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企業向け金融教育研修契約書(FP)

企業向け金融教育研修契約書(FP)は、企業がFP等に従業員向けの金融教育やマネー研修を依頼する際に使用する契約書です。研修内容や報酬、教材の著作権、個人情報、金融商品の勧誘、責任範囲などを明確に定めます。

契約書名
企業向け金融教育研修契約書(FP)
バージョン / ファイル
1.00/ Word
作成日 / 更新日
特徴
企業の金融リテラシー研修に特化し、研修業務の範囲から金融商品の勧誘、教材の権利、個人情報の取扱いまで明確に定めている。
利用シーン
企業がFPに従業員向けの金融リテラシー研修を依頼する/福利厚生の一環として資産形成・年金・家計管理などのマネー研修を実施する。
メリット
研修内容とFPの業務範囲を明確化し、金融商品の勧誘や専門資格業務、教材利用などをめぐるトラブルを予防できる。
ダウンロード数
15件
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企業向け金融教育研修契約書(FP)とは?

企業向け金融教育研修契約書(FP)とは、企業がファイナンシャルプランナー(FP)や金融教育を行う事業者に対して、従業員向けの金融教育、マネー研修、資産形成研修などを依頼する際に、研修内容や報酬、責任範囲などを定める契約書です。近年では、従業員の福利厚生や金融リテラシー向上を目的として、企業が外部のFPを招き、家計管理、資産形成、NISA、iDeCo、公的年金、保険、住宅ローンなどをテーマとした研修を実施するケースがあります。
このような研修では、単に開催日時や研修報酬を決めるだけでなく、

  • どの範囲までFPが説明するのか
  • 特定の金融商品の勧誘を認めるのか
  • 個別相談を研修に含めるのか
  • 研修資料を企業がどこまで利用できるのか
  • 参加者の個人情報をどのように取り扱うのか
  • 税務・法律など資格が必要な分野をどう扱うのか
  • 研修内容に基づいて従業員が投資判断をした場合の責任をどう整理するのか

といった事項をあらかじめ明確にしておくことが重要です。企業向け金融教育研修契約書を締結することで、研修を依頼する企業とFP・研修事業者との役割分担を明確にし、研修実施後のトラブルを予防しやすくなります。

企業向け金融教育研修契約書が必要となるケース

企業向け金融教育研修契約書は、企業が外部のFP等へ従業員向け研修を依頼する場合に活用できます。代表的な利用ケースは次のとおりです。

  • 従業員向けに家計管理やライフプランニング研修を実施する場合
  • NISAやiDeCoなどをテーマとした資産形成研修を実施する場合
  • 新入社員や若手社員向けに金融リテラシー研修を行う場合
  • 退職を控えた従業員向けに年金や老後資金について研修する場合
  • 福利厚生の一環としてFPによるマネーセミナーを開催する場合
  • 住宅購入や住宅ローンについて従業員向け研修を実施する場合
  • 生命保険や損害保険などの基礎知識を学ぶ研修を実施する場合
  • オンラインで従業員向け金融教育研修を開催する場合

単発の研修であっても、口頭やメールだけで条件を決めていると、研修後に認識の違いが生じる可能性があります。特に企業向け金融教育では、金融商品、保険、税金、年金など専門性の高いテーマを取り扱うため、一般的な研修業務委託契約だけでは十分に整理できない場合があります。そのため、金融教育研修の特性に合わせた契約書を用意することが重要です。

企業向け金融教育研修契約書に盛り込むべき主な条項

企業向け金融教育研修契約書では、一般的に次のような事項を定めます。

  • 契約の目的
  • 研修業務の内容
  • 研修の実施方法
  • 講師に関する事項
  • 研修内容の性質
  • 個別相談との区別
  • 金融商品の勧誘等に関するルール
  • 法令等の遵守
  • 研修報酬及び費用
  • 研修日時等の変更
  • キャンセル条件
  • 不可抗力への対応
  • 教材等の知的財産権
  • 録音・録画等の取扱い
  • 秘密保持
  • 個人情報の取扱い
  • 再委託
  • 研修内容に関する確認事項
  • 専門資格業務との関係
  • 成果及び効果の非保証
  • 損害賠償
  • 契約解除
  • 反社会的勢力の排除
  • 契約期間
  • 準拠法及び管轄裁判所

企業向け金融教育研修では、通常の社員研修とは異なり、研修参加者の投資や保険、住宅購入などの意思決定につながる可能性があります。そのため、研修の目的とFPの責任範囲を契約上明確にしておくことがポイントです。

