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美術設定制作契約書

美術設定制作契約書は、アニメ制作会社が美術スタッフやクリエイターへ背景空間、建築物、室内、街並みなどの美術設定制作を依頼する際に使用できる契約書です。業務範囲、納品・修正、報酬、著作権、秘密保持などの条件を整理できます。

契約書名
美術設定制作契約書
バージョン / ファイル
1.00/ Word
作成日 / 更新日
特徴
アニメ作品の美術設定制作に特化し、制作範囲から納品・修正、著作権、未公開設定の管理まで明確に定めている。
利用シーン
アニメ制作会社が外部クリエイターへ背景・建築物などの美術設定制作を依頼する/美術設定スタッフへ作品世界の施設・室内・街並みなどの設定図制作を委託する
メリット
美術設定の制作範囲や修正条件、権利帰属、未公開資料の取扱いを事前に明確化し、制作途中や作品公開後のトラブルを予防できる。
ダウンロード数
6件
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「美術設定制作契約書」の本ひな形の利用にあたっては、必ず「契約書ひな形ダウンロード利用規約」をご確認ください。無料ダウンロードされた時点で、規約に同意いただいたものとさせていただきます。

美術設定制作契約書とは?

美術設定制作契約書とは、アニメ制作会社が美術スタッフ、デザイナー、イラストレーター、フリーランスのクリエイターなどに対して、アニメーション作品で使用する美術設定の制作を依頼する際に、業務内容や報酬、納品、修正、著作権などの条件を定める契約書です。アニメーション制作における美術設定は、作品の舞台となる建築物、室内、施設、街並み、自然環境、家具、設備などについて、作品全体で統一されたビジュアルを制作するための基礎資料となります。例えば、主人公が生活する住宅について、外観だけでなく、部屋の配置、窓や扉の位置、家具の配置、建物の構造などを設定しておけば、その後の絵コンテ、レイアウト、背景美術などを制作する際に表現を統一しやすくなります。

そのため、美術設定制作では単にイラストを納品してもらうだけではなく、

  • どの範囲まで美術設定を制作するのか
  • 何点制作するのか
  • どの形式で納品するのか
  • 修正には何回まで対応するのか
  • 制作途中で仕様変更が発生した場合にどうするのか
  • 完成した美術設定の著作権を誰が保有するのか
  • 作品公開前の設定資料をどのように管理するのか
  • SNSやポートフォリオへの掲載を認めるのか

といった条件をあらかじめ明確にしておくことが重要です。本ひな形では、こうしたアニメ制作特有の事情を踏まえ、委託業務、制作指示、納品、検収、修正、報酬、著作権、著作者人格権、秘密保持、成果物の公表、生成AIの利用などについて整理しています。

美術設定制作契約書が必要となるケース

美術設定制作契約書は、アニメ制作会社と外部クリエイターとの間で美術設定制作を発注する場合に活用できます。特に、次のようなケースでは契約条件を書面化しておくことが重要です。

  • アニメ制作会社がフリーランスの美術スタッフに美術設定を依頼する場合
  • 作品に登場する建築物や室内の設定図を外部クリエイターに制作してもらう場合
  • 架空の街や施設など、作品独自の世界観を構築するための設定制作を委託する場合
  • テレビアニメ、劇場用アニメ、配信アニメなどの美術設定を外部へ発注する場合
  • 美術設定の制作点数や納期、修正条件を明確にしたい場合
  • 完成した美術設定をアニメ本編だけでなく、宣伝、商品化、配信、海外展開などにも利用する場合
  • 作品公開前の設定資料がSNSなどに流出することを防止したい場合

アニメ制作では、監督、美術監督、キャラクターデザイナー、メカデザイナー、背景スタッフなど、多くのスタッフが一つの作品に関わります。美術設定についても、制作された資料が他の制作工程で使用されることを前提としているため、通常のイラスト制作とは異なり、成果物の利用範囲や権利関係を明確にしておく必要があります。

