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納期変更に関する覚書(不動産鑑定士)

納期変更に関する覚書(不動産鑑定士)は、不動産鑑定評価書や調査報告書などの提出期限を変更する際に使用するひな形です。変更前後の納期や変更理由、追加資料による再調整、報酬・追加費用、原契約との関係などを明確にできます。

契約書名
納期変更に関する覚書(不動産鑑定士)
バージョン / ファイル
1.00/ Word
作成日 / 更新日
特徴
不動産鑑定評価業務における成果物の納期変更と、それに伴う業務条件や費用の取扱いを明確にできる。
利用シーン
鑑定評価に必要な資料の取得が遅れて鑑定評価書の納期を延長する/追加調査や現地調査の日程変更により成果物の提出期限を変更する。
メリット
口頭だけで納期を変更せず、変更前後の期限や変更理由、追加費用、原契約との関係を文書として残せる。
ダウンロード数
6件
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納期変更に関する覚書とは?

納期変更に関する覚書とは、すでに締結している不動産鑑定評価契約書や鑑定評価業務委託契約書などについて、不動産鑑定評価書や調査報告書等の成果物の納期を変更する際に、その変更内容を当事者間で確認するための文書です。不動産鑑定士へ鑑定評価を依頼した場合、契約時には通常、鑑定評価書等の納品予定日を定めます。しかし、実際の鑑定評価業務では、対象不動産に関する資料の収集、現地調査、権利関係の確認、取引事例等の調査などに想定以上の時間を要することがあります。また、依頼者から追加資料が提出されたり、当初予定していなかった追加調査が必要になったりすることで、当初の納期を維持することが難しくなる場合もあります。このような場合、単に電話やメールで納期を変更するだけでは、後になって「いつまで延長したのか」「なぜ変更したのか」「追加費用は発生するのか」といった認識の相違が生じる可能性があります。

そこで、納期変更に関する覚書を作成し、

  • 対象となる原契約
  • 変更前の納期
  • 変更後の納期
  • 納期を変更する理由
  • 追加資料や追加調査が発生した場合の取扱い
  • 報酬や追加費用の取扱い
  • 原契約との優先関係

などを明確にしておくことが重要です。なお、覚書は新しい契約を一から締結するためだけの文書ではなく、既存契約の一部を変更・補足する目的でも利用されます。そのため、納期だけを変更したい場合には、原契約を全面的に作り直すのではなく、変更部分を覚書として明確にする方法が実務上利用しやすいといえます。

不動産鑑定士との契約で納期変更が必要となるケース

不動産鑑定評価業務では、一般的な成果物の制作業務とは異なり、対象不動産や資料の状況によって調査期間が左右されることがあります。代表的なケースを確認してみましょう。

必要資料の提供が遅れた場合

不動産鑑定評価では、対象案件に応じて登記事項、公図、測量図、建物図面、賃貸借契約関係資料、収益関係資料など、さまざまな情報を確認することがあります。依頼者側から提供される予定だった資料が当初の予定より遅れた場合、その分だけ調査や分析を開始できる時期も遅くなる可能性があります。この場合には、単純に納期だけを延長するのではなく、資料提供の遅延を変更理由として明らかにしておくと、責任関係を整理しやすくなります。

現地調査の日程を変更した場合

対象不動産の状況を確認するために現地調査が予定されていたものの、所有者や管理者との日程調整、対象建物への立入りその他の事情によって調査日が延期されることがあります。現地調査の日程変更によって鑑定評価業務全体のスケジュールに影響が生じる場合には、成果物の納期についても変更が必要になることがあります。

追加調査が必要になった場合

当初予定していた調査を進める過程で、追加資料の確認や追加の現地調査などが必要になる場合があります。追加業務が発生すると、作業期間だけでなく費用にも影響する可能性があります。そのため、納期変更に関する覚書では、追加調査等が必要になった場合の納期と追加費用の取扱いについても定めておくことが重要です。

依頼内容や評価条件に変更が生じた場合

依頼後に対象不動産や依頼目的、評価条件などについて変更や追加確認が生じるケースも考えられます。こうした変更が鑑定評価業務に影響する場合、当初設定していた納期では対応できなくなる可能性があります。納期変更とともに他の契約条件についても変更が必要になる場合には、変更対象を明確にし、必要に応じて別途合意することが重要です。

第三者への提出期限との調整が必要な場合

不動産鑑定評価書は、依頼者内部で利用されるだけでなく、案件によっては裁判所、金融機関、行政機関、取引関係者などへの提出を予定していることがあります。そのため、納期を変更するときには、単に不動産鑑定士側の作業予定だけで判断するのではなく、依頼者側に外部提出期限が存在しないか確認することも重要です。

