秘密保持契約(NDA)は、原則として非公開の情報を商談相手へ開示する前に締結することを検討します。 初回の挨拶や公開資料だけの説明まで一律に義務付けられるものではありませんが、技術資料や顧客情報、未発表の計画を渡す段階では、情報の利用目的と守秘義務を先に取り決めることが重要です。
「商談の最初にNDAを依頼すると失礼ではないか」「開示してよい資料はどこまでか」と悩む営業・法務・開発担当者に向け、締結時期の判断、片務型と双務型の違い、条項の確認、事前に資料を渡してしまった場合の対応まで解説します。マイサインのNDAひな型一覧も紹介します。
本記事は2026年10月30日に確認した官公庁の公表資料を踏まえた一般的な情報です。個々の契約の有効性・責任や必要な条項は、取引の内容、当事者、合意文書、適用法令などによって異なります。重要な案件では専門家へ確認してください。
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秘密保持契約はいつ結ぶ?原則は秘密情報を渡す前

秘密保持契約(NDA)は、取引先へ非公開の情報を具体的に開示する前に締結するのが実務上の基本です。ただし、初回の挨拶から全件でNDAが法律上必須というわけではありません。重要なのは商談の日付ではなく、相手が何を知る段階に入るかという判断です。
商談の開始より情報開示のタイミングを基準にする
商談という言葉には、名刺交換や会社案内から、見積りに必要な設計図面の提示まで幅があります。公開済みのサービス概要だけを話す段階と、非公開の製造方法や原価を渡す段階では、情報流出による影響が異なります。最初の面談が終わってからではなく、事前に「何を開示する予定か」を確認しましょう。
中小企業庁の「知的財産取引に関するガイドライン」は、取引交渉の段階でも相手の意思に反して秘密保持契約なしにノウハウなどを知り得る行為をしないことを重視しています。実務では、非公開情報を渡す必要が出た時点で先に締結を進め、相手方との情報共有を開始する順番が分かりやすい方法です。
初回の会社紹介だけなら必要性を検討する
会社ウェブサイトに掲載済みの事業内容や、誰でも取得できるカタログを紹介するだけなら、必ずしも機密資料を開示することにはなりません。取引の入口をすべてNDAの締結から始めるより、初回は公開情報にとどめ、次の具体的な商談に進む前に締結する運用も考えられます。
ただし、初回面談で相手方が「今後の開発計画や顧客構成も教えてほしい」と踏み込む場合は注意が必要です。会話の途中で秘密情報に入るのであれば、その場で詳細を話さず、NDAの内容を確認してから別の機会に共有する判断もできます。
秘密情報を先に渡すと後からの対応が難しくなる
未公開の図面や営業資料を先に送った後、NDAの締結を求めても、受領時点でどのような義務が成立していたのか、どの資料が対象になるのかを巡って見解が分かれ得ます。事後的な契約を結べば、過去に共有した全情報が当然に保護されるとは言い切れません。
商談直前で時間がないときほど、情報を公開済みの範囲に抑えるか、NDAの締結後に詳細資料を送るように日程を分けます。「急いでいるから先に送る」を通常の運用にしないことが、後の紛争や情報管理の混乱を防ぐ一歩になります。
商談前にNDAが必要か判断する3つの段階

NDAの締結時期に迷ったら、商談を「公開情報での概要説明」「非公開情報を使う具体的な検討」「共同開発・投資などの深い情報共有」に分けます。情報の種類を確認したうえで、必要性と優先度を判断します。
公開資料を使った相談段階
会社概要、公開済みのサービス仕様、一般に配布している資料だけを説明するのであれば、商談相手に渡す情報は限定されます。この時点では、営業担当者が話してよい情報をあらかじめリスト化し、未発表の価格や顧客名を不用意に話さない運用が役立ちます。
「公開できる」と判断した資料も、社内で承認された版か確認します。営業用プレゼンに未公表の開発予定や非公開の取引先一覧が含まれていれば、資料の一部だけが公開用とはいえなくなります。送る前にファイルの中身まで点検しましょう。
見積もりや提案のため非公開資料が必要になる段階
