契約条件の確認が終わり、契約書の内容が確定したら、次は相手方と契約書を取り交わします。
契約書の取り交わし方法には、対面で署名・押印する方法、郵送で契約書を往復させる方法、電子契約を利用してオンラインで締結する方法などがあります。
どの方法を選ぶ場合でも重要なのは、双方が同じ最終版を確認し、誰が契約を締結したのかを確認できる状態にしたうえで、締結済みの契約書を適切に保管することです。
このページでは、契約書を初めて取り交わす方にも分かりやすいように、対面・郵送・電子契約それぞれの基本的な進め方を解説します。
契約書を取り交わす3つの方法
- 対面:契約書を双方で確認し、その場で署名・押印などを行う
- 郵送:一方が契約書を送付し、相手方の手続き後に必要な契約書を返送してもらう
- 電子契約:契約書を電子データで送り、オンラインで署名・同意などを行う
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契約書の「取り交わし」とは?
契約書の取り交わしとは、双方が合意した契約書について署名・押印や電子的な署名・同意などの手続きを行い、締結済みの契約内容を双方が確認できる状態にすることを指して使われることが一般的です。
ただし、契約書を取り交わすことと、法律上の契約成立が必ず同じタイミングになるとは限りません。
民法第522条では、契約内容を示した「申込み」に対して相手方が「承諾」したときに契約が成立することを基本としています。また、法令に特別の定めがある場合を除き、契約成立のために書面の作成など特定の方式をとることは原則として必要とされていません。
対面・郵送・電子契約のどの方法でも、古い契約書や修正前のファイルを使ってしまうと、合意した内容と締結した内容が異なる可能性があります。取り交わし方法を決める前に、締結する契約書を確定させておくことが重要です。
契約書を取り交わす前に準備すること
取り交わし方法にかかわらず、契約書を相手方へ渡す前に基本事項を確認します。
- 契約相手の会社名・氏名に誤りがないか
- 契約条件が最終合意と一致しているか
- 契約金額・支払条件に誤りがないか
- 契約期間・開始日などに誤りがないか
- 別紙・仕様書など必要な資料が揃っているか
- 双方が確認した最終版であるか
- 誰が契約を締結するのか確認したか
- 対面・郵送・電子契約のどの方法で締結するか決めたか
契約条件そのものを詳しく確認したい場合は、契約書を取り交わす手続きへ進む前に内容を確認しておきましょう。
対面で契約書を取り交わす方法
契約相手と直接会う場合は、その場で契約書を確認し、署名・押印などを行って契約書を取り交わす方法があります。
契約内容について疑問点があればその場で確認でき、双方の手続きが終われば契約書をすぐに受け取れることが対面による取り交わしの特徴です。
対面で取り交わす基本的な流れ
- 契約書の最終版を準備する
- 契約相手と締結日時・場所を決める
- 双方で契約内容を最終確認する
- 必要な箇所へ署名・押印などを行う
- 記載漏れがないか双方で確認する
- それぞれが保管する契約書を受け取る
契約書を何通準備するか確認する
紙の契約書について双方がそれぞれ原本を保管する運用であれば、双方が保管できるよう必要な通数を準備します。
例えば、契約当事者が2者で、それぞれが署名・押印等をした原本を1通ずつ保管するのであれば、同じ内容の契約書を2通準備する方法があります。
ただし、契約書を何通作成するかについてすべての契約に共通する一律のルールがあるわけではありません。契約内容や当事者間の取り決めに応じて確認してください。
その場で内容を変更するときは注意する
対面で契約内容を確認している途中に修正が必要になった場合は、修正内容が双方の認識と一致していることを確認してください。
一方の契約書だけを書き換えたり、双方が保管する契約書の内容が異なったりしないようにします。
修正箇所が多い場合には、その場で無理に訂正を続けるのではなく、修正版を作成して改めて取り交わす方法も検討しましょう。
郵送で契約書を取り交わす方法
契約相手と離れた場所にいる場合などは、紙の契約書を郵送して取り交わすことができます。
郵送の場合は、対面とは異なり、一方が契約書を送り、相手方が署名・押印などを行ったあと、必要な契約書を返送する流れになります。
郵送で取り交わす基本的な流れ
