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電子契約の試験運用をどう進める?検証項目と合格基準の作り方

電子契約の試験運用と検証項目・合格基準の作り方を示すタイトルと、パソコンを前に打ち合わせをするビジネス担当者の写真

電子契約の試験運用は、いきなり全社へ広げるのではなく、対象書類と利用者を絞り、実際の「作成→確認→送信→署名→完了→保存」を通して、何が問題なくできれば本運用へ進めるかを先に決めて実施します。画面が動いたかだけではなく、誤送信を防げるか、相手が迷わないか、締結後の書類を探せるかまで確かめることが目的です。

特に先に作っておきたいのが、テストケース表、合格・再試験・見送りの判定基準、結果記録の3つです。この記事では、電子契約を新しく導入する会社の担当者向けに、試験運用を設計する順番、確認項目、判定の具体例、失敗時の対応を紹介します。後半ではマイサインでの確認方法も示しますが、製品紹介と、すべての電子契約サービスに共通する確認事項は区別して扱います。

なお、ここで示すテスト数・期間・許容値は企業内の試験計画の記入例であって、法令が定める一律の合格基準ではありません。署名方法、書面交付・電子交付の条件、契約権限などの確認は、扱う契約の種類に応じて別途行ってください。

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目次

電子契約の試験運用は何を確かめるために行う?

試験対象の設定、業務の再現、合格・再試験・見送りの判定までをSTEP01〜03で説明する図解
試験運用の3段階(図解)

試験運用は導入の賛否を感覚で決める期間ではなく、社内で決めた使い方を、少数の案件で再現できるか確かめる工程です。送信担当だけが操作できても、相手方が契約できない、完了後に管理担当が記録を見つけられない、という状態では本運用に移せません。

操作の成功と業務としての成功を分ける

「PDFをアップロードできた」は操作の成功です。一方、「承認された最終版を正しい相手へ送り、相手が内容を確認し、締結済みPDFと操作記録を保全できた」は業務としての一連の成功です。この違いを明確にすると、単なる機能体験から実務的な検証へ変わります。

試験開始前に、契約業務のどの工程までを見るかを文章にしておきます。社内承認の手順を製品の機能と誤認しないことも重要です。社内の稟議や法務確認がメール・別システムで行われる会社では、その工程も含めて人がどう引き継ぐかを観察します。

担当者と相手方の両方の動きを見る

送る側には書類の取り違え・宛先ミス・送信権限の課題があります。

受け取る側にはメールが届かない、スマートフォンで見づらい、署名位置が分からないといった課題があります。片方だけのチェックで「利用可能」と判断せず、許可を得たテスト参加者に実際の受信画面を見てもらい、迷った箇所を記録します。

試験の終了条件を初日に共有する

終了日だけ決めても、未確認項目が残ったまま本運用へ移る可能性があります。必須項目は全件合格、重大な未解決問題はゼロ、軽微な改善は期限と担当を指定、といった判断方法を事前に合意します。形式的に丸を付けるのではなく、実施記録を裏付けにして判断することが目的です。

試験運用の対象範囲をどう決める?

電子契約の試験運用で契約書の種類、利用する人、契約方式、利用環境の4つの軸から対象を決める図解
試験範囲を決める4つの軸(図解)

最初から全種類の契約書や全拠点を対象にする必要はありません。一方で、簡単なケースだけで成功と判断すると、日常的に発生する例外を見落とします。少数でも「通常の案件」「相手側の操作」「問題が起きた案件」を含めて構成します。

契約書の種類は法的条件を確かめてから選ぶ

例えば自社でよく使う秘密保持契約や業務委託契約のうち、書式・署名者・社内承認が整理済みのものを候補にできます。ただし、書類名だけで電子化の可否は決まりません。契約の当事者、交付に関する規制、本人確認、署名権限、公正証書等の別手続を要するかは、該当案件ごとに確認します。

作業手順だけ試したい段階では、「試験用・実際の契約ではない」と明示した架空のサンプル書類を使い、関係者が承知した社内アカウントに限って操作します。実在取引先や顧客の個人情報を、許可なく試験データとして利用しないでください。