システム開発の見積もりで内部構成図を渡す場合、製造委託で設計資料を開示する場合などは、相手が具体的な秘密情報を受け取る可能性があります。この段階では、NDAの当事者・目的・秘密情報の範囲を合意し、締結後に情報共有を始める流れを検討します。
情報の全部を最初に提示する必要はありません。初期見積りには概要版だけを使い、詳細な原価やプログラム構造が必要となった時点で受領権限を確認するなど、段階的に共有することで情報の広がりを抑えられます。
共同開発や投資検討の段階
共同研究・共同開発では、開示する情報そのものが技術上の価値を持つことがあります。投資や企業買収の検討でも、財務資料や顧客情報の開示が検討されます。必要に応じて早い段階でNDAを締結し、資料室の利用者や閲覧範囲を区別する方法が考えられます。
一方、NDAだけで成果物の知的財産権や共同研究の費用分担まで決まるわけではありません。情報保護を定める段階と、共同開発・出資・業務提携の本契約を定める段階を分け、商談の目的に応じて必要な契約を追加していきます。
どの情報を秘密として扱う?商談資料の整理方法

何を保護したいのかを先に決めないと、NDAの秘密情報の定義も曖昧になります。公開情報・未公開情報・第三者から預かった情報の区別と、社内の秘密管理を一緒に考えることが大切です。
非公開の技術情報と営業情報を洗い出す
代表例として、未発表の新製品仕様、ソースコード、設計図、製造方法、原価表、顧客リスト、仕入条件、未公開の経営計画などが考えられます。ただし、こうした分類名だけで一律に法的な「営業秘密」へ該当するわけではありません。情報の内容と秘密としての管理状況を確認する必要があります。
経済産業省は、不正競争防止法上の営業秘密について「秘密管理性」「有用性」「非公知性」の三要件を説明しています。NDAは相手方との守秘義務を定める契約であり、この三要件が必要となる法制度上の評価とは役割が異なります。契約書だけに頼らず、社内でもアクセス制限や秘密表示などを整えましょう。
第三者から預かった資料は開示権限を確かめる
顧客から委託された設計図や共同事業者が保有する研究データなどは、手元にあるからといって自由に別の商談相手へ提供できるものではありません。自社の契約上の義務、第三者の知的財産権、個人情報に関する取扱いを確認し、必要に応じて承諾を得る必要があります。
NDAは自社と目の前の相手方との約束を定めるもので、第三者に対する既存の義務を消すものではありません。開示する前に、保有元・受領目的・第三者提供の可否・利用範囲を整理し、提供できない情報は除外します。
情報のランクに応じて開示方法を変える
商談の最初から全データを共有フォルダに置く必要はありません。たとえば公開版の資料、NDA締結後に渡す限定資料、社内の許可が必要な高度機密資料という段階を設けると、誰が判断すべきか分かりやすくなります。
外部共有するPDFには版番号や配布先を記録し、ファイル共有サービスの権限と期限も確認します。重要なデータではダウンロード可否、外部転送、社外への複製など、技術的な制御と契約上の制限を組み合わせて考えることが実務上有効です。
片務型と双務型のNDAはどう選ぶ?情報を渡す方向を確認

NDAには、一方が主に情報を渡すことを想定する片務型と、双方が情報を開示することを想定する双務型があります。名称だけで選ばず、どちらがどんな情報を開示する予定かを具体的に整理します。
片務型は一方向の開示を想定する
たとえば企業が外部の制作担当者へ未公開の企画資料を示し、受注候補者がそれを守るという場面では、片務型の契約を検討することがあります。ただし、一方からの開示だけだと思っていても、受注候補者が独自の提案や技術情報を提示する可能性があります。
受領者だけに義務を課す文面を用いるなら、自社からも独自ノウハウを開示しないか確認しましょう。受領する情報を目的外利用しない義務と、自社が提供する情報の保護との双方の観点を持つことが重要です。
双務型は双方の情報を守ることを想定する
業務提携や共同開発の協議では、互いに事業計画や技術情報を出し合うことがあります。この場合、双方が秘密保持義務を負う双務型を使うと、保護される情報と行為の制限を同じ枠組みで整理できます。
