契約を変更・更新する 公開日:2026年8月12日 更新日:2026年8月12日

契約内容を変更する方法|締結済みの契約を変更するときの手続き

契約内容を変更する方法|締結済みの契約を変更するときの手続き

契約を締結したあとに、契約金額、業務内容、契約期間、支払条件などを変更する必要が生じることがあります。

この場合、元の契約書を一方だけで書き換えるのではなく、どの契約の、どの部分を、いつから、どのように変更するのかを相手方と確認し、変更内容について合意することが基本です。

変更する範囲が一部であれば「変更契約書」や「覚書」などを作成する方法があり、変更箇所が多い場合には、新しい契約書を作成して従来の契約との関係を明確にする方法もあります。

このページでは、締結済みの契約内容を変更するときに、何を確認し、どの順番で手続きを進めればよいのかを解説します。

締結済みの契約を変更する基本的な流れ

  1. 元の契約書と変更に関する条項を確認する
  2. 変更する内容と変更日を整理する
  3. 相手方と変更内容を協議する
  4. 変更契約書・覚書などを作成する
  5. 双方で内容を確認して締結する
  6. 元の契約書と変更書類を一緒に管理する
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目次

締結済みの契約は双方で合意して変更するのが基本

契約を締結したあとに条件を変更したい場合、一般的な契約では、変更内容について当事者双方で合意したうえで変更することが基本です。

民法第521条では、契約の当事者は、法令の制限内において契約の内容を自由に決定できることが定められています。

一度合意した契約条件についても、当事者双方が新たな内容について合意することで変更することが考えられます。

締結済みの契約書を一方だけで書き換えることは避けましょう。
契約金額や契約期間などを変更したい場合は、まず相手方へ変更内容を伝え、双方が何を変更するのか確認したうえで手続きを進めます。

ただし、原契約に契約変更の方法が定められている場合や、法令上特別なルールが設けられている契約については、その内容も確認する必要があります。

また、不特定多数との取引で利用される定型約款については、民法第548条の4に一定の要件のもとで個別の合意なく変更できる場合についての規定があります。通常の個別契約の変更と同じように考えず、対象となる取引や契約内容に応じて確認してください。

1.元の契約書と変更に関する条項を確認する

契約内容を変更するときは、最初に現在有効になっている契約書を確認します。

特に、契約書の中に「契約内容の変更」「契約の変更」「協議」「変更手続き」などに関する条項がないか確認してください。

原契約で確認しておきたいこと

  • 契約書の名称
  • 契約締結日
  • 契約当事者
  • 現在の契約期間
  • 変更したい条項
  • 契約変更について定めた条項
  • 変更に必要な手続き
  • 既に作成されている覚書・変更契約書の有無

過去に一度契約内容を変更している場合は、最初の契約書だけを確認すると、現在の契約条件を誤って認識する可能性があります。

原契約書、過去の変更契約書、覚書などを時系列で確認し、現在どの契約条件が有効なのかを整理してから新しい変更手続きを進めましょう。

2.何を変更するのか整理する

元の契約内容を確認したら、今回変更する項目を具体的に整理します。

契約変更では、「条件を変える」というだけではなく、変更前と変更後の内容が分かるようにすることが重要です。

変更項目 確認する内容
契約金額 現在の金額からいくらへ変更するのか
業務内容 追加・削除する業務や変更後の業務範囲
契約期間 終了日の延長・短縮や新しい契約期間
支払条件 支払期限・支払方法・支払回数などの変更内容
納期 現在の納期と変更後の納期
成果物・仕様 変更する成果物や仕様の範囲
その他の条項 秘密保持・再委託・責任範囲など変更する条項