利用者は役割の違う人を組み合わせる

書類作成者、最終版の確認者、送信担当、受信して署名する人、締結後に保管する人を挙げ、それぞれ誰がテストするか決めます。小規模企業で一人が複数役を担当していても、確認項目は役割ごとに分けると抜けを見つけやすくなります。

契約相手に近い立場のテスト担当者は、事前に操作説明を読み込んだ人だけでなく、初めて画面を見る人を含めると、実務上のつまずきを把握しやすくなります。結果を記録する際は、本人の感想と実際に起きたエラーを区別します。

何を試験しないかも決めておく

権限のない実取引先への送信、脆弱性診断、過剰な自動連続送信、負荷試験は通常の業務確認とは別です。各サービスの利用規約や事前承認を守り、本番サービスに影響を与える試験を独断で実施しないようにします。マイサインでも、負荷テスト等を無断で行うことは利用規約で制限されています。

対象外とした機能は「合格」にはせず「未検証」と明記します。例えば対面契約を当面使わない会社なら初回試験では対象外とできますが、後日導入する際には別途テストが必要です。

電子契約の検証項目一覧はどう作る?

検証項目を操作、期待結果、確認方法で整理し、試験IDごとの合格確認例を示した図解
テストケースの作成(図解)

検証表には、何を操作するかだけでなく、期待する状態・確認方法・証拠をセットで書きます。「使いやすいか」のような曖昧な問いは、受信者が案内メールを見て正しい書類へ進めるか、迷った場合に担当者へ質問できるか、という観察可能な項目に分けます。

試験ID 確認すること 合格の確認例 優先度
T01 契約書と宛先の一致 承認済み最終版・相手方・メールが一致する 必須
T02 送信操作 意図した相手に1件だけ案内でき、状態を追える 必須
T03 受信者の操作 登録要否、画面案内、署名手順を説明なしで進められる 必須
T04 完了状態の照合 画面・通知・対象契約が同じ案件を示す 必須
T05 PDFと記録 締結済みPDF・利用可能な署名記録を取得し対応付けできる 必須
T06 保存と検索 別担当者が指定案件を探し、所在を説明できる 必須
T07 誤入力・取消時 送信前後の対応手順を区別し、二重処理を防げる 必須
T08 端末・表示 対象PC・スマホで本文と署名箇所を確認できる 必須
T09 担当交代 権限のある後任が状態と保存先を引き継げる 対象に応じて
T10 時間・問い合わせ 開始点を揃えた所要時間と問い合わせ内容を記録できる 改善用

この10項目は本記事の試験表サンプルです。業種や契約方式によって増減させてください。必要ならメール不達時の案内、契約書修正時の差し戻し、複数署名者、締切がある案件などを独立したケースとして追加します。

「できた」の証拠は何を残す?

試験実施日、試験ID、使用した書類の識別子、対象端末、担当者、想定した結果、実際に確認した結果を記録します。

画面キャプチャを保存する場合は、メールアドレスや署名済み書類に記載された個人情報が不要に写り込まないようにします。署名記録などの原本性が関わるファイルを、編集済みの画像だけで代替しないことも大切です。

問題が出たときは原因と現象を分ける

「署名できなかった」という現象だけでサービス障害とは判断できません。端末表示、通信、案内メール、署名位置、テスト書類の設定を切り分けて記録します。

再試験は条件を変えた内容が分かるようにし、成功した結果で元の失敗記録を上書きしないようにします。

合格基準を数値と条件で決めるには?

