契約期間の満了が近づいたときは、そのまま契約を続けるのか、条件を変更して更新するのか、契約を終了するのかを確認する必要があります。
特に自動更新条項がある契約では、何もしなくても次の契約期間へ更新される場合があります。一方、自動更新ではない契約では、更新合意書や新しい契約書を取り交わすなど、改めて更新手続きが必要になることがあります。
契約を更新するときは、現在の契約期間と更新条件を確認したうえで、金額・業務内容・支払条件などをそのまま継続してよいかを見直し、必要な手続きを満了日前に完了させることが重要です。
契約更新の基本的な流れ
- 現在の契約満了日を確認する
- 自動更新・更新方法を確認する
- 現在の契約条件を見直す
- 相手方と更新するか協議する
- 必要に応じて条件変更を合意する
- 更新契約書・覚書・新契約などを締結する
- 更新後の期限・契約情報を登録し直す
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まず契約がどの方法で更新されるか確認する
契約更新の手続きを始めるときは、最初に現在の契約書を確認します。
契約によって、更新方法は異なります。
| 更新方法 | 基本的な進め方 |
|---|---|
| 自動更新 | 契約書で定められた条件を満たすと、原則として新たな締結手続きを行わず次の契約期間へ更新する |
| 双方の合意による更新 | 満了前に双方で更新する意思を確認し、必要に応じて更新合意書等を作成する |
| 新しい契約書で更新 | 現在の契約終了後に、新しい契約期間・条件で契約書を改めて締結する |
| 条件を変更して更新 | 金額・期間・業務内容等の変更について合意し、変更契約書・覚書等を取り交わす |
自動更新条項があるのか、更新時に改めて双方の合意が必要なのかを、現在の契約書から確認することが最初の手順です。
1.現在の契約満了日を確認する
まず、現在の契約期間がいつまでなのか確認します。
確認しておきたい項目
- 契約開始日
- 現在の契約満了日
- 契約期間
- 過去に更新した回数
- 過去の変更契約・覚書
自動更新を何度か繰り返している場合は、最初に締結した契約書に記載されている満了日が、現在の満了日ではないことがあります。
元の契約書だけでなく、その後に締結した変更契約書・覚書や契約管理情報も確認してください。
2.自動更新条項を確認する
契約書に自動更新条項がある場合は、更新の条件を確認します。
自動更新条項で確認したいこと
- 自動更新される契約か
- 更新後の契約期間
- 更新後も同じ条件が継続するか
- 更新しない場合の通知期限
- 更新拒絶の通知方法
- 通知先
例えば、「期間満了日の1か月前までに当事者のいずれからも更新しない旨の通知がない場合は、さらに1年間更新する」といった定めがある場合です。
このような契約では、更新する場合に新しい契約書を作らない運用もあります。
ただし、自動更新されるからといって、契約条件を一度も確認せず更新することは避けた方がよいでしょう。契約金額や業務内容が現在の取引に合っているか、更新前に見直すことが重要です。
3.更新しない場合の通知期限も確認する
今回は契約を更新する予定でも、更新条件を把握するために更新拒絶期限を確認しておきます。
今後契約を終了するときに、この期限が重要になるためです。
確認する内容
- 満了日の何日前・何か月前までに通知するか
- メールで通知できるか
- 書面による通知が必要か
- 通知先として指定された住所・メールアドレス
更新後は次回の満了日と更新拒絶期限を契約管理表などへ登録しておきましょう。
4.契約金額をそのまま継続してよいか確認する
契約更新は、料金や報酬を見直す機会でもあります。
金額について確認する項目
- 現在の契約金額
- 単価
- 税込・税抜の取扱い
- 追加料金の条件
- 実費・交通費等の負担
- これまでの取引量・業務量
契約締結時と比べて業務量が増減している場合は、現在の金額が取引内容に合っているか確認します。
更新に合わせて金額を変更する場合は、双方で新しい金額について合意し、変更内容を確認できる書面・電子データとして残す方法があります。
5.業務内容・契約範囲を見直す
契約開始後の運用によって、実際の業務内容が元の契約書とずれている場合があります。
更新時には、現在の取引内容と契約書を照らし合わせます。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 業務範囲 | 現在実施している業務が契約書の範囲と一致しているか |
| 成果物 | 納品物・提出物に変更がないか |