美術設定制作契約書に盛り込むべき主な条項

アニメ制作会社向けの美術設定制作契約書では、主に次の事項を定めます。

  • 対象となるアニメーション作品
  • 委託する美術設定制作業務の範囲
  • 制作指示及び資料提供
  • 制作上の遵守事項
  • 成果物の納品方法及び納期
  • 検収方法
  • 修正対応
  • 制作報酬及び支払方法
  • 成果物の著作権
  • 著作者人格権の取扱い
  • クレジット表示
  • 第三者の権利侵害への対応
  • 再委託
  • 秘密保持
  • 制作資料の管理
  • SNS・ポートフォリオ等への掲載
  • 生成AI等の利用
  • 制作中止時の精算
  • 契約解除
  • 損害賠償
  • 契約期間
  • 準拠法及び合意管轄

特に重要なのが、業務範囲、修正条件、著作権、秘密保持の4点です。美術設定は制作途中で追加や変更が発生することも考えられるため、最初の発注内容だけでなく、変更が発生した場合の取扱いまで定めておくと、追加作業をめぐるトラブルを防ぎやすくなります。

美術設定制作契約書の条項ごとの解説

1. 対象作品に関する条項

まず、どのアニメーション作品について美術設定を制作するのかを明確にします。

作品名だけでなく、

  • テレビアニメーション
  • 劇場用アニメーション
  • 配信アニメーション
  • その他の映像作品

など作品形式を記載しておく方法があります。さらに、話数、尺、制作予定期間などが決まっている場合には、これらも記載しておくことで契約対象を特定しやすくなります。作品名が正式決定していない段階で契約する場合には、仮タイトルや制作番号などによって対象作品を特定する方法も考えられます。

2. 委託業務に関する条項

美術設定制作契約では、乙が何を制作するのかをできるだけ明確にすることが重要です。

美術設定には、例えば、

  • 建築物の外観
  • 住宅や施設の室内
  • 街並み
  • 自然環境や地形
  • 家具や什器
  • 設備や装飾
  • 平面図や立面図
  • 配置図
  • 材質や質感に関する参考設定

など、さまざまな制作物が含まれる可能性があります。契約書では大きな業務範囲を定めたうえで、具体的な制作点数、サイズ、仕様、ファイル形式などを発注書や仕様書で指定する方法が実務上使いやすいでしょう。特に複数話にわたるアニメーション作品では、制作期間中に追加設定が必要となる可能性があります。当初契約と追加発注を区別できる仕組みにしておくことが重要です。

3. 制作指示・資料提供に関する条項

美術設定は、クリエイターが完全に独立して制作するものとは限りません。

アニメ制作会社から、

  • 企画書
  • 脚本
  • 絵コンテ
  • キャラクター設定
  • メカ設定
  • 世界観設定
  • 参考写真・参考画像

などが提供され、それらを踏まえて制作されるケースがあります。そこで契約書では、甲が必要な制作資料を提供し、乙がそれらの資料や制作指示を踏まえて業務を行うことを定めます。また、資料提供が遅れたり、制作途中で仕様が大幅に変更されたりした場合には、当初予定していた納期や作業量に影響する可能性があります。このような場合に備え、納期や報酬について再協議できるようにしておくことが重要です。

4. 納品に関する条項

美術設定制作では、成果物の納品条件を明確にします。

例えば、デジタル制作の場合には、

  • PSD
  • PNG
  • JPEG
  • PDF
  • その他指定されたデータ形式

など、必要な納品形式を発注時に指定することが考えられます。完成画像だけでよいのか、レイヤーを保持した編集可能な制作データまで必要なのかについても、案件によって条件が異なります。後工程で修正や加工を行う予定がある場合には、元データの納品についても事前に決めておくことが重要です。

5. 検収に関する条項

成果物が納品された後は、制作会社側が内容を確認します。

契約書では、納品された美術設定について、

  • 発注内容に合っているか
  • 指定された仕様を満たしているか
  • 必要な設定が不足していないか
  • 制作指示が反映されているか

などを確認し、不備がある場合には修正を求められるようにします。検収期間を設ける場合には、何営業日以内に確認するのかを記載しておくと、納品後の状態が長期間不明確になることを防止できます。

6. 修正に関する条項

アニメーション制作において、修正対応は特にトラブルになりやすいポイントです。

美術監督や監督によるチェックを経て、

  • 建物の構造を変更する
  • 家具の位置を変更する
  • 設定を追加する
  • 世界観に合わせてデザインを変更する
  • 別アングルの設定を追加する

といった修正が発生する場合があります。契約上は、当初の制作指示や仕様に適合させるための修正と、甲側の事情による仕様変更や追加制作を区別しておくことが重要です。例えば、乙の制作上の不備による修正は当初報酬に含める一方、発注後に新しい建物の設定が追加された場合などは、追加報酬の対象とする方法があります。

