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キャラクターボイス利用許諾契約書

キャラクターボイス利用許諾契約書は、アニメ制作会社が声優・俳優等の収録音声を作品本編や配信、宣伝、関連コンテンツなどで利用する際の条件を定める契約書です。利用範囲、二次利用、対価、実演家の権利、AI・音声合成技術の取扱いなどを整理できます。

契約書名
キャラクターボイス利用許諾契約書
バージョン / ファイル
1.00/ Word
作成日 / 更新日
特徴
キャラクターボイスの利用範囲から二次利用、実演家の権利、AI・音声合成技術の取扱いまで具体的に定められる。
利用シーン
アニメ制作会社が声優の収録音声を本編・配信・宣伝に利用する/収録済みのキャラクターボイスをゲームや関連コンテンツなどへ二次利用する
メリット
キャラクターボイスをどの媒体・地域・期間・用途まで利用できるかを明確にし、声優側との権利や追加報酬をめぐるトラブルを予防できる。
ダウンロード数
7件
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キャラクターボイス利用許諾契約書とは?

キャラクターボイス利用許諾契約書とは、アニメ制作会社などが、声優・俳優等によって収録されたキャラクターの音声を、アニメ本編、配信、映像商品、広告・宣伝、関連コンテンツなどで利用するための条件を定める契約書です。アニメ作品では、キャラクターの台詞、掛け声、息遣い、アドリブなど、出演者によるさまざまな音声が収録されます。これらの音声をどの媒体で、どの地域において、どの期間利用できるのかをあらかじめ契約で整理しておくことが重要です。特に現在のアニメ作品は、テレビ放送だけで利用されるとは限りません。動画配信サービス、DVD・Blu-ray Disc、公式SNS、Web広告、イベント、ゲーム、アプリなど、作品公開後に利用範囲が広がるケースがあります。そのため、キャラクターボイス利用許諾契約書では、主に次の事項を明確にします。

  • 利用対象となる作品・キャラクター・音声
  • キャラクターボイスを利用できる媒体
  • 利用できる地域と期間
  • 音声の編集・加工が認められる範囲
  • 広告・宣伝等への利用条件
  • ゲームやアプリなどへの二次利用条件
  • 声優等の実演家としての権利の取扱い
  • 利用許諾料や追加対価
  • 生成AI・音声合成技術への利用条件
  • 秘密保持や作品公開前の情報管理

単に音声を利用してよいという合意だけではなく、具体的な利用方法まで契約書で明確にすることが、アニメ制作会社と出演者双方のトラブル防止につながります。

キャラクターボイス利用許諾契約書が必要となるケース

アニメ本編でキャラクターボイスを利用する場合

代表的なのが、テレビアニメ、劇場アニメ、Webアニメ、OVAなどにおいて、声優等が収録したキャラクターボイスを利用するケースです。作品名、キャラクター名、利用媒体などを契約上特定しておけば、どの作品について利用許諾が行われたのかを明確にできます。特にシリーズ作品では、テレビシリーズだけの契約なのか、劇場版や特別編などにも利用できるのかが問題となる可能性があります。そのため、利用対象となる作品の範囲を具体的に定めることが重要です。

動画配信サービスで作品を配信する場合

アニメ作品はテレビ放送だけでなく、インターネットを利用したストリーミング配信やダウンロード配信などによって提供されることがあります。契約書では、放送だけでなくインターネット配信についても利用範囲に含めることで、作品の展開方法を明確にできます。海外向けの動画配信を予定している場合には、利用地域についても、日本国内だけなのか全世界なのかを確認しておく必要があります。

DVD・Blu-ray Discなどを販売する場合

テレビ放送やインターネット配信を行ったアニメ作品を、DVDやBlu-ray Discなどの映像商品として販売するケースもあります。映像商品化を予定している場合は、収録音声を記録媒体へ複製し、販売・頒布等できることを利用許諾の対象として明確にしておくことが重要です。

予告編やSNSなどで音声を使用する場合

アニメ本編の音声は、本編そのものだけでなく、PV、予告編、特報、ダイジェスト映像、公式Webサイト、公式SNSなどの宣伝素材に使用されることがあります。
本編利用のみを想定した契約では、こうした広告・宣伝目的の利用が許諾範囲に含まれるか不明確になる可能性があります。
そのため、本編に加えて広告、宣伝、広報、販売促進などへの利用についても契約書で整理しておくことが有効です。

