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贈与相談契約書(FP)

贈与相談契約書(FP)は、ファイナンシャルプランナーが生前贈与や資産移転に関する相談を受ける際に利用できる契約書です。相談業務の範囲、税務・法務との業務区分、相談料、秘密保持、個人情報の取扱い、免責事項などを明確に定めています。

契約書名
贈与相談契約書(FP)
バージョン / ファイル
1.00/ Word
作成日 / 更新日
特徴
贈与・資産移転に関するFP相談の業務範囲と、税理士・弁護士等が担当する専門業務との区分を明確にできる。
利用シーン
FPが顧客から生前贈与や家族への資産移転について相談を受ける/将来の相続も踏まえて贈与額や贈与時期、資産移転計画を検討する
メリット
FPと相談者の役割・責任範囲を明確にし、税務判断や贈与結果をめぐる認識の相違やトラブルを予防できる。
ダウンロード数
8件
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「贈与相談契約書(FP)」の本ひな形の利用にあたっては、必ず「契約書ひな形ダウンロード利用規約」をご確認ください。無料ダウンロードされた時点で、規約に同意いただいたものとさせていただきます。

贈与相談契約書(FP)とは?

贈与相談契約書(FP)とは、ファイナンシャルプランナーが顧客から生前贈与や家族への資産移転などに関する相談を受ける際に、相談業務の内容や範囲、相談料、双方の責任などを定める契約書です。贈与は、単に財産を渡せば完了するというものではありません。贈与する財産の種類や金額、時期、相手方によっては、贈与税をはじめとする税務上の問題が生じる可能性があります。また、現在の資産を贈与しすぎることで、贈与者自身の老後資金や生活資金が不足するケースも考えられます。
そのためFPによる贈与相談では、税金だけを見るのではなく、

  • 現在の資産状況
  • 家族構成
  • 収入・支出
  • 将来必要となる生活資金
  • 老後資金
  • 贈与を予定している財産
  • 贈与予定者と受贈予定者の関係
  • 将来の相続を含めた資産移転

などを総合的に整理することが重要です。一方、FPが対応できる相談業務と、税理士、弁護士、司法書士などの資格を持つ専門家が担当すべき業務との境界にも注意しなければなりません。そこで、贈与相談契約書をあらかじめ締結し、FPが提供するサービスの範囲と責任を明確にしておくことが、相談者とFP双方のトラブル防止につながります。

贈与相談契約書が必要となるケース

贈与相談契約書は、FPが顧客から贈与に関連する継続的又は具体的な相談を受ける場合に活用できます。代表的な利用ケースとして、次のようなものがあります。

  • 子や孫への生前贈与について相談を受ける場合
  • 将来の相続を見据えた資産移転について相談を受ける場合
  • 老後資金を確保しながら贈与できる金額を検討する場合
  • 預貯金や有価証券などの贈与計画について相談を受ける場合
  • 不動産を含む財産の移転について相談を受ける場合
  • 複数の家族への資産配分について相談を受ける場合
  • 過去に行った贈与を含めて家族全体の資産状況を整理する場合
  • 贈与について税理士等へ相談する前に、FPが家計や資産状況を整理する場合

特に、贈与相談では相談者がFPからの一般的な情報提供を個別具体的な税務判断と受け取ってしまう可能性があります。そのため契約書では、FPが何を行うのかだけでなく、何を行わないのかについても明確にしておくことが重要です。

贈与相談契約書に盛り込むべき主な条項

贈与相談契約書には、FPと相談者の認識を一致させるため、少なくとも次のような事項を盛り込むことが考えられます。

  • 契約の目的
  • 相談業務の内容
  • FPが対応する業務範囲
  • 税務・法務等の専門業務との区分
  • 相談者による情報・資料の提供
  • 提供された情報に関する責任
  • 税制等が変更された場合の取扱い
  • 相談料及び実費
  • 契約期間
  • 秘密保持
  • 個人情報の取扱い
  • 税理士等の専門家との連携
  • 利益相反等に関する事項
  • 成果及び将来結果の非保証
  • 贈与を実行する際の責任
  • 中途解約及び契約解除
  • 損害賠償及び免責
  • 準拠法及び合意管轄

