契約期間の満了に合わせて、「次の契約期間も取引は続けるが、料金を変更したい」「業務範囲を見直したい」「支払条件も変更したい」ということがあります。
この場合は、単に契約期間を更新するだけではなく、現在の契約条件と変更後の条件を整理し、相手方と変更内容について合意したうえで、新しい契約期間から適用する条件を明確にすることが重要です。
変更する項目が少なければ変更契約書や覚書で対応する方法があり、変更箇所が多い場合は新しい契約書へまとめ直す方法もあります。このページでは、契約更新と同時に条件を変更するときの確認事項と手続きを順番に解説します。
契約更新と同時に条件変更するときの基本的な流れ
- 現在の契約期間・更新方法を確認する
- 変更したい契約条件を整理する
- 現在の条件と変更後の条件を比較する
- 相手方と更新・条件変更について協議する
- 変更後の条件と適用日を合意する
- 変更契約書・覚書・新契約書などを締結する
- 更新後の契約条件・期限を管理し直す
法的に安心・送信コスト0円・契約相手はログイン不要
マイサイン(mysign)はフリープランでも機能が充実!
契約更新と条件変更は分けて確認する
契約更新と条件変更は、同じタイミングで行うことができますが、確認する内容は分けて考えると分かりやすくなります。
| 手続き | 確認する内容 |
|---|---|
| 契約更新 | 現在の契約を次の契約期間も継続するか、更新後の期間をどうするか |
| 条件変更 | 金額・業務範囲・支払条件など、現在の契約内容をどのように変更するか |
例えば、現在の契約が9月30日で満了し、10月1日からさらに1年間継続すると同時に月額料金を変更する場合は、「契約を1年間更新すること」と「10月1日から新しい料金を適用すること」の両方を明確にします。
更新する期間と変更する契約条件をそれぞれ明確にし、双方が同じ内容を確認してから次の契約期間へ移りましょう。
1.現在の契約期間と更新方法を確認する
最初に、締結済みの契約書から現在の契約期間と更新方法を確認します。
確認しておきたい項目
- 契約開始日
- 現在の契約満了日
- 自動更新の有無
- 更新後の契約期間
- 更新しない場合の通知期限
- 更新時に改めて合意が必要か
- 契約内容を変更する場合の手続き
特に自動更新契約では、何もしなければ同じ条件で次の契約期間へ移る仕組みになっている場合があります。
今回は条件も変更するのであれば、自動更新だけに任せるのではなく、変更する条件について別途双方で確認する必要があります。
2.元の契約書に変更方法の定めがないか確認する
契約書によっては、契約内容を変更するときの方法をあらかじめ定めています。
確認したい条項
- 契約期間
- 自動更新
- 契約変更
- 料金改定
- 書面による合意
- 通知
例えば、「本契約の変更は甲乙が書面で合意した場合に限る」と定めている場合は、その方法に沿って変更手続きを進めます。
また、料金についてあらかじめ改定方法や通知手続きが定められている契約もありますので、変更前に該当条項を確認してください。
3.変更したい契約条件を整理する
次に、契約更新に合わせて何を変更したいのかを具体的に整理します。
更新時に変更されやすい項目
- 契約金額・月額料金
- 単価
- 業務内容・業務範囲
- 成果物
- 支払期限・支払方法
- 契約期間
- 自動更新条件
- 更新拒絶期限
- 中途解約条件
- 担当部署・連絡先
変更する条件を最初に一覧にしておくと、更新書面を作成した後に「料金は変更したが支払期限の変更を入れ忘れた」といった漏れを防ぎやすくなります。
4.現在の条件と変更後の条件を比較する
相手方と協議する前に、「現在どうなっているか」と「更新後どうしたいか」を整理します。
| 項目 | 現在 | 更新後 |
|---|---|---|
| 契約期間 | 現在の契約満了日まで | 新しい契約期間 |
| 契約金額 | 現在の料金・単価 | 変更後の料金・単価 |
| 業務範囲 | 現在の業務内容 | 追加・削除後の業務内容 |
| 支払条件 | 現在の締日・支払日 | 変更後の支払条件 |
| 更新条件 | 現在の自動更新・通知期限 | 更新後に適用する条件 |
このように整理しておけば、相手方にも変更箇所を説明しやすくなり、変更していない条件も確認しやすくなります。
5.変更によって他の条項へ影響しないか確認する
一つの条件を変更すると、関連する別の条項にも影響することがあります。
例えば契約金額を変更すると、支払額だけでなく、違約金、上限金額、追加業務の料金などにも影響する場合があります。
関連して確認したい例
- 契約金額を変更する場合の支払条件
- 業務範囲を増やす場合の納期・報酬
- 契約期間を変更する場合の自動更新日
- 満了日を変更する場合の更新拒絶期限
- 成果物を変更する場合の検収条件
変更する条項だけを抜き出すのではなく、契約書全体を見直して関連する条項がないか確認してください。