必須項目の合否、未解決の重大問題、改善項目の担当と期限から合格・条件付き再試験・見送りを判定する図解
合格・再試験・見送りの判断(図解)

合格基準は「何件か成功した」「現場の評判が良かった」だけでは判断できないため、業務上許容できない失敗と、改善しながら継続できる問題を区別して定めます。法定の統一基準ではなく、その会社のリスクと契約内容に基づく社内判定です。

必須・改善・対象外の三段階に分ける

本記事の記入例では、誤送信防止、最終版の一致、署名完了の照合、保存記録、権限や契約条件に関する項目を「必須」にします。画面文言に慣れが必要、内部マニュアルを補うといった項目は「改善」に分類できます。ただし、受信者が契約内容を読めない等の問題を軽微と扱うことは適切ではありません。

例えば「必須T01~T08はすべて合格」「未解決の重大問題0件」「改善項目は担当者・期限・暫定対応を記載」と設定できます。これはサンプルであり、何%なら法律上安全といえるものではありません。契約の重要性が高い会社では、追加の承認や専門家による確認を判定条件に含めます。

結果は「合格」「条件付き再試験」「見送り」で決める

合格は必須条件が達成され証拠で確認できた状態です。条件付き再試験は修正方法が明確で、影響範囲を限定し、再確認できる場合です。見送りは必須項目の不合格、法的条件の未確認、原因が分からない重大問題、又は安全な代替手段がない場合などです。

見送りは試験の失敗を隠すものではなく、利用者や取引先へ不確かな方法を広げないための判断です。報告書には結論だけでなく、その根拠になった試験IDと未解決事項を記載します。

時間短縮率は合格条件にしてよい?

時間を測る場合は「送信開始から締結完了まで」と「担当者の実作業時間」を分けます。完了していない案件を都合よく除外せず、書類の種類や署名者数が違う案件を無理に平均しないことが必要です。測定方法の詳細は、既存記事の電子契約の導入効果の測定方法へつなぎ、本記事では合否判定への使い方に集中します。

例えば自社で「担当作業が5分以内」を目標にすることはできますが、その数字が他社にも当てはまるという根拠はありません。締結に要する経過時間は取引先の都合にも左右されるため、未達の原因と担当者が制御できる工程を分けて評価します。

通常の1件をどう試し、何を記録する?

通常契約で送信前の照合、受信側の署名、完了後のPDFと署名記録・検索を確認する試験手順の図解
通常契約で1件試す工程(図解)

最初の試験は、協力者が理解した模擬書類で実施します。実際の業務と同じ操作順を使いつつ、架空データ・自社管理の送受信先を利用し、現実の契約の意思表示と混同されないようにします。契約相手との本契約を試験用として扱う場合は、事前の合意や社内承認なしには進めません。

送信する前の確認を独立させる

書類名、版、日付、相手先、添付PDF、署名位置、送信者、社内承認がそろった時点を「送信準備完了」と記録します。

画面に表示される内容だけでなく、最終的に送るファイルが承認済みのものか確かめます。準備完了前にテスト相手へ送ってしまう運用は、実業務での誤送信を再現しやすいため避けます。

受信側は案内を見て自力で進めるか試す

受信者には、事前に説明した操作手順を暗記してもらうのではなく、実際に届いた案内から開始してもらいます。誤解しやすい文言、押しにくい箇所、契約内容を見るのに必要なスクロール操作などを、端末別に記録します。

スマートフォンでの表示はPCと別のケースとして扱い、過去に動いたことだけで現行の表示正常を断定しません。

完了後は別担当が再取得・再確認する

送信担当ではない人が、契約の状態、締結済みPDF、取得可能な署名記録、保管場所、検索方法をチェックします。「担当者の画面で見えた」だけでは、引継ぎ後に探せることを保証できません。案件IDと書類の名称が対応しているかも確認しておくと、似た案件が増えたときの取り違えを減らせます。

再試験するときは同じ条件を再現する

不具合が発生したケースは、端末、ブラウザー、PDFのページ数、入力箇所、操作順など、把握した条件を残して再実施します。

再現しない場合にも「解決」と即断せず、再現の有無と残る不安を別々に記録します。実施した日時を残し、後日のサービス改修によって状態が変わった場合は新しい試験記録を追加します。

誤送信やメール不達などの例外をどう検証する?

