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メカデザイン制作契約書

アニメ制作会社がメカデザイナーやデザイン会社へ、ロボット・車両・兵器・機械装置などのメカデザイン制作を委託する際に使用できる契約書です。成果物の納入・修正、報酬、著作権、二次利用、秘密保持などの条件を整理しています。

契約書名
メカデザイン制作契約書
バージョン / ファイル
1.00/ Word
作成日 / 更新日
特徴
アニメ制作におけるメカデザイン業務に特化し、設定画や三面図などの成果物から著作権、商品化・ゲーム化等の二次利用まで明確に定めています。
利用シーン
アニメ制作会社が外部メカデザイナーへロボットや兵器の設定デザインを依頼する/アニメ作品に登場する車両・航空機・機械装置等のデザイン制作をデザイン会社へ委託する
メリット
制作範囲や修正条件、著作権、著作者人格権、二次利用などメカデザイン制作でトラブルになりやすい事項を事前に整理できます。
ダウンロード数
6件
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「メカデザイン制作契約書」の本ひな形の利用にあたっては、必ず「契約書ひな形ダウンロード利用規約」をご確認ください。無料ダウンロードされた時点で、規約に同意いただいたものとさせていただきます。

メカデザイン制作契約書とは?

メカデザイン制作契約書とは、アニメ制作会社がメカデザイナーやデザイン会社などに対して、アニメーション作品に登場するロボット、車両、航空機、船舶、宇宙船、兵器、機械装置、ガジェットなどのデザイン制作を委託する際に、業務内容や報酬、納品条件、著作権などを定める契約書です。アニメ制作におけるメカデザインは、単に外観を描くだけとは限りません。作品によっては、正面・側面・背面を示す設定画や三面図、武装・装備品、可動部分、変形・合体機構、内部構造、色彩、素材、マーキングなど、多数の設定資料を制作することがあります。

そのため、契約書では、

  • どのメカをデザインするのか
  • 何点のデザインを制作するのか
  • ラフ案や設定画をどこまで納品するのか
  • 修正には何回対応するのか
  • 報酬はいくらにするのか
  • 著作権を誰に帰属させるのか
  • アニメ以外の商品化やゲーム化にも利用できるのか
  • デザイナーがポートフォリオ等へ掲載できるのか
  • 未公開作品の情報をどのように管理するのか

といった事項を明確にしておくことが重要です。特にアニメ作品では、制作したメカデザインが映像本編だけでなく、映画、ゲーム、玩具、フィギュア、プラモデル、書籍、広告、イベントなど幅広い用途に展開される可能性があります。そのため、メカデザイン制作契約書では、制作業務そのものだけでなく、完成したデザインを将来どのように利用できるのかまで整理しておくことがポイントになります。

メカデザイン制作契約書が必要となるケース

メカデザイン制作契約書は、アニメ制作会社が外部クリエイター等へメカデザイン制作を依頼するさまざまな場面で利用できます。代表的なケースとして、次のようなものがあります。

  • アニメ作品に登場するロボットのデザインを外部メカデザイナーへ依頼する場合
  • 主人公が搭乗する車両や航空機などの設定デザインを制作してもらう場合
  • 敵キャラクターが使用する兵器や装備品のデザインを依頼する場合
  • 宇宙船、戦艦、特殊車両など作品固有の乗物をデザインしてもらう場合
  • ロボットの変形機構や合体機構まで含めた設定制作を依頼する場合
  • アニメ制作で使用する三面図や3DCG制作用資料を外部デザイナーに制作してもらう場合
  • アニメ制作会社からデザイン会社へ複数のメカ設定を一括して委託する場合

業務内容が口頭やメールだけで決められていると、制作開始後に、ラフ案までが契約範囲なのか、決定稿まで必要なのか、三面図も報酬に含まれているのか、といった認識の違いが生じる可能性があります。こうしたトラブルを防ぐためにも、制作対象と成果物を具体的に契約書へ記載しておくことが重要です。

メカデザイン制作契約書に盛り込むべき主な条項

アニメ制作会社がメカデザイン制作を外部へ委託する場合、契約書には主に次のような事項を盛り込みます。

  • 契約の目的
  • 委託するメカデザイン制作業務の内容
  • 制作条件及び資料提供
  • 制作上の遵守事項
  • 成果物の内容
  • 納入方法及び納期
  • 検収方法
  • 修正及び仕様変更
  • 報酬及び費用
  • 著作権の帰属
  • 著作者人格権の取扱い
  • 既存著作物等の取扱い
  • 第三者の権利侵害への対応
  • 生成AI等の利用条件
  • クレジット表示
  • 秘密保持
  • 未公開情報及び成果物の公表
  • 再委託
  • 契約解除
  • 損害賠償
  • 契約期間
  • 準拠法及び合意管轄

