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適合性確認書(FP)

適合性確認書(FP)は、ファイナンシャルプランナーが相談者の知識、投資経験、財産状況、投資目的、運用期間、リスク許容度などを確認し、相談者の状況や意向に応じた相談・情報提供を行うための確認書です。

契約書名
適合性確認書(FP)
バージョン / ファイル
1.00/ Word
作成日 / 更新日
特徴
相談者の知識・経験・財産状況・投資目的・リスク許容度など、適合性を確認するための主要事項を体系的に整理している。
利用シーン
FPが資産運用相談の前に相談者の投資経験やリスク許容度を確認する/金融商品に関する情報提供や提案の前に相談者の財産状況や投資目的を確認する
メリット
相談者の状況や意向を事前に整理することで、FPが相談内容との適合性を確認しながら対応しやすくなる。
ダウンロード数
6件
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適合性確認書(FP)とは?

適合性確認書(FP)とは、ファイナンシャルプランナーが相談者に対して資産形成や資産運用、金融商品に関する相談・情報提供などを行う際に、相談者の知識、投資経験、財産状況、投資目的、運用期間、リスク許容度などを確認するための書面です。FP相談では、同じ資産運用の相談であっても、相談者によって適切な考え方や情報提供の内容は異なります。例えば、十分な金融資産があり長期間の運用を希望している人と、数年以内に住宅購入を予定しており資金を確保しておく必要がある人では、資産運用に対する考え方も異なります。そのため、FPが相談者の状況を把握しないまま一般的な情報だけを提供すると、相談者の目的やリスク許容度と相談内容が合わなくなる可能性があります。

適合性確認書を作成しておけば、

  • 相談者がどの程度の金融知識を持っているか
  • これまでどのような投資経験があるか
  • どの程度の資産や収入、負債があるか
  • 何のために資産形成や資産運用を行うのか
  • どの程度の損失まで許容できるのか
  • どの程度の期間で資産を運用する予定なのか

といった事項を整理できます。また、相談時点で確認した内容を書面として残しておくことにより、後日、相談者との間で認識の違いが生じることを防止するための資料としても活用できます。

FP業務で適合性確認書を作成する目的

適合性確認書を作成する主な目的は、相談者の状況や意向を把握し、それを相談内容へ反映させることです。FPは家計、保険、住宅、教育資金、老後資金、資産形成など幅広い相談を受けることがあります。その中でも資産運用や金融商品に関係する相談では、相談者がどの程度のリスクを受け入れられるかを確認することが特に重要になります。例えば、相談者が「できるだけ資産を増やしたい」と希望していても、その一方で「元本が減ることは避けたい」と考えている場合があります。このような場合には、単に高い収益を期待する意向だけを見るのではなく、損失に対する考え方や資金の使用予定なども含めて確認する必要があります。適合性確認書を利用することで、こうした相談者の状況や意向を一定の項目に沿って整理できます。

適合性確認書が必要となる主なケース

適合性確認書は、特に資産形成や金融商品に関連するFP相談で利用しやすい書面です。例えば、次のようなケースが考えられます。

  • 資産運用相談を受ける場合 相談者の投資経験、運用目的、運用期間、リスク許容度などを確認します。
  • 老後資金について相談を受ける場合 現在の資産、収入、支出、老後までの期間などを確認し、長期的な資金計画を検討します。
  • 教育資金や住宅資金について相談を受ける場合 将来使用する予定の資金について、必要時期や必要額を確認します。
  • 金融商品に関する一般的な情報提供を行う場合 相談者の知識や経験を確認し、理解度に応じた説明を行うための資料として利用できます。
  • 継続的なFP相談を行う場合 初回相談時の状況を記録しておき、その後の資産状況や家族構成などの変化を確認する際に活用できます。

特に継続相談では、相談者の状況が時間の経過によって変化する可能性があります。そのため、一度確認書を作成して終わりではなく、重要な状況変更があった場合には内容を再確認することが重要です。