電子契約の試験中に起こるメール不達や宛先間違いの模擬ケースで、現象の記録、原因の切り分け、安全な再試験を説明した図解
例外が発生した場合(図解)

現場では理想的な1件ばかりが続くとは限りません。例外の確認を本運用後へ回すと、担当者が危険な操作を繰り返したり、二重契約や情報流出につながるおそれがあります。試験段階では事故を実際に起こすのではなく、安全な模擬ケースで判断と連絡経路を確かめる方式が適切です。

メールが届かない場合

宛先の入力、迷惑メール振り分け、受信拒否、相手側の環境、サービス側の送信状況を順に調べます。

原因が判明しないまま同じ相手へ何度も再送しないルールを用意します。試験では「誰が何を確認し、どの時点で相手に連絡するか」を担当者が説明できることを合格の観察点にします。

宛先・契約書の間違いに気付いた場合

送信前なら修正して最終版を確認し直します。送信後は、まず進行状況と受信者側での閲覧・操作状況を確かめ、サービスの正式なキャンセル・訂正手順に従います。キャンセルが可能な条件や契約件数の戻り方はサービスごとに異なるため、一般論から機能の有無を断定しません。

契約内容が実際に第三者へ渡った可能性がある場合には、通常の再送とは切り離し、社内の情報管理・法務担当へ事実を共有する手順を定めます。誤送信の対応全般は電子契約を誤送信した場合の初動対応で別途説明しています。

スマホで読みにくい・署名しにくい場合

端末の縦横、画面サイズ、ブラウザー、PDF上の署名欄などを記録し、どの条件で操作しづらかったか切り分けます。

PCで成功したためスマホも合格、としないことが基本です。利用者の多くがスマホで手続きする想定なら、スマホの読みやすさを改善項目ではなく必須項目に指定します。

障害や中断を想定する場合

不具合を意図的に本番システムへ発生させるのではなく、「現在の案件の状態が分からない場合、何を調べるか」を机上で演習します。

復旧前に別の方法で重複締結しないこと、保留案件と完了案件を区別すること、取引先へ未確定事項を断定して伝えないことを確認します。詳しい代替手段は電子契約サービスが利用できないときの対応を参照してください。

締結後の保存・証拠確認はどこまで行う?

試験の終了地点を「署名ボタンを押したとき」とするのは早すぎます。将来、契約内容を示す必要が生じたときに、誰がどのデータを取り出せるかまで確認して、初めて契約業務の試験になります。

契約書PDFと操作・署名の記録を対応付ける

締結済みPDFを開いて、書類の版、相手、締結した文書の内容を確認します。あわせてサービスで取得できる操作履歴・署名記録等を確かめ、対応する契約が分かるよう管理します。

電子署名法の法的な扱いは署名の方式や要件等によるため、記録ファイルが存在することだけで全ての法的問題を解消できるとは限りません。電子署名の基本はデジタル庁の電子署名に関する説明で確認できます。

電子帳簿保存法の対象かは取引ごとに確認する

電子的に授受した契約書などの電子取引データについては、事業者の保存義務や検索等の要件が問題になります。

ただし、取引内容・保存義務者・保存方式などで扱いが変わるため、サービス上にPDFがあるだけで自社の対応が完了したと断定しないでください。国税庁の電子帳簿保存法に関する案内を基に、自社で必要な保存方法を確認します。

検索性は担当者を変えて確かめる

契約書の保存先を知っている作成者が探せるのは当然です。試験では、権限のある別担当が、取引先・案件名・日付など自社で決めた識別情報から書類を探せるか確認します。

見つからなければ、管理台帳や命名ルールを改善します。単にファイルを大量に保存することと、必要なときに見つけられることは別です。

マイサインでは試験運用のどの部分を確かめられる?