6.相手方へ更新と条件変更を提案する
変更したい内容を整理したら、相手方へ契約更新と条件変更について提案します。
相手方へ伝えたい内容
- 次の契約期間も継続したいこと
- 現在の契約満了日
- 更新後の契約期間
- 変更したい契約条件
- 現在の条件
- 変更後の条件
- 変更を適用したい日
料金変更など相手方への影響が大きい内容は、契約満了日の直前ではなく、相手方が検討できる時間を確保して早めに協議を始めることが重要です。
条件変更は双方が合意してから確定する
契約内容の変更は、一方が希望を通知しただけで当然に双方の新しい契約条件になるとは限りません。
一般的な契約では、契約内容を当事者が自由に決めることが民法第521条で認められており、契約は申込みと承諾によって成立することが民法第522条に定められています。
更新後の契約条件についても、双方が何について合意したのかを確認できる状態にしておきましょう。
元契約が同一条件で自動更新する内容であれば、新しい料金等について別途合意を残す方法が分かりやすくなります。
7.変更後の条件を確定する
相手方との協議がまとまったら、最終的な更新条件を確定します。
最終確認する項目
- 更新後の契約開始日
- 更新後の契約満了日
- 新しい契約金額
- 新しい業務範囲
- 新しい支払条件
- その他変更した条件
- 変更しない条件
- 次回の更新方法
条件交渉の途中で複数案が出ている場合は、どの案が最終的に採用されたのかを双方で確認してください。
8.新しい条件をいつから適用するか決める
契約更新と同時に条件変更する場合は、通常、新しい契約期間の開始日から変更後の条件を適用する形が分かりやすいでしょう。
例えば、現在の契約が9月30日までで、10月1日から更新する場合には、10月1日から新しい料金・業務条件を適用する形です。
ただし、双方が別の日から変更することに合意する場合もあります。
適用日に関して確認したいこと
- 旧条件を適用する最終日
- 新条件を適用する開始日
- 変更日前に発生した業務の料金
- 変更日前に請求済みの金額
- 変更日前後をまたぐ業務の扱い
「次回更新から変更する」という表現だけでなく、具体的な適用日を明確にすると認識違いを防ぎやすくなります。
9.更新契約書・変更契約書・覚書のどれにする?
条件が決まったら、どの方法で更新・変更内容を記録するか決めます。
| 方法 | 利用しやすいケース |
|---|---|
| 更新契約書 | 次の契約期間と更新後の条件をまとめて確認する |
| 変更契約書 | 元契約を継続しながら金額・期間等の条項を変更する |
| 覚書・変更合意書 | 変更箇所が少なく、元契約との関係を残したまま一部条件を変更する |
| 新しい契約書 | 変更項目が多く、現在の条件を一つの契約書へ整理し直す |
文書の名称だけで効力の強弱が決まるものではありません。
元の契約書、更新後の契約期間、変更後の条件、双方が合意したことを確認できる内容にすることが重要です。
10.元の契約書を正しく特定する
変更契約書や覚書を利用する場合は、何の契約を更新・変更するのか明確にします。
確認・記載したい項目
- 元契約の名称
- 元契約の締結日
- 契約当事者
- 変更対象となる条項
同じ取引先と複数の契約を締結している場合は、契約書名と締結日などから対象となる契約を区別できるようにしてください。
11.変更前後の条件を明確にする
変更書面では、何が変わったのか後から確認できるようにします。
例えば月額料金を変更する場合は、変更対象となる料金、新しい金額、適用開始日などを明確にします。
料金変更で確認したい項目
- 現在の料金
- 変更後の料金
- 税込・税抜
- 変更日
- 初回の新料金請求時期
業務内容を変更する場合は、新たに追加する業務・削除する業務を具体的に確認します。
12.変更しない条件も確認する
元契約の一部だけを変更する場合は、変更対象以外の条項をどのように扱うかも明確にします。
例えば契約期間と金額だけを変更し、秘密保持・損害賠償・解除などのその他の条項は元契約のまま継続するという整理です。
変更書面に「本書で変更する事項を除き、元契約のその他の内容は引き続き有効とする」といった関係が分かる内容を入れておくと管理しやすくなります。
13.元契約と変更書面の優先関係を明確にする
元契約と更新・変更書面には、同じ事項について異なる条件が記載されることになります。
そのため、今回変更した事項については新しい合意内容を適用することが分かるようにします。
過去にも変更契約書・覚書を作成している場合は、今回の変更によってどの書面のどの条件が置き換わるのかも確認してください。
変更箇所が多い場合は新しい契約書を検討する
契約期間、金額、業務内容、支払条件、解約条件など複数の重要事項をまとめて変更する場合は、変更契約書を追加するよりも、新しい契約書へ現在の条件をまとめ直した方が管理しやすい場合があります。