適合性確認書に盛り込むべき主な項目

FP向けの適合性確認書では、相談者の状況を総合的に把握できるよう、複数の確認項目を設けることが重要です。主な項目としては、次のものが挙げられます。

  • 確認書の目的
  • 相談者の基本情報
  • 相談目的
  • 金融商品に関する知識
  • 投資経験
  • 財産及び収入状況
  • 投資目的
  • 運用予定期間
  • リスク許容度
  • 損失許容額
  • 運用資金の性質
  • 相談者の意向
  • 適合性の確認
  • 金融商品等に関する説明
  • 元本及び収益の非保証
  • 投資判断に関する事項
  • FPの業務範囲
  • 提供情報の正確性
  • 状況変更時の再確認
  • 利益相反
  • 個人情報の取扱い
  • 確認記録の保存

これらを体系的に整理しておくことで、相談者の一部分だけではなく、相談内容との適合性を多面的に確認しやすくなります。

適合性確認書の項目ごとの解説

1. 相談目的の確認

最初に確認したいのが、相談者が何を目的としてFPへ相談しているのかという点です。FP相談には、家計改善、資産形成、老後資金、教育資金、住宅取得、保険の見直し、相続・贈与などさまざまな目的があります。相談目的が異なれば、必要となる情報や検討すべき事項も変わります。そのため、適合性確認書では「資産形成」「老後資金」「教育資金」などの具体的な目的を確認できるようにしておくと、相談内容を整理しやすくなります。

2. 金融商品に関する知識の確認

相談者が金融商品についてどの程度の知識を持っているかも重要な確認事項です。例えば、投資信託についてほとんど知識がない相談者に対して、専門用語を前提とした説明をしても十分に理解してもらえない可能性があります。反対に、長期間にわたり投資経験を持つ相談者であれば、基本的な説明よりも具体的なリスクや運用方針についての情報を求めていることもあります。相談者の知識を確認することで、その理解度に応じた説明を行いやすくなります。

3. 投資経験の確認

金融商品の種類だけでなく、これまでの投資経験についても確認します。株式、債券、投資信託、保険その他の商品について、どのような取引経験があるのかを把握します。また、単に「投資経験あり」とするだけではなく、必要に応じて投資期間や取引頻度などを確認すると、相談者の経験をより具体的に把握できます。投資経験がほとんどない相談者の場合には、リスクについてより丁寧な説明が必要になることがあります。

4. 財産・収入・負債状況の確認

相談者の資産状況だけを見るのではなく、収入、支出、借入金なども含めて確認することが重要です。例えば、一定額の預貯金を保有していても、住宅ローンなどの大きな負債がある場合や、近い将来まとまった支出を予定している場合があります。そのため、資産運用に利用できる金額を判断する際には、単純な金融資産額だけではなく、相談者の生活全体を踏まえて確認する必要があります。

5. 投資目的の確認

資産運用相談では、「何のために運用するのか」を明確にすることが重要です。

例えば、

  • 老後資金を準備したい
  • 教育資金を形成したい
  • 長期的に資産を増やしたい
  • 現在の資産価値をできるだけ維持したい
  • 定期的な収益を確保したい

といった目的が考えられます。投資目的によって、想定される運用期間や許容できるリスクも変わるため、他の確認事項と組み合わせて把握することが大切です。

6. 運用予定期間の確認

資産をどの程度の期間運用できるのかについても確認します。例えば、10年以上使用する予定がない資金と、2年後の住宅購入に使用する予定の資金では、同じように扱うことはできません。資金が必要となる時期を確認しておくことで、相談者の資金計画と相談内容が大きく食い違うことを防ぎやすくなります。

7. リスク許容度の確認

リスク許容度とは、資産運用による価格変動や損失を相談者がどの程度受け入れられるかという考え方です。リスク許容度は、単に相談者本人が「リスクを取れる」と考えているかだけで判断するものではありません。年齢、収入、保有資産、負債、家族構成、投資経験、投資目的、運用期間など複数の事情を確認することが重要です。適合性確認書では、こうした情報をまとめて確認できる構成にしておくことで、相談者のリスク許容度を把握するための基礎資料として利用できます。