中小企業庁の知的財産取引に関する資料は、中小企業に一方的な義務を課さないことや、相互に守るべき秘密を指定することを重視しています。ただし双務型だから全条件が公平とは限らず、情報の定義や責任範囲が極端に片寄っていないかも確認しましょう。
相手のひな型を受け取ったら立場を読み直す
提示された契約書の冒頭に「甲」「乙」と書かれている場合、誰が開示者で誰が受領者かを最初に確認します。自社が開示するつもりなのに、文面上は自社だけが秘密保持義務を負う場合は、意図と異なる可能性があります。
契約書の形式を直す際には、単に「相互に守る」と一文を増やすだけでなく、情報の定義、例外、第三者開示、契約終了後の義務にも矛盾がないか照合します。相手側の雛形が全取引に適切とは限りません。
商談開始前に秘密保持契約で確認したい主要条項

秘密保持契約は「外に漏らさない」という約束だけで終わりません。実際の商談で使うためには、秘密情報の範囲、使える目的、共有できる相手、管理方法、終了後の扱いをつなげて決める必要があります。
秘密情報の定義と例外を確認する
契約書では、どの文書や口頭情報が秘密情報になるのかを明確にします。秘密である旨を表示した資料だけを対象とする方法、一定の情報類型を列挙する方法、取引に関連して開示される情報を広く対象とする方法などがあります。広い定義を採用するときは、受領側の管理負担にも目を向けます。
一般に検討される除外事項には、受領時点ですでに公知の情報、受領前から適法に保有していた情報、守秘義務なく第三者から取得した情報、独自に開発した情報などがあります。ただし、どの例外が適用されるかは契約文面と証拠に左右されます。
利用目的と第三者への開示範囲を決める
商談で開示された情報を取引可否の検討に限って使うのか、試作品の作成や検証まで許すのかを具体的に書きます。「他言しない」だけでは、受領者が自社の事業のために利用する行為を十分に制限できない場合があります。
役員・従業員・弁護士などへの必要な共有をどう扱うか、外注先やグループ会社への再開示を許すかも確認します。許可する場合には、共有先の範囲、同等の守秘義務、問題発生時の連絡経路など、実際に管理できる条件へ落とし込みます。
保護する期間と終了後の義務を分ける
商談のために締結するNDAの契約期間と、秘密情報を守る義務が続く期間は同じとは限りません。例えば商談終了後もしばらく保持が必要な技術情報がある場合、契約終了後に残す義務を別途定めることを検討します。
必要な期間は、情報の価値が続く長さ、受領側の管理可能性、関係法令等を踏まえて決めます。すべての情報について永久に同じ負担を課すことが常に適切とは限らないため、公開による価値の変化や対象資料の性質も考慮します。
返還・廃棄と紛争時の対応を確認する
商談が成立しなかった場合に、受領したファイルを返還するか、削除するか、バックアップに残る複製をどう扱うかを定めておくと、終了後の扱いが明確になります。法令や内部規程による保存が必要な場合など、削除できないケースをどのように規定するかも検討しましょう。
違反時の通知、是正のための協力、損害賠償なども重要な論点です。ただし、NDAを結んでいれば漏えいした損害が必ず全額補償されるわけではありません。具体的な請求や責任範囲は契約文言、損害、因果関係、適用法令などに左右されます。
NDAを締結するまでの進め方と情報共有の順番

商談が急いで進む場合でも、契約書の確認と資料共有の順番を決めておくと判断に迷いにくくなります。相手の会社名や署名権限の確認から始め、最終版のNDAを締結してから必要な資料を渡す流れを整理します。
相手方と商談の目的を特定する
まず正式な法人名や取引主体を確認し、担当者が署名できる立場なのかを把握します。親会社やグループ会社が関与する商談では、実際に情報を受け取るのが誰かも重要です。必要な当事者が契約に入っているか、第三者への共有条件で対応するかを検討します。
次に取引の検討目的を明確にします。商品共同開発の可能性を調べるのか、システムの見積りを依頼するのかによって、開示が必要な情報は違います。「今後の協業全般」のような広い表現で足りるかは、実際の利用範囲を想定して確認します。