新しい契約書へまとめることを検討したいケース
- 変更する条項が多い
- 過去の変更契約書・覚書がすでに複数ある
- 現在の契約条件を一つの文書で確認しにくい
- 取引内容そのものが大きく変わる
新しい契約書へ切り替える場合は、旧契約をいつまで適用し、新契約をいつから適用するのかを明確にします。
14.必要な社内承認を行う
更新と同時に条件を変更する場合は、通常の更新よりも社内承認の範囲が広がることがあります。
社内で確認したい事項
- 契約を継続する必要性
- 変更後の契約金額
- 予算への影響
- 変更後の業務範囲
- 新しい契約期間
- 解約・解除条件
- 契約締結権限
特に金額が増額される場合や業務範囲が広がる場合は、元契約と同じ決裁だけでは足りないこともありますので、自社の規程を確認してください。
15.双方で最終版を確認して締結する
更新書面が完成したら、双方が同じ最終版を確認してから締結します。
締結前の最終チェック
- 元契約が正しく特定されている
- 更新後の契約期間が正しい
- 変更後の金額が正しい
- 業務範囲が合意どおりになっている
- 変更の適用日が正しい
- 変更しない条件の扱いが明確になっている
- 契約当事者に誤りがない
修正を何度か行った場合は、古い版を誤って締結しないよう注意してください。
16.紙で変更書面を作る場合は印紙税を確認する
契約更新と同時に条件変更を行う変更契約書・覚書を紙で作成する場合は、印紙税の課税文書に該当するか確認します。
国税庁では、原契約で定めた重要な事項を変更する文書について、文書名が「覚書」「念書」などであっても、変更契約書として課税文書に該当する場合があるとしています。
例えば、契約内容・契約金額・単価・契約期間などは、元の契約書の種類によって印紙税上の重要な事項となる場合があります。
元契約がどの課税文書に該当するか、今回どの条件を変更するのかによって取扱いが異なります。
料金変更の書面は記載方法によって印紙税上の扱いが変わる場合がある
紙の契約書で契約金額や単価を変更するときは、変更前の金額、変更後の金額、増加額・減少額など、書面への記載方法によって印紙税上の記載金額の取扱いが変わる場合があります。
国税庁は、変更前の契約金額等を記載した文書が作成されていることが明らかで、変更契約書に増加額を記載している場合などについて具体的な計算方法を示しています。
自動更新契約についても、更新後の期間に係る月額単価等を変更する契約書について個別の取扱いが示されています。
紙の変更契約書を作成する場合は、元契約・変更内容・記載方法を確認してください。
17.電子契約で更新・条件変更する場合
契約や元契約の変更方法に問題がなければ、更新契約書・変更契約書・覚書を電子的に締結する方法も考えられます。
電子契約の場合も、元契約、更新後の期間、変更前後の条件、適用日を明確にするという基本的な考え方は紙と同じです。
紙で締結した元契約について変更書面だけを電子契約にする場合は、元契約の変更条項が求める方式との関係も確認してください。
18.更新後の契約管理情報を変更する
締結が完了したら、契約管理表やシステムの情報も新しい条件へ更新します。
| 管理項目 | 更新する内容 |
|---|---|
| 契約期間 | 新しい開始日・満了日 |
| 契約金額 | 更新後の料金・単価 |
| 業務内容 | 追加・削除した業務を反映する |
| 支払条件 | 変更後の締日・支払期限等 |
| 更新拒絶期限 | 次回の契約満了日に基づく期限 |
| 関連書類 | 今回の更新契約書・変更書面の保管場所 |
書面だけ更新して契約管理表が旧条件のまま残らないよう注意しましょう。
19.元契約と今回の更新書面を一緒に保管する
変更契約書や覚書で更新した場合は、元の契約書も引き続き保管します。
一緒に管理したい資料
- 元の契約書
- 過去の変更契約書・覚書
- 今回の更新・変更書面
- 条件交渉・合意に関する重要なメール
- 社内承認記録
契約書を確認するときに、どの条件が現在適用されているのか分かるように関連付けて保管してください。
契約更新と条件変更をするときのチェックリスト
- 現在の契約満了日を確認した
- 自動更新・更新方法を確認した
- 元契約の変更方法を確認した
- 変更したい条件を一覧にした
- 現在の条件と変更後の条件を比較した
- 関連する他の条項への影響を確認した
- 相手方へ更新・変更案を提示した
- 変更後の条件について双方が合意した
- 更新後の契約期間を確認した
- 新条件の適用日を確認した
- 変更しない条件の扱いを確認した
- 更新契約書・変更契約書・覚書・新契約のどれにするか決めた
- 必要な社内承認を完了した
- 双方が同じ最終版を確認した
- 紙の場合は印紙税を確認した
- 更新後の契約管理情報を更新した
- 元契約と更新書面を一緒に保管した
よくある質問
契約更新時に料金を変更できますか?