納期変更に関する覚書に盛り込むべき主な条項

不動産鑑定士との納期変更に関する覚書では、主に次の事項を定めます。

  • 覚書の目的
  • 対象となる原契約
  • 変更前の納期
  • 変更後の納期
  • 納期変更の理由
  • 追加資料の提供と納期の再調整
  • 業務内容への影響
  • 報酬及び追加費用
  • 納期遅延が発生した場合の取扱い
  • 原契約との関係
  • 協議事項

特に重要なのが、「何を変更し、何を変更しないのか」を明確にすることです。納期だけを変更するつもりだったにもかかわらず、報酬、業務範囲、評価条件などについても変更されたと解釈される状態は避けなければなりません。そのため、覚書では変更する事項を具体的に定めるとともに、「本覚書で変更していない原契約の条項は引き続き有効とする」といった規定を設けることが重要です。

条項ごとの解説と実務ポイント

1. 対象契約に関する条項

最初に明確にしておきたいのが、どの契約の納期を変更するのかという点です。同じ依頼者と不動産鑑定士との間で複数の鑑定評価業務が進行している場合、単に「納期を変更する」と記載しただけでは対象契約を特定できない可能性があります。

そのため、

  • 契約名称
  • 契約締結日
  • 対象不動産
  • 依頼業務
  • 対象となる成果物

などを記載し、どの原契約についての変更なのかを明確にしておくとよいでしょう。

2. 納期変更条項

覚書の中心となる条項です。「納期を延期する」という抽象的な記載だけではなく、「変更前の納期」と「変更後の納期」の両方を記載します。

例えば、

変更前の納期:〇〇年〇月〇日
変更後の納期:〇〇年〇月〇日

という形で明示しておけば、変更内容を容易に確認できます。また、変更後の納期が原契約上の納期に代わることも明確にしておくことが重要です。

3. 納期変更理由に関する条項

変更後の納期だけでなく、なぜ納期を変更することになったのかも記録しておくと、後日のトラブル防止につながります。

例えば、

  • 依頼者からの必要資料の提供が遅れた
  • 現地調査の日程が変更された
  • 追加資料の確認が必要になった
  • 追加調査が発生した
  • 対象不動産や評価条件について追加確認が必要になった

といった事情が考えられます。変更理由を残しておけば、納期変更がどのような経緯で行われたのかを後から確認できます。

4. 追加資料と再調整に関する条項

一度納期を変更しても、その後さらに追加資料が必要になる可能性があります。特に、依頼者から提供される資料を前提として業務を進める場合、資料提供がさらに遅れると変更後の納期にも影響します。そこで、「必要資料の提供が遅れた場合には、再度納期を協議できる」と定めておく方法があります。ただし、不動産鑑定士側が一方的に納期を変更できる規定とするより、事情を依頼者へ通知し、双方で再調整する仕組みにしておくほうが、契約関係を明確にしやすくなります。

5. 業務内容への影響に関する条項

納期変更と業務内容の変更は分けて考える必要があります。例えば、成果物の提出日だけを1週間延長した場合、それだけで鑑定評価の対象や業務範囲まで変更されるわけではありません。そこで、納期変更以外の業務条件については原契約どおりとすることを明確にしておくことが重要です。一方、納期変更に伴って価格時点、評価条件、調査内容その他の前提事項について見直しが必要となる場合には、それらについても別途確認する必要があります。

6. 報酬・追加費用に関する条項

納期を変更しただけで報酬額まで当然に変更されるとは限りません。そのため、納期変更のみの場合には「原契約の報酬額を変更しない」と明記しておくことで、金額をめぐる認識の相違を防ぎやすくなります。一方で、追加調査、再調査、資料取得などが発生する場合には、追加報酬や実費が必要になる可能性があります。この場合には、追加業務の内容と費用負担を別途協議する旨を定めておくことが考えられます。

7. 納期遅延に関する条項

変更後の納期を定めても、予測できない事情によって再び納品が困難になる場合があります。例えば、行政機関その他の第三者から必要資料を取得するまでに時間を要した場合や、対象不動産への立入りができなくなった場合などです。こうした事情が生じた場合には、不動産鑑定士が依頼者へ速やかに通知し、見込み納期を伝えたうえで再調整する仕組みを定めておくと実務上の対応がしやすくなります。

8. 原契約との関係を定める条項

納期変更に関する覚書は、通常、原契約全体を取り消すためのものではなく、一部を変更するために作成します。そのため、「本覚書に定める事項については、本覚書を優先する」「本覚書によって変更されていない原契約の条項は引き続き有効とする」といった内容を明確にすることが重要です。この条項がないと、原契約と覚書のどちらが優先されるのかについて解釈上の問題が生じる可能性があります。

