契約を締結・取り交わす 公開日:2026年8月13日 更新日:2026年8月13日

契約書の契印・割印とは?必要な場面と押し方を解説

契約書の契印・割印とは?必要な場面と押し方を解説

紙の契約書を作成するとき、「契印はどこに押すのか」「割印とは何が違うのか」「契約書が2通ある場合は必要なのか」と迷うことがあります。

一般的な契約実務では、契印は複数ページからなる一つの契約書についてページのつながりを確認しやすくするために行い、割印は複数の文書が互いに関連していることを確認しやすくするために行うものとして使い分けられます。

ただし、「契印」「割印」という呼び方は手続きによって使われ方が異なることがあります。また、一般的な契約について、契印・割印がなければ当然に契約が成立しないというものではありません。

契印・割印を確認するときの基本的な流れ

  1. 契約書が複数ページか確認する
  2. 同じ契約書を複数通作成するか確認する
  3. 契印・割印のどちらが必要か整理する
  4. 使用する印鑑を確認する
  5. 適切な位置へまたがるように押印する
  6. 双方が保管する契約書を確認する
  7. 収入印紙の消印とは区別して管理する
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契印と割印の違い

契印と割印は、どちらも複数の紙や文書にまたがって印鑑を押す方法ですが、一般的な実務上の目的が異なります。

種類 主な目的 主な使用場面
契印 複数ページが一続きの契約書であることを確認しやすくする 複数枚の契約書、袋とじした契約書など
割印 複数の文書が互いに関連するものであることを確認しやすくする 正本と写し、関連する複数の文書など
「1つの契約書のページ同士」なら契印、「別々の文書の関係」を示すなら割印と考えると分かりやすいです。
ただし、公的な手続きでも「契印(割印)」のような表記が使われる場合があります。提出先や契約書の作成要領に指定がある場合は、その方法を優先してください。

契印とは?

契印は、複数枚にわたる契約書について、それぞれのページが一続きの文書であることを確認しやすくするために行う押印です。

文化庁の契約マニュアルでも、契約書が複数枚にわたる場合には、ページがつながっていることが分かるように、各ページにまたがって押印する方法を「契印」と説明しています。

契印を行うことで、契約締結後にページを抜き取ったり、別のページへ差し替えたりした場合に気づきやすくなります。

契印が使われる主な場面

契印は、主に複数ページの紙の契約書で利用されます。

ホチキスで綴じた契約書

複数枚の契約書をホチキスなどで綴じている場合は、ページとページの境目に印影がまたがるように押す方法があります。

例えば、1ページ目と2ページ目を開き、両方のページに印影の一部が残る位置へ押印します。ページ数が多い場合は、各ページのつながりを確認できるように契印します。

袋とじした契約書

契約書を袋とじ・製本している場合は、製本部分と契約書本体の両方へ印影がまたがるように押す方法があります。

この方法であれば、すべてのページの継ぎ目へ押印する代わりに、製本部分が開かれていないことを確認しやすくなります。

契印は必ず必要?

一般的な契約について、契印がなければ契約そのものが成立しないという一律のルールではありません。

契約は、法令に特別の定めがある場合を除き、当事者の申込みと承諾によって成立することが原則です。

契印は、主に契約書のページの連続性を確認し、差し替えなどを防ぎやすくするための実務上の方法として利用されます。

ただし、契約の種類や提出先の手続きによって契印が必要とされる書類もあります。指定された様式・作成方法がある場合は、そのルールを確認してください。

契印の押し方

契印の押し方は、契約書の綴じ方によって異なります。

契約書の状態 一般的な押し方
複数ページを通常どおり綴じる 前後のページに印影がまたがる位置へ押印する
袋とじ・製本する 製本部分と契約書本体にまたがる位置へ押印する

重要なのは、印影を確認することでページや製本部分のつながりを確認できる状態にすることです。

契印は双方が押す?