| 納期 | 現在のスケジュールに合っているか |
| 検収 | 確認・承認方法に変更がないか |
| 追加作業 | 当初契約になかった業務が恒常的に発生していないか |
実際には毎月行っている業務が契約書へ記載されていない場合などは、更新時に契約内容へ反映することを検討しましょう。
6.支払条件を確認する
更新前には、契約金額だけでなく支払条件も見直します。
- 締日
- 請求日
- 支払期限
- 支払方法
- 振込手数料の負担
- 請求書の送付方法
相手方の請求システム変更や社内手続きの変更などにより、実際の運用と契約書が一致しなくなっている場合があります。
更新後も現在の条件をそのまま利用するのか、変更するのかを確認してください。
7.契約期間・更新期間を見直す
これまで1年契約だったからといって、次回も必ず同じ期間にする必要はありません。
双方の取引状況に応じて、更新後の契約期間を確認します。
契約期間について確認したいこと
- 次回も同じ期間でよいか
- 更新後の開始日
- 更新後の満了日
- 自動更新を継続するか
- 更新後の更新拒絶期限
紙で契約期間を延長する書面を新たに作成する場合は、元の契約の種類によって印紙税の取扱いを確認する必要があります。
8.解約・解除条件を見直す
契約更新前には、「契約を続ける条件」だけでなく「契約を終える条件」も確認します。
- 中途解約できるか
- 事前通知期間
- 解約通知の方法
- 契約違反時の解除条件
- 違約金・解約金等の有無
実際に利用する可能性が低い条項でも、更新後に条件が合わないと気づいてからでは変更交渉が難しくなる場合があります。
金額・業務内容・期間・支払・終了条件など、現在の取引に合わなくなっている箇所がないか確認します。
9.担当者・会社情報に変更がないか確認する
契約期間中に、会社名、所在地、代表者、担当部署などが変わっている場合があります。
確認しておきたい情報
- 会社の正式名称
- 所在地
- 代表者
- 契約担当者
- 請求担当者
- メールアドレス
- 契約上の通知先
会社名や所在地だけが変わった場合と、契約当事者そのものが別会社へ変わる場合では手続きが異なります。
契約者自体を変更する場合は、単なる契約更新とは分けて確認してください。
10.相手方と更新する意思を確認する
自動更新ではない契約や、条件を変更したい契約では、満了日前に相手方へ更新意思を確認します。
確認する内容
- 次の期間も契約を継続するか
- 更新後の契約期間
- 変更したい契約条件があるか
- 更新手続きをいつまでに完了するか
- 更新書面をどちらが作成するか
契約満了日の直前になって初めて連絡すると、条件交渉や社内決裁が間に合わないことがあります。
双方の確認に必要な期間を考え、余裕を持って更新協議を始めましょう。
11.変更する条件があれば双方で協議する
更新に合わせて契約金額や業務内容を変更する場合は、変更後の条件について相手方と協議します。
整理しておきたい内容
- 現在の条件
- 変更を希望する条件
- 変更理由
- 変更後の条件
- いつから変更するか
例えば、契約更新日から新しい料金を適用するのであれば、その日付を明確にします。
変更する内容が複数ある場合は、元の契約との比較表などを社内で作成しておくと確認しやすくなります。
12.更新方法を決める
条件が確定したら、どの方法で更新を記録するか決めます。
| 方法 | 向いているケース |
|---|---|
| 自動更新 | 契約書の自動更新条項に従い、同じ条件で継続する |
| 更新合意書・覚書 | 期間延長や一部条件の変更を記録する |
| 変更契約書 | 金額・期間・業務内容等を明確に変更する |
| 新しい契約書 | 変更点が多い、または現在の条件を一つの契約書へ整理したい |
「覚書」「更新契約書」など、書面の名称だけで法的な扱いが決まるわけではありません。
どの契約を、どのような条件で、いつから更新・変更するのかが分かる内容にすることが重要です。
13.契約期間だけ延長する場合
契約内容はそのままで、契約期間だけを延長するケースもあります。
この場合は、少なくとも次の内容を確認します。
- 対象となる元の契約書
- 現在の契約満了日
- 延長後の契約満了日
- その他の条件を変更しないこと
- 次回の更新条件
紙で契約期間を延長する書面を作成する場合、国税庁では、一定の「継続的取引の基本となる契約書」について契約期間の延長が重要な事項の変更となり、第7号文書に該当する場合があることを案内しています。
すべての契約更新書類について同じ印紙税がかかるわけではありませんので、元契約と更新書面の具体的な内容を確認してください。