メカデザインは作品の世界観や商品展開にも大きく関係するため、一般的なイラスト制作契約以上に、成果物の範囲と知的財産権の取扱いを明確にすることが重要です。

条項ごとの解説と実務ポイント

1. 委託業務の範囲

最初に明確にしたいのが、デザイナーへ何を制作してもらうのかという業務範囲です。

例えば、メカデザインといっても、

  • ロボット本体
  • 武器
  • コックピット
  • 車両
  • 航空機
  • 宇宙船
  • 機械装置
  • 変形・合体機構
  • 付属ガジェット

など、制作対象は作品によって大きく異なります。さらに、デザインそのものだけでなく、ラフデザイン、決定稿、三面図、可動機構の説明資料などが必要になるケースもあります。契約書には業務の大枠を記載したうえで、具体的な制作対象、点数、仕様などを発注書や仕様書で定められるようにしておくと、継続的な制作にも対応しやすくなります。

2. 成果物の範囲

メカデザイン制作では、何をもって納品完了とするのかを明確にしておく必要があります。例えば、1体のロボットデザインを依頼した場合でも、正面の完成イラストだけでよいケースと、正面・側面・背面の設定画まで必要なケースでは作業量が大きく異なります。

成果物として想定されるものには、

  • ラフデザイン
  • デザイン案
  • 決定稿
  • 三面図
  • 武装・装備品設定
  • 変形・合体機構設定
  • 色彩設定
  • マーキング設定
  • デジタルデータ

などがあります。制作開始前に必要な成果物を具体化しておけば、追加作業をめぐる認識の相違を防ぎやすくなります。

3. 納期・納品形式

アニメ制作では、メカデザインの完成後に原画、3DCG、撮影その他の工程が続くことがあります。そのため、デザインの納期遅延が後工程へ影響する可能性があります。契約書では、納期だけでなく、納品方法やデータ形式についても定めておくことが重要です。

例えば、

  • PSDなど指定ファイル形式で納品する
  • 指定された解像度で納品する
  • レイヤーを保持した状態で納品する
  • 制作管理システムへアップロードする
  • オンラインストレージを利用する

といった条件が考えられます。具体的な技術仕様が作品ごとに異なる場合は、契約書とは別に仕様書や制作指示書を作成する方法もあります。

4. 検収

成果物が納品されたからといって、必ずしもその時点で業務が完了するとは限りません。甲が成果物を確認し、制作指示や仕様に適合していることを確認する検収手続を設けておくことで、完成の基準を明確にできます。

検収条項では、

  • 誰が成果物を確認するのか
  • 何を基準として確認するのか
  • 不備があった場合に修正を求められるか
  • 再納品をどのように行うか

などを整理しておくとよいでしょう。

5. 修正回数と追加作業

クリエイティブ業務では、修正をめぐるトラブルが発生しやすいため注意が必要です。当初の制作指示に沿った修正と、発注後の大幅な仕様変更では意味が異なります。例えば、ロボットの配色を調整する程度の修正と、二足歩行型として依頼していたデザインを車両へ変形する仕様へ変更するといった依頼では、必要となる作業量が大きく異なります。

そのため、

  • 通常修正に含まれる範囲
  • 修正回数
  • 大幅な仕様変更の扱い
  • 追加料金の発生条件
  • 追加作業による納期変更

を事前に整理しておくことが重要です。

6. 報酬

報酬については、金額だけではなく、その金額にどこまでの業務が含まれているのかを明確にします。例えば、デザイン1点あたりの単価なのか、複数の設定画をまとめた案件単位の報酬なのかによって契約内容は変わります。また、ラフ案、三面図、武装設定、追加修正などが基本報酬に含まれるかについても整理しておくと、追加請求をめぐるトラブルを防止できます。

7. 著作権の帰属

メカデザイン制作契約において、特に重要となるのが著作権です。成果物について著作権が発生する場合、その権利を制作会社へ譲渡するのか、デザイナー側に残したまま利用許諾を受けるのかによって、制作会社ができることが変わります。著作権を甲へ譲渡する契約とする場合は、著作権法第27条及び第28条に規定する権利についても明確に定めておくことが重要です。

アニメ作品では、完成したメカデザインが、

  • テレビアニメ
  • 劇場作品
  • 動画配信
  • ゲーム
  • 玩具
  • フィギュア
  • プラモデル
  • 書籍
  • 広告
  • イベント