8. 損失許容額の確認

リスク許容度をより具体化するためには、「どの程度の損失まで許容できるのか」を確認する方法もあります。例えば、100万円を運用する場合でも、1万円程度の値下がりでも強い不安を感じる人と、一定の価格変動を前提として長期保有できる人では、リスクに対する考え方が異なります。金額又は割合などを使って損失許容度を確認することで、相談者とFPの認識を合わせやすくなります。

9. 運用資金の性質の確認

資産運用に使用する資金がどのような性質を持つものなのかも重要です。

特に、

  • 日常生活に必要な生活資金
  • 緊急時に備えるための予備資金
  • 住宅購入予定資金
  • 教育資金
  • 近い将来使用する予定の資金

などについては、その使用目的や使用予定時期を確認する必要があります。資金の性質を確認しておけば、単に「運用できる金額」だけで判断してしまうことを避けやすくなります。

10. 適合性の確認

相談者から収集した情報は、記録するだけではなく、実際の相談内容と照らし合わせることが重要です。相談者の知識、経験、財産状況、投資目的、運用期間、リスク許容度などからみて相談内容が著しく適切でないと考えられる場合には、FP側で内容を再検討する必要があります。また、相談者から十分な情報が提供されず、適合性を確認できない場合について、相談や提案の全部又は一部を行わないという運用をあらかじめ定めておくことも考えられます。

元本保証や将来の収益についても明確にする

適合性確認書では、相談者の属性を確認するだけではなく、金融商品のリスクについて相談者がどのように認識しているかを確認することも重要です。金融商品には、その種類に応じて価格変動、金利変動、為替変動、信用状況の変化などによって損失が生じる可能性があります。FPによる相談、情報提供、シミュレーション等が行われたとしても、それによって将来の収益や元本が保証されるわけではありません。

そのため、

  • 元本割れが生じる可能性があること
  • 将来の価格や収益を確実に予測することはできないこと
  • 試算結果は一定の前提条件に基づくものであること
  • 一定の運用成果を保証するものではないこと

などについて確認できるようにしておくことが大切です。

金融商品の最終的な判断について

FPが相談者へ情報提供を行った場合でも、金融商品の購入、売却、保有その他の最終的な判断について整理しておく必要があります。特に具体的な金融商品を検討するときは、相談者自身が金融機関等から提供される契約締結前交付書面、目論見書その他の資料を確認することも重要です。適合性確認書に投資判断に関する確認事項を設けておくことで、FPによる情報提供と相談者自身による最終判断との関係を明確にできます。

FPの業務範囲にも注意する

FP資格を保有していることだけで、法律、税務、金融商品取引、保険募集などに関するすべての業務を自由に行えるわけではありません。相談内容によっては、弁護士、税理士、司法書士、金融商品取引業者、保険募集人その他の資格・登録等を有する専門家又は事業者による対応が必要になる場合があります。そのため適合性確認書でも、FPが対応できる業務範囲と、資格・登録等が必要となる専門業務を区別しておくことが重要です。適合性確認書を作成したこと自体によって、FPに法律上認められていない業務を行う権限が生じるわけではありません。

相談者から提供される情報の正確性

FPによる相談や試算は、相談者から提供された情報を前提として行われることがあります。例えば、相談者が実際とは異なる収入や資産額を申告していた場合、その情報を前提として作成した資金計画にも影響が生じます。そのため、適合性確認書では、相談者が自己の認識する限り正確かつ最新の情報を提供することを確認しておくとよいでしょう。また、FP側も、相談者から提供された情報に重要な不足や矛盾がある場合には、そのまま相談を進めるのではなく、必要な情報を再確認することが重要です。

適合性確認書は定期的な見直しも重要

相談者の状況は時間の経過とともに変化します。

例えば、

  • 転職や退職によって収入が変わった
  • 結婚や出産によって家族構成が変わった
  • 住宅を購入して住宅ローンが発生した
  • 保有資産が大きく増減した
  • 教育資金など新しい支出予定が生じた
  • 投資経験が増えてリスクに対する考え方が変わった