納期変更に関する覚書を作成する際の注意点

変更後の納期を具体的な日付で記載する

「1週間程度延期する」「準備ができ次第提出する」といった表現では、最終的な期限について認識が食い違う可能性があります。可能であれば「〇〇年〇月〇日」のように具体的な日付を記載しましょう。

納期変更の理由を記録する

納期だけを書き換えるのではなく、変更に至った理由も残しておくことが重要です。特に、必要資料の提出遅延や依頼内容の追加など、依頼者側の事情が納期に影響している場合には、その経緯を記録しておくことで、後日の責任関係を確認しやすくなります。

追加費用の有無を確認する

納期変更と同時に追加調査が発生する場合には、追加費用についても確認しておきましょう。追加作業を実施した後になって費用を請求すると、依頼者との間でトラブルになる可能性があります。追加費用が見込まれる場合には、可能な限り事前に業務内容と金額または算定方法について合意しておくことが重要です。

第三者への提出期限を確認する

鑑定評価書等に外部への提出期限がある場合、納期変更によって依頼者の目的を達成できなくなる可能性があります。裁判所、金融機関、行政機関などへの提出を予定している場合には、変更後の納期がその期限に間に合うかを確認しておくことが重要です。

原契約の他の条項まで変更しないよう明確にする

納期変更に関する覚書を締結するときには、原契約のどこまで変更するのかを明確にします。納期だけを変更するのであれば、その旨を明記し、報酬、秘密保持、成果物の取扱い、契約解除その他の条項については引き続き原契約を適用する形にすると整理しやすくなります。

口頭だけで変更を済ませない

納期変更自体について当事者間で合意できていたとしても、口頭のみでは後から合意内容を確認することが難しくなる場合があります。

特に、

  • いつ納期変更に合意したのか
  • 変更後の納期はいつなのか
  • 変更理由は何だったのか
  • 追加費用は発生するのか

といった点について、双方の認識が異なる可能性があります。書面または電子契約によって覚書を締結しておけば、変更内容を客観的に確認しやすくなります。

納期変更に関する覚書と原契約の違い

原契約である不動産鑑定評価契約書や鑑定評価業務委託契約書では、業務内容、対象不動産、報酬、納期、成果物、秘密保持、契約解除など、取引全体について定めるのが一般的です。これに対して、納期変更に関する覚書は、すでに存在する契約関係を前提として、主として納期に関する部分を変更・補足するために使用します。つまり、原契約を全面的に締結し直すのではなく、必要な変更部分だけを明確にする文書として活用できます。ただし、納期変更に伴って業務内容、報酬、対象不動産、評価条件なども大幅に変更される場合には、単純な納期変更の覚書だけでは十分でない可能性があります。その場合には、変更内容を網羅した変更契約書や別途の合意書を作成することも検討する必要があります。

電子契約で納期変更の覚書を締結するメリット

納期変更は、業務進行中に急きょ必要になることがあります。そのたびに覚書を印刷し、双方で押印して郵送すると、契約手続そのものに時間がかかってしまいます。電子契約を利用すれば、遠隔地にいる依頼者と不動産鑑定士との間でも、納期変更について迅速に合意しやすくなります。また、変更前の原契約と納期変更に関する覚書を電子データとして整理しておけば、後から契約変更の履歴を確認しやすくなる点もメリットです。特に複数の鑑定案件を継続的に管理している企業や不動産鑑定事務所では、原契約と各種覚書を案件ごとに整理して管理することが重要になります。

まとめ

納期変更に関する覚書は、不動産鑑定評価書や調査報告書などについて、当初の契約で定めた納期を変更するときに、その内容を明確にするための文書です。不動産鑑定評価業務では、必要資料の取得、現地調査、追加調査、依頼内容の変更などによって、当初予定していた納期を変更しなければならないケースがあります。その際には、単に新しい納期を伝えるだけではなく、変更前後の納期、変更理由、追加資料の取扱い、追加費用の有無、原契約との関係などを覚書として整理しておくことが重要です。また、覚書によって変更する範囲を明確にし、それ以外の原契約の条項については引き続き有効とすることで、契約関係を整理しやすくなります。不動産鑑定評価業務では、案件ごとに対象不動産、評価条件、成果物、提出先などが異なるため、実際に納期変更に関する覚書を使用する際には、原契約との整合性を確認しながら内容を調整することが大切です。

本ページに掲載する納期変更に関する覚書(不動産鑑定士)のひな形および解説は、一般的な参考情報として提供するものであり、特定の取引・案件への法的助言を目的とするものではありません。実際の契約締結に際しては、専門家(弁護士等)への確認を強く推奨いたします。

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