ひな型を調整して最終版を締結する
契約書のひな型を使う場合でも、当事者、開示目的、秘密情報、守秘期間、再開示、返還・削除の扱いを見直します。相手から修正案が届いたら、変更された箇所と、以前の版から変わっていない箇所を比べて、双方が合意する最終版を特定します。
署名の形式については、取引先と利用方法を確認します。電子契約サービスを用いる場合も、電子的に署名依頼を送っただけではなく、締結が実際に完了したかを管理画面や締結済み書類で確かめることが重要です。
締結後も必要最小限を段階的に開示する
NDAができたら全資料を自由に渡してよいわけではありません。相手の検討に必要な情報から順に提供し、社内のアクセス権限、機密区分、第三者への再共有の可能性も確認します。開示した資料と相手、日時、版を管理すると、後から情報の経緯を追いやすくなります。
商談の範囲が共同開発や正式な業務委託へ広がった場合は、NDAだけで足りるかも見直します。秘密保持は続いても、成果物の権利帰属や費用、検収方法などは別の契約で扱う場合があります。
締結前に秘密情報を渡したらどうする?すでに開示した場合の確認

NDAを結ぶ前に未公開資料を共有したことに気づいた場合は、過去の事実を無理に変更せず、開示の記録と今後の対策を分けて整理します。後から締結したNDAの効力について、一律に過去まで及ぶとは断定できません。
開示した日時と対象資料を確認する
誰が、いつ、どの相手へ、どのファイルを渡したかを整理します。メールやチャットの送信記録、共有フォルダの履歴、添付資料の版、会議で話した内容などを調べ、事実関係を一つの記録へまとめます。情報の内容がどこまで相手に伝わっているかも重要です。
この段階で記録を書き換えたり、相手とのやりとりを消したりしないようにします。資料が契約前にどのように扱われたかを把握することは、今後の交渉だけでなく、必要に応じて専門家へ相談するときにも役立ちます。
追加開示を抑えたうえで取扱いを協議する
非公開情報をさらに送る予定がある場合は、その情報の提供を一時的に控えることを検討します。相手方には、すでに共有した情報の範囲と目的を確認し、今後の利用制限や保管方法について協議します。
事後のNDAに以前の開示情報を含めることを合意できる場合もありますが、その法的な効果は条項と事情によって異なります。「作成日を過去に戻す」だけで問題が解消するような説明は避け、必要に応じて法務担当者や弁護士へ確認しましょう。
漏えいが疑われる場合は契約以外の対応も行う
既に第三者への転送や不適切な利用が疑われるときは、情報の性質、被害の広がり、関係者の権限などを確認します。アクセス権限の停止、外部共有リンクの見直し、関係者への確認など、被害拡大を抑えるための措置が必要になることがあります。
営業秘密の侵害が問題になる場合は不正競争防止法の適用可能性を、個人データが関わる場合は個人情報保護法上の義務を、それぞれ事実に即して検討します。NDAがなかったことだけで、すべての法律上の保護が消えるわけでもありません。
商談の種類別に考えるNDAの締結時期

以下は理解を助けるために作成した架空の場面です。実際のマイサイン利用者や企業の事例、裁判例ではありません。どの段階でNDAの必要性が高まるかを情報の種類ごとに確認します。
架空例A:システム開発の見積もり
A社がB社へWebシステムの開発を相談するケースを考えます。最初は公開できる利用目的と画面イメージだけを共有します。その後、B社が詳細見積りのために未公開のAPI仕様や内部構成図を求めた時点で、NDAの範囲を調整して締結する判断が考えられます。
締結後も、まず必要な画面仕様や接続方式だけを渡し、顧客データそのものや認証情報の共有は原則避けます。NDAがあることと、機密情報を無制限に渡してよいことは同じではありません。
架空例B:販売提携の協議
C社とD社が新商品の販売協力を検討します。公開済みの商品案内だけの段階から、非公開の原価、卸条件、販路戦略を共有する段階へ進む際に、相互に守る情報を整理します。双方が情報を開示するなら、双務型NDAを選ぶことが考えられます。