贈与相談では、相談者の財産や家族に関する情報を広範囲に取り扱うため、一般的なFP相談契約以上に秘密保持や個人情報の取扱いについて整理しておくことがポイントとなります。

条項ごとの解説と実務ポイント

1. 目的条項

目的条項では、FPが何のために贈与相談を行うのかを明確にします。例えば、相談者の家族構成、保有財産、収入・支出、将来の生活設計などを踏まえて、贈与や資産移転について一般的な情報提供や助言を行い、相談者の意思決定を支援することを目的として定めます。ここで重要なのは、FPが贈与そのものを決定するのではなく、相談者による判断を支援する立場であることです。贈与するかどうか、誰に、いつ、どの財産を、いくら贈与するかという最終的な意思決定は相談者自身が行うことを契約上明確にしておくと、双方の役割を整理しやすくなります。

2. 相談業務の内容

贈与相談といっても、その内容は顧客によって大きく異なります。契約書では、例えば次のような業務を相談対象として整理できます。

  • 家族構成や財産状況の整理
  • 贈与予定財産の整理
  • 贈与予定者及び受贈予定者に関する情報整理
  • 生前贈与を含む資産移転方法についての一般的な情報提供
  • 贈与時期や贈与額を検討するための助言
  • 贈与後の家計や老後資金への影響の検討
  • 贈与に関連する制度についての一般的な情報提供
  • 専門家へ相談すべき事項の整理

契約書だけで具体的な相談内容を確定できない場合には、申込書や相談内容確認書などを併用し、個別案件ごとに業務範囲を確定する方法も考えられます。

3. 税務・法務等の専門業務との区分

贈与相談契約書で特に重要となるのが、FP業務と資格を必要とする専門業務との境界です。贈与では、贈与税などの税務問題や、贈与契約、不動産の名義変更などの法務・登記上の問題が関係する場合があります。そのため、契約書では、FPによる一般的な情報提供と、税理士、弁護士、司法書士等による専門業務を区分しておくことが重要です。例えば、FPが個別具体的な税務申告や税務代理などを行わないことを明確にし、必要な場合には税理士等への相談を推奨する仕組みにしておくことが考えられます。なお、FP本人が別途必要な資格を有しており、その資格に基づいて適法に業務を行う場合には、その業務について別途整理する必要があります。

4. 情報・資料の提供条項

FPが適切な贈与相談を行うためには、相談者から正確な情報を提供してもらう必要があります。例えば、相談者が多額の預貯金や不動産を保有しているにもかかわらず、その情報がFPへ伝えられていなければ、資産全体を踏まえた検討が困難になります。
そのため契約書では、

  • 家族構成
  • 親族関係
  • 預貯金
  • 有価証券
  • 不動産
  • 保険
  • 借入金
  • 過去の贈与
  • 今後予定している贈与

など、相談に必要となる情報を相談者が提供することを定めておくとよいでしょう。また、相談期間中に財産状況や家族状況が変化した場合には、その変更について相談者からFPへ通知する仕組みも重要です。

5. 提供情報に関する責任

FPによる分析や助言は、基本的に相談者から提供された情報を前提として行われます。そのため、提供された情報が誤っていた場合や重要な財産が申告されていなかった場合には、FPによる試算や提案内容にも影響が生じます。契約書では、FPが相談者から提供された情報を前提として業務を行うことや、資料の真正性・正確性について独自に調査する義務を負うかどうかを明確にしておくことがポイントです。これにより、相談者側にも正確な情報提供が重要であることを認識してもらいやすくなります。

6. 税制等の変更に関する条項

贈与相談では、税制や関連制度が重要な判断材料になります。しかし、FPが相談を行った後に税制改正や制度変更が行われれば、当初のシミュレーションや計画の前提が変わる可能性があります。そのため、相談時点の制度や情報を前提として助言すること、実際に贈与を実行する際には最新の制度を確認する必要があることを契約書に盛り込んでおくことが重要です。特に長期間にわたる贈与計画の場合、定期的に計画を見直すことも検討する必要があります。

7. 相談料・実費に関する条項

相談料については、金額だけでなく、

  • 税込・税別の区分
  • 支払期限
  • 支払方法
  • 振込手数料の負担
  • 交通費
  • 資料取得費
  • 専門家への依頼費用

などについても整理しておくと、料金をめぐるトラブルを防止しやすくなります。特に、税理士などの外部専門家を紹介する場合、その専門家への報酬がFPへの相談料に含まれているのか、相談者が別途負担するのかを明確にしておくことが大切です。