14.条件を変更して更新する場合
金額・業務内容・支払条件などを変更して更新する場合は、元契約の一部を変更する契約として整理する方法があります。
国税庁では、原契約で定めた重要な事項を変更する変更契約書・覚書などについて、その内容に応じて課税文書に該当する場合があるとしています。
変更書面で明確にしたい内容
- 対象となる元契約の名称
- 元契約の締結日
- 変更する条項
- 変更後の内容
- 変更の適用日
- 変更しない条項の取扱い
元契約と更新・変更書面を合わせて確認すれば、現在の契約条件が分かる状態にしておきましょう。
15.変更点が多い場合は新しい契約書へまとめる
更新のたびに覚書・変更契約書を追加していると、現在の契約内容を確認するために複数の文書を読み合わせる必要が出てきます。
変更点が多い場合は、新しい契約期間と現在の条件をまとめた契約書を改めて締結する方法も検討できます。
新契約へ整理するときの確認事項
- 旧契約をいつまで適用するか
- 新契約をいつから適用するか
- 旧契約と新契約の関係
- 旧契約期間中に発生した権利義務
- 旧契約終了後も存続する条項
古い契約書を削除するのではなく、新旧の契約関係が後から確認できる状態で保管してください。
16.社内の更新承認を行う
更新条件が決まったら、自社の社内ルールに従って必要な承認・決裁を行います。
確認しておきたい事項
- 契約を継続する必要性
- 契約金額
- 予算
- 契約期間
- 取引実績
- 問題・トラブルの有無
- 担当部署
- 契約締結権限
特に契約金額が変更される場合は、元契約時とは異なる決裁が必要になることもあります。
17.必要な契約書・覚書を締結する
双方の条件確認と社内承認が完了したら、必要な更新書面を締結します。
一般的な契約については、法令に特別の定めがある場合を除き、契約成立に書面等の特定の方式を必要としないことが民法第522条で定められています。
ただし、元契約に「契約内容の変更は双方が書面で合意する」といった条項がある場合や、対象となる契約について特別な法令上の方式がある場合は、その条件を確認してください。
締結前に確認すること
- 双方が同じ最終版を確認した
- 更新後の契約期間が正しい
- 変更した金額等が正しい
- 適用日が正しい
- 署名・押印等を行う人が正しい
- 紙の場合は印紙税を確認した
自動更新の場合も更新記録を残す
新しい契約書を締結しない自動更新の場合でも、社内では更新した事実を記録しておくと管理しやすくなります。
記録しておきたい事項
- 自動更新された日
- 新しい契約期間
- 次回満了日
- 次回の更新拒絶期限
- 更新時に条件変更がなかったこと
- 更新を確認した担当者
契約書上は自動更新されていても、契約管理表が古い満了日のままになっていると、次回の更新期限を見落とす原因になります。
18.契約更新後の期限を登録し直す
契約更新が完了したら、契約管理情報を更新します。
| 管理項目 | 更新する内容 |
|---|---|
| 契約開始日 | 更新後の契約期間の開始日 |
| 契約満了日 | 次回の満了日 |
| 更新拒絶期限 | 次回更新しない場合の通知期限 |
| 契約金額 | 変更した場合は新しい金額 |
| 契約条件 | 変更した条件を反映する |
| 関連文書 | 更新契約書・覚書等の保管場所 |
更新後の契約期間を登録するときは、期限当日だけでなく、社内で次回の更新判断を始める日も合わせて設定しておくとよいでしょう。
19.元の契約書と更新書面を一緒に保管する
更新契約書・変更契約書・覚書を作成した場合は、元の契約書と関連付けて保管します。
一緒に保管したい資料
- 最初の契約書
- 過去の更新契約書
- 変更契約書・覚書
- 更新条件を確認したメール
- 社内承認記録
更新するたびに元契約を差し替えるのではなく、契約履歴が分かる状態で管理することが重要です。
契約更新前のチェックリスト
- 現在の契約満了日を確認した
- 自動更新の有無を確認した
- 更新方法を確認した
- 更新拒絶期限を確認した
- 契約金額を見直した
- 業務内容・契約範囲を見直した
- 支払条件を確認した
- 更新後の契約期間を確認した
- 解約・解除条件を確認した
- 会社名・住所・担当者等を確認した
- 相手方の更新意思を確認した
- 変更条件について双方で合意した
- 必要な社内承認を完了した
- 更新書面の最終版を確認した
- 紙で書面を作る場合は印紙税を確認した
- 更新後の満了日・期限を登録する準備をした
よくある質問
契約を更新する場合は新しい契約書が必要ですか?