ゲームやアプリなどへ二次利用する場合

人気アニメでは、テレビアニメで収録した音声をゲーム、スマートフォンアプリ、キャラクター関連コンテンツなどに利用したいケースがあります。この場合、本編利用と二次利用を区別し、ゲーム等への利用について別途許諾や追加対価を必要とするのかを決めておくことが重要です。

キャラクターボイス利用許諾契約書に盛り込むべき主な条項

キャラクターボイス利用許諾契約書では、主に次の条項を定めます。

  • 契約の目的
  • 本作品・本音声・関連コンテンツなどの定義
  • キャラクターボイスの利用許諾
  • 利用地域
  • 利用期間
  • 音声の編集・加工
  • 広告・宣伝等への利用
  • 二次利用
  • 第三者への利用許諾
  • 実演家の権利
  • 氏名・芸名等のクレジット表示
  • 利用許諾の対価
  • 権利処理
  • 表明及び保証
  • AI・音声合成技術の利用
  • 秘密保持
  • 公表前情報の管理
  • 禁止事項
  • 契約解除
  • 損害賠償
  • 契約期間
  • 準拠法・合意管轄

特に重要なのが、利用許諾、二次利用、対価、実演家の権利、AI等による音声利用に関する条項です。

条項ごとの解説と実務ポイント

1. 利用許諾条項

キャラクターボイス利用許諾契約書の中心となる条項です。単に本音声を利用できるとするのではなく、具体的にどのような媒体や方法で利用できるのかを整理します。
例えば、

  • テレビ放送
  • 衛星放送・ケーブルテレビ
  • 映画館等での上映
  • ストリーミング配信
  • ダウンロード配信
  • DVD・Blu-ray Discへの収録
  • 広告・宣伝
  • 公式Webサイト
  • 公式SNS
  • PV・予告編・特報

などがあります。アニメ制作会社としては将来的な作品展開も想定しながら利用範囲を設定する必要があります。一方で、利用範囲を必要以上に抽象化すると、出演者側との認識が一致しない可能性があるため、想定している利用方法をできる限り明確にすることがポイントです。

2. 利用地域条項

アニメ作品を海外でも展開する場合には、利用地域が重要になります。日本国内のみで利用できる契約なのか、全世界で利用できる契約なのかによって、作品の海外配信等への対応が変わります。海外配信や海外向け映像商品の販売を予定している場合は、契約締結時に利用地域を確認しておくことが重要です。

3. 利用期間条項

キャラクターボイスをいつまで利用できるのかについて定める条項です。
利用期間については、

  • 一定期間に限定する
  • 作品の利用期間と連動させる
  • 媒体ごとに異なる期間を設定する

などの方法が考えられます。また、利用期間内に制作・販売された映像商品を、期間終了後にどのように取り扱うかについても検討しておく必要があります。

4. 音声の編集・加工条項

アニメ制作では、収録した音声をそのまま使用するとは限りません。
作品制作上、

  • 音声の切除
  • 尺の調整
  • 音量調整
  • ノイズ除去
  • 音質調整
  • 音楽や効果音との組合せ

などが必要となる場合があります。そのため、制作・演出上必要な範囲で音声を編集できることを定めておくと、制作工程を円滑に進めやすくなります。ただし、通常の音声編集と、本人が実際には収録していない新しい発話を作り出す行為は性質が異なります。この点はAI・音声合成技術に関する条項と分けて整理しておくことが重要です。

5. 広告・宣伝への利用条項

キャラクターボイスは、アニメ本編だけでなく、作品の宣伝にも利用されることがあります。例えば、本編中の台詞をPVや予告編に使用したり、公式SNSに掲載する短い映像に利用したりするケースです。契約書で広告・宣伝・広報・販売促進への利用を認めておけば、本作品のプロモーションにおける音声利用の範囲を明確にできます。一方、本作品と直接関係のない第三者の商品広告などにキャラクターボイスを使用する場合には、通常の作品宣伝とは区別して条件を定めることが重要です。

6. 二次利用条項

アニメ制作会社にとって特に確認しておきたいのが二次利用です。本編に収録された音声が、その後ゲームやアプリ、音声商品など別のコンテンツで必要になることがあります。
そこで契約書では、

  • 本作品の再放送
  • 再配信
  • 映像商品化
  • ゲーム
  • アプリ
  • 音声商品
  • キャラクター関連コンテンツ

などへの利用条件を整理します。本編利用の対価だけですべての二次利用まで認めるのか、一定の二次利用については追加の許諾や対価を必要とするのかを明確にしておくことで、後から追加報酬をめぐって認識の違いが生じるリスクを抑えられます。