などへ展開されることがあります。将来的なメディアミックスを想定している場合は、利用範囲についても契約時に整理しておく必要があります。

8. 著作者人格権

著作権を譲渡した場合でも、著作者人格権そのものが譲渡されるわけではありません。アニメ制作では、制作工程においてメカデザインの色、形状、装備、細部などを変更したり、2Dデザインを3DCG化・立体化したりすることがあります。こうした利用を円滑に行うため、契約書では、甲や甲から利用許諾を受けた者等に対して著作者人格権を行使しない旨を定める方法があります。

9. 商品化・ゲーム化などの二次利用

メカデザインはキャラクターデザインと並び、商品化との関係が特に重要な制作物です。人気作品では、アニメ本編に登場したロボットや車両が玩具、フィギュア、プラモデル、ゲームなどへ展開されることがあります。アニメ本編への利用しか想定していない契約になっていると、商品展開の段階で改めて権利処理が必要となる可能性があります。そのため、将来的な商品化等が想定される場合は、契約締結時に利用範囲を確認しておくことが重要です。

10. 既存著作物や素材の利用

デザイナーが以前から保有している素材やデザイン要素を成果物に利用するケースも考えられます。この場合、成果物全体の著作権を譲渡する契約であっても、従前から保有していた素材等についてどのように扱うかを別途整理する必要があります。契約締結前から乙が保有する著作物等については乙に権利を留保しつつ、本作品の利用に必要な範囲について甲へ利用を認めるなど、権利関係を区別しておく方法があります。

11. 第三者の権利侵害

メカデザインでは、既存のロボット、乗物、製品その他のデザインとの類似が問題となる場合があります。そのため、第三者が制作したデザイン等を無断で複製・模倣しないことや、第三者の素材を利用する場合の権利処理について契約上整理しておくことが重要です。また、第三者から権利侵害を主張された場合に、甲乙が速やかに情報共有できるようにしておくと、問題発生時の対応を進めやすくなります。

12. 生成AIの利用

近年のデザイン制作では、生成AIその他の自動生成サービスを制作工程に利用する可能性も考慮する必要があります。特にアニメ制作では、未公開の設定画、脚本、キャラクター資料、企画情報などが外部サービスへ入力されることによる情報管理上の問題に注意が必要です。

そのため、生成AIを利用する場合について、

  • 事前承諾を必要とするか
  • 未公開資料の入力を禁止するか
  • 第三者の権利との関係をどのように確認するか
  • 生成AIを利用した場合の責任をどのように扱うか

といった社内ルールと契約条件を整合させておくことが重要です。

13. クレジット表示

メカデザイナーの氏名や名称を作品のエンドクレジット等へ掲載する場合、その表記についても確認しておくと安心です。

例えば、

  • メカニックデザイン
  • メカデザイン
  • プロップデザイン
  • デザイン協力

など、作品によってクレジット名称が異なることがあります。クレジットの有無だけでなく、表示方法について制作会社側が最終決定できるのかなども契約時に整理しておくとよいでしょう。

14. 秘密保持と未公開情報

アニメ制作では、放送・配信開始前のキャラクター、ストーリー、新型メカ、作品タイトルなど、多くの情報が公開前に関係者へ共有されます。メカデザイナーには、企画書、脚本、絵コンテ、世界観設定などが提供されることもあります。こうした情報がSNSなどから流出すると、作品のプロモーションや制作会社の信用に大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、秘密保持条項に加えて、作品公開前の情報や成果物を無断で公表しないことを明確にしておくことが重要です。

15. SNS・ポートフォリオへの掲載

デザイナーにとって制作実績は重要ですが、制作会社にとっては作品情報やデザインの公開時期を管理する必要があります。そのため、デザイナーが自分のSNSやウェブサイト、ポートフォリオへ成果物を掲載できる条件を契約書で整理しておくことが望まれます。例えば、本作品の公開後であっても自由に掲載できるとはせず、事前に制作会社の承諾を得る方式とすることが考えられます。

16. 再委託

個人のメカデザイナーへ依頼したにもかかわらず、制作の一部が無断で別のクリエイターへ外注されると、秘密保持や著作権の帰属が複雑になる可能性があります。そのため、再委託を認める場合には事前承諾制とし、再委託先にも秘密保持や知的財産権に関する同等の義務を負わせることが重要です。

17. 契約解除と制作途中の成果物

アニメ制作では、企画変更、制作方針の変更、スケジュール変更などによって、メカデザイン制作が途中で終了する場合もあります。

その場合、

  • 制作途中のラフデザインを引き渡すのか
  • 途中までの制作費をいくら支払うのか
  • 途中成果物を作品で使用できるのか
  • 著作権をどのように扱うのか