必ず必要とは限りません。
自動更新条項がある契約では、新しい契約書を作成せず更新されることがあります。一方、双方の合意による更新や条件変更がある場合は、更新合意書・変更契約書・新しい契約書などを作成する方法があります。
自動更新なら何もしなくてよいですか?
契約書上の更新手続きが不要でも、契約条件の見直しと社内の期限管理は行った方がよいでしょう。
更新後の満了日・更新拒絶期限を登録し直し、次回の確認時期を管理してください。
契約更新の確認はいつ始めればよいですか?
契約書で定められた更新拒絶期限より前に、社内で更新可否を判断できる時間を確保して始めます。
料金交渉や社内承認に時間がかかる場合は、満了日の数か月前から確認を始めることも検討してください。
契約期間だけ延長する場合は覚書でよいですか?
契約期間だけを延長する内容を覚書・更新合意書などで記録する方法があります。
重要なのは文書の名称ではなく、どの元契約について、いつまで契約期間を延長するのかを双方で明確にすることです。
契約期間を延長する覚書には収入印紙が必要ですか?
すべての契約で一律ではありません。
国税庁では、第7号文書に該当する継続的取引の基本となる契約書について、契約期間を延長する書面が重要な事項を変更する文書として課税対象となる場合があるとしています。
元契約と更新書面の具体的な内容を確認してください。
更新時に料金を変更したい場合はどうしますか?
相手方と新しい金額について協議し、双方が合意した内容を変更契約書・覚書・新しい契約書などで確認できる状態にします。
変更後の金額だけでなく、いつから適用するのかも明確にしてください。
契約更新時に相手方から条件変更を求められました。受け入れる必要がありますか?
相手方から提案された条件を必ず受け入れなければならないわけではありません。
変更内容を確認し、双方で合意できる条件を協議します。合意できない場合は、現在の契約の更新条件や満了時の取扱いを確認してください。
更新契約書と元の契約書はどちらを保管しますか?
両方を保管します。
更新・変更書面だけでは元の契約内容を確認できない場合があるため、元契約とその後の更新契約書・覚書等を関連付けて管理してください。
契約更新の手続きをまとめると
契約更新では、満了日になってから契約を延長するのではなく、更新方法・期限・現在の契約条件を事前に確認し、必要な変更や社内承認を済ませてから次の契約期間へ移ることが重要です。
- 現在の満了日と更新方法を確認する
- 金額・業務内容・支払条件等を見直す
- 相手方と契約を更新するか確認する
- 変更条件があれば協議する
- 更新合意書・変更契約書・新契約等を必要に応じて締結する
- 元契約と更新書面を一緒に保管する
- 次回の満了日・更新拒絶期限を登録する
自動更新の契約でも、更新のたびに契約内容と取引状況を確認する機会を設けておくと、古い条件のまま契約を継続することを防ぎやすくなります。
契約更新時の書面をオンラインで締結する方法
契約更新に合わせて、期間延長の合意書、変更契約書、新しい契約書などを作成する場合は、双方が同じ最終版を確認して締結することが重要です。
マイサイン(mysign)では、PDFの契約書をアップロードし、契約相手へオンラインで署名を依頼できます。契約相手はマイサインへの会員登録やログインをする必要がなく、受け取った案内からスマートフォンやパソコンで契約内容を確認し、署名・同意できます。
更新時に新しい契約書や変更書面を作成する場合も、元契約との関係、更新後の契約期間、変更する条件を確認したうえで締結し、元の契約書と合わせて管理しましょう。
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