- 契約書の最終版を確定する
- 必要な通数を印刷する
- 先に手続きをする側が署名・押印などを行う
- 契約書を相手方へ郵送する
- 相手方が契約内容を確認する
- 相手方が署名・押印などを行う
- 双方の取り決めに従って契約書を返送する
- 受け取った契約書を確認して保管する
どちらが先に署名・押印するかについて一律の決まりがあるわけではありません。契約書を作成した側から送る方法もあれば、相手方から先に手続きをしてもらう場合もあります。
送付する前に、誰が先に手続きを行い、何通送付し、何通を返送してもらうのかを相手方と確認しておくとスムーズです。
返送してもらう契約書を分かりやすくする
2通の契約書を送付して1通を返送してもらう場合は、相手方が何をすればよいか分かるように案内します。
例えば、署名・押印する箇所、返送する通数、返送先などを案内状やメールで伝えておく方法があります。
郵送した契約書の内容が後から分からなくならないよう、送付した最終版のデータや控えを保存しておくと確認しやすくなります。
郵送中の紛失や誤送付にも注意する
契約書には、取引条件や会社情報など重要な情報が含まれている場合があります。
宛先を確認したうえで送付し、契約の重要性や情報の内容に応じて、配送状況を確認できる方法を利用することも検討します。
特に、契約書以外の資料を同封する場合は、別の契約相手へ送る書類が混在していないかも確認してください。
電子契約で契約書を取り交わす方法
電子契約では、紙の契約書を郵送する代わりに、PDFなどの電子データをオンラインで確認し、電子署名やサービス上での署名・同意などによって契約手続きを進めます。
契約相手と離れた場所にいてもオンラインで手続きを進められるため、契約書の印刷や郵送、返送を行わずに締結できることが電子契約の特徴です。
電子契約で取り交わす基本的な流れ
- 契約書の最終版をPDFなどで準備する
- 電子契約サービスへ契約書を登録する
- 契約相手・送信先を設定する
- 署名・同意を依頼する
- 契約相手が契約内容を確認する
- 契約相手が署名・同意などの手続きを行う
- 締結完了を確認する
- 締結済みの電子契約書を保存・管理する
送信前に相手方とメールアドレスを確認する
電子契約では、契約書そのものだけでなく、誰に契約を依頼するのかを正しく設定することが重要です。
送信前には、契約相手の氏名や会社名、メールアドレスなどを確認し、別の相手へ誤って契約書を送信しないようにします。
電子契約でも最終版の確認は必要
電子契約サービスを利用すれば契約内容の確認が不要になるわけではありません。
アップロードする前に、契約条件、当事者名、金額、日付、別紙などを確認し、双方が合意した最終版であることを確認します。
一度送信したあとに誤りへ気付くと、契約手続きを中止して修正版を送り直す必要が生じる場合があります。
対面・郵送・電子契約の違い
3つの方法を比較すると、主な違いは次のようになります。
| 項目 | 対面 | 郵送 | 電子契約 |
|---|---|---|---|
| 契約書 | 紙 | 紙 | 電子データ |
| 相手とのやり取り | 同じ場所で行う | 契約書を郵送する | オンラインで行う |
| 署名等 | その場で署名・押印など | 双方が順番に署名・押印など | 電子署名・オンライン上の署名や同意など |
| 契約書の受け渡し | その場で受け取る | 送付・返送が必要 | オンラインで確認する |
| 保管 | 紙の契約書を保管 | 紙の契約書を保管 | 電子データを保管 |
どの方法が適しているかは、契約相手との距離、契約件数、社内の契約手続き、対象となる契約に求められる方式などによって異なります。
紙の契約書では収入印紙が必要になる場合がある
紙で作成する契約書が印紙税法上の課税文書に該当する場合には、契約書の種類や記載内容などに応じて印紙税が課されることがあります。
すべての契約書に収入印紙が必要というわけではないため、契約書の種類や内容を確認する必要があります。
一方、国税庁は、電子署名を付して電子メールで送信するなど、電磁的記録として作成されたものについて、印紙税の課税対象となる「文書」には含まれないとする質疑応答事例を公表しています。
紙の契約書を別途作成する場合などは、その紙の文書について個別に印紙税の取扱いを確認してください。
契約書の押印は必ず必要?