条項ごとの解説と実務ポイント

1. 研修業務の内容

まず重要なのが、FPに委託する研修業務の範囲です。例えば、企業向け金融教育では、家計管理、ライフプランニング、社会保険、公的年金、企業年金、資産形成、NISA、iDeCo、住宅ローン、保険、相続など幅広いテーマが考えられます。契約書では対象となるテーマをある程度列挙したうえで、実際の研修テーマ、実施日時、場所、対象者、参加人数、研修時間などについて個別に決められるようにしておくと運用しやすくなります。年間を通して複数回の金融教育研修を行う場合は、基本となる契約書を締結し、各回のテーマや日時についてメール等で決定する方法も考えられます。

2. 研修の実施方法

企業向け研修には、企業の会議室等で実施する対面研修だけでなく、Web会議システムを利用したオンライン研修もあります。そのため、契約書では対面・オンラインの双方に対応できるようにしておくと便利です。また、会場、プロジェクター、モニター、マイク、インターネット環境などについて、企業側とFP側のどちらが準備するのかを事前に確認しておくことも重要です。オンライン研修の場合には、通信障害が発生した場合の取扱いについても確認しておくと、当日のトラブルに対応しやすくなります。

3. 講師に関する条項

研修会社やFP事務所と契約する場合、契約した本人以外のFPが講師を担当する可能性があります。そこで、講師を誰が選任するのか、外部講師を利用できるのかなどを定めておくことが考えられます。また、講師の急病や事故、交通機関の運休などによって予定していた研修が実施できない場合もあります。このような場合に、代替講師を選任するのか、研修日を変更するのかについて協議できる条項を設けておくと実務上便利です。

4. 金融教育と金融商品の勧誘を区別する

企業向け金融教育研修で特に重要なのが、教育目的の情報提供と金融商品の勧誘を区別することです。例えば、NISAについて制度の仕組みを説明することと、特定の金融商品を購入するよう参加者へ働きかけることは同じではありません。企業として純粋な金融教育を目的としているのであれば、FPが企業の承諾なく特定の金融商品や保険商品などを販売・勧誘しないことを契約上明確にしておくことが考えられます。これにより、従業員向け福利厚生として開催した研修が、企業の意図しない営業活動の場となることを防ぎやすくなります。

5. 個別相談との区別

集合型の金融教育研修と個別FP相談についても区別しておくことが重要です。研修終了後に参加者から、「自分の場合はどの金融商品を選べばいいですか」「この保険を解約した方がいいですか」「住宅ローンはいくら借りられますか」など、個人的な相談を受けることがあります。しかし、集合研修と個別相談では、必要となる情報や責任範囲、個人情報の取扱いなどが異なります。そのため、本研修は原則として一般的な金融教育を目的とし、参加者の資産状況や収入、家族構成等を踏まえた個別相談については別途取り扱うことを明確にしておくとよいでしょう。

6. 専門資格が必要な業務との関係

FPが扱うテーマは、税務、法律、社会保険など他の専門資格と関係することがあります。金融教育研修ではこれらの制度について一般的な説明を行う場合がありますが、具体的な相談内容によっては、税理士、弁護士、社会保険労務士その他の専門家への相談が適切となるケースがあります。そのため契約書では、研修における一般的な情報提供と、資格を必要とする個別具体的な専門業務を区別しておくことが重要です。

7. 研修報酬・費用

契約書では、研修報酬の金額だけでなく、交通費、宿泊費、会場費、教材印刷費などの負担についても決めておきます。特に遠方で対面研修を実施する場合、交通費や宿泊費が大きくなることがあります。また、研修資料を大量に印刷する場合には、その印刷費をどちらが負担するのかについても確認しておくとよいでしょう。
報酬については、

  • 1回あたりの研修料金
  • 時間単価
  • 年間契約料金
  • 参加人数に応じた料金

など、契約形態に合わせて設定できます。

8. キャンセル条項

企業研修では、企業側の事情によって予定していた研修が延期又は中止されることがあります。FP側は研修日を確保し、事前準備や資料作成を行っている場合があるため、直前キャンセルが発生すると損失につながる可能性があります。
そのため、例えば、

  • 研修日の一定日前までは無料
  • 一定期間以降は研修報酬の50%
  • 前日又は当日は研修報酬の100%

といった形でキャンセル料を設定する方法があります。実際の割合や期間については、研修規模、準備に必要な期間、会場費などを考慮して設定します。

9. 教材の著作権

金融教育研修では、FPが独自に作成したスライド、テキスト、図表、ワークシートなどを使用することがあります。これらの教材について何も定めていないと、企業側が研修終了後に資料を複製して別の研修で使用したり、社外へ配布したりするなど、利用範囲をめぐって問題になる可能性があります。そこで、教材の著作権その他の知的財産権が誰に帰属するのかを明確にします。FP側に権利を残す場合には、企業及び研修参加者が社内学習など一定の目的で利用できる一方、無断で第三者へ配布したり、インターネット上で公開したりすることを禁止する方法が考えられます。