7. 第三者への利用許諾条項

アニメ作品は制作会社だけで完結するとは限りません。共同製作者、製作委員会構成員、テレビ局、動画配信事業者、映画配給会社、映像商品の販売会社など、さまざまな事業者が作品の利用に関与する場合があります。そのため、制作会社だけに利用を認める契約では、実際の作品展開に支障が生じる可能性があります。本作品の利用に必要な範囲で、関係事業者にも本音声を利用させることができる旨を定めておくことが実務上重要です。

8. 実演家の権利に関する条項

キャラクターボイスについては、声優等の実演に関する権利を考慮する必要があります。契約書では、出演者が有する権利を一律に処理したものとして扱うのではなく、どの範囲について利用許諾を受けるのかを明確にすることが重要です。特に、利用媒体、利用地域、利用期間、二次利用などと関連させながら、許諾範囲を具体化する必要があります。

9. クレジット表示条項

声優等の氏名や芸名を、作品のエンドクレジットなどにどのように表示するかを定める条項です。媒体によってはクレジット表示が難しい場合もあるため、表示位置や表示時間をすべて固定するのではなく、媒体の性質や技術上の制約を踏まえて取り扱える内容にする方法があります。芸名を使用している出演者の場合は、契約時に正式なクレジット表記を確認しておくとよいでしょう。

10. 利用許諾料・対価条項

契約書では、キャラクターボイスの利用許諾に対して支払う金額と支払条件を明確にします。特に確認したいのが、その金額によってどこまで利用できるのかという点です。
例えば、

  • 本編利用のみ含まれる
  • 本編と宣伝利用まで含まれる
  • 再放送や再配信まで含まれる
  • ゲーム等への二次利用は別料金とする

といった条件が考えられます。金額だけでなく、その対価に含まれる利用範囲まで明確にすることが重要です。

11. AI・音声合成技術に関する条項

近年のキャラクターボイス契約では、AIや音声合成技術への対応も検討すべきポイントになります。通常のノイズ除去や音量調整と、声優本人の声の特徴を学習させて新しい音声を生成することは、利用の性質が大きく異なります。
そのため、

  • 生成AI等の学習用データとして利用するか
  • 声質等を再現する音声モデルを作成できるか
  • 本人が収録していない新しい台詞を生成できるか
  • 生成した音声をどのコンテンツで利用できるか
  • 追加対価を設定するか

などを個別に整理することが重要です。AI等への利用を予定していない場合でも、通常の音声利用許諾にAI学習等まで含まれるとの誤解を防ぐため、契約書上の取扱いを明確にしておくことには意味があります。

12. 秘密保持・公表前情報に関する条項

アニメ制作では、声優が作品公開前に台本、設定資料、キャラクター情報、ストーリーなどの未公開情報に触れることがあります。
そのため、秘密保持条項を設け、

  • 未公開の台本
  • キャラクター設定
  • 未公開映像・音声
  • ストーリー
  • 出演情報
  • 収録状況

などの情報を適切に管理することが重要です。特にSNSでの情報発信については、正式発表前に出演者が作品名や担当キャラクターを公表してしまうと、制作会社のプロモーション計画に影響する可能性があります。正式発表までは出演情報等を公表しないことを契約上確認しておくと、情報解禁を管理しやすくなります。

キャラクターボイス利用許諾契約書と出演契約書の違い

キャラクターボイス利用許諾契約書と、声優等との出演契約書は内容が重なる場合がありますが、重点が異なります。
出演契約書では、出演・収録業務そのものについて、

  • 出演作品
  • 担当キャラクター
  • 収録日
  • 収録場所
  • 出演料
  • 収録業務
  • 再収録

などを定めることが中心となります。これに対し、キャラクターボイス利用許諾契約書では、収録された音声を制作会社がどのように利用できるのかという権利処理が中心です。実務上は、出演契約の中に音声利用許諾に関する条項を盛り込む方法もあれば、出演契約とは別にキャラクターボイス利用許諾契約書を締結する方法もあります。重要なのは、複数の契約書を使用する場合に、それぞれの利用範囲、報酬、二次利用条件等を矛盾させないことです。

個別利用条件を設けるメリット

キャラクターボイスの利用条件は作品によって異なるため、契約本文とは別に個別利用条件を設ける方法があります。個別利用条件では、例えば次の事項を記載します。

  • 作品名
  • 担当キャラクター
  • 対象音声
  • 利用媒体
  • 利用地域
  • 利用期間
  • 利用許諾料
  • 二次利用料
  • クレジット表記
  • AI・音声合成等への利用可否
  • その他の特約事項