一般的な契約について、押印がなければ契約が成立しないというわけではありません。
政府の「押印に関するQ&A」でも、特段の定めがある場合を除き、契約に当たり押印をしなくても契約の効力に影響は生じないとする考え方が示されています。
ただし、対象となる契約や手続きについて法令上特別な方式が定められている場合や、当事者間の契約・社内規程などで締結方法が決められている場合があります。
「押印が法律上必須か」という問題と、「誰がどの内容で契約したのかを後から確認できるようにする」という問題は分けて考えることが大切です。
契約書を取り交わした後に確認すること
契約書の取り交わしが終わったら、手続きが完了したことを確認し、契約書を保管します。
紙の契約書の場合
- 必要な署名・押印などが揃っているか
- 双方が保管する契約書の内容が同じか
- 別紙・仕様書などが揃っているか
- 締結済み契約書を所定の場所へ保管したか
電子契約の場合
- 契約手続きが完了しているか
- 締結済みの契約書を確認できるか
- 必要な契約締結記録を確認できるか
- 契約書と関連資料を適切に保管しているか
契約締結後は、契約開始日や終了日、自動更新、解約通知期限なども管理しておくと、契約期間中の確認漏れを防ぎやすくなります。
契約書を取り交わすときのチェックリスト
- 双方が同じ最終版を確認している
- 契約相手の会社名・氏名に誤りがない
- 契約金額・期間・日付などに誤りがない
- 必要な別紙・仕様書が揃っている
- 対面・郵送・電子契約のどの方法で取り交わすか決めた
- 誰が署名・押印などを行うか確認した
- 紙の場合は必要な通数を準備した
- 郵送の場合は送付先・返送方法を確認した
- 電子契約の場合は送信先のメールアドレスを確認した
- 締結済み契約書の保管方法を決めた
よくある質問
契約書はどちらが先に署名・押印しますか?
どちらが先に署名・押印しなければならないという一律のルールがあるわけではありません。
契約書を作成した側が先に手続きをして相手方へ送る場合もあれば、相手方に先に対応してもらう場合もあります。郵送で取り交わす場合は、あらかじめ順番を決めておくとスムーズです。
契約書は必ず2通作らなければなりませんか?
すべての契約について必ず2通作成しなければならないというわけではありません。
2者間の紙の契約で双方が署名・押印等をした原本を1通ずつ保管する場合には、同じ契約書を2通作成する方法があります。実際の通数は契約内容や当事者間の取り決めに応じて確認してください。
契約書をPDFにしてメールで送り合えば電子契約になりますか?
電子データを利用した契約の方法にはさまざまな形があります。
単にPDFをメールで送受信する方法と、電子契約サービスを利用して本人性や契約手続きに関する記録を残す方法は同じではありません。
どのような証拠や記録を残す必要があるかを考え、契約の重要性に応じた方法を選びましょう。
郵送と電子契約のどちらを使えばよい?
一律にどちらが適しているとはいえません。
相手方が電子契約に対応しているか、対象となる契約に特別な方式が定められていないか、自社の契約管理方法と合っているかなどを確認して決めます。
電子契約が利用できない契約はありますか?
契約や取引の種類によっては、法令上、書面の作成・交付その他の方法について個別の要件が設けられている場合があります。
電子契約へ切り替える場合は、対象となる契約について電子的な方法が利用できるか個別に確認してください。判断が難しい場合には、弁護士などの専門家への確認も検討しましょう。
契約書の取り交わし方法をまとめると
契約書は、対面・郵送・電子契約などの方法で取り交わすことができます。
対面ではその場で双方の手続きを行い、郵送では契約書を送付・返送し、電子契約では電子データを使ってオンラインで手続きを進めるという違いがあります。
方法が違っても、契約書を取り交わす前に確認すべき基本事項は共通しています。
- 契約書の最終版を確定する
- 契約相手と締結方法を確認する
- 必要な署名・押印・電子的な手続きを行う
- 締結済みの契約書を双方で確認する
- 契約書と関連資料を適切に保管する
特に郵送や電子契約では、相手方へ送付したあとに内容を変更しにくいため、送信・発送前の最終確認を行ってから手続きを進めることが大切です。
マイサインで契約書をオンラインで取り交わす
紙の契約書を郵送して取り交わしている場合は、電子契約を利用することで、契約書の送付から署名・同意までをオンラインで進めることができます。
マイサイン(mysign)では、PDFの契約書をアップロードし、契約相手へ署名を依頼できます。
契約相手はマイサインへの会員登録やログインをする必要がなく、受け取った案内からスマートフォンやパソコンで契約内容を確認し、署名・同意できます。
郵送の場合に必要だった印刷、封入、発送、返送といったやり取りを減らし、離れた場所にいる契約相手ともオンラインで契約手続きを進めることができます。
電子契約を利用する場合も、送信前には契約相手、メールアドレス、契約書の最終版を確認してから署名依頼を送信しましょう。
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