マイサインの通常契約・公開契約・メンバー管理・書類管理と、利用端末ごとの確認ポイントを示す図解
マイサインで確認する機能(図解)

マイサインには、相手にメールで送る「通常契約」、URL・QRコードで案内する「公開契約」、その場で手続きを進める「対面契約モード」、締結後の書類管理などが用意されています。どの方式を試すかは自社の予定業務に合わせて選ぶのが基本で、全機能を一度に試す必要はありません。

通常契約で「1件の流れ」を確かめる

通常契約ではPDFを準備し、契約相手を指定してメール送信し、相手側の署名操作から完了後のPDF取得までを確認できます。契約相手はマイサインの会員登録をせずに手続きを進められると案内されています。送信前に書類の最終版・宛先・署名位置を照合し、操作後は契約の状態と締結済みPDF・署名記録PDFを確認する試験が考えられます。詳細はマイサインの通常契約の機能説明を参照してください。

テスト送信で件数がどう扱われるかはプランと操作状況によります。公式説明では、完了前にキャンセルされた場合に利用可能件数へ戻る条件があり、月をまたいだ場合には扱いが異なります。送信すれば必ず無料で何度でも試せるという意味ではありません。試験件数を決める際は現在の料金・プラン一覧とサービス上の表示を確認します。

公開契約ではURL・QRコードの受信導線を確かめる

同じ内容の書類をURLやQRコードで案内する予定なら、公開契約の試験が有効です。別端末でQRコードを読み取れるか、受信者が契約内容へ到達できるか、案内文と書類が一致するかを確認します。

URLを公開すると想定外の人がアクセスする可能性があるため、試験用の案内先は限定し、本番の申込ページなどへ無断掲示しないでください。機能は公開契約の公式説明で確認できます。

メンバー管理や書類管理は利用予定がある場合だけ試す

複数名で運用する会社では、メンバー管理機能を使う対象プランか確認し、オーナーとメンバーがそれぞれ何をできるかを試します。契約書・下書き・保管書類を共有できる一方、請求・プラン変更などの管理はオーナー側に制限されるため、承認ワークフローや細かな閲覧制限まで自動で実現されると誤解しないことが必要です。

締結後には、書類管理機能で契約書の所在を確認できます。契約終了日・管理タグ等の管理情報は契約本文を変更する機能ではありません。試験では「誰が入力し、どの条件で検索し、誰が結果を検証するか」を確かめます。サービスが提供する機能と、社内で決める管理ルールを分けて評価してください。

実際の利用環境の端末で最終確認する

機能ページにスマートフォン対応と記載されていても、利用するPDFのサイズ、配置した署名欄、端末の向き、ブラウザーなどが異なれば確認結果も変わり得ます。

会社で利用予定の端末を用い、内容を読めることと署名位置を正しく認識できることを、個別のテストとして実施します。以前の不具合の有無を確かめる場合も、過去の記事や記録だけで現時点の動作正常とは判断しません。

試験運用の記録シートには何を書く?

結果を報告するシートは、担当者が変わっても結論を追える形にします。細かな感想だけを蓄積するのではなく、テスト条件と期待結果を固定して、合否の根拠を紐付けておくのがポイントです。

記録項目 記入例(すべて架空)
試験ID・対象 T03/受信者の署名操作
実施日・担当 試験2日目/A担当
使用した条件 社内管理メール・スマートフォン縦画面・模擬PDF
期待する結果 受信者が書類を開き、必要事項を確認し、署名操作を完了する
実測・観察事実 署名位置が分からず担当者へ1回質問した
一次判定 未合格/要改善
対応・期限 署名欄の設置位置と案内を修正し、別担当が再試験
証拠・追跡番号 試験用案件IDと操作記録の保管先を記録

上記は実在するマイサイン利用者の事例ではありません。「質問が1件あった」といった数値も説明用の架空例です。実務では、担当者ごとの感想と契約の実際の完了状態を混ぜず、合否欄の更新履歴を残します。

再試験済みと未解決を同じ色にしない

「修正を依頼した」「改善したと聞いた」は再試験合格と異なります。再試験の日付、試験した人、使用した条件、結果を再度記録するまで「未解決」又は「再確認待ち」にします。元の記録を消すと、どの問題が何回起きたのか分からなくなります。

本運用へ進む判断は誰が下す?

操作担当者だけでは、法務・情報管理・会計・取引先対応に関わるリスクを全て判断できません。

対象業務に応じて、契約権限を持つ担当者、管理者、必要に応じて法務・情報システム・経理が、決めた範囲の結果を確認します。承認者の役職や人数も自社規程によりますので、「一般に必ずこの部門が承認する」と一律には決められません。

試験運用の進め方を日程に落とし込むには?