その際、販売代理店になるかどうかの条件や、独占販売権、成果物の使用などは別の論点です。秘密保持契約に過大な独占義務まで混ぜ込まず、商談が進んだ後に適切な契約で決める方が整理しやすくなります。
架空例C:投資や資本提携の初期検討
E社が投資候補F社へ事業概要を説明する段階では、公開情報を中心に共有する運用が考えられます。財務状況や主要顧客、未発表の技術計画を開示する場面では、NDAの締結とともに、閲覧できる人を限定した資料共有を検討します。
投資検討では関係者が増えることもあるため、外部専門家への再開示の可否、利用目的、返還・削除などを明確にします。具体的な投資契約やデューデリジェンスの手順は、別途専門家と確認する必要があります。
マイサインでNDAのひな型を探して電子契約する方法

秘密保持契約を商談前に準備するときは、必要な種類のひな型を探し、内容を調整して、締結記録を残すところまでを一つの流れにすると便利です。マイサインにはNDAのひな型一覧と、通常契約によるオンライン締結の機能が用意されています。
NDAの種類からひな型を探す
マイサインのNDA(秘密保持契約)のひな型・テンプレート一覧では、片務型・双務型など目的に応じた秘密保持契約書のページを探せます。取引先から文案を指定されていない場合には、何を開示する取引なのかを考えながら、候補となるひな型を比較するとよいでしょう。
ただし、ひな型はそのまま使用すればすべての取引に適合するものではありません。商談相手の正式名称、情報の範囲、開示目的、守秘期間、返還・廃棄の規定などは、実際の案件に合わせて確認・修正してください。
通常契約で相手へ送りオンラインで締結する
内容を確認したNDAは、マイサインの通常契約を使い、取引相手へメールで契約書を送信してオンライン署名を依頼する方法があります。相手はマイサインへのログイン不要で契約内容を確認し、署名・同意の手続きを進められます。
送信したことだけを締結完了と扱わず、双方で最終版を確認し、契約が完了したことを確かめてから秘密情報の共有を始めます。電子契約サービスを使うこと自体が、NDAの個別条項の適切さや秘密情報の管理を保証するわけではありません。
締結済み書類と開示履歴を合わせて保管する
マイサインでは通常契約の締結完了後にPDFが保管され、契約内容と署名記録を確認できます。NDAを保管する際は、契約当事者、締結日、対象の商談、秘密保持期間を社内でも識別できるようにしておくと、後から確認しやすくなります。
加えて、NDAの締結記録とは別に、どの資料を誰へいつ共有したかを管理します。書類管理機能も確認しながら、契約書と資料の版を関連づけて運用することで、担当者が変わっても経緯を追いやすくなります。
商談前に確認したいNDAのチェックリスト
商談が始まる前に、契約担当者と資料を開示する担当者が同じ項目を見られるようにしておくと、情報を渡す判断が属人化しにくくなります。次の項目は法律上の一律の記載事項ではなく、実務での確認用です。
- 商談で見せる予定の非公開情報と公開済み資料を区別した
- 正式な契約相手と担当者の権限を確認した
- 秘密情報の範囲・除外事項・利用目的を確認した
- 片務型か双務型か、実際の情報開示の方向と一致している
- 第三者への開示、外注先への共有と情報の管理方法を確認した
- 契約期間と終了後の守秘義務の期間を区別した
- 返還・削除、漏えい時の連絡方法について検討した
- 契約書が最終版であり、締結完了後に資料を渡す手順になっている
- 資料の版、開示日時、受領先、アクセス権限を記録する準備がある
特に商談当日が迫っている場合は、情報開示の担当者へ「NDAが完了するまでは公開資料のみ」と伝える運用が有効です。締結した後も必要な分だけ提供し、情報の価値や取引の進み具合に応じて共有範囲を調整しましょう。
秘密保持契約の締結時期に関するよくある質問
NDAの締結時期は、情報の種類や当事者の関係によって変わります。現場で迷いやすい疑問を、一般的な実務の範囲で整理します。
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初回商談の前に必ずNDAを結ばなければなりませんか?