といった変化が考えられます。初回相談時には適切だった相談内容でも、数年後には相談者の状況に合わなくなっている可能性があります。継続的なFP相談を行う場合には、重要なライフイベントや資産状況の変化があったタイミングで適合性を再確認する運用が有効です。

適合性確認書を作成する際の注意点

適合性確認書を作成する際には、単に多数の質問項目を並べるだけではなく、実際の相談業務で利用できる内容にすることが重要です。

  • 相談内容に応じて確認項目を調整する 家計相談と資産運用相談では必要となる情報が異なるため、業務内容に応じて項目を調整します。
  • リスク許容度だけで判断しない 財産状況、運用目的、運用期間、資金の使用予定なども含めて総合的に確認します。
  • 重要事項は口頭確認だけで終わらせない 相談目的やリスクに対する意向など、重要な内容は書面に残しておくことで後日の確認が容易になります。
  • 変更があった場合は再確認する 収入、資産、家族構成、投資目的などに重要な変更が生じた場合には、必要に応じて確認書を更新します。
  • 他のFP関連書面との内容を整合させる 相談契約書、投資経験・リスク許容度確認書、金融商品に関する意向確認書、手数料・報酬に関する確認書などを併用する場合には、それぞれの内容に矛盾が生じないよう整理します。
  • 実際の業務範囲に合わせてカスタマイズする 金融商品に関する勧誘、販売、媒介、助言等を行う場合には、業務内容や資格・登録等によって必要な対応が異なる可能性があります。

適合性確認書と投資経験・リスク許容度確認書の違い

適合性確認書と似た書面として、投資経験・リスク許容度確認書があります。投資経験・リスク許容度確認書は、相談者がこれまでどのような投資を行ってきたか、どの程度の価格変動や損失を受け入れられるかなど、投資経験とリスクに対する考え方を中心に確認する書面です。

一方、適合性確認書では、それらに加えて、

  • 財産及び収入状況
  • 負債
  • 相談目的
  • 投資目的
  • 運用予定期間
  • 資金の性質
  • 相談者の意向

などを含め、相談者の状況と相談・情報提供の内容が適合しているかを総合的に確認します。両方の書面を利用する場合には、重複する質問を整理し、それぞれの書面の役割を明確にすると運用しやすくなります。

適合性確認書を利用するメリット

適合性確認書を利用する最大のメリットは、FPと相談者の双方が、相談の前提となる情報を整理できることです。相談者にとっては、自分自身の資産状況や投資目的、リスクに対する考え方を整理する機会になります。FPにとっては、相談者の状況を一定の項目に沿って把握できるため、確認漏れを防ぎながら相談を進めやすくなります。また、相談時点でどのような情報が提供され、どのような意向が確認されていたのかを記録として残せるため、継続相談における状況変化の把握にも役立ちます。

まとめ

適合性確認書(FP)は、ファイナンシャルプランナーが相談者の知識、投資経験、財産状況、投資目的、運用期間、リスク許容度などを確認し、相談者の状況や意向を踏まえて相談・情報提供を行うための重要な確認書です。特に資産形成や資産運用に関する相談では、期待する収益だけを見るのではなく、損失をどの程度許容できるのか、いつ資金が必要になるのか、その資金が生活や教育、住宅購入などに必要なものではないかといった点まで確認することが重要です。また、適合性は一度確認すれば永久に変わらないものではありません。収入、資産、負債、家族構成、投資目的などが変化すれば、適切な相談内容も変わる可能性があります。そのため、継続相談では必要に応じて定期的に確認内容を見直すことが大切です。適合性確認書を、投資経験・リスク許容度確認書、金融商品に関する意向確認書、相談契約書などの関連書類と組み合わせて整備することで、FPと相談者の認識をより明確にし、相談業務を適切に進めるための基礎資料として活用できます。

本ページに掲載する適合性確認書(FP)のひな形および解説は、一般的な参考情報として提供するものであり、特定の取引・案件への法的助言を目的とするものではありません。実際の契約締結に際しては、専門家(弁護士等)への確認を強く推奨いたします。

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