8. 秘密保持・個人情報条項

贈与相談では、相談者本人だけでなく、配偶者、子、孫、親などの家族に関する情報を取り扱う可能性があります。さらに、預貯金残高、不動産、有価証券、保険、収入、借入金といった重要な財産情報をFPが把握することもあります。そのため、秘密保持及び個人情報の取扱いは重要な条項です。契約書では、本業務に関連して取得した情報を業務目的以外に利用しないことや、正当な理由なく第三者へ開示しないことなどを定めておくことが考えられます。

9. 専門家との連携条項

贈与相談を進める中で、FPだけでは対応できない問題が発生することがあります。例えば、税務上の個別判断が必要になった場合には税理士、不動産の登記手続が必要な場合には司法書士、法律問題が生じた場合には弁護士など、案件に応じた専門家との連携が必要となる場合があります。契約書では、相談者の同意を得た上で専門家と連携できることや、必要な範囲で情報共有を行う場合の取扱いを定めておくと実務上便利です。また、FPが専門家を紹介したからといって、その専門家が行う業務の結果までFPが保証するものではないことも整理しておくとよいでしょう。

10. 利益相反等に関する条項

FPが贈与相談に関連して金融商品、保険、不動産その他の商品・サービスを紹介する場合、紹介先から報酬等を受け取るケースも考えられます。このような場合には、相談者に対する助言とFP自身の経済的利益との関係が問題となる可能性があります。そのため、適用される法令や規則等を踏まえ、必要に応じて報酬や紹介料などの経済的利益について説明する仕組みを整えておくことが重要です。

11. 成果・将来結果の非保証

贈与相談では、FPが将来の結果を保証することはできません。例えば、相談時点で作成したシミュレーションどおりに税負担が軽減されるとは限らず、税制改正や財産価値の変動などによって結果が変わる可能性があります。
そのため契約書では、

  • 税負担の軽減を保証しないこと
  • 特定の税制上の取扱いを保証しないこと
  • 試算は一定の前提条件に基づく参考情報であること
  • 実際の結果と試算が異なる可能性があること

などを明確にしておくことが重要です。

12. 贈与の実行に関する条項

FPから助言を受けたとしても、実際に贈与を行うかどうかを決定するのは相談者です。そのため、契約書では贈与する財産、金額、時期、相手方及び方法について、相談者自身が最終判断することを明確にしておきます。また、不動産の贈与などでは、贈与相談だけで手続が完結しない場合があります。必要に応じて税理士、司法書士その他の専門家に相談することを前提とした契約内容にすることで、FP相談と実際の贈与手続を区別できます。

13. 中途解約・契約解除条項

継続相談の場合には、途中で相談者が贈与計画を取りやめたり、相談を終了したりすることも考えられます。そのため、中途解約の方法と相談料の精算方法を決めておく必要があります。特に、すでにFPが資産状況の分析や資料作成を行っている場合には、履行済み業務に相当する相談料をどのように取り扱うのかを定めておくことが重要です。また、虚偽情報の提供や契約上の重大な違反などがあった場合に契約を解除できる旨も定めておくと、トラブル発生時に対応しやすくなります。

14. 損害賠償・免責条項

損害賠償条項では、契約違反によって相手方に損害を与えた場合の責任を定めます。一方、免責条項では、税制改正、制度変更、財産価値の変動など、FPが合理的に管理できない事情によって生じる結果について整理します。ただし、免責条項を設ければ、FPがあらゆる責任を免れるわけではありません。契約内容や適用される法令に応じて有効性が判断されるため、一方当事者に過度に有利な免責規定にならないよう注意が必要です。

贈与相談契約書を作成する際の注意点

FP相談と税務相談の範囲を曖昧にしない

贈与相談では、税金に関する質問が出やすいため、FPが提供する一般的な情報と、資格を必要とする個別具体的な専門業務との区分を意識する必要があります。契約書上でも業務範囲を明確にし、専門的な判断が必要になった段階で適切な専門家へつなげられる体制を整えておくことが重要です。

