Webサイト
  • ブログ
  • SNS
  • メールマガジン
  • パンフレット・チラシ
  • セミナー・研修資料
  • 動画・音声コンテンツ
  • 広告・広報媒体

など、想定される媒体を整理しておくことが実務上重要です。

5. 編集・加工に関する条項

実際の相談内容をそのまま掲載すると、文章量が多すぎたり、個人を特定できる情報が含まれたりする場合があります。そのため、掲載にあたって文章を要約したり、表現を整えたりすることがあります。このような編集を行う可能性についても、事前に同意を得ておくと安心です。もっとも、相談者が実際には話していない内容を追加するなど、相談内容の趣旨を変えてしまう編集は避ける必要があります。

6. 個人情報に関する条項

FP相談では、相談者本人だけでなく、配偶者や子どもなどの情報を取り扱うことがあります。相談者の氏名、連絡先などの情報についてはもちろん、相談事例の作成過程で取り扱う個人情報についても適切な管理が求められます。相談事例掲載同意書だけで個人情報に関するすべての対応が完結するわけではないため、FP事業者のプライバシーポリシーや実際の個人情報管理体制との整合性を確認することも重要です。

7. 第三者に関する情報

FP相談特有の注意点として、相談者以外の家族情報があります。例えば、夫婦の家計相談では配偶者の収入、勤務状況、保険加入状況などが含まれることがあります。また、相続相談では親族の資産状況などが話題になることもあります。相談者本人から掲載の同意を得ていても、第三者の情報まで自由に掲載できるとは限りません。第三者を特定できる情報については削除・匿名化するほか、必要に応じて本人から別途同意を得るなど、慎重な対応が求められます。

8. 同意撤回に関する条項

掲載時点では同意していた相談者が、その後の事情によって掲載を取りやめたいと希望する場合も考えられます。そのため、同意撤回の方法と、撤回後にどこまで対応するのかを定めておくことが重要です。FP事業者が管理するWebサイトであれば削除できる場合がありますが、既に配布したパンフレットや第三者が保存したSNS投稿などについては、完全な回収が困難なことがあります。このような媒体の性質についても事前に説明しておくことで、掲載後の認識の違いを減らせます。

9. 掲載期間に関する条項

相談事例をいつまで掲載するのかについても検討しておきましょう。期間を限定する方法のほか、FP事業者が必要と判断する期間掲載し、相談者から撤回の申し出があった場合に対応する方法などがあります。相談事例の内容によっては、制度改正や経済環境の変化によって、掲載当時の助言が現在の状況に適さなくなる可能性もあります。古い相談事例を長期間掲載する場合は、情報の更新や掲載継続の必要性を定期的に確認することも大切です。

10. 報酬・謝礼に関する条項

相談事例の提供について、謝礼を支払う場合と無償で協力してもらう場合があります。後から相談者から掲載料などを請求されることを防ぐためにも、謝礼の有無や金額について明確にしておくとよいでしょう。無償の場合には、相談者が掲載料、使用料その他の報酬を請求しないことを確認しておく方法があります。

11. 相談事例の成果保証に関する条項

FPの相談事例では、「家計を見直して年間○万円節約できた」「資産形成を始めることができた」といった結果が紹介されることがあります。しかし、同じ相談を受ければ誰でも同じ結果になるわけではありません。収入、資産、家族構成、年齢、金融商品、金利、税制、社会保障制度などによって結果は異なります。そのため、掲載事例は特定の相談者についての事例であり、一般の閲覧者に同一の効果や結果を保証するものではないことを明確にしておくことが重要です。

相談事例掲載同意書と個人情報掲載の同意を区別する

相談事例掲載同意書を作成する際に注意したいのが、「匿名の相談事例」と「本人を特定できる相談事例」の違いです。例えば、「40代・会社員・子ども2人」といった形で匿名化して紹介する場合と、相談者の実名、顔写真、勤務先などを掲載して紹介する場合では、必要となる確認内容が大きく異なります。実名や顔写真を使用する場合には、相談事例の掲載だけではなく、氏名や肖像等の利用についても具体的に確認することが重要です。また、匿名掲載を前提としているのであれば、FP事業者側も必要以上の情報を掲載しない運用を徹底する必要があります。

相談事例掲載同意書(FP)を作成する際の注意点

相談契約時の包括的な同意だけに頼らない

FP相談の申込時に「サービス改善や広告等に利用する場合があります」といった包括的な規定を設けるだけでは、相談者が具体的な掲載方法を十分認識できない場合があります。実際に相談事例として公開するのであれば、掲載する情報や媒体などを具体的に示した同意書を用意することが望ましいでしょう。

必要以上に詳細な情報を掲載しない

リアルな事例にしようとして詳細な情報を掲載しすぎると、相談者が特定されるリスクが高まります。相談事例の目的を達成するために必要な情報を検討し、不要な情報は掲載しないことが重要です。