10. 録音・録画に関する条項

オンライン研修の普及により、金融教育研修を録画し、後日社内で視聴できるようにするケースもあります。しかし、研修を録画すると、講師の肖像や音声だけでなく、研修教材や質疑応答の内容なども記録されます。
そのため、企業が自由に録画できるとするのではなく、原則としてFPの事前承諾を必要とし、録画を認める場合には、

  • 視聴できる人
  • 利用目的
  • 視聴可能期間
  • 社外提供の可否
  • データの保存方法

などを定めておくことが重要です。

11. 秘密保持条項

企業向け研修では、研修内容を調整するために、企業からFPへ従業員構成、福利厚生制度、人事制度などに関する情報が提供されることがあります。場合によっては、外部に公開されていない情報が含まれることもあります。そのため、業務上知り得た秘密情報を研修以外の目的に利用したり、第三者へ漏えいしたりしないことを契約書で定めます。秘密情報の定義や例外、第三者への開示などについて整理しておくことで、企業側も安心して研修に必要な情報を提供しやすくなります。秘密保持条項を体系的に設けるという考え方は、プロジェクトで参照する契約書レベルとも整合します。

12. 個人情報の取扱い

研修参加者の氏名、所属部署、メールアドレスなどをFPへ提供する場合には、個人情報の取扱いについても定める必要があります。さらに、研修後に個別相談を実施する場合には、参加者の収入、資産、負債、家族構成、保険契約など、より詳細な情報を取り扱う可能性があります。企業から提供された個人情報については、研修実施に必要な範囲で利用することを基本とし、目的外利用や無断での第三者提供を防ぐためのルールを定めておくことが重要です。

13. 研修内容の正確性と制度変更

金融教育では、税制、社会保障制度、NISA、iDeCo、公的年金など、法令や制度変更の影響を受けるテーマを扱います。研修実施時点では正確な内容であっても、その後の法改正や制度変更によって内容が変わる可能性があります。そのため、研修内容について合理的な範囲で正確性を確保する一方、将来にわたって制度や数値が変わらないことまで保証するものではないことを明確にしておくことが考えられます。

14. 資産形成等の成果を保証しないこと

金融教育研修を受講したからといって、必ず資産が増える、家計が改善する、投資で利益が出るといった結果が生じるわけではありません。特に資産運用では、市場環境や参加者自身の判断によって結果が大きく変わります。したがって、研修は知識や情報を提供するものであり、一定の経済的成果を保証するものではないことを明確にしておくことが重要です。

15. 損害賠償条項

研修契約でも、契約違反によって相手方に損害を与えた場合の責任を定めておく必要があります。例えば、FPが企業から受け取った秘密情報を漏えいした場合や、企業がFPの教材を無断で外部公開した場合などが考えられます。損害賠償の対象や範囲については、研修内容、報酬額、取り扱う情報などを考慮して設定することが重要です。

企業向け金融教育研修契約書を作成する際の注意点

研修の目的を明確にする

最初に確認したいのが、研修を実施する目的です。純粋な従業員教育なのか、福利厚生としてのマネーセミナーなのか、資産形成制度の理解促進なのかによって、必要となる研修内容が変わります。目的が曖昧なまま契約すると、企業側が期待していた内容とFPが準備した内容にズレが生じる可能性があります。

金融商品の販売を伴うか確認する

金融教育と金融商品の販売・勧誘は明確に区別して考えることが重要です。企業が教育目的でFPを招いたにもかかわらず、研修後に従業員へ営業活動が行われると、企業と従業員との間でも問題となる可能性があります。金融商品の販売や紹介を予定している場合には、通常の金融教育研修と同じ扱いにせず、その内容や必要な資格・登録、責任関係を確認する必要があります。

FP資格だけで対応できる業務か確認する

FPが扱う分野は非常に広く、税金、相続、社会保険、保険、投資など多くの専門分野と重なります。FP資格を保有していることだけを理由として、あらゆる個別専門業務を行えるわけではありません。研修テーマに応じて、税理士、弁護士、社会保険労務士などの専門家による対応が必要かどうかを確認することが重要です。