7. 報酬に関する条項

美術設定制作の報酬については、金額だけでなく、どの作業まで報酬に含まれるのかを明確にする必要があります。

報酬体系としては、

  • 案件単位
  • 設定1点単位
  • 作業日数単位
  • 話数単位

などが考えられます。また、消費税、振込手数料、交通費、資料購入費その他の実費をどちらが負担するのかについても整理しておくと安心です。追加設定や大幅な仕様変更が発生した場合には、当初報酬とは別に追加報酬を協議できるようにしておくことが重要です。

8. 著作権に関する条項

美術設定制作契約において特に重要なのが著作権です。美術設定が著作物として保護される場合、契約で権利関係を明確にしていなければ、制作会社がどこまで成果物を利用できるのかについて問題となる可能性があります。アニメ制作会社が著作権の譲渡を受ける契約とする場合には、著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含めて譲渡対象を明記しておくことが重要です。また、著作権譲渡の対価を制作報酬に含める場合には、その点も契約書に記載します。一方、クリエイターが契約以前から保有している素材や権利まで一律に譲渡させる内容にすると、権利関係が不明確になる可能性があります。そのため、本ひな形では、乙が契約締結前から保有している著作物、素材、技法等については乙に権利を留保しつつ、本作品の利用に必要な範囲で甲が利用できる構成としています。

9. 著作者人格権に関する条項

著作権を譲渡した場合でも、著作者人格権そのものが譲渡されるわけではありません。

アニメ制作では、美術設定をそのまま使用するだけでなく、

  • 構図を変更する
  • 一部分だけを使用する
  • 色彩を変更する
  • 背景制作に合わせて調整する
  • 宣伝物や商品等へ展開する

といった利用が行われる可能性があります。そのため、本ひな形では、本作品の制作及び利用に必要な範囲において、乙が甲等に対して著作者人格権を行使しない旨を定めています。

10. クレジット表示に関する条項

美術設定を担当したクリエイターについて、作品のエンドクレジット等に氏名を表示する場合があります。一方で、媒体、作品形式、契約内容などによっては、必ずしも同じ方法でクレジットを表示できるとは限りません。

そのため、

  • クレジットを掲載するか
  • どの名称を掲載するか
  • どの位置に掲載するか
  • どの媒体まで掲載するか

について必要に応じて確認しておくとよいでしょう。

11. 第三者の権利侵害に関する条項

美術設定では、現実に存在する建築物、店舗、家具、製品、写真などを参考に制作する場合があります。参考資料を利用すること自体と、その表現をそのまま成果物へ取り込むことは分けて考える必要があります。第三者の著作権、商標権、意匠権その他の権利が問題となる可能性があるため、乙が独自に制作する部分について第三者の権利を侵害しないよう配慮することを契約上明確にしておくことが重要です。一方、甲が特定の資料を提供し、その資料を使用するよう具体的に指示した場合なども考えられるため、問題が生じた原因に応じて責任関係を整理できる内容にしておく必要があります。

12. 秘密保持に関する条項

アニメ制作では、作品公開前の情報管理が非常に重要です。

美術設定から、

  • 作品の舞台
  • 未発表キャラクターの存在
  • ストーリー展開
  • 新しい施設や場所
  • 作品の世界観

などが推測できる場合があります。そのため、美術設定そのものだけでなく、脚本、絵コンテ、キャラクター設定、メカ設定、制作状況などについても秘密保持の対象としておくことが考えられます。プロジェクトで参照している契約書でも、秘密情報の定義、第三者への開示禁止、目的外利用の禁止、返還・廃棄などを体系的に規定しています。美術設定制作契約でも、同様に秘密情報の対象と管理方法を明確にすることが重要です。

