契約を解約・終了する 公開日:2026年8月13日 更新日:2026年8月13日

契約終了後にすること|書類・支払い・返却物などの確認事項

契約終了後にすること|書類・支払い・返却物などの確認事項

契約期間が満了したり、解約・解除によって契約が終了したりしても、その時点ですべての手続きが終わるとは限りません。

未払いの代金や報酬、未完了の納品、貸与物の返却、アカウントの停止、秘密情報の取扱いなど、契約終了後に確認しなければならない事項が残っている場合があります。

そのため、契約終了後は、契約書の終了後に関する条項を確認し、書類・支払い・返却物・データなどを一つずつ整理して、双方の手続きが完了した状態にすることが重要です。

契約終了後に確認する基本的な流れ

  1. 契約が終了した日と理由を確認する
  2. 未完了の業務・納品がないか確認する
  3. 未払い・未請求の金額を精算する
  4. 貸与物・資料などを返却する
  5. アカウント・アクセス権を整理する
  6. 秘密情報・データの取扱いを確認する
  7. 契約書・終了に関する記録を保管する
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目次

契約終了後も確認が必要な事項は残る

契約終了日は、契約関係を整理するための重要な区切りですが、その日にすべての権利・義務がなくなるとは限りません。

契約書によっては、契約終了後も支払い、秘密保持、資料の返却、知的財産権、損害賠償などに関する条項が適用されることがあります。

また、契約終了時点で業務や納品が完了していても、最終請求や貸与物の返却などの事務手続きが残っている場合があります。

最初に契約書の「契約終了後」に関係する条項を確認しましょう。
契約期間・解約・解除だけでなく、支払い、返却、秘密保持、データ削除、契約終了後も存続する条項などを確認してから終了手続きを進めます。

1.契約が終了した日と終了理由を確認する

最初に、契約がいつ、どのような理由で終了したのかを確認します。

契約終了の経緯によって、その後に必要となる対応が変わる場合があるためです。

確認しておきたい項目

  • 契約満了による終了か
  • 自動更新をしなかったことによる終了か
  • 中途解約による終了か
  • 解除による終了か
  • 双方の合意による終了か
  • 実際の契約終了日はいつか
  • 終了に関する通知・合意書などが残っているか

契約管理表などには、当初予定されていた満了日だけではなく、実際に契約が終了した日と終了理由を記録しておくと、後から経緯を確認しやすくなります。

2.未完了の業務・納品がないか確認する

契約終了前後に、契約上予定していた業務や納品がすべて完了しているか確認します。

特に業務委託契約や制作・開発に関する契約では、契約期間が終了していても、成果物の納品や検収が残っている場合があります。

確認したい内容

  • 予定していた業務がすべて完了しているか
  • 成果物をすべて納品したか
  • 検収が完了しているか
  • 修正対応が残っていないか
  • 納品データに不足がないか
  • 報告書などの提出が残っていないか

契約終了後に追加作業を求められた場合は、その作業が元の契約に含まれるのか、新たな依頼として扱うのかを確認してください。

3.未払い・未請求の金額を確認する

契約が終了しても、契約終了日までに発生した代金・報酬の支払義務がなくなるとは限りません。

契約書や請求条件を確認し、請求漏れ・支払漏れがないか整理します。

確認項目 確認する内容
最終請求 契約終了までに発生した代金・報酬をすべて請求したか
未払い すでに請求した金額で未入金のものがないか
追加費用 実費・追加作業など契約上請求できる費用が残っていないか
前払い 前払い金・預り金などの精算が必要ないか
返金 契約内容や終了理由により返金が必要となる金額がないか

支払いについては、契約終了日と支払期限が同じとは限りません。

例えば、契約が3月31日に終了しても、「月末締め翌月末払い」であれば、その後に最終支払いが行われる場合があります。

4.貸与物・預かり物を返却する

契約期間中に相手方から借りていた物品や資料がある場合は、契約終了後の返却方法を確認します。

返却対象になりやすいもの

  • パソコン・スマートフォン
  • 社員証・入館証
  • 鍵・カードキー
  • USBメモリ・記録媒体
  • 紙の資料
  • 商品・サンプル
  • 業務用機器
  • その他の貸与品