匿名化したから安全とは考えない

氏名だけを削除しても、勤務先、年齢、居住地域、家族構成、住宅購入時期などを組み合わせることで本人が推測される場合があります。特に珍しい職業や特殊な家族構成などを掲載するときは注意が必要です。

掲載前確認を行うか決めておく

相談者に掲載原稿を事前確認してもらう運用にする場合は、その旨を明確にしておくとスムーズです。一方、すべての相談事例について事前承認を必要とすると、軽微な修正のたびに確認が必要になる可能性があります。どの段階まで相談者の確認を必要とするのか、実際の運用を考えて決めることが重要です。

金融商品に関する表現にも注意する

相談事例の中で保険、投資信託、株式その他の金融商品に触れる場合には、単なる相談事例の掲載だけでなく、その事業者が行う業務の内容や掲載表現についても注意が必要です。相談事例を利用して特定の商品やサービスを過度に推奨しているように見える場合には、通常の事例紹介とは異なる論点が生じる可能性があります。FP事業者自身が行っている業務や保有資格、登録状況などに応じて、専門家による確認を行うことが望まれます。

同意書と実際の運用を一致させる

同意書に「匿名化して掲載する」と記載していても、実際のSNS投稿で本人を推測できる情報を大量に掲載していては意味がありません。また、「Webサイトへの掲載」とだけ説明しながら、その後SNS広告や動画広告へ転用すると、相談者との認識に違いが生じる可能性があります。同意書を作成すること自体を目的とせず、実際の掲載フローや社内運用まで含めて整備することが重要です。

相談事例をWebサイトやSNSへ掲載するときの実務ポイント

相談事例を継続的に活用するFP事業者では、掲載のたびに担当者の判断だけで処理するのではなく、一定の運用ルールを設けておくと管理しやすくなります。
例えば、

  • 相談者から掲載同意を取得する
  • 掲載可能な情報の範囲を確認する
  • 氏名や連絡先など直接識別できる情報を削除する
  • 家族など第三者の情報を確認する
  • 必要に応じて年齢、金額、地域などを抽象化する
  • 掲載媒体が同意範囲に含まれているか確認する
  • 相談内容と掲載原稿に大きな相違がないか確認する
  • 必要な場合は相談者による掲載前確認を実施する
  • 掲載後も撤回や削除の申出に対応できるよう管理する

といった流れが考えられます。特に複数のスタッフが相談事例を扱うFP法人や相談サービスでは、同意書と掲載原稿を紐付けて管理しておくと、「この相談事例はSNSにも使用できるのか」「掲載期間の制限があるのか」といった事項を後から確認しやすくなります。電子契約や電子的な同意取得を利用する場合でも、相談者が何に同意したのかを後から確認できる状態にしておくことが重要です。

相談事例掲載同意書(FP)を電子化するメリット

FP相談はオンラインで実施されるケースも多く、相談者と対面せずに契約や同意手続を進めることがあります。相談事例掲載同意書を電子化すれば、オンライン相談後に同意書を送付し、相談者から電子的に同意を取得する運用も可能になります。また、同意内容をデータとして管理することで、相談事例を掲載する際に、掲載可能な媒体や条件を確認しやすくなります。ただし、電子化した場合でも重要なのは、相談者が同意内容を確認できることです。掲載範囲や匿名化、撤回などの条件を分かりやすく示し、同意記録を適切に保存することがポイントとなります。

まとめ

相談事例は、FP事業者にとってサービス内容を具体的に伝えられる有効なコンテンツです。実際の相談テーマや解決までの流れを紹介することで、これからFP相談を検討している人も、自分が相談した場合のイメージを持ちやすくなります。一方、FP相談では、収入、支出、資産、負債、保険、住宅ローン、家族構成など、プライバシー性の高い情報を扱うことがあります。そのため、相談者の許可なく事例を掲載したり、同意範囲を超えて利用したりすることは避ける必要があります。相談事例掲載同意書(FP)では、掲載対象となる情報、匿名化、掲載媒体、利用目的、編集・加工、個人情報、第三者情報、掲載期間、同意撤回、報酬などを整理しておくことが重要です。また、同意書を作成するだけでなく、実際の掲載内容が同意された範囲に収まっているかを確認する運用も欠かせません。FP事業者が相談事例をWebサイトやSNS、セミナー資料などで継続的に活用する場合には、相談者のプライバシーを守りながら適切な情報発信を行えるよう、相談事例掲載同意書を整備しておくとよいでしょう。

本ページに掲載する相談事例掲載同意書(FP)のひな形および解説は、一般的な参考情報として提供するものであり、特定の取引・案件への法的助言を目的とするものではありません。実際の契約締結に際しては、専門家(弁護士等)への確認を強く推奨いたします。

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