例えば「業務を追加する」という変更であれば、業務範囲だけでなく、契約金額、納期、検収方法などにも影響しないか確認します。

一つの条件を変更することで他の条項にも影響する場合があるため、変更する条項だけを見るのではなく、契約書全体との整合性も確認してください。

3.変更をいつから適用するか決める

契約内容を変更するときは、変更後の条件をいつから適用するのかも明確にします。

例えば、8月12日に変更について合意し、新しい料金を9月1日から適用するのであれば、変更契約の締結日と変更内容の適用開始日は異なります。

変更契約の締結日 2026年8月12日
変更後の条件の適用開始日 2026年9月1日

変更契約書や覚書には、「本変更は2026年9月1日から適用する」など、いつから新しい条件へ切り替わるのか分かるようにしておくと認識違いを防ぎやすくなります。

既に実施した業務や過去の期間まで変更内容を適用したい場合には、実際の締結日を過去の日付に書き換えるのではなく、締結日と変更内容の適用日を区別して整理することが重要です。

過去の期間へ契約変更の効力を及ぼすことについては、契約や権利の種類、税務・会計上の処理、第三者との関係などにも影響する可能性があります。判断が難しい場合は弁護士などの専門家へ確認してください。

4.相手方と変更内容について協議する

変更したい内容が整理できたら、相手方へ変更を申し入れます。

「金額を変更したい」「契約期間を延長したい」と伝えるだけではなく、変更する理由、変更前の条件、変更後の条件、適用開始日などを具体的に伝えると協議しやすくなります。

相手方と確認したい項目

  • どの契約を変更するのか
  • どの条項・条件を変更するのか
  • 変更前の内容
  • 変更後の内容
  • 変更を適用する日
  • 変更によって他の条件に影響しないか
  • 変更内容をどの書類で取り交わすか

変更について合意できていない段階で、元の契約と異なる条件で一方的に業務を進めたり、請求金額を変更したりすると、後から認識の違いが生じる可能性があります。

5.変更契約書・覚書を作成する

変更内容について合意したら、その内容を後から確認できるように書面や電子データとして残します。

契約内容の一部を変更するときには、「変更契約書」「契約変更合意書」「覚書」などの名称で書類を作成する方法があります。

書類の名称だけで契約変更の内容が決まるわけではありません。何の契約をどのように変更し、双方が何について合意したのかが分かる内容にすることが重要です。

変更書類に整理しておきたい項目

  • 変更対象となる原契約の名称
  • 原契約の締結日
  • 契約当事者
  • 変更する条項・項目
  • 変更前と変更後の内容
  • 変更後の条件を適用する日
  • 変更しない条項の取扱い
  • 変更契約書と原契約の関係
  • 変更契約の締結日

例えば、一つの条項だけを変更する場合には、「原契約第○条を次の内容に変更する」という形で対象を明確にする方法があります。

「元の契約書のどこが変わったのか」が後から分かる状態にします。
原契約の条項番号、変更する項目、変更後の内容を特定し、変更していない部分まで変更されたように読めないよう整理することが大切です。

変更契約書と覚書のどちらを使う?

契約変更では「変更契約書」と「覚書」のどちらを使えばよいのか迷うことがあります。

実務ではどちらの名称も使用されていますが、重要なのはタイトルではなく、変更対象となる原契約と変更内容が明確になっていることです。

方法 使い方の例
変更契約書 原契約の金額・期間・業務内容などを変更することを明確にしたい場合
覚書 原契約の一部変更や追加事項について双方の合意を記録する場合
新しい契約書 変更箇所が多く、原契約と変更書類を照合すると分かりにくくなる場合

「覚書だから契約書より効力が弱い」と一律に判断するのではなく、実際にどのような合意が記載されているかを確認します。

変更箇所が多い場合は新しい契約書を作る方法もある

契約条件を一部だけ変更するのであれば、変更契約書や覚書で対応しやすくなります。

一方、業務内容、料金、契約期間、責任範囲など多くの条項を変更すると、原契約と複数の変更書類を照らし合わせなければ現在の条件が分からなくなることがあります。

このような場合には、変更後の条件をすべて反映した新しい契約書を作成し、改めて締結する方法も考えられます。

新しい契約書へ切り替える場合は、従来の契約をいつまで適用するのか、新しい契約をいつから適用するのか、従来の契約との関係をどうするのかについて明確にしてください。

6.変更内容を双方で確認して締結する

変更契約書や覚書を作成したら、原契約を締結したときと同様に、双方で最終確認を行います。

  • 原契約の名称・締結日は正しいか
  • 変更する条項は正しく特定されているか
  • 変更後の内容は合意した条件と一致しているか
  • 変更適用日は正しいか
  • 契約当事者に誤りがないか
  • 変更していない条項との矛盾がないか
  • 別紙・仕様書も変更する必要がないか

内容を確認したら、契約内容や当事者間の取り決めに応じて、紙への署名・押印や電子契約などで締結します。

一般的な契約については押印そのものが契約成立の必須要件とは限りませんが、原契約で変更方法が定められている場合や、対象となる契約について法令上特別な方式が必要な場合は、その要件を確認してください。

メールだけで契約内容を変更してもよい?