相談者本人の生活資金も考慮する

贈与は受贈者への資産移転だけを考えればよいわけではありません。多額の財産を贈与した結果、贈与者自身の老後資金や医療・介護資金などが不足すれば、本来のライフプランに影響する可能性があります。FPによる贈与相談では、現在の資産だけでなく、将来必要となる資金を含めた総合的な検討が重要になります。

税負担の軽減を保証しない

相談者が贈与相談を利用する目的の一つとして、税負担への関心が挙げられる場合があります。しかし、税制は変更される可能性があり、実際の税務上の取扱いは個々の事情によって異なります。そのため、特定の方法を採用すれば必ず税負担が減るといった結果保証を行うのではなく、FPの試算やシミュレーションの前提条件を明確にしておくことが重要です。

相談内容に応じて契約書をカスタマイズする

現金の贈与を相談する場合と、不動産や有価証券を含む資産移転を相談する場合では、必要となる対応が異なります。また、単発相談と年間契約などの継続相談でも、相談料、契約期間、中途解約などの条件が変わります。ひな形をそのまま使用するのではなく、実際に提供するFPサービスに合わせて業務内容や料金体系などを調整することが大切です。

関連する契約書・確認書との整合性を確認する

FP事務所が贈与相談以外にも、相続相談、資産運用相談、保険見直し、ライフプラン相談などを提供している場合、それぞれの契約書で業務範囲や免責事項が異なると、顧客にとって分かりにくくなることがあります。相談申込書、個人情報に関する同意書、料金表、キャンセル規定などを含め、関連文書との内容を統一しておくことが重要です。

贈与相談契約書と贈与契約書の違い

贈与相談契約書と贈与契約書は名称が似ていますが、目的が異なります。贈与相談契約書は、相談者とFPとの間で締結し、FPが提供する贈与相談サービスの条件を定めるものです。これに対して贈与契約書は、財産を贈与する者と財産を受け取る者との間で、財産を無償で与えることについて取り決めるための契約書です。
つまり、

  • 贈与相談契約書:FPによる相談サービスについて定める
  • 贈与契約書:贈与者と受贈者との財産の贈与について定める

という違いがあります。FPへ相談しただけで贈与契約そのものが成立するわけではないため、実際に財産を贈与する場合には、必要に応じて贈与契約や財産移転の手続を別途検討する必要があります。

贈与相談契約書を締結するメリット

贈与相談契約書を締結する最大のメリットは、相談開始前にFPと相談者の役割を明確にできることです。贈与相談では、資産状況の整理から税制に関する一般的な情報提供、将来のライフプランの検討まで幅広いテーマを扱うことがあります。契約書がなければ、相談者がFPにどこまで対応してもらえるのかを誤解する可能性があります。
あらかじめ、

  • 何を相談できるのか
  • どこから専門家への相談が必要なのか
  • どの情報を相談者が提供するのか
  • 相談料はいくらなのか
  • 将来の結果を保証するものではないこと
  • 相談終了時の取扱い

などを明文化することで、双方の認識を合わせやすくなります。また、FPにとっても、自らが提供するサービス内容を明確化することで、業務範囲を超えた依頼や結果保証を求められるリスクを抑えることにつながります。

まとめ

贈与相談契約書(FP)は、生前贈与や家族への資産移転についてFPが相談を受ける際に、相談業務の内容、料金、情報提供、秘密保持、専門家との連携、責任範囲などを明確にするための契約書です。特に贈与相談では、家族構成や財産状況などの重要な情報を取り扱うとともに、税務、法律、登記などの専門分野と関係するケースがあります。そのため、FPが対応する相談業務の範囲を明確にし、必要に応じて税理士、弁護士、司法書士等へ相談する仕組みを整えておくことが重要です。また、贈与額や贈与時期について検討する場合には、税負担だけでなく、相談者自身の生活資金や老後資金への影響も考える必要があります。贈与相談契約書を整備しておくことで、FPと相談者双方がサービス内容と責任範囲を確認した上で相談を開始でき、認識の相違やトラブルの予防につながります。

本ページに掲載する贈与相談契約書(FP)のひな形および解説は、一般的な参考情報として提供するものであり、特定の取引・案件への法的助言を目的とするものではありません。実際の契約締結に際しては、専門家(弁護士等)への確認を強く推奨いたします。

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