契約当事者双方が契印する方法もあります。

ただし、一般的な契約書について「必ず双方がすべてのページへ契印しなければならない」という一律の決まりがあるわけではありません。

自社の契約書作成ルールや相手方との取り決めがある場合は、その方法に合わせます。

双方が契印する場合は、どちらの印影か分かるよう、押す位置を少しずらすなどして重ならないようにすると確認しやすくなります。

契印にはどの印鑑を使う?

一般的な契約実務では、契約当事者欄へ押印した印鑑と同じ印鑑を契印にも使用すると、誰の契印なのか分かりやすくなります。

ただし、対象となる契約書や手続きに特別な指定がある場合は、そのルールに従います。

例えば、法務局の一部の登記申請では、申請書の契印について使用する印鑑が具体的に定められています。このような公的手続きと、一般的な私人間の契約書は分けて確認してください。

割印とは?

割印は、2つ以上の文書にまたがって一つの印鑑を押し、その文書同士が関連していることを確認しやすくするための方法です。

例えば、正本とその写しが同じ内容であることを確認する目的で、2つの文書を少し重ね、その境目に印影がまたがるように押印する方法があります。

国税庁の印紙税基本通達でも、写し・副本・謄本等について、正本等と相違ないことなどを契約当事者が証明する例として「正本等との割印」が挙げられています。

割印が使われる主な場面

割印が利用される場面として、例えば次のようなケースがあります。

  • 契約書の正本と写しの関係を示す
  • 複数の関連文書のつながりを確認する
  • 同時に作成した複数の書類の関係を示す
  • 公的な手続きで割印を求められている

ただし、同じ内容の契約書を2通作成した場合に、必ず2通を重ねて割印しなければ契約が成立しないというものではありません。

契約書を2通作るだけなら割印は必須ではない

紙の契約書では、同じ内容の契約書を2通作成し、双方が署名・押印等を行ったうえで1通ずつ保管する方法があります。

この場合、それぞれが締結済みの契約書として作成されているのであれば、2通の境目へ割印をしなければ契約が成立しないというものではありません。

大切なのは、双方が保管する契約書が同じ最終版であり、必要な締結手続きが行われていることです。

契約書を2通作ることと、割印をすることは別の話です。
双方が1通ずつ保管する契約書は、それぞれの内容・署名・押印・印紙税などを確認します。割印を行う場合は、何の関係を示す目的なのかを確認してから行いましょう。

割印の押し方

割印を行う場合は、関係を示したい2つの文書を一部重ねて並べ、その境目に印影がまたがるように押します。

基本的な流れ

  1. 関連付ける文書を確認する
  2. 2つの文書を少し重ねる
  3. 重なった境目を確認する
  4. 両方の文書へ印影が残る位置に押印する
  5. 文書を離して双方に印影の一部が残っていることを確認する

割印を行った後は、どの文書とどの文書を組み合わせた印影なのか確認できる状態になります。

契印と割印を間違えたら契約は無効になる?

一般的な契約について、契印と割印を取り違えたという理由だけで、成立している契約が当然に無効になるわけではありません。

契印・割印は、契約内容そのものを合意するためというより、紙の契約書のページや関連文書の関係を確認しやすくする目的で利用されるものです。

ただし、法令や公的な手続きで特定の押印方法が要求されている書類については、その要件に従う必要があります。

契印・割印と「収入印紙の消印」は別

契印・割印と混同しやすいものに、収入印紙の「消印」があります。

印紙税の課税文書へ収入印紙を貼った場合には、印紙が再使用されないよう、文書と印紙の彩紋にかけて消印を行います。

種類 主な目的
契印 複数ページのつながりを確認しやすくする
割印 複数の文書の関連を確認しやすくする
収入印紙の消印 収入印紙の再使用を防止する

収入印紙に押す印鑑を「割印」と呼ぶこともありますが、印紙税法上は「消印」として扱われます。

国税庁では、印紙の消印について、文書と印紙にかけて判明に消す必要があることを案内しています。

電子契約では契印・割印は必要?