法令に特別の定めがある場合や、原契約で特定の変更方法を定めている場合を除き、契約変更について必ず特定名称の書類を作成しなければならないとは限りません。

ただし、メールだけで変更を進めると、「どの条件まで変更したのか」「いつから適用するのか」「誰が最終的に合意したのか」が分かりにくくなる場合があります。

特に、金額、契約期間、業務範囲など重要な条件を変更する場合は、変更内容をまとめた変更契約書や覚書などを作成し、双方が確認できる形で残しておくと管理しやすくなります。

一方的に契約内容を変更することはできる?

一方の当事者が変更を希望したというだけで、締結済みの契約条件を自由に変更できるとは限りません。

まず原契約に変更に関する規定があるかを確認し、原則として相手方と変更内容について協議します。

なお、民法第548条の4では、定型約款について一定の要件を満たす場合に、個別に相手方と合意することなく内容を変更できる仕組みが定められています。

ただし、この規定はすべての契約を一方的に変更できるというものではありません。通常の個別契約と定型約款では扱いが異なるため、該当するか分からない場合は専門家への確認を検討してください。

変更契約書や覚書にも収入印紙が必要な場合がある

紙で変更契約書や覚書を作成する場合は、印紙税についても確認が必要です。

国税庁では、「覚書」「念書」などの名称であっても、原契約の内容を変更する文書について、その変更内容に印紙税法上の「重要な事項」が含まれる場合には課税文書となることがあるとしています。

例えば、対象となる契約の種類によっては、契約金額、支払方法、契約期間、請負内容などの変更が印紙税上の重要な事項に該当する場合があります。

「覚書」というタイトルにすれば印紙税がかからない、ということではありません。
印紙税の取扱いは文書の名称だけではなく、元の契約や実際に変更する内容などによって判断されます。