期間は試験する契約方式や関係者の数、相手の返信速度によって変わります。ここでは、あくまで社内で模擬手続きを確認するための架空の2週間の例として、検証の順番を示します。2週間あれば必ず合格するという意味ではありません。

前半は通常ケースと受信者操作を重点的に確かめる

1~2日目に試験対象、試験参加者、模擬書類、権限、合否基準を決めます。3~5日目は通常の1件を端末別に実施し、送信前確認から完了記録まで一通り試します。この段階では、出来上がった文書が承認済みの最終版と一致することを優先します。

後半は例外対応と判定に使う記録を整える

6~8日目にメール不達、署名位置が見つからない、担当交代、送信後の誤りなどを安全な机上演習や模擬ケースで確認します。9~10日目に未合格項目を再試験し、結果が確定したものだけを「合格」にします。大きな問題が残れば期間を延ばすか本運用を見送ります。

社内周知とテストそのものを混同しない

本運用へ移すことが決まって初めて、対象部門への周知、操作手順書、問い合わせ窓口、例外時の代替方法を正式に案内します。周知資料の作り方は電子契約の社内説明に関する記事で扱っています。

全社への展開は試験に合格した範囲から段階的に広げ、対象を追加するときは差分の試験を行います。

試験運用でよくある質問

何件試せば合格と判断できますか?

法令が定める一律の件数はありません。対象とする契約方式、端末、署名者数、例外ケースを洗い出し、各必須項目を実際に確認できる件数を設計してください。件数だけ増やしても同じ簡単なケースの反復なら不足する場合があります。

本物の取引先にテスト送信してもよいですか?

事前に目的と扱いを説明して相手方の了承を得る必要があります。通常は先に自社管理の送受信先と模擬書類で操作確認し、実案件での検証が不可欠なときは社内の正式な承認手順に従ってください。誤送信や意図しない契約意思の表示を避ける運用が必要です。

スマートフォンで1件成功したら合格ですか?

1件の成功だけでは別の端末・ブラウザー・PDFのレイアウトまで保証できません。実際に使う端末条件を選び、署名欄の位置、本文の可読性、完了通知などをそれぞれ確認します。

試験に合格したら電子帳簿保存法にも対応できたと言えますか?

いいえ。業務操作の試験合格と、対象となる電子取引データの保存要件を満たすことは別です。自社の取引内容と保存方法を整理し、国税庁の現行資料等で確認してください。

必須項目が一つ不合格でも本運用へ進んでよいですか?

事前に必須と決めた事項が未達なら、そのまま無条件で合格とはしないでください。対象を安全に限定し直す、修正して再試験する、又は開始を見送る判断を、権限を持つ社内担当者が記録に基づいて行います。

まとめ:試験運用の合格は「安全に同じ手順を繰り返せること」で判断する

電子契約の試験運用では、開始前に対象書類・利用者・契約方式を絞り、テストケースごとに期待結果と証拠の残し方を決めておきます。そのうえで、正常系だけでなく、メール不達や書類の取り違え、端末表示、担当交代を含む例外を確認します。必須項目が未達なら見直しや再試験を行い、理由を記録してから本運用の可否を判断してください。

マイサインで試す場合も、まず通常契約の1件を少人数で確認し、必要に応じて公開契約、メンバー管理、書類管理へ試験範囲を広げる方法が考えられます。まず行う作業は、記事内のT01~T10から自社で使う項目を選び、必須/改善/対象外と判定者を記入した試験表を一枚作ることです。

参照した一次情報と公式機能説明

本記事の試験表・日程・合格基準の例は、一般的な社内運用の設計例として作成したものです。個別の契約が電子化できるか、署名方式・電子交付・本人確認・保存の各要件を満たすかは、契約内容と適用法令等に応じて確認してください。

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株式会社pekoが運営する電子契約サービス「mysign(マイサイン)」の運営チームメンバー。法令遵守と信頼性の高い契約運用をテーマに、電子署名や契約実務に関する情報を発信しています。

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