返却期限や返却方法が契約書に定められている場合は、その条件に従います。

郵送や宅配便で返却する場合は、発送日や配送記録を残しておくと、後から返却状況を確認しやすくなります。

5.自社から貸していた物も回収する

自社が相手方へ貸与していた物がある場合は、返却されているか確認します。

契約終了後になってから「何を貸していたか分からない」という状態にならないよう、契約開始時から貸与品の一覧を管理しておくと便利です。

回収時に確認する内容

  • 貸与品の名称
  • 数量
  • 管理番号
  • 返却予定日
  • 実際の返却日
  • 破損・紛失がないか

返却されていない物がある場合は、契約書の貸与品・返却に関する条項を確認したうえで、相手方へ連絡します。

6.アカウント・システムへのアクセス権を整理する

業務のために発行したアカウントや共有システムへのアクセス権がある場合は、契約終了に合わせて見直します。

確認したいもの

  • 社内システムのアカウント
  • クラウドサービス
  • 共有フォルダ
  • ファイル共有サービス
  • チャットツール
  • プロジェクト管理ツール
  • 管理画面
  • VPN・サーバー等へのアクセス権

契約終了後も不要なアクセス権が残っていると、契約関係のない状態で社内情報へアクセスできる状態が続く可能性があります。

契約終了日を基準に、停止・削除すべきアカウントを一覧で確認すると管理しやすくなります。

7.秘密情報・業務データの取扱いを確認する

契約期間中に共有した秘密情報や業務データについて、契約終了後にどのような取扱いが必要なのかを確認します。

契約書によっては、契約終了時に資料を返却する、電子データを削除する、複製物を廃棄するといった条件が定められている場合があります。

確認したいデータ・情報

  • 顧客情報
  • 取引先情報
  • 社内資料
  • 営業資料
  • 仕様書・設計書
  • アカウント情報
  • 共有されたファイル
  • バックアップ・複製データ
データを削除する前に、契約上・法令上保存が必要なものと区別しましょう。
相手方から受け取った情報について削除義務がある場合でも、取引記録として法令上保存が必要な書類まで一律に削除してよいとは限りません。

秘密保持義務は契約終了後も続くことがある

秘密保持義務については、契約期間が終わった時点で当然に終了するとは限りません。

契約書に「契約終了後○年間」「本契約終了後も引き続き有効」といった存続期間が定められている場合があります。

その場合は、契約終了後も対象となる情報を契約書に従って管理します。

確認しておきたい事項

  • 秘密保持条項が契約終了後も存続するか
  • 存続期間
  • 秘密情報の返却・廃棄方法
  • 電子データの削除方法
  • 例外として保管できる情報がないか

契約書に存続条項がある場合は、「契約終了済み」という理由だけで管理対象から外さないようにしましょう。

解除による契約終了では原状回復が問題になることがある

契約満了や通常の中途解約とは異なり、解除権の行使によって契約を解除した場合には、民法上の原状回復義務が問題になることがあります。

民法第545条では、解除権を行使した場合、各当事者は相手方を原状に復させる義務を負うことが定められています。

ただし、どのような返還・精算が必要になるかは、契約の種類、すでに行われた履行、解除の内容などによって異なります。

解除に伴って金銭や物品の返還が問題になる場合は、自社だけで判断せず、契約書と具体的な状況を確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。

契約終了に関する通知・合意書を保管する

契約終了の経緯を後から確認できるよう、契約書だけでなく終了に関する資料も一緒に保管します。

保管しておきたい資料

  • 締結済みの契約書
  • 変更契約書・覚書
  • 更新拒絶通知
  • 解約通知
  • 解除通知
  • 契約終了に関する合意書
  • 相手方からの回答
  • 最終請求書・領収書
  • 貸与物の返却記録

終了済みの契約書を管理中の契約から分けて保管する場合も、必要な保存期間が終わるまで廃棄しないよう注意してください。

契約終了後も契約書はすぐに捨てない

契約が終了したからといって、契約書を直ちに廃棄できるとは限りません。

法人税上、法人が取引等に関して作成または受領した契約書などの書類については、原則としてその事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存する必要があります。一定の場合には10年間となります。

個人事業者についても、契約書など取引に関して作成・受領した書類について一定期間の保存が必要です。

また、契約終了後も保証、支払い、損害賠償などを確認する必要がある場合は、税務上の保存期間以外の観点からも保管を続けることがあります。

電子契約・メールなどの電子データも保存方法を確認する

契約書、請求書などの取引情報を電子データで授受した場合は、電子帳簿保存法に基づく電子取引データの保存についても確認が必要です。

国税庁では、電子取引における取引情報として、注文書、契約書、送り状、領収書、見積書などに通常記載される事項を挙げています。

したがって、契約が終了したことだけを理由に、保存義務のある電子契約データや関連する取引データを削除しないよう注意してください。

契約管理情報を「終了済み」に更新する

契約終了後は、契約管理表や社内システムの契約情報も更新します。

管理項目 記録する内容
契約終了日 実際に契約が終了した日
終了理由 満了・更新拒絶・解約・解除・合意終了など
最終精算 支払い・請求が完了しているか
返却物 貸与品・資料等の返却が完了しているか
アクセス権 アカウント停止・削除が完了しているか
終了後の義務 秘密保持など継続して確認する事項
書類保存 契約書・終了記録の保管場所・保存期限