印紙税が必要かどうかや税額は契約書の種類・記載内容によって異なりますので、国税庁の情報を確認し、判断が難しい場合は税務署や税理士などへ確認してください。

7.原契約と変更契約書を一緒に保管する

変更契約を締結したら、変更契約書だけを単独で保管するのではなく、原契約と合わせて確認できるように管理します。

変更契約書だけを見ても、元々どのような契約だったのか分からない場合があるためです。

変更後にまとめて管理したい書類

  • 最初に締結した原契約書
  • 変更契約書・覚書
  • 過去に作成した変更契約書
  • 変更後の仕様書・別紙
  • 契約変更に関連する重要な資料

複数回変更している契約では、変更日順に並べて管理し、「現在の契約条件は何か」を確認できるようにしておくことが重要です。

契約変更で特に注意したいケース

契約金額を変更する場合

金額だけでなく、消費税、支払期限、支払回数、追加費用なども変更されないか確認します。

紙の変更契約書を作成する場合は、印紙税上の取扱いについても確認してください。

契約期間を延長する場合

新しい契約終了日だけでなく、自動更新の有無、解約通知期限、料金などが従来のままでよいか確認します。

国税庁は、印紙税上の一定の基本契約について、契約期間を延長する変更契約書が重要な事項を変更する文書に該当する場合があることを示しています。

業務内容を追加する場合

追加する業務の内容だけでなく、その業務に対する報酬、納期、成果物、検収、責任範囲なども整理します。

契約当事者を変更する場合

会社名や所在地の表記変更と、契約当事者そのものを別の法人・個人へ変更することは同じではありません。

契約上の地位、債権・債務などを別の当事者へ移す場合には、単純な契約書の記載変更だけでは整理できないことがあります。個別の事情に応じて専門家へ確認してください。

契約内容を変更するときのチェックリスト

  • 現在有効な契約書を確認した
  • 過去の変更契約書・覚書も確認した
  • 原契約の変更手続きに関する条項を確認した
  • 変更する項目を特定した
  • 変更前と変更後の条件を整理した
  • 他の条項への影響を確認した
  • 変更後の条件を適用する日を決めた
  • 変更内容について相手方と合意した
  • 変更契約書・覚書などを作成した
  • 双方が同じ最終版を確認した
  • 必要な署名・押印・電子契約などの手続きを行った
  • 紙の場合は印紙税の取扱いを確認した
  • 原契約と変更契約書を一緒に保管した

よくある質問

締結済みの契約書を直接書き換えてもよいですか?

双方が締結済みの契約書について、一方だけが保存している原本や電子データを後から直接書き換えることは避けましょう。

変更する場合は、変更内容について双方で合意し、変更契約書や覚書、新しい契約書などによって何を変更したのか確認できる状態にする方法が分かりやすくなります。

契約変更には覚書を作ればよいですか?

契約の一部変更について覚書を利用することはできますが、「覚書」という名称にしなければならないわけではありません。

変更契約書、契約変更合意書などの名称を使用することもあります。名称よりも、変更する原契約と変更内容が明確になっていることが重要です。

契約金額だけの変更でも書類を作ったほうがよいですか?

金額は重要な契約条件の一つですので、変更前後の金額、適用開始日、支払条件などを後から確認できる形で残しておくことが大切です。

紙で変更契約書などを作成する場合は、印紙税の課税文書に該当する可能性についても確認してください。

相手が契約変更に同意しない場合はどうなりますか?

一方が変更を希望しただけで、現在の契約条件が自動的に新しい条件へ変わるとは限りません。

まず原契約の内容を確認し、相手方と協議します。合意できない場合に契約を終了できるか、どのような手続きが必要かについては、原契約の解約・解除条項などを確認してください。

変更契約書の日付はいつにしますか?

双方が変更内容について契約手続きを行った日と、変更後の条件を適用する日は別になる場合があります。

例えば、8月12日に変更契約を締結し、新しい条件を9月1日から適用することも考えられます。実際の締結日と適用開始日を区別して記載すると分かりやすくなります。

何度も契約を変更している場合はどう管理すればよいですか?

原契約とすべての変更契約書・覚書を時系列で管理し、現在どの条件が適用されているのか確認できるようにします。

変更回数が増えて現在の契約内容が分かりにくくなった場合には、変更後の条件を反映した新しい契約書を作成して整理することも検討できます。その場合は、従来の契約との関係や切替日を明確にしてください。

契約内容を変更する手続きをまとめると

締結済みの契約内容を変更するときは、元の契約書を直接書き換えるのではなく、現在の契約を確認し、変更内容について双方で合意したうえで、その変更を記録として残すことが重要です。

  1. 原契約と過去の変更書類を確認する
  2. 変更する内容と適用日を整理する
  3. 相手方と変更内容を協議する
  4. 変更契約書・覚書などを準備する
  5. 双方で確認して締結する
  6. 原契約と変更書類をまとめて保管する

変更内容が増えるほど契約関係が分かりにくくなります。変更するたびに、何が変わったのか、いつから適用されるのか、現在の契約条件は何かを確認できるようにしておきましょう。

変更契約書・覚書も電子契約で取り交わせる

変更契約書や覚書も、対象となる契約について電子的な方法を利用できる場合は、電子契約によって取り交わすことができます。

マイサイン(mysign)では、PDFの契約書をアップロードして契約相手へ署名を依頼できます。変更契約書や覚書をPDFで作成した場合も、PDFを利用した契約手続きを進めることができます。

マイサインでは、契約完了後の契約書PDFを保管し、署名日時や契約完了日時などの記録を確認できます。

契約変更を電子的に行う場合も、原契約そのものを後から書き換えるのではなく、どの原契約について何を変更したのかが分かる変更書類を作成し、原契約とあわせて確認できるよう管理することが大切です。

今日から使える電子契約サービス
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