教材の二次利用条件を確認する

企業側が研修後も教材を社内ポータルへ掲載したい場合や、欠席した従業員に録画を配信したい場合には、契約締結前に利用条件を確認しましょう。単に研修資料を受領しただけでは、その資料を自由に複製・配信できるとは限りません。社内で継続的に利用する予定がある場合には、利用できる対象者、期間、媒体などを具体的に合意しておく方法があります。

個別相談を実施する場合は別途条件を整理する

研修後に希望者を対象としてFP個別相談を実施する企業もあります。この場合、集合研修とは別に、個人の資産・負債・収入・保険・住宅ローンなどの情報を取り扱う可能性があります。そのため、個別相談を実施する場合には、相談業務の範囲、個人情報の取扱い、相談料の負担者、金融商品の勧誘の有無などについて別途整理しておくことが重要です。

単発研修と年間契約で内容を調整する

1回だけ研修を実施する場合と、年間を通して複数回の金融教育を実施する場合では、適切な契約内容が異なります。単発研修であれば、研修日、テーマ、報酬などを契約書に直接記載する方法が分かりやすいでしょう。一方、年間契約では、基本的な条件を契約書で定め、各回の研修テーマ、開催日、対象者などを個別に決定する形式にすると柔軟に運用できます。

企業向け金融教育研修契約書とセミナー契約書の違い

一般的なセミナー契約書は、講師による講演や研修の実施条件を幅広く定めるものです。これに対して企業向け金融教育研修契約書では、金融分野を扱うことから、一般的な研修契約に加えて、金融商品の勧誘、個別相談との区別、専門資格業務、資産形成等の成果の非保証などを整理することが重要になります。特に従業員向け研修の場合、企業は自社の福利厚生や人材教育の一環として研修を提供するケースがあります。そのため、企業が意図していない営業行為が研修参加者に対して行われないよう、契約上のルールを明確にすることがポイントです。

企業向け金融教育研修契約書と個別FP相談契約書の違い

企業向け金融教育研修は、複数の従業員を対象として一般的な金融知識を提供することを主な目的とします。一方、個別FP相談では、相談者本人の収入、資産、負債、家族構成、ライフプランなどを踏まえて相談を行うことが想定されます。そのため、個別FP相談では、相談者から取得する情報、相談業務の具体的範囲、報酬、免責事項などについて、集合型の金融教育研修とは異なる契約上の整理が必要になる場合があります。企業向け研修と個別相談をセットで提供する場合でも、両者の境界を明確にしておくことが重要です。

企業向け金融教育研修契約書を締結する前に確認したいポイント

実際に契約を締結する前には、少なくとも次の事項を確認しておきましょう。

  • 研修の目的とテーマが明確になっているか
  • 研修日時、場所、時間、対象者、参加人数が決まっているか
  • 対面研修かオンライン研修かが決まっているか
  • 研修報酬と交通費等の負担が明確になっているか
  • キャンセル料が適切に設定されているか
  • 金融商品の販売・勧誘を認めるか決めているか
  • 研修と個別FP相談を区別しているか
  • 研修教材の著作権及び利用範囲が明確になっているか
  • 録音・録画・社内配信の可否を決めているか
  • 個人情報や企業情報の取扱いを定めているか
  • 専門資格が必要となる業務との境界を確認しているか
  • 研修による投資成果等を保証する内容になっていないか

特に、企業側が研修動画を社内で長期間利用したい場合や、研修後にFPが従業員へ個別相談を提供する場合には、通常の単発研修とは条件が大きく異なるため、契約段階で具体的に定めておくことが大切です。

まとめ

企業向け金融教育研修契約書(FP)は、企業がFPや金融教育事業者に従業員向けの金融教育、マネー研修、資産形成研修などを依頼する際に、双方の権利義務を明確にするための契約書です。企業向け金融教育では、研修内容や報酬だけでなく、金融商品の勧誘、個別相談との区別、専門資格業務との関係、教材の著作権、録音・録画、秘密保持、個人情報などについても整理しておく必要があります。また、NISA、iDeCo、年金、税制などは制度変更の影響を受けるため、研修実施時点の情報と将来の制度が異なる可能性も考慮しなければなりません。企業とFPの双方が安心して金融教育研修を実施するためには、研修の目的と業務範囲を明確にし、実際の運用に合わせた契約内容にすることが重要です。

本ページに掲載する企業向け金融教育研修契約書(FP)のひな形および解説は、一般的な参考情報として提供するものであり、特定の取引・案件への法的助言を目的とするものではありません。実際の契約締結に際しては、専門家(弁護士等)への確認を強く推奨いたします。

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