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不具合改修に関する覚書

不具合改修に関する覚書は、システムやアプリ、Webサイトなどに発生した不具合の改修内容、対応範囲、費用負担、納期、責任分担などを明確にするための文書です。仕様変更との区別や有償・無償対応の基準を整理し、改修作業に関する認識の相違やトラブルを防止できます。

契約書名
不具合改修に関する覚書
バージョン / ファイル
1.00 / Word
作成日 / 更新日
特徴
不具合改修の対象範囲と費用負担、仕様変更との区別を明確に定められます。
利用シーン
納品後に発見されたシステム不具合について改修内容を合意する場合/Webサイトやアプリのバグ修正に関する対応条件を書面化する場合
メリット
改修対象や責任範囲を明確にし、不具合対応に関する認識の違いや追加費用のトラブルを防止できます。
ダウンロード数
3件
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不具合改修に関する覚書とは?

不具合改修に関する覚書とは、システム、アプリケーション、Webサイト、ソフトウェアなどの開発・保守において、発見された不具合(バグ)の修正内容や対応条件を当事者間で明確にするための文書です。システム開発では、納品後に不具合が見つかることは珍しくありません。しかし、その不具合が「契約上の瑕疵(契約不適合)」なのか、「追加要望」なのか、「仕様変更」なのかについて認識が一致していないと、費用負担や対応範囲を巡るトラブルが発生しやすくなります。そのため、不具合改修に関する覚書では、あらかじめ次のような事項を整理します。

  • 改修対象となる不具合の内容
  • 改修範囲
  • 無償対応・有償対応の区分
  • 改修スケジュール
  • 確認方法・検収方法
  • 責任範囲
  • 原契約との関係

特にシステム開発では、「不具合」と「仕様変更」は全く異なるものです。この区別を明文化しておくことが、不要な紛争を防ぐ最大のポイントになります。

不具合改修に関する覚書が必要となるケース

次のようなケースでは、覚書を締結しておくことが望まれます。

納品後にバグが見つかった場合

システム納品後、利用開始後に不具合が判明することがあります。
例えば、

  • ログインできない
  • 登録ボタンが動作しない
  • 帳票が正しく出力されない
  • 決済処理でエラーが発生する

このような場合に、どこまでを無償で修正するかを明確にできます。

改修内容だけを書面で整理したい場合

原契約を変更するほどではないものの、一部機能だけ修正する場合にも覚書が利用されます。追加契約書を作成するより簡潔で、必要事項だけを整理できます。

仕様変更との区別を明確にしたい場合

開発現場では、「これはバグです」「いいえ、追加機能です」という認識の違いが頻繁に起こります。覚書で対象を具体的に列挙しておけば、このようなトラブルを防止できます。

保守契約が存在する場合

保守契約に基づき対応する案件についても、

  • 保守対象
  • 保守対象外
  • 追加費用

を整理する目的で利用されます。

不具合改修に関する覚書に盛り込むべき主な条項

一般的には次の条項を設けます。

  • 目的
  • 対象となる不具合
  • 改修範囲
  • 改修内容
  • 原因調査
  • 費用負担
  • 改修期限
  • 動作確認
  • 再改修
  • 仕様変更との区別
  • 資料提供
  • 秘密保持
  • 知的財産権
  • 損害賠償
  • 原契約との関係
  • 協議事項
  • 合意管轄