基本となる契約条項を共通化しながら、作品ごとに異なる条件を個別利用条件で整理すれば、契約内容を確認しやすくなります。

キャラクターボイス利用許諾契約書を作成する際の注意点

利用できる媒体を具体的にする

「本作品に利用できる」という表現だけでは、テレビ放送、動画配信、映像商品、SNS、ゲームなどのどこまで含まれるのかが不明確になる可能性があります。予定している利用媒体をできる限り具体的に記載しましょう。

本編利用と二次利用を区別する

本編のために収録した音声をゲームやアプリ等に転用する場合、出演者側との認識に違いが生じる可能性があります。本編利用に含まれる範囲と、別途許諾が必要となる二次利用を整理しておくことが重要です。

利用許諾料に含まれる範囲を確認する

「出演料〇万円」とだけ記載するのではなく、その金額に何が含まれているのかを確認します。収録そのものの報酬なのか、アニメ本編での音声利用まで含むのか、宣伝利用や再配信まで含むのかなど、対価と利用範囲を対応させることがポイントです。

所属事務所との契約関係を確認する

出演者が声優事務所や芸能事務所等に所属している場合、本人だけでは利用許諾に必要な権限を有していないケースも考えられます。契約締結前に、誰と契約する必要があるのか、誰が利用許諾権限を有しているのかを確認することが重要です。

AI利用を通常の音声編集と混同しない

通常の音量調整、ノイズ除去、尺調整等と、AI等によって新しい発話を生成する利用は分けて考える必要があります。AI・音声合成技術を利用する場合には、利用目的、利用期間、生成できる内容、生成物の利用範囲、対価等について個別に条件を定める方法が考えられます。

他の契約書との内容を統一する

アニメ制作では、出演契約書、アフレコ出演契約書、出演料に関する合意書、音声二次利用同意書など、複数の契約書・合意書を使用する場合があります。
複数の書類で、

  • 利用期間が異なる
  • 二次利用の条件が異なる
  • 報酬の範囲が異なる
  • AI利用の可否が異なる

といった矛盾が生じないよう注意が必要です。

電子契約で締結する場合のポイント

キャラクターボイス利用許諾契約書は、書面だけでなく、当事者間で採用する方法に応じて電子契約による締結を検討することもできます。電子契約を利用すると、制作会社と出演者・所属事務所が離れた場所にいる場合でも契約手続きを進めやすくなります。
特に複数の作品や出演者を管理するアニメ制作会社では、

  • 契約締結日
  • 契約相手
  • 対象作品
  • 担当キャラクター
  • 利用期間
  • 二次利用条件
  • AI利用の可否

などの契約情報を適切に管理しておくことが重要です。作品公開後にゲーム化や海外配信などが決まった際にも、当初の利用許諾範囲を確認しやすい状態にしておくことで、追加契約や追加合意が必要かを判断しやすくなります。

まとめ

キャラクターボイス利用許諾契約書は、アニメ制作会社が声優・俳優等によって収録されたキャラクターボイスを、どのような条件で利用できるのかを明確にするための契約書です。テレビアニメや劇場アニメだけでなく、動画配信、DVD・Blu-ray Disc、公式SNS、PV、ゲーム、アプリなど、アニメ作品の展開方法は多様化しています。そのため、契約時点で本編利用だけを想定するのではなく、将来的な二次利用についても整理しておくことが重要です。
特に、

  • 利用する作品・キャラクター・音声の特定
  • 利用媒体・地域・期間
  • 広告・宣伝への利用
  • 音声の編集・加工
  • ゲームやアプリ等への二次利用
  • 実演家の権利
  • 利用許諾料・追加対価
  • クレジット表示
  • AI・音声合成技術への利用
  • 秘密保持・情報解禁前の管理

といった事項を契約書で明確にしておくことがポイントです。また、出演契約書やアフレコ出演契約書などを別途締結している場合には、それぞれの契約書に記載された利用範囲や報酬条件との整合性も確認する必要があります。キャラクターボイスはアニメ作品を構成する重要な要素であり、作品公開後にさまざまな媒体へ展開される可能性があります。制作会社と出演者双方が安心して作品を展開できるよう、利用範囲と権利関係を契約段階で具体的に整理しておくことが重要です。

本ページに掲載するキャラクターボイス利用許諾契約書のひな形および解説は、一般的な参考情報として提供するものであり、特定の取引・案件への法的助言を目的とするものではありません。実際の契約締結に際しては、専門家(弁護士等)への確認を強く推奨いたします。

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