契約終了後も管理情報を残しておくことで、「いつ、なぜ契約が終了したのか」「終了時の精算が完了しているか」を後から確認できます。

契約終了後のチェックリスト

  • 実際の契約終了日を確認した
  • 契約終了理由を記録した
  • 未完了の業務・納品がないことを確認した
  • 最終請求を行った
  • 未払い金がないことを確認した
  • 前払い金・預り金等の精算を確認した
  • 相手方から借りていた物を返却した
  • 自社の貸与品を回収した
  • 不要なアカウント・アクセス権を停止した
  • 秘密情報・データの取扱いを確認した
  • 契約終了後も続く義務を確認した
  • 契約終了に関する通知・記録を保存した
  • 契約書の保存期間を確認した
  • 契約管理情報を終了済みに更新した

よくある質問

契約が終了したら残っている請求書は払わなくてもよいですか?

契約が終了したという理由だけで、契約期間中に発生した支払義務が当然になくなるわけではありません。

契約書の支払条件、請求内容、実際に行われた業務などを確認し、未払い金があれば契約条件に従って精算します。

契約終了日にすべての貸与物を返却する必要がありますか?

返却期限は契約書の定めによって異なる場合があります。

契約終了時、終了後○日以内など返却時期が定められていないか確認し、双方で返却方法を整理してください。

契約終了後は相手方のデータをすべて削除すればよいですか?

一律にすべて削除すればよいとは限りません。

契約上削除・返却が必要な情報を確認するとともに、法令上保存が必要な取引記録などと区別してください。

秘密保持契約も契約終了と同時に終わりますか?

契約書の内容によります。

秘密保持義務について、契約終了後も一定期間または継続して適用する旨が定められている場合があります。契約書の秘密保持条項・存続条項を確認してください。

契約が終わったらアカウントはすぐ削除した方がよいですか?

業務上不要になったアクセス権は、契約内容や社内ルールに従って速やかに見直すことが重要です。

ただし、業務の引き継ぎやデータ取得など終了後に必要な作業がある場合は、その作業が完了してから停止するなど、実際の運用に合わせて管理してください。

契約終了後は契約書を捨ててもよいですか?

すぐに廃棄することは避けましょう。

税務上必要な保存期間、契約終了後も続く権利義務、紛争の可能性などを確認したうえで、保存期間を判断してください。

契約解除の場合も通常の満了と同じ終了手続きでよいですか?

同じとは限りません。

解除の場合は、民法第545条による原状回復が問題になることがあります。返金・返還などが必要となる場合は、契約内容と具体的な状況を確認してください。

契約終了後にすることをまとめると

契約終了後は、契約書を「終了済み」にして保管するだけではなく、業務・支払い・返却物・アクセス権・秘密情報など、契約に関係する事項がすべて整理されているか確認することが重要です。

  1. 契約終了日と終了理由を確認する
  2. 未完了の業務・納品を整理する
  3. 代金・報酬を最終精算する
  4. 貸与物・預かり物を返却・回収する
  5. アカウント・アクセス権を整理する
  6. 秘密情報・データの取扱いを確認する
  7. 契約書と終了に関する記録を保管する

契約終了時のチェックリストを決めておけば、担当者が変わった場合でも確認漏れを防ぎやすくなります。

契約終了後も契約書を確認できる状態にしておく

契約が終了した後も、支払条件、秘密保持、返却義務などを確認するため、締結済みの契約書が必要になることがあります。

マイサイン(mysign)では、PDFの契約書をアップロードし、契約相手へオンラインで署名を依頼できます。契約相手はマイサインへの会員登録やログインをする必要がなく、受け取った案内からスマートフォンやパソコンで契約内容を確認し、署名・同意できます。

契約締結後は、契約書だけでなく契約期間や終了に関する情報も整理し、契約終了後に確認が必要になった場合でも必要な記録を探せる状態にしておきましょう。

今日から使える電子契約サービス
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