これらを定めることで、不具合対応に関するルールを明確化できます。

条項ごとの解説と実務ポイント

1.目的条項

目的条項では、本覚書が「不具合改修に関する事項のみ」を定める文書であることを明確にします。これにより、追加開発契約や保守契約との役割を区別できます。

2.対象不具合の特定

最も重要なのは、対象を曖昧にしないことです。
例えば、

  • 画面名
  • 機能名
  • 発生日
  • エラー内容
  • 再現方法
  • 優先度

まで記載すると、後日の争いを防止できます。
チケット管理システムやバグ管理ツールの番号を記載するケースも多く見られます。

3.改修範囲

「どこまで修正するのか」を明確にします。
例えば、

  • 対象画面のみ
  • 関連画面も含む
  • プログラム修正のみ
  • データ修正を含む
  • テストまで実施する

など、具体的に定めます。

4.仕様変更との区別

実務上、最も紛争になりやすい条項です。
例えば、

  • 新しい帳票を追加したい
  • 入力項目を増やしたい
  • ボタン配置を変更したい
  • 管理画面を追加したい

これらは一般的に不具合ではなく、追加開発又は仕様変更となります。
覚書で明確に区別しておくことが重要です。

5.費用負担

費用負担は必ず定めるべき事項です。
一般的には、

  • 乙の責任による不具合は無償
  • 追加要望は有償
  • 第三者サービス変更は有償
  • OS変更による改修は有償

といった区分が用いられます。事前見積りの承認を条件にすることで、予期せぬ費用発生を防止できます。

6.改修期限

改修時期についても定めます。
例えば、

  • 重大障害は3営業日以内
  • 軽微な不具合は10営業日以内
  • 協議により変更可能

など、優先度別に設定すると実務的です。

7.動作確認・検証

改修後は必ず確認作業を実施します。
一般的には、

  • 開発側テスト
  • 受入テスト
  • 本番確認

を経て改修完了となります。確認期間を定めておくことで、いつまでも検収が終わらない状況を防げます。

8.再改修

同じ原因で再発した場合の対応も重要です。一定期間内であれば無償対応とするケースが一般的です。ただし、新たな原因による障害まで無制限に保証すると、開発会社の負担が過大になるため、対象を限定することが望まれます。

9.知的財産権

改修によってプログラムを修正した場合でも、著作権や知的財産権の帰属は原契約に従うことが一般的です。覚書では、原契約との整合性を明記しておくことが重要です。

10.原契約との関係

覚書だけで契約関係を完結させることは少なく、多くの場合は原契約を補足する位置付けとなります。
そのため、

  • 原契約を優先するのか
  • 覚書を優先するのか

を明確に定める必要があります。通常は、不具合改修に関する事項については覚書を優先し、それ以外は原契約に従う旨を規定します。

不具合改修に関する覚書を作成する際の注意点

  • 「不具合」と「仕様変更」の定義を明確に区別する。
  • 対象となる不具合を具体的に特定し、曖昧な表現を避ける。
  • 無償対応と有償対応の基準を明文化する。
  • 改修後の確認方法や検収方法を定める。
  • 原契約や保守契約との関係を整理し、条項間の矛盾を防ぐ。
  • 改修対象が複数ある場合は、一覧表や別紙を添付して管理する。
  • チケット番号や障害管理番号などを記載すると、対象範囲を特定しやすくなる。

不具合改修に関する覚書と追加開発合意書の違い

項目 不具合改修に関する覚書 追加開発合意書
目的 不具合の修正条件を定める 新機能や仕様変更を定める
対象 契約内容どおりに動作しない箇所 新たな機能・画面・処理
費用 無償対応となる場合がある 原則として有償
主な内容 改修範囲、責任、期限、確認方法 追加仕様、費用、納期、成果物
利用時期 不具合発生時 追加開発が決定した時
契約との関係 原契約を補完する 原契約を変更・追加する

まとめ

不具合改修に関する覚書は、システム開発やWeb制作において、改修対象や責任範囲、費用負担を明確にし、発注者と受注者双方の認識の違いを防ぐための重要な文書です。特に実務では、「不具合なのか」「追加開発なのか」という判断を巡ってトラブルになるケースが少なくありません。覚書によって対象となる不具合を具体的に特定し、無償・有償対応の基準や改修後の確認方法を定めておくことで、円滑なプロジェクト運営につながります。また、原契約や保守契約との整合性を確保しながら運用することで、将来的な紛争リスクを軽減し、継続的なシステム保守・運用を安心して進めることができます。

本ページに掲載する不具合改修に関する覚書のひな形および解説は、一般的な参考情報として提供するものであり、特定の取引・案件への法的助言を目的とするものではありません。実際の契約締結に際しては、専門家(弁護士等)への確認を強く推奨いたします。

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株式会社pekoが運営する電子契約サービス「mysign(マイサイン)」の運営チームメンバー。法令遵守と信頼性の高い契約運用をテーマに、電子署名や契約実務に関する情報を発信しています。

 
 
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