13. SNS・ポートフォリオへの掲載に関する条項

クリエイターとの契約では、成果物のポートフォリオ利用についても確認しておく必要があります。作品公開前に制作途中の美術設定がSNSへ投稿されれば、情報漏えいにつながる可能性があります。また、作品公開後であっても、制作会社や権利者の方針によっては設定資料の公開が認められていない場合があります。そのため、本ひな形では、SNS、ウェブサイト、ポートフォリオ、動画共有サービス等への掲載について、事前に甲の承諾を得る形としています。単に「作品公開後なら自由に掲載できる」とするのではなく、作品ごとの権利関係や広報方針に応じて判断できる仕組みにしておくことがポイントです。

14. 生成AIの利用に関する条項

現在の制作業務では、画像生成AIをはじめとする生成AIサービスを制作工程で使用する可能性も考慮する必要があります。美術設定制作で生成AIを使用する場合には、成果物そのものの権利関係だけでなく、制作会社から提供された未公開資料を外部サービスへ入力することによる情報管理上の問題にも注意が必要です。

そのため、本ひな形では、

  • 生成AI等を利用する場合の事前承諾
  • 第三者の権利を侵害しないための配慮
  • 秘密情報を外部の生成AIサービスへ無断入力しないこと

を定めています。制作会社として生成AIを全面的に禁止するのか、補助的な利用のみ認めるのかなど、実際の制作方針に合わせて条項を調整するとよいでしょう。

15. 制作中止に関する条項

アニメーション作品では、制作途中で企画内容が変更されたり、制作そのものが延期・中止されたりする可能性があります。その際、既にクリエイターが一定の作業を行っているにもかかわらず、契約上の精算方法が決められていないと、報酬をめぐるトラブルにつながります。

そのため、美術設定制作契約では、作品の制作中止等によって業務を終了する場合について、

  • どこまで作業が完了しているか
  • 完成度はどの程度か
  • 既に発生している実費があるか
  • 制作途中のデータを引き渡すのか

などを確認し、報酬を精算できるようにしておくことが重要です。

美術設定制作契約書を作成する際の実務上のポイント

制作点数と制作範囲を具体的にする

「美術設定一式」のような表現だけでは、どこまで制作すれば業務完了となるのか判断しにくくなります。

可能であれば、

  • 主人公自宅・外観1点
  • 主人公自宅・室内3点
  • 学校・外観2点
  • 教室・設定2点
  • 主要街並み3点

など、制作対象と点数を発注書や仕様書に記載すると明確です。制作途中で追加が必要になった場合には、追加発注として管理できるようにしておくと、報酬トラブルの防止につながります。

修正と追加制作を区別する

美術設定制作では「修正」という言葉の範囲が問題になりやすいため注意が必要です。例えば、指定された窓の位置が間違っていたため直す場合と、制作会社側が後から建物そのもののデザイン方針を変更する場合では、作業が発生する原因が異なります。当初仕様に適合させるための修正なのか、新しい指示による追加・変更作業なのかを区別し、後者については追加報酬や納期変更を協議できる契約にしておくことが重要です。

著作権の利用範囲を作品展開まで考える

アニメ作品は、本編の放送・配信だけで利用が終了するとは限りません。

美術設定やそれを基礎として制作されたビジュアルが、

  • 劇場公開
  • 動画配信
  • Blu-ray・DVD等
  • 公式サイト
  • SNS
  • 広告・宣伝
  • 書籍
  • グッズ
  • イベント
  • 海外展開

などに利用される可能性があります。契約時には、実際に想定される作品展開を踏まえて、著作権の帰属や利用条件を設計する必要があります。

既存素材の権利まで取得する内容にしない

乙が以前から保有している素材や制作技法等が成果物に含まれる可能性もあります。そのため、成果物の著作権を甲へ譲渡する契約であっても、契約以前から乙が保有していた権利との関係を整理しておくことが重要です。必要に応じて既存素材を特定し、その部分については所有権・著作権を乙に留保しつつ、甲に必要な利用権を認める方法があります。

秘密保持の対象を具体化する

一般的な秘密保持条項だけでなく、アニメ制作で特に重要となる情報を具体的に示しておくと、クリエイター側にも何を公開してはいけないのか伝わりやすくなります。

例えば、

  • 未公開の美術設定
  • 制作途中のラフ
  • 脚本
  • 絵コンテ
  • キャラクター設定
  • 作品公開日
  • 未発表の制作スタッフ情報

などが考えられます。

ポートフォリオ利用を事前に決めておく

フリーランスのクリエイターにとって、過去の制作物は重要な実績になります。一方、制作会社側では、権利者との契約や作品の宣伝方針などから、自由な公開を認められないケースがあります。そのため、「公開後なら自由」「全面禁止」という二択ではなく、事前承諾制とし、作品ごとに判断できる契約にしておく方法があります。