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一律にすべての初回商談でNDAの締結が法律上義務となるわけではありません。非公開の技術・営業情報を相手へ開示する予定があるかを基準に、具体的な情報開示の前に締結することを検討してください。
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取引するか決まっていなくてもNDAを締結できますか?
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はい。取引開始を検討する商談の段階で、情報の利用目的や取扱いを決めるために締結することが考えられます。NDAを結ぶことと、業務委託・売買・共同開発など本契約を結ぶことは別です。
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片務型と双務型はどちらを選べばよいですか?
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一方だけが主に秘密情報を開示するなら片務型、双方が情報を開示するなら双務型が候補になります。実際にどちらが何を出すのか、守秘義務が公平かを確認して選択します。
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秘密保持契約を結べばアイデアを盗まれる心配はありませんか?
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NDAは秘密情報の目的外利用・第三者開示などを契約上制限するための手段ですが、漏えいが絶対に起きないことを保証するものではありません。開示範囲の限定、アクセス管理、必要に応じた知的財産の検討を併せて行ってください。
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NDA締結前に渡した資料は後から契約に含められますか?
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過去に開示した情報を対象に含めるよう合意する場合もありますが、法的な効果は契約文面や当時の事情によって異なります。日付を遡らせるだけで確実に保護されるとは考えず、開示内容を記録して専門家へ相談してください。
-
NDAと業務委託契約は両方必要ですか?
-
NDAは秘密情報の取扱いを定め、業務委託契約は業務内容・報酬・納期・責任などを定めます。両方を別契約で用意する場合も、本契約に秘密保持条項を入れる場合もあり、商談段階や情報の性質に応じた判断が必要です。
-
マイサインで秘密保持契約書を探せますか?
-
はい。マイサインのNDAひな型一覧から各種の秘密保持契約書を探せます。使用前に契約内容を調整し、通常契約などの機能でオンライン締結することもできます。
まとめ:秘密情報を渡す前にNDAと開示範囲を確認する
秘密保持契約を結ぶタイミングは、初回商談の日付だけで決まりません。公開情報の説明段階から、非公開の仕様・技術・営業情報を渡す段階へ進む前に、必要なNDAを検討して締結するのが基本的な進め方です。
最初に行うことは、次の商談で見せる資料を一覧にし、「公開可能」「NDA後に共有」「さらに社内承認が必要」の三つに分けることです。そのうえで相手方・利用目的・秘密情報の範囲・期間・共有先を確認し、NDAの締結後も必要な情報から段階的に開示してください。
参考となる一次情報と関連するマイサインのページ
法令や情報管理については、経済産業省・中小企業庁などが公表している次の一次情報を確認しています。各資料の対象範囲や改訂時期に注意し、具体的な案件は最新情報と照合してください。
- 中小企業庁|知的財産取引に関するガイドライン・秘密保持契約書のひな形
- 経済産業省|営業秘密の保護・活用と営業秘密管理指針
- 経済産業省|不正競争防止法の概要
- 中国経済産業局|共同開発時に自社技術が流出した落とし穴
- 特許庁|模倣品被害に遭わないために
マイサインの契約実務に関連する次のページもあわせてご覧ください。
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