などが問題になります。中途終了時の成果物と報酬の取扱いについても、あらかじめ契約で整理しておくことが重要です。

メカデザイン制作契約書を作成する際の注意点

メカデザイン制作契約書を作成する場合、特に次の点を確認しましょう。

  • 制作対象を具体的にする ロボット本体だけなのか、武装、コックピット、変形機構、三面図などまで含むのかを明確にします。
  • 成果物の点数と仕様を確認する ラフ案の数、決定稿の数、ファイル形式、解像度、レイヤー構成など、必要に応じて具体的な納品条件を設定します。
  • 修正条件を明確にする 修正回数や追加料金の発生条件を決め、当初仕様を超える変更と通常修正を区別します。
  • 著作権の取扱いを明確にする 著作権を譲渡するのか利用許諾とするのかを決定し、著作権法第27条・第28条の権利や著作者人格権についても確認します。
  • 二次利用を想定する アニメ本編だけでなく、ゲーム、玩具、フィギュア、プラモデル、出版、広告などへの展開予定がある場合は、その利用を想定した契約内容にします。
  • 未公開情報を管理する 作品公開前の設定画や企画情報がSNS等へ流出しないよう、秘密保持と公表条件を定めます。
  • 生成AIの利用方針を決める 制作会社の方針に応じて、生成AIの利用可否や事前承諾、未公開情報の入力禁止などを契約上明確にします。
  • 個別案件に合わせて契約内容を調整する メカデザインの制作内容や権利関係は作品ごとに異なるため、ひな形をそのまま使用するのではなく、実際の制作体制に合わせて調整することが重要です。

アニメ制作会社側が特に確認しておきたいポイント

アニメ制作会社側では、納品されたデザインをアニメ本編で使用できることだけを確認するのではなく、その後の利用まで想定して契約内容を確認することが重要です。特にメカデザインの場合、作品の人気に伴って商品化される可能性があります。契約時点では予定されていなかったゲーム化、立体化、海外展開などが後から決定することも考えられます。

そのため、

  • 成果物の著作権を誰が保有するのか
  • デザインを改変できるのか
  • 3DCG化できるのか
  • 玩具やフィギュア等として立体化できるのか
  • ゲーム等へ利用できるのか
  • 第三者へ利用許諾できるのか
  • 海外でも利用できるのか

などを確認しておくことが重要です。制作段階だけを見るのではなく、作品公開後の展開まで見据えて契約を設計することが、メカデザインに関する権利トラブルの予防につながります。

メカデザイナー側が確認しておきたいポイント

メカデザイナー側では、業務範囲と報酬の対応関係を確認することが重要です。特に、ラフ案を何案提出するのか、三面図や武装設定まで必要なのか、修正回数に上限があるのか、大幅な仕様変更が発生した場合に追加報酬を請求できるのかなどを確認しておきましょう。また、著作権を制作会社へ譲渡する場合には、その対価が報酬に含まれているか、成果物を自身のポートフォリオ等へ掲載できるか、クレジットがどのように表示されるかについても確認することが重要です。制作会社とデザイナーの双方が契約条件を具体的に確認することで、制作途中や作品公開後の認識の違いを減らすことができます。

メカデザイン制作契約書と他の制作契約書との違い

アニメ制作では、キャラクターデザイン、美術設定、背景美術、絵コンテ、原画・動画など、工程ごとにさまざまな制作業務が存在します。メカデザイン制作契約では、その中でも機械的なデザインや構造設定を対象とする点が特徴です。特に、変形・合体・可動機構、武装、三面図、立体化など、メカデザイン特有の成果物や利用方法があります。そのため、一般的なイラスト制作契約書をそのまま使用するのではなく、実際に必要となる設定資料や利用方法に合わせて契約内容を設計することが望まれます。

まとめ

メカデザイン制作契約書は、アニメ制作会社とメカデザイナー等との間で、制作業務の内容、成果物、納期、修正、報酬、著作権、秘密保持などを明確にするための契約書です。特に重要なのは、メカデザインの完成稿だけでなく、ラフ案、三面図、武装設定、変形・合体機構など、どこまでを制作業務に含めるのかを具体的に決めることです。また、完成したデザインはアニメ本編だけでなく、ゲーム、玩具、フィギュア、プラモデル、出版、広告などへ展開される可能性があります。そのため、著作権の帰属、著作者人格権、改変、商品化その他の二次利用についても、作品の展開方針に合わせて確認しておくことが重要です。さらに、未公開作品の情報管理、SNSやポートフォリオへの掲載、生成AIの利用、再委託など、現在のアニメ制作環境に応じた条件についても契約段階で整理しておくと、制作会社とデザイナー双方の認識を合わせやすくなります。

本ページに掲載するメカデザイン制作契約書のひな形および解説は、一般的な参考情報として提供するものであり、特定の取引・案件への法的助言を目的とするものではありません。実際の契約締結に際しては、専門家(弁護士等)への確認を強く推奨いたします。

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