相手方と新しい料金について合意できれば、更新後の契約期間から新しい料金を適用する契約を締結する方法があります。
変更後の料金と適用日を明確にし、変更契約書・覚書・新しい契約書などで確認できる状態にしておきましょう。
自動更新される契約でも料金を変更できますか?
元の契約書が料金変更についてどのように定めているかを確認する必要があります。
同一条件で自動更新する契約について更新後の料金を変える場合は、新しい料金について双方の合意を明確にしておく方法が分かりやすいでしょう。
更新時に条件を変える場合は覚書だけでよいですか?
変更する項目が少ない場合は、元契約との関係を明確にした覚書・変更合意書などを利用する方法があります。
変更点が多い場合は、新しい契約書へ現在の条件をまとめ直す方法も検討してください。
契約期間と料金を同じ覚書で変更できますか?
双方が合意した契約期間と料金の変更を一つの変更契約書・覚書にまとめる方法があります。
どの条項をどのように変更するのか、それぞれの適用日を明確にしてください。
更新後の条件はいつから適用しますか?
新しい契約期間の開始日から新条件を適用する方法が分かりやすいですが、実際の適用日は当事者間の合意によります。
「更新後から」だけではなく、具体的な日付を明確にしておきましょう。
更新書面を締結する前に現在の契約が満了したらどうしますか?
満了後の取引をどのような契約関係で行っているのか確認する必要があります。
過去の日付へ単純に遡って契約書を作成するのではなく、新契約の締結などを含め、実際の取引状況に合った方法を検討してください。
変更契約書には収入印紙が必要ですか?
すべての場合に一律ではありません。
紙で作成する変更契約書・覚書については、元契約の種類と今回変更する重要な事項によって課税文書となる場合があります。
料金を下げる変更契約でも印紙税の確認は必要ですか?
必要です。
国税庁では、契約金額を減少させる変更契約についても、変更前の契約金額等が記載された文書との関係や変更書面の記載内容に応じた取扱いを示しています。
更新契約書を作ったら元の契約書は捨ててもよいですか?
変更契約・覚書によって元契約の一部を変更する場合は、元の契約書も保管します。
元契約と変更書面を合わせて確認することで、現在の契約内容を把握できる状態にしてください。
契約更新と同時に条件変更する流れをまとめると
契約更新と同時に条件を変更するときは、「更新すること」と「どの条件を変更するか」を分けて整理し、次の契約期間から適用する条件について双方が明確に合意することが重要です。
- 現在の契約期間・更新方法を確認する
- 変更する契約条件を整理する
- 現在と変更後の条件を比較する
- 相手方と更新・変更条件を協議する
- 新しい契約期間と条件の適用日を決める
- 変更契約書・覚書・新契約書等を締結する
- 元契約と更新書面を保管し、管理情報を更新する
特に料金や業務範囲を変更する場合は、その項目だけを見るのではなく、支払条件、納期、契約期間、解約条件など関連する条項も合わせて確認しておきましょう。
更新・変更する契約書をオンラインで締結する方法
契約更新と同時に条件を変更する場合も、双方が同じ最終版を確認し、更新後にどの条件を適用するのか明確な記録を残すことが重要です。
マイサイン(mysign)では、PDFの契約書をアップロードし、契約相手へオンラインで署名を依頼できます。契約相手はマイサインへの会員登録やログインをする必要がなく、受け取った案内からスマートフォンやパソコンで契約内容を確認し、署名・同意できます。
更新契約書・変更契約書・覚書などを作成する場合も、元契約の名称・締結日、新しい契約期間、変更後の条件、適用日を確認した最終版を用意し、元契約と関連付けて保管しましょう。
法的に安心・送信コスト0円・契約相手はログイン不要
マイサイン(mysign)はフリープランでも機能が充実!