契印・割印は、主に紙の文書についてページや文書同士の関係を確認するための実務です。

電子契約では、紙のページを物理的に差し替えるという考え方とは異なり、電子データそのものや電子署名、締結記録などによって契約書を管理します。

そのため、電子契約のPDFを印刷して、紙の契約書と同じように契印・割印を行うことが通常の電子契約手続きとして必要になるわけではありません。

利用する電子契約サービスで、締結後の文書がどのように記録・管理されるのかを確認してください。

契印・割印を行う前のチェックリスト

  • 契約書が双方で確認した最終版になっている
  • ページ数を確認した
  • ページの抜けがない
  • 契約書が複数ページか確認した
  • 契印が必要な運用か確認した
  • 契印する場合はページのつながりが分かる位置を確認した
  • 関連する複数文書に割印が必要か確認した
  • 割印する文書の組み合わせを確認した
  • 使用する印鑑を確認した
  • 相手方の押印ルールを確認した
  • 公的手続きの場合は指定された方法を確認した
  • 収入印紙の消印と混同していない

よくある質問

契約書が2ページ以上なら必ず契印が必要ですか?

一般的な契約について、契印がなければ契約が成立しないという一律のルールではありません。

一方、ページの差し替えなどを防ぎ、契約書の連続性を確認しやすくするため、複数ページの紙の契約書で契印が利用されます。

契印は全ページに必要ですか?

通常の綴じ方で各ページのつながりを示す場合は、各ページの継ぎ目にまたがるよう契印する方法があります。

袋とじなど製本方法によっては、製本部分と契約書本体にまたがる形で押印する方法もあります。

契印は双方の会社が押しますか?

双方が契印する方法がありますが、一般的な契約書について一律に双方の契印が必須というものではありません。

契約書の作成ルールや相手方との取り決めを確認してください。

契印には実印を使わなければなりませんか?

一般的な契約書について、必ず実印で契印しなければならないという一律のルールはありません。

契約当事者欄へ押印した印鑑と同じものを使用すると確認しやすいですが、公的手続きなどで印鑑が指定されている場合は、そのルールに従います。

契約書を2通作ったら割印が必要ですか?

2通作成したという理由だけで、必ず割印が必要になるわけではありません。

双方が同じ最終版の契約書へ必要な署名・押印等を行い、それぞれ1通ずつ保管する方法があります。

割印はどこに押しますか?

割印を行う場合は、関連付ける2つの文書を一部重ね、両方の文書へ印影がまたがる位置に押す方法があります。

収入印紙に押すものも割印ですか?

一般的に「印紙に割印する」と表現されることがありますが、印紙税法上は収入印紙を再使用できないようにする「消印」です。

契約書同士の関連を確認する割印とは目的が異なります。

電子契約でも契印しなければなりませんか?

紙の契約書で行う契印を、そのまま電子契約にも行う必要があるとは限りません。

電子契約では、利用する仕組みに応じた電子署名や締結記録などによって電子文書を管理します。

契印・割印の違いをまとめると

契印と割印を使い分けるときは、「一つの契約書のページをつなぐのか」「複数の文書同士の関係を示すのか」を確認すると分かりやすくなります。

  1. 契約書が複数ページなら契印の必要性を確認する
  2. 契印はページのつながりが分かるように押す
  3. 複数の関連文書なら割印の必要性を確認する
  4. 割印は複数の文書に印影がまたがるように押す
  5. 公的手続きでは指定された方法を優先する
  6. 収入印紙の消印とは区別する

一般的な契約書では、契印・割印そのものよりも、契約書が最終版であること、必要なページ・別紙が揃っていること、双方が同じ契約内容を確認していることが重要です。

電子契約なら紙の契印・割印は不要になる

紙の契約書では、複数ページの管理や複数文書の関係を確認するため、契印・割印を利用することがあります。

マイサイン(mysign)では、PDFの契約書をアップロードし、契約相手へオンラインで署名を依頼できます。契約相手はマイサインへの会員登録やログインをする必要がなく、受け取った案内からスマートフォンやパソコンで契約内容を確認し、署名・同意できます。

電子契約では紙のページへ物理的な契印・割印を行う手続きとは異なるため、紙の契約書を製本・押印・郵送する作業を減らすことができます。

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