美術設定制作契約書と背景美術制作契約書の違い

美術設定制作と背景美術制作は関連性の高い業務ですが、契約上は区別して整理することができます。美術設定制作は、作品世界の建物、室内、街並み、施設、地形などについて、その後の制作工程で基準として利用できる設定を制作する業務です。一方、背景美術制作は、美術設定やレイアウトなどをもとに、実際のアニメーション映像で使用される背景素材を制作する業務として整理できます。例えば、主人公の自宅について建物の構造や室内配置を決める資料を作る業務が美術設定制作であり、その設定をもとに特定シーンで使用する背景画を制作する業務が背景美術制作、という形です。ただし、実際の制作現場では業務範囲が重なる場合もあるため、契約書の名称だけで判断せず、具体的な委託業務を明記することが重要です。

美術設定制作契約書を締結する際の注意点

美術設定制作契約書を利用する場合には、ひな形をそのまま使用するのではなく、実際の制作案件に合わせて内容を調整する必要があります。特に確認しておきたいのは次の点です。

  • 対象作品が明確になっているか
  • 制作する設定の種類と点数が明確になっているか
  • 納品データの形式が決まっているか
  • 納期と検収方法が明確になっているか
  • 通常修正と追加制作の区別ができているか
  • 追加作業が発生した場合の報酬条件が決まっているか
  • 著作権の帰属と利用範囲が明確になっているか
  • 著作者人格権について定めているか
  • クレジット表示について認識が一致しているか
  • 第三者の権利を侵害しないためのルールがあるか
  • 未公開資料の秘密保持義務が定められているか
  • SNSやポートフォリオへの掲載条件が決まっているか
  • 生成AIを利用できるかどうか決まっているか
  • 作品の制作中止時に報酬をどう精算するか決まっているか

特に、業務内容、報酬、著作権の3点については、契約当事者双方の認識に違いがないよう具体的に確認することが大切です。

電子契約で美術設定制作契約書を締結する場合

美術設定制作契約書は、紙だけでなく電子契約によって締結することも考えられます。アニメーション制作では、制作会社とクリエイターが離れた地域で業務を行うケースも多く、契約締結から制作資料の共有、成果物の納品までオンラインで完結することがあります。電子契約を利用すれば、契約書の印刷、郵送、返送、保管などの事務負担を抑えながら契約手続きを進めやすくなります。また、案件ごとに契約書や発注内容を整理して保管しておけば、後から報酬条件や著作権、修正範囲などを確認する際にも役立ちます。ただし、契約書とは別に発注書や仕様書を使用する場合には、それぞれの文書の内容に矛盾が生じないよう注意が必要です。

まとめ

美術設定制作契約書は、アニメ制作会社と美術設定を担当するクリエイターとの間で、制作条件と権利関係を明確にするための重要な契約書です。美術設定は、背景美術やレイアウトをはじめとする後工程の基準となる重要な制作物であり、制作範囲が曖昧なまま業務を開始すると、追加制作、修正回数、報酬、納期などをめぐる認識の違いが生じる可能性があります。そのため、契約書では、委託業務、制作点数、納品・検収、修正、報酬といった制作条件だけでなく、著作権、著作者人格権、第三者の権利侵害、秘密保持、SNS・ポートフォリオへの掲載、生成AIの利用などについても整理しておくことが重要です。また、アニメ作品では制作途中の仕様変更や企画変更が発生することもあるため、追加作業や制作中止が発生した場合の取扱いまであらかじめ決めておくことで、双方が安心して制作を進めやすくなります。

本ページに掲載する美術設定制作契約書のひな形および解説は、一般的な参考情報として提供するものであり、特定の取引・案件への法的助言を目的とするものではありません。実際の契約締結に際しては、専門家(弁護士等)への確認を強く推奨いたします。

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株式会社pekoが運営する電子契約サービス「mysign(マイサイン)」の運営チームメンバー。法令遵守と信頼性の高い契約運用をテーマに、電子署名や契約実務に関